売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E37105 


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当第1四半期累計期間のわが国経済は、雇用や所得環境が改善する下で、緩やかな景気回復が期待されました。一方で、物価上昇、原材料価格の高騰及び円安の進行、海外景気の下振れなどの影響に対して十分に注意を払う必要があります。

 このような環境のもと、当社は「“できっこない”に挑み続ける」ことを掲げ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)全盛期の現在、1対Nの時代から大きく変化した、N対Nの潮流をとらえ、Fan(ファン)+Icon(アイコン)(注)を起源とした完全会員制、完全有料制のファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon(ファニコン)」を提供するファンビジネスプラットフォーム事業と、祖業であるデジタルマーケティング事業の2つの事業を展開しております。

 (注)アーティスト、インフルエンサー、タレント等、ファンコミュニティのオーナーであり、ファンの熱量の対象となるもの

 

 ファンビジネスプラットフォーム事業の市場環境としては、株式会社矢野経済研究所の調査「ファンコミュニティビジネス2022」によると、月額課金型オンラインコミュニティプラットフォームサービス市場規模(会員費取扱高ベース)は、2020年度は24,800百万円(実績)、2021年度は41,500百万円(見込)(前期比167.3%)、2022年度は58,000百万円(前期比139.8%)と予測されております。新型コロナウイルスの影響を受け、オフラインでの活動を制限されたアーティストやクリエイター等が、新たな活動の場としてオンラインによる活動を求める機会が増加したことや、プラットフォーム上で全て一元管理できるサービスが増加し、コミュニティ開設者が芸能活動や創作活動に専念できるようになったことにより、年々市場が大きく成長しております。

 また、当社が想定するファンクラブの市場規模(SAM:Service Available Market)は約1兆6,000億円であり、これは、総務省の「人口推計」と、矢野経済研究所が実施したインターネットアンケート調査「ファンの消費行動」に基づく1人当たりの消費額と潜在層を含めたファン数を基に、当社が想定するファンクラブ市場規模であります。

 

 デジタルマーケティング事業の市場環境としては、株式会社電通の「2023年日本の広告費」によると、2023年のインターネット広告市場は3兆3,330億円、前年比107.8%と引き続き高い成長率で推移し、総広告費に占める媒体構成比は前年比2ポイント増の45.5%に達しており、当社としては今後も同市場は堅調に推移すると予想しております。また、サイバー・バズ/デジタルインファクト調べによる「国内インフルエンサーマーケティングの市場規模推計・予測 2020年-2027年」によると、2023年の国内インフルエンサーマーケティング市場は前年比120.5%の741億円が推計されており、2020年は332億円だったことから、ここ数年で大幅に市場規模が拡大しております。

 

 両事業を合わせた市場規模(TAM:Total Addressable Market)は約6兆8,000億円と試算しており、その内訳は、当社想定のファンクラブ市場規模1兆6,000億円(上述)、ライブ・エンターテインメント市場6,295億円(ライブ・エンターテインメント白書より当社推計。ライブ・エンターテインメント市場規模=音楽コンサートとステージでのパフォーマンスイベントのチケット推計販売額合計と定義)、デジタルコンテンツ市場2兆384億円(経済産業省「コンテンツの世界市場・日本市場の外観」2019年度市場規模より推計。1$=100円で試算。音楽(音楽ダウンロード、音楽ストリーミング、広告)、広告)映像(動画配信(SVOD)、動画配信(TVOD)、VRビデオ、広告(動画共有サイト等)、ゲーム(コンソールゲーム、/PCゲーム(ダウンロード)、モバイルゲーム、VRアプリ、VRゲーム、広告)のデジタルコンテンツ市場の合計と定義)、インターネット広告市場2兆6,870億円(株式会社電通の「2023年日本の広告費」で定義される「インターネット広告媒体費」)となっています。

 

① ファンビジネスプラットフォーム事業

 ファンビジネスプラットフォーム事業は、ファンコミュニティプラットフォーム「Fanicon」の提供及び運営管理を行っております。

 「Fanicon」はアイコンとそのファンが集い、アイコンとしての「価値」を提供したいアイコン側のニーズと、アイコンと「つながりたい」というファン側のニーズをマッチングさせるプラットフォームです。また、従来のファンクラブとは異なり、ファンコミュニティのオーナーであるアイコンと、そこに属するファンが共にコミュニティを盛り上げ、共感したファン同士も繋がることが可能なネットワーク効果のある、アイコンとファンのためのサービスです。

 Faniconの会員(ファン)はすべて有料会員となっており、ファンビジネスプラットフォーム事業の売上高は、会員より受領するサブスクリプションフィーを売上高として計上するストック型のビジネスモデルとなっています。また、昨今はポイント課金型の売上高も伸びており、安定的、継続的な収入が見込まれております。

 会員数を安定的に成長させるためには、新規アイコンの獲得が不可欠です。新規アイコンを獲得するための営業活動は専属チームが継続的に実施しておりますが、一部大型アイコンの獲得に関しては、パートナー企業等の協力を得ており、その結果、コミュニティ開設数は堅調に成長を続けております。

 また、アイコンの解約率は、アイコンに対する季節や個人イベントに応じた施策の提案やファン体験の価値を高めるカスタマーサクセスの実施により、前事業年度に引き続き低水準で推移しております。

 以上の結果、当第1四半期累計期間において当事業の売上高は720,579千円(前年同期比8.3%増)、セグメント損失は44,906千円(前年同期はセグメント損失42,627千円)となりました。

 

② デジタルマーケティング事業

 デジタルマーケティング事業においては、2023年度に起きた従業員の不祥事による業績悪化から着実に立ち直りつつあります。従業員の育成に力を入れ、サービスの品質向上を図ることで、既存顧客からの継続発注を確保しています。同時に、マーケティングとインサイドセールスの活動を積極的に展開することで、国内外を問わず新規顧客の獲得も進めており、その結果、案件数の増加を実現しています。

 この結果、当第1四半期累計期間において当事業の売上高は261,336千円(前年同期比25.3%減)、セグメント損失は40,820千円(前年同期はセグメント損失15,825千円)となりました。

 

 以上の結果、当第1四半期累計期間の売上高は981,916千円(前年同期比3.3%減)、営業損失は85,726千円(前年同期は営業損失58,453千円)、経常損失は83,898千円(前年同期は経常損失70,569千円)、四半期純損失は84,538千円(前年同期は四半期純損失77,923千円)となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当第1四半期会計期間末における資産は、前事業年度末に比べ111,453千円減少し、2,255,776千円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少182,313千円、受取手形及び売掛金の増加37,715千円、貸倒引当金の減少3,262千円、流動資産・その他に含まれる前払費用が26,486千円増加したことによるものであります。

 

(負債)

 当第1四半期会計期間末における負債は、前事業年度末に比べ27,190千円減少し、1,916,545千円となりました。主な要因は、未払金の減少12,128千円、買掛金の減少6,109千円、前受金の減少3,029千円、1年内返済予定の長期借入金が6,240千円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

 当第1四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べ84,262千円減少し、339,230千円となりました。主な要因は、四半期純損失を84,538千円計上したことによるものであります。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した(重要な会計上の見積り)の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

 当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期累計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当第1四半期累計期間において、当社が定めている財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(8)主要な設備

 当第1四半期累計期間に完了した主な設備の新設等はありません。

 また、当第1四半期累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設等の計画はありません。

 

(9)従業員数

 当第1四半期累計期間において、従業員数の著しい増減はありません。

 

(10)生産、受注及び販売の実績

 当第1四半期累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい増減はありません。