E05201 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
(経営成績)
当中間期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加等を背景に景気は緩やかな回復基調で推移しています。一方、米国の関税政策に対する不確実性や、ウクライナや中東の不安定な国際情勢の長期化など、先行きについて不透明な状況が継続しております。
サイバーセキュリティ業界においては、DX推進に伴うクラウドシフトが引き続き進行していることに加え、AIの活用が急速に進んでおり、企業・組織におけるサイバーセキュリティ対策の強化は、経営戦略及び事業継続上欠かせない重要なファクターとなっております。直近では、国内大手の飲料メーカーや物流・EC企業がランサムウェアによるサイバー攻撃を受けたことにより大規模なシステム障害を引き起こしたことで、商品の受注や出荷が停止・遅延するという事態が発生し、その影響がサプライチェーンを形成する他の企業へも連鎖的に影響及ぼしていることが大きく報道されております。相次ぐ大企業へのサイバー攻撃は国民生活や社会経済活動に直結する脅威であることを強く印象づけており、企業・組織におけるサイバーセキュリティ対策の強化は、必須かつ急務となっております。
このような環境の下、当社は、飛躍を図るべく、次代を先取りしたオンリーワン商品の投入と、当社セキュリティ・ノウハウを組み合わせたスマートセキュリティサービスを加速させることに注力しております。また、公共やエンタープライズ向けのITセキュリティ分野に加え、現在活用が進んでいるAI環境におけるセキュリティも含めたグローバルな新潮流を体現した独自のポジショニングの確立を図ります。その上で、経営スローガンである「One Step Ahead of the Game ~ その一手先へ」を掲げて、経営理念を軸とした理念経営を推進していくことで、中長期的な成長基盤を築きます。
当中間期における主な活動内容としては、「アズジェント中長期成長戦略」に基づき、最新セキュリティ商品の投入およびスマートセキュリティサービスの提供に向けたサービスメニューの拡充を継続的に進めてまいりました。
具体的には、修正パッチが未提供の状態でも脆弱性を防御できるCTERソリューション「Vicarius VRX」の販売を4月に開始いたしました。同製品は、6月に開催されたInterop Tokyo 2025において、公式パッチが存在しない状況でも実効性のある脆弱性対策を講じられる点が高く評価され、Best of Show Award セキュリティ(エンタープライズ)部門で準グランプリを受賞いたしました。
さらに、当社が取り扱う次世代型ブラウザセキュリティソリューション「SecureLayer Browser Extension」が、株式会社インターネットイニシアティブ(以下、「IIJ社」)のクラウド型統合エンドポイントセキュリティサービス「IIJセキュアエンドポイントサービス」に採用されました。本ソリューションは、ブラウザ拡張機能として容易に導入できる点が評価され、Webアクセスの可視化・制御を実現するものです。ゼロトラストの考え方に基づき、安全なブラウジング環境を提供する当社製品が、IIJ社を通じて企業や自治体など幅広いお客様のセキュリティ強化に寄与することとなりました。
また、AI環境におけるセキュリティ対策製品など複数の新商材候補についての検討やサービス分野での新メニューの開発を推進しており、これらの新商材・新サービスを含め、マーケットインの視点に立った製品ポジショニングとセールスツールやプロモーション施策の最適化を通じて、顧客への提案力を一層強化し、競争力向上と持続的な成長の実現を目指してまいります。
トピックスとしては、Votiro社(現:Menlo Security Inc.)のファイル無害化ソリューション無害化ソリューションが、メール無害化/ファイル無害化市場において8年連続ベンダー別売上金額シェアNo.1を獲得いたしました。高度化するサイバー攻撃が拡大する中、Votiro社の無害化ソリューションはゼロトラストの考え方に基づき、ファイルの出所を問わずあらゆる経路を経て組織に持ち込まれるすべてのファイルを潜在的リスクとして排除します。特許取得のCDR技術により、埋め込みファイルもリアルタイムに無害化できる点が評価され、自治体情報セキュリティクラウドなどの重要サービスでも採用が進んでいます。
業績につきましては、主にプロダクト関連事業において、受注環境の改善が大きく進展いたしました。Check Point社製品では、過去に導入した案件のリプレイスが順調に推移したことに加え、大規模ネットワークで利用されるハイエンド製品の新規導入も進んだことで、売上の増加を牽引しました。また、VOTIRO社製品やRadware社製品でも大型案件の受注が想定通り取り込むことができたことも寄与しました。その結果、売上高は1,839百万円(前年同期比19.6%増)と、大幅な販売回復を実現できました。
一方、コスト面では、販売促進につなげるための宣伝広告費や営業活動費を強化しつつも、人員体制の見直しによる人件費の最適化や前事業年度末に実施した固定資産の減損処理効果によるトータルコスト削減を図ったことで、販売費及び一般管理費は628百万円(前年同期比3.7%減)と効率化が着実に進展いたしました。その結果、営業利益104百万円(前年同期は84百万円の営業損失)、経常利益106百万円(前年同期は101百万円の経常損失)、中間純利益94百万円(前年同期は101百万円の中間純損失)と、各段階で約200百万円の大幅な利益改善を実現し、黒字転換を果たしました。
上述の通り、第1四半期から続く受注環境の改善に加え、第2四半期においてはCheck Point社製品のリプレイス案件の一部が顧客都合により第3四半期から前倒しされるなど、想定を上回るペースで案件が進展いたしました。その結果、上期累計で増収増益・黒字転換を達成しております。さらに、次世代型ブラウザセキュリティ「SecureLayer Browser Extension」や、DDoS対策需要の高まりを背景に注目を集めるRadware社製品など、新商材も順調に立ち上がりを見せており、下期以降のさらなる成長ドライバーとしての寄与が期待されます。当社はこの好調な流れを確実な成果へと繋げるべく、収益性の向上と中長期的な成長基盤の強化に向けた取り組みを一層加速してまいります。
今後の業績としては、第3四半期では第2四半期への一部案件の前倒し影響があるものの、案件受注が堅調に推移しております。第2四半期終了時点で各段階利益は予想値を大幅に超えておりますが、案件受注が引き続き順調に推移していることを踏まえた具体的な数値見通しを見極めている段階であることから、通期業績予想は保守的に据え置いております。通期における増収増益および黒字転換の達成は勿論のこと、業績伸長に向けた取り組みを引き続き推進してまいります。
なお、当社では事業セグメントをネットワークセキュリティ事業のみとしております。
(財政状態)
当中間会計期間末の総資産額は1,735百万円となり、前事業年度末に比べ164百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が54百万円、工具、器具及び備品が54百万円増加したことなどによるものであります。
負債合計は1,304百万円となり、前事業年度末に比べ70百万円増加しました。これは主に、前受金が97百万円増加したことなどによるものであります。
純資産合計は430百万円となり、前事業年度末に比べ94百万円増加しました。これは主に、中間純利益94百万円の計上があったことなどによるものであります。その結果、自己資本比率は24.8%となり、前事業年度末比で3.4ポイント増加しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は718百万円となり、前事業年度末に比べ、54百万円増加いたしました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は123百万円(前年同期は37百万円の使用)となりました。これは主に、税引前中間純利益の計上106百万円、前受金97百万円の減少があった一方、売上債権40百万円の増加、仕入債務35百万円の減少があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は59百万円(前年同期は35百万円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得に59百万円支出したことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は10百万円(前年同期は0百万円の使用)となりました。これは、短期借入金の返済に10百万円支出したことによるものであります。
(3)事実上及び財務上の対処すべき課題
当中間会計期間において事業上及び財務上において新たに対処すべき課題について発生した事項はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当中間会計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通しについて、重要な変更はありません。