売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05269 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の状況

 当社グループは、2023年4月より報告セグメントの区分を「教育」「スタジオ・コンテンツ」「放送」「技術」「その他」から、以下の理由により、新たに「教育」「メディアコンテンツ」「スタジオ・プロダクション」「放送」「技術」「その他」に変更いたしました。

ⅰ)「スタジオ・コンテンツ」を「メディアコンテンツ」「スタジオ・プロダクション」に分離

ⅱ)投資先であった株式会社ポケットを連結子会社化し、「その他」にゲームパブリッシング事業として帰属

 なお、前第3四半期連結累計期間との比較、分析は、変更後のセグメントの区分に基づいております。

 

 当第3四半期連結累計期間における売上高は、前年同期と比べ666,763千円(6.9%)増加し、10,320,401千円(前年同期は9,653,637千円)となりました。「メディアコンテンツ」「スタジオ・プロダクション」「放送」は減収となりましたが、「教育」「技術」「その他」が増収となったことにより、売上高は増加いたしました。

 営業利益は、844,942千円(前年同期は774,958千円)となりました。「メディアコンテンツ」「その他」が損失を計上し、「スタジオ・プロダクション」「放送」が減益となったものの、「教育」「技術」が増益となったことが全体を牽引し、増益となりました。

 経常利益は、875,540千円(前年同期は808,412千円)となりました。営業利益の増加に加え、為替差益を計上したこと等により、経常利益も増益となりました。

 親会社株主に帰属する四半期純利益は、653,047千円(前年同期は549,493千円)となりました。経常利益が増加したことに加え、前年同期に発生した外国映画の配給事業からの撤退に係る棚卸資産の評価減がないことから、親会社株主に帰属する四半期純利益も増益となりました。

 

 当第3四半期連結累計期間における各セグメントの売上高及び営業損益の概況は、以下のとおりです。

 

①教育

 「教育」セグメントは、「ルネサンス高等学校」「ルネサンス豊田高等学校」「ルネサンス大阪高等学校」の広域通信制高校(ルネサンス高等学校グループ)の運営、日本語研修・日本語教師養成講座を提供する「ルネサンス日本語学院」の運営を行っております。

 売上高は、前年同期と比べ661,096千円(26.2%)増加し、3,185,757千円(前年同期は2,524,660千円)、営業利益は985,467千円(前年同期は789,424千円)となりました。

 ルネサンス高等学校グループの生徒数が8期連続で過去最高を更新したことにより、増収増益となりました。また、新たなキャンパスの開校や既存拠点の拡大により、eスポーツコースの受講生が順調に増加したことも増収増益に寄与いたしました。日本語教育事業は、日本語教師養成講座の受講生は増加しているものの、プロモーション費用等が先行いたしました。

 

②メディアコンテンツ

 「メディアコンテンツ」セグメントは、マルチデバイス向けのコンテンツ配信サービス「クランクイン!ビデオ」 「クランクイン!コミック」やエンタメ・情報サイト「クランクイン!」「クランクイン!トレンド」の企画・運営、映画やテレビドラマ、アニメ等映像作品の権利を買付け、テレビ局への番組放映権の販売や劇場配給、VOD権の販売、DVD/Blu-rayの販売等を行っております。

 売上高は、前年同期と比べ95,675千円(16.7%)減少し、475,881千円(前年同期は571,556千円)、営業損益は134,393千円の損失(前年同期は205,958千円の損失)となりました。

 デジタルメディアサービスはコンテンツ配信サービスが減収となったものの、広告収入が回復したことやコストの抑制効果により、赤字幅が縮小いたしました。コンテンツ販売事業はテレビ向け番組販売が減少いたしました。その結果、「メディアコンテンツ」セグメントは減収となりましたが、営業損失は縮小いたしました。

 

③スタジオ・プロダクション

 「スタジオ・プロダクション」セグメントは、海外の映画及びテレビ作品の日本語字幕・吹替制作、難聴者向け字幕制作、視覚障害者向け音声解説制作、番組宣伝等の制作を行っております。

 売上高は、前年同期と比べ87,791千円(6.1%)減少し、1,359,137千円(前年同期は1,446,929千円)、営業利益は72,546千円(前年同期は131,397千円)となりました。

 日本語字幕・吹替制作は、海外ドラマシリーズ等の売上計上がシリーズ全話納品後の一括計上に変更となり、第1四半期が減収となった影響や、当第3四半期において米国ハリウッドの全米脚本家組合(WGA)や全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキの影響を受けたことにより、減収となりました。また、人件費等のコストが増加いたしました。その結果、「スタジオ・プロダクション」セグメントは、減収減益となりました。

 

④放送

 「放送」セグメントは、釣り専門番組「釣りビジョン」の制作、BS・CS放送及びケーブルテレビ局等あての番組供給事業、マルチデバイス向け動画配信サービス「釣りビジョンVOD」の視聴が可能な「釣りビジョン倶楽部」の提供等を行っております。

 売上高は、前年同期と比べ107,546千円(5.7%)減少し、1,770,719千円(前年同期は1,878,266千円)、営業利益は73,932千円(前年同期は161,048千円)となりました。

 「釣りビジョン倶楽部」の売上は増加したものの、「釣りビジョン」の視聴料収入の減少傾向が続いていることやスポンサー収入が減少した影響を補いきれず減収減益となりました。

 

⑤技術

 「技術」セグメントは、アカマイサービス(CDNサービス、セキュリティサービス)、クラウドソリューション、デジタルシネマサービス、ホテルの客室・会議室へのインターネットサービス、システム開発、及びその他ソリューションサービスの提供を行っております。

 売上高は、前年同期と比べ215,671千円(7.0%)増加し、3,306,436千円(前年同期は3,090,764千円)、営業利益は386,423千円(前年同期は365,451千円)となりました。

 主力のアカマイサービスは既存顧客へのサービス提供の拡大が続いていること等により増収となりました。クラウドソリューションは提携先プラットフォームのサービスが終了したこと等により、赤字幅が拡大いたしました。システム開発は機材販売や保守等が増加し、増収となったことに加え、グループ内の各事業のDX化に貢献しております。その結果、「技術」セグメントは増収増益となりました。

 

⑥その他

 「その他」セグメントは、プロeスポーツチーム「CYCLOPS athlete gaming」の運営やeスポーツ関連イベントの企画・運営、Nintendo Switch向けのゲームソフトやVR専用ソフト等の企画・開発・販売および配信、通信キャリア等の通信商材の拡販が含まれております。なお、第1四半期連結累計期間より(株)ポケットを子会社化し、「その他」セグメントに含めております。

 売上高は、前年同期と比べ81,008千円(57.3%)増加し、222,468千円(前年同期は141,459千円)、営業損益は6,224千円の損失(前年同期は17,026千円の損失)となりました。

 プロeスポーツ推進事業は、事業(賞金・配信収入・スポンサー収入等)が立ち上げ段階であり、大会の出演料は増加したものの、賞金や配信収入が減少したこと等から減収となり、前年同期と同水準の営業損失を計上いたしました。ゲームパブリッシング事業はNintendo Switch向けゲームソフト「うちトレ」を第3四半期にリリースしたこと等により売上を伸ばし、営業利益を計上いたしました。ネットワーク営業は通信商材の代理店契約の終了に伴う清算金を受領いたしました。その結果、「その他」セグメントは増収となり、営業損失が縮小いたしました。

 

(2)財政状態の状況

(イ)資産

 流動資産は、売掛金や仮払金が増加した一方、現金及び預金が減少したこと等により、前期末に比べ58,257千円減少し、7,742,538千円となりました。固定資産は、通信制高校事業の拠点拡大に伴う資産の取得があったことや(株)ポケットの子会社化に伴いのれんが増加したこと等により、前期末に比べ131,612千円増加し、2,279,718千円となりました。これらの結果、総資産は、前期末に比べ73,354千円増加し、10,022,256千円となりました。

 

(ロ)負債

 流動負債は、預り金や未払金が増加した一方、前受金や賞与引当金が減少したこと等により、前期末に比べ367,467千円減少し、3,890,870千円となりました。固定負債は、長期リース債務が増加したこと等により、前期末に比べ12,764千円増加し、252,568千円となりました。これらの結果、負債合計は、前期末に比べ354,703千円減少し、4,143,439千円となりました。

 

(ハ)純資産

 配当金の支払いがあった一方、親会社株主に帰属する四半期純利益653,047千円を計上したこと等により、純資産合計は前期末に比べ428,058千円増加し、5,878,817千円となりました。これにより、自己資本比率は47.4%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ1,219,149千円減少し、4,647,818千円となりました。

 

(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは、プラス124,032千円(前年同期はマイナス133,580千円)となりました。前受金の減少や売上債権の増加があった一方、税金等調整前四半期純利益852,735円を計上したことに加え、預り金が増加したこと等により、営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなりました。

 

(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは、通信制高校事業の拠点拡大に伴う固定資産の取得や、子会社株式の取得に係る支出があったこと等から、マイナス989,071千円(前年同期はマイナス239,638千円)となりました。

 

(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いに加え、リース債務の返済や社債の償還による支出があったこと等から、マイナス364,674千円(前年同期はマイナス345,298千円)となりました。