売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00888 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)比6,516百万円(8.2%)増加して、85,706百万円となりました。流動資産は前期末比2,878百万円(4.7%)増加の64,666百万円、固定資産は前期末比3,637百万円(20.9%)増加の21,040百万円となりました。
 流動資産増加の主な要因は、有価証券が4,998百万円、商品及び製品が425百万円減少したものの、その他が5,749百万円、受取手形及び売掛金が2,015百万円それぞれ前期末より増加したことによるものであります。
 固定資産増加の主な要因は、機械装置及び運搬具が104百万円減少したものの、投資有価証券が3,268百万円、建設仮勘定が324百万円それぞれ増加したことによるものであります。
 当第3四半期連結会計期間末の負債の合計は、前期末比197百万円(1.6%)増加の12,917百万円となりました。流動負債は、前期末比497百万円(4.6%)減少の10,425百万円、固定負債は前期末比694百万円(38.7%)増加の2,491百万円となりました。
 流動負債減少の主な要因は、その他が446百万円、買掛金が151百万円増加したものの、未払法人税等が930百万円、賞与引当金が164百万円それぞれ前期末より減少したことによるものであります。
 固定負債増加の主な要因は、繰延税金負債が713百万円増加したことによるものであります。
 当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前期末比6,318百万円(9.5%)増加して72,789百万円となりました。純資産増加の主な要因は、利益剰余金が当四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により5,658百万円増加した一方、配当金の支払により1,015百万円減少したことや、その他有価証券評価差額金が1,367百万円前期末より増加したことによるものであります。
 この結果、自己資本比率は前期末の81.7%から82.6%となりました。

 

(2) 経営成績の状況

① 事業全体の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが「5類」に変更され行動制限が緩和されたことにより、消費活動の活発化やインバウンド需要の急回復などが見られ、経済活動が緩やかながら回復基調で推移いたしました。一方で世界的な物価上昇に伴う金融引締め等の影響による円安の進行、原材料価格の高騰、高まる地政学リスクの長期化等、景気の先行きが見通しにくい状況であります。

 国内においては物価の大幅な上昇と、外国為替相場では乱高下を繰り返しており先行きの不透明感は更に強まっております。

 当社グループとしましては、新型コロナウイルス感染症を主因とする世界的な経済環境の不安定さと変動リスクの長期化を踏まえ、引き続き高品質で価格競争力のある製品の開発を行うとともに、新規顧客・用途開拓活動の推進により収益の維持・向上を進めているところであります。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、当期より台湾の子会社の業績を組み込んだことに伴い売上高31,994百万円(前年同四半期比2.9%増)、営業利益6,831百万円(前年同四半期比6.2%増)、円安による外貨建預金等の換算替えを行い為替差益を683百万円計上したことにより、経常利益8,074百万円(前年同四半期比1.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,658百万円(前年同四半期比0.7%増)となりました。

 

 ② セグメント情報に記載された区分ごとの状況

・日本

 日本における当第3四半期連結累計期間の外部顧客に対する売上高は30,006百万円(前年同四半期比1.4%減)、セグメント利益(営業利益)は6,594百万円(前年同四半期比2.9%増)となりました。

陰イオン界面活性剤の分野につきましては、海外向けは総じて堅調でしたが、国内繊維分野は染色加工分野では前年並みに推移したものの、短繊維用途は海外品拡大の影響で販売は低調となり、外部顧客に対する売上高は2,701百万円(前年同四半期比7.3%減)となりました。

非イオン界面活性剤の分野につきましては、海外向けは総じて堅調でしたが、国内繊維分野においては昨年好調であったスポ-ツ関連向けは縮小に転じ、カジュアル衣料向けも引き続き低調でした。国内非繊維分野は物価高による生活雑貨類の消費抑制等の影響もあり前年同期を下回る販売となり、外部顧客に対する売上高は18,410百万円(前年同四半期比1.3%減)となりました。

陽・両性イオン界面活性剤の分野につきましては、国内でのシャンプー・家庭用洗剤向けは好調に推移しましたが海外向けは低調となり、外部顧客に対する売上高は627百万円(前年同四半期比11.1%減)となりました。

高分子・無機製品等の分野につきましては、国内繊維分野では産地・用途により差があるものの原料高騰分を価格転嫁することで売上は改善できました。非繊維工業関連では欧州景気悪化の影響を受け需要が縮小した用途もありましたが、自動車メーカーの生産回復に伴い自動車部品向けの出荷が回復基調となり、結果として前年同期を上回る販売となり、外部顧客に対する売上高は8,266百万円(前年同四半期比1.3%増)となりました。

 

・アジア

 アジアにおける当第3四半期連結累計期間の外部顧客に対する売上高は1,987百万円、セグメント利益(営業利益)は233百万円となりました。

  陰イオン界面活性剤の分野におきましては、外部顧客に対する売上高は4百万円となりました。

  非イオン界面活性剤の分野におきましては、外部顧客に対する売上高は399百万円となりました。

  陽・両性イオン界面活性剤の分野におきましては、外部顧客に対する売上高は9百万円となりました。

  高分子・無機製品等の分野におきましては、外部顧客に対する売上高は1,574百万円となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備の新設、改修等に係る投資であります。

これらの必要資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金により賄うことを基本方針としております。

前連結会計年度におきましては、主に日本における本社工場及び静岡工場での設備投資を実施してまいりましたが、当第3四半期連結会計期間以後も継続的にこれらの拠点における設備の新設・更新を行っていく予定であります。

 

(4)  研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は633百万円であります。