売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00881 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年9月30日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行に伴い、経済活動が緩やかに持ち直しつつある一方で、不安定な国際情勢や世界的な資源・エネルギー価格の高騰、円安による物価の上昇等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。

当油脂加工業界におきましては、行動制限の緩和やインバウンド需要の回復等により明るい兆しが見られたものの、各種原材料、エネルギー、物流費等の様々なコストが上昇しており、非常に厳しい経営環境で推移いたしました。
 このような状況のなかで当社グループは、市場ニーズに合わせた新製品の開発を推進するとともに、国内外での展示会への出展や、新事業・商品開発に役立つ情報を発信するWEBサイトを活用しながら効果的な販売促進活動を積極的に展開しました。また、原材料をはじめとした各種コストの上昇に対応するため生産体制の効率化と販売価格の改定を推し進め、収益の確保に努めました。
  この結果、売上高は41,373百万円(前年同期比7.6%増)、営業利益は1,471百万円(前年同期は営業損失1,261百万円)、経常利益は1,619百万円(前年同期は経常損失1,079百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,259百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失754百万円)となりました。

 

セグメントの業績は以下のとおりであります。

 

① 食品事業

食品事業につきましては、コロナ禍からの行動制限が緩和されたことで、外食産業および土産菓子業界等の需要の回復が鮮明となりました。一方、当社の主要販売先である製パン業界をはじめ、即席めん、カレー、製粉関連、スープ等の市場の需要は堅調に推移しましたが、各種コストの上昇や諸物価上昇による消費者の節約志向の高まり等の影響を受けました。

このような状況のなか、国際情勢の変化や為替等の影響により高騰する包材・副原料、ユーティリティ、その他各種コストに対応するため、原材料・資材の見直しや生産改善等の効率化を推し進めるとともに販売価格の改定を行いました。合わせて、既存のマーガリン、ショートニングや粉末油脂等の主力製品はもとより、プラントベース(植物由来)食品市場に向けた製品やラード不足に対応する代替製品、フードロス削減に繋がる製品等、市場ニーズを取り入れた製品の拡販に努めました。また、9月には、一般消費者向け製品「すぐに使える かける本バター」が利便性や汎用性などを評価され、ジャパン・フード・セレクションにおいてグランプリを受賞するなど新たな市場に向けた製品開発にも注力いたしました。

この結果、売上高は28,130百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は710百万円(前年同期は営業損失1,389百万円)となりました。 
  

② 油化事業

工業用油脂製品につきましては、高付加価値グリセリンの拡販に注力し、化粧品用途が好調に推移しましたが、脂肪酸は、中国経済の停滞やタイヤ、塗料等の国内向け需要減少の影響を受けて低調に推移しました。

界面活性剤関連製品につきましては、コロナ禍からの日常生活の正常化に伴い、紙・パルプ分野の家庭紙用薬剤の需要が回復するとともに、香粧品分野の高付加価値シャンプー向け原料基剤「アンホレックス」やクレンジング製品向け原料基剤「Mファインオイル」が好調に推移しました。一方、環境関連分野の飛灰用重金属処理剤は、主要原料の需給ひっ迫の影響を受け低調に推移しました。
  この結果、売上高は12,735百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は726百万円(前年同期比979.7%増)となりました。

 

   また、当第3四半期連結会計期間における財政状態の概況は次のとおりであります。

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ147百万円増の58,816百万円となりました。主な増加は投資有価証券2,404百万円、無形固定資産307百万円であり、主な減少は商品及び製品672百万円、受取手形及び売掛金489百万円、現金及び預金440百万円、機械装置及び運搬具(純額)431百万円であります。

(負債)

負債は、前連結会計年度末に比べ2,451百万円減の31,655百万円となりました。主な減少は支払手形及び買掛金3,485百万円、借入金540百万円であり、主な増加は固定負債のその他774百万円、未払法人税等311百万円であります。

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ2,599百万円増の27,161百万円となりました。主な増加はその他有価証券評価差額金1,671百万円、利益剰余金950百万円であります。

この結果、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は、前連結会計年度末の41.8%から46.1%に増加しました。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は942百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の重要な変更はありません。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当社グループを取り巻く事業環境は、経済・社会活動の正常化が続く一方で、バイオ燃料向けの需要の増加を背景とした油脂原料の需給ひっ迫に加え、各種原材料価格の上昇等が懸念され、今後も大変厳しい状況のもと推移するものと思われます。

このような事業環境において当社グループは、「中期経営計画(2022~2024年)」の2年目として、食品事業においては「これからの時代の『おいしさ』『健康』『食生活の変化』で持続可能な社会を実現する」を、油化事業においては「これからの時代へ、ボタニカルを提唱した技術や製品を創出することで、持続可能な社会を実現する」をミッションとして、次の時代に求められる新製品開発や市場開拓への取り組みを推進し、食品事業、油化事業の成長と発展を目指してまいります。

 

(5) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループの経営陣は収益性の向上を重点課題とし、そのために事業の最適化の実行および付加価値の高い事業領域へのシフト、さらに新規事業の開拓を力強く推し進めてまいります。
  メーカーにとって技術革新が重要であることを認識しつつ、お客様のニーズにお応えする製品やサービスを提供することにより、強固な経営を継続してまいります。