売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当

ROE 自己資本利益率

EPS BPS




E33957 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

 当社グループは、「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future.情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」というビジョンを掲げており、社会に存在する様々なデータを活用することで、多くの企業にイノベーションをもたらし、その結果として、より良い社会を実現することを目指しております。

 

 当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。

 

 当中間連結会計期間(2025年3月1日~2025年8月31日)における我が国の経済環境は、企業収益の改善を背景とする設備投資の底堅さと、賃上げによる所得環境の改善、さらに円安・観光需要の回復を追い風とするインバウンドの拡大により、総じて緩やかな回復基調を維持しました。一方、米国の金利・通商政策や中国景気の減速感、ウクライナおよび中東情勢に起因する為替や輸出入に関する不確実性は、下期以降の景気の下押し要因となっています。

 

 当社グループが属する企業向けIT市場においては、大企業を中心とした積極的なDX(デジタルトランスフォーメーション)投資が継続するなか、中堅・中小企業を含めクラウドサービスは全社規模の導入が進んでいます。併せて、生成AIは試験運用段階から開発支援・コンタクトセンター・文書処理等での実装へと移行し、労働生産性向上や業務モダナイゼーションの主要手段としての位置付けが明確になっています。

 政府・公共分野では、「デジタル行財政改革」の下でクラウド・バイ・デフォルトの原則が改めて示され、デジタル庁主導の「ガバメントクラウド」整備と地方公共団体の基幹業務システムの標準化・共通化が進展しています。これにより、地域間の情報連携や住民サービスの高度化に向けた基盤整備が進展しており、地方創生の観点からもデジタルガバメントの重要性は一層高まっています。

 

 このような環境のもと、企業向けIT市場は、生産性向上や競争力強化のためのデジタル化/デジタルビジネスの取り組みがさらに進展し、2025年は前期比9.7%増と堅調に成長することが見込まれております(注1)。一方、クラウド市場は、クラウド移行が容易なシステムのクラウドマイグレーションのピークは過ぎたものの、レガシーシステムやスクラッチ開発したシステムのクラウドマイグレーションが本格化しています。さらに多くの業務で生成AIの利用拡大が見込まれていることから、クラウド市場は大きく成長すると想定されています。2025年の国内パブリッククラウド市場は前期比20.2%増と非常に高い成長が見込まれております(注2)。

(注)1 IDC Japan, 2025年5月「国内IT市場 産業分野別/従業員規模別/年商規模別/地域別予測、2025年~2029年」(JPJ52157925)TABLE2 国内IT市場 産業分野別 支出額予測、2023年~2029年、企業分野小計

2 IDC Japan, 2025年8月「国内パブリッククラウドサービス市場 産業分野別予測、2025年~2029年」(JPJ53018725)国内パブリッククラウドサービス市場 サービスセグメント(大分類)別 売上額予測、2024年~2029年

 

 このような状況の下、当社グループは企業のDXを推し進めるソリューションの強化を行っており、機能強化や新サービスのリリースを行いました。また、自社だけではなく様々な企業とのエコシステムを構築することによって、ソリューションの価値を高めてまいります。

 

2025年4月

インテリジェントコンテンツ管理プラットフォーム「Box」のAI機能Box AIとBIダッシュボード「MotionBoard」が連携。Box AI機能により、MotionBoard上で翻訳を含めた議事録の確認や、長文コンテンツの要約が行えるほかチャット形式でユーザーが現場で必要な情報の取得が可能。

2025年4月

生成AIを活用したSQLを自動で解析・解説する新機能を「Dr.Sum Copilot」で提供開始。これにより「Dr.Sum Copilot」では自然言語からのSQL生成を行うことに加え、既存のSQLを自動で解析・解説が可能となり業務効率化と属人化の解消に貢献。

2025年7月

株式会社シムトップスと、生産管理現場のリアルなデータと経営指標を連携し、現場と経営をデータでつなぐ生産マネジメント基盤「DIRECTOR Cockpit」の提供を開始。製造現場のスケジュール・進捗・負荷・実績・KPIといったデータをリアルタイムに統合・可視化し、現場から経営までの情報を共有できるマネジメント環境を実現。

2025年8月

「invoiceAgent」において、配信側の管理・取引画面「Transaction Designer」および取引先の帳票確認画面「私書箱」の双方での電子押印や取引先の帳票確認画面「私書箱」上で取引帳票をもとに明細を修正し、デジタル化された帳票の返信が可能となる機能強化を実施。

2025年8月

企業間取引における電子文書の信頼性担保を目的として、デジタルトラストサービス「Trustee(トラスティ)」の提供開始。1,000文書/1秒の日本最速で低コストのタイムスタンプサービスを実現。

 

 また、当社グループでは、製造・物流・ヘルスケア・小売・外食・金融・公共等業界ごとのDX企画部門を組織しており、それぞれの分野での最適なソリューションの提供による顧客のDXを推進する活動を行っております。そして、これらの組織がDX推進に関する業界ごとの課題解決のノウハウを蓄積しており、それらをクラウドサービス化し、より広範な顧客に提供することを目的に活動しております。

 上記のような取り組みにより、今後もクラウドを中心としたビジネスを成長の柱に企業のDXを推し進めてまいります。

 

 当中間連結会計期間(2025年3月1日~2025年8月31日)における売上収益は14,712百万円(前年同期比1.1%減)、営業費用(その他の営業収益を控除後)は、連結子会社取得に伴う人員の増加による人件費や外注費の増加などで10,603百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益は4,108百万円(前年同期比17.2%減)、税引前中間利益は4,144百万円(前年同期比17.0%減)、親会社の所有者に帰属する中間利益は2,938百万円(前年同期比18.3%減)となりました。

 

(単位:百万円)

決算期

2025年2月期

中間期

2026年2月期

中間期

増減

増減率

営業利益

4,964

4,108

△855

△17.2%

減価償却費及び償却費

(注1)

703

747

44

6.3%

EBITDA(注2)

5,667

4,856

△811

△14.3%

(注)1.2020年2月期より、IFRS第16号の適用により、オフィスの賃借契約に係る使用権を使用権資産として認識しており、当該資産に係る減価償却費も併せて計上しておりますが、EBITDA算出におきましては、「減価償却費及び償却費」からは当該使用権資産に係る減価償却費を除いております。

2.EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費

 

 EBITDAは、減価償却費及び償却費が増加したものの、営業利益の減少により4,856百万円(前年同期比14.3%減)と減少しました。

 

 当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。

 

 

・ソリューション区分別売上収益

(単位:百万円)

ソリューション区分

2025年2月期

中間期

2026年2月期

中間期

増減

増減率

帳票・文書管理

ソリューション

SVF

8,301

7,630

△671

△8.1%

invoiceAgent

1,118

1,203

85

7.6%

その他

444

776

332

74.7%

小計

9,864

9,610

△253

△2.6%

データエンパワーメント
ソリューション

Dr.Sum

1,766

1,682

△84

△4.8%

MotionBoard

1,944

1,951

7

0.4%

その他

1,300

1,467

167

12.9%

小計

5,011

5,102

90

1.8%

合計

14,875

14,712

△163

△1.1%

 

(帳票・文書管理ソリューション)

 当ソリューションは、企業の基幹業務に必須である請求書や納品書等の帳票類を設計・運用を行うソフトウェア及びサービスである「SVF」及び電子データの保管や紙文書の電子化を行う「invoiceAgent」が主な構成要素となっております。

 「SVF」は、前年の大型案件の反動で、ライセンス/サービスは前年同期比29.5%減と前年を下回りました。保守については、前年のソフトウェアライセンスが好調に推移したため、前年同期比5.0%増と前年を上回りました。クラウドサービスについては、クラウド上の帳票需要が好調に推移したことに加え、アップセルが進捗したことから、前年同期比25.6%増と好調な結果となりました。この結果、売上収益は7,630百万円(前年同期比8.1%減)となりました。

 「invoiceAgent」は、ソフトウェアライセンスの受注が弱く、ライセンス/サービスは前年同期比44.9%減と前年を大きく下回りました。保守については、堅調に推移し、前年同期比2.8%増と前年を上回りました。クラウドサービスについては、底堅い電子帳票管理需要により、前年同期比14.6%増と前年を大きく上回りました。この結果、売上収益は1,203百万円(前年同期比7.6%増)と前年から大きく成長しました。

 この結果、当ソリューションの売上収益は9,610百万円(前年同期比2.6%減)となりました。

 

 

(データエンパワーメントソリューション)

 当ソリューションは、企業が保有するデータを統合・処理・分析・可視化する事により、業務の効率化や生産性の向上を実現するソフトウェア及びサービスである「Dr.Sum」「MotionBoard」が主な構成要素となっております。

 「Dr.Sum」は、前年が好調であった反動でライセンス/サービスは前年同期比42.7%減と大きく前年を下回りました。保守については、契約獲得が進んだことから、前年同期比4.8%増と堅調に推移しております。クラウドサービスについては、引き続き大企業からの受注が好調に推移し、前年同期比40.2%増と大きく成長しました。この結果、売上収益は1,682百万円(前年同期比4.8%減)となりました。

 「MotionBoard」は、前年が好調であった反動でライセンス/サービスは前年同期比22.0%減と大きく前年を下回りました。保守については、契約獲得が進んだことから、前年同期比6.5%増と堅調に推移しました。クラウドサービスについては、着実に契約社数を積み上げた結果、前年同期比6.0%増と順調に成長しました。この結果、売上収益は1,951百万円(前年同期比0.4%増)となりました。

 この結果、当ソリューションの売上収益は5,102百万円(前年同期比1.8%増)となりました。

 

 また、当社グループが提供するソフトウェア及びサービスについては、ソフトウェアライセンスや導入時のサービス提供等継続的な契約を前提としない取引と、ソフトウェアの保守サポート契約、サブスクリプション契約やクラウドサービスの利用契約のような継続的な契約を前提とした取引により構成されています。継続的な契約を前提とした取引は、導入企業が増加するにつれて年々売上収益が積みあがるリカーリングビジネスと呼ばれる収益モデルであり、これらのビジネスから得られる収益(リカーリングレベニュー)は、当社グループの収益の安定化と継続的な拡大に大きく貢献しております。

 

・契約区分別売上収益

(単位:百万円)

契約区分

2025年2月期

中間期

2026年2月期

中間期

増減

増減率

ライセンス/サービス

6,339

5,074

△1,264

△20.0%

リカーリング

保守

5,372

5,643

271

5.1%

クラウド

2,529

3,119

590

23.3%

サブスクリプション

634

874

239

37.8%

小計

8,535

9,637

1,101

12.9%

合計

14,875

14,712

△163

△1.1%

(注)より詳細な情報につきましては、当社IRサイト(https://ir.wingarc.com/)財務情報ページの最新の「FACT BOOK」をご参照下さい。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当中間連結会計期間末における資産は、71,981百万円(前期末比3,544百万円増)となりました。流動資産は17,043百万円(前期末比780百万円減)、非流動資産は54,937百万円(前期末比4,324百万円増)となりました。流動資産の減少の主な要因は、ライセンスフィーの前払費用などその他の流動資産628百万円の増加があったものの、現金及び現金同等物の減少1,325百万円があったことによるものです。非流動資産の増加の主な要因は、子会社株式取得に伴うのれんの増加2,438百万円、投資有価証券などその他の金融資産の増加2,408百万円があったことによるものであります。

 

 

(負債)

 当中間連結会計期間末における負債は、27,596百万円(前期末比1,006百万円増)となりました。流動負債は15,844百万円(前期末比1,004百万円増)、非流動負債は11,752百万円(前期末比1百万円増)となりました。流動負債の増加の主な要因は、未払法人所得税の減少269百万円があったものの、契約負債の増加1,289百万円があったことによるものです。非流動負債の増加の主な要因は、長期借入金の減少710百万円があったものの、繰延税金負債の増加771百万円があったことによるものであります。

 

(資本)

 当中間連結会計期間末における資本は、44,384百万円(前期末比2,538百万円増)となりました。資本の増加の主な要因は、配当金の支払に伴う利益剰余金の減少2,151百万円があったものの、親会社の所有者に帰属する中間利益の計上に伴う利益剰余金2,938百万円の増加、その他の資本の構成要素1,636百万円の増加、株式報酬取引に伴う自己株式77百万円の減少があったことによるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、13,390百万円(前期末比1,325百万円減)となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は、4,338百万円(前年同期は3,887百万円の獲得)となりました。これは主に、法人所得税の支払額1,418百万円の計上があったものの、税引前中間利益4,144百万円の計上、契約負債の増減額の計上1,229百万円があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は、2,595百万円(前年同期は836百万円の使用)となりました。これは主に、子会社の取得による支出2,266百万円、社内インフラサービス構築などによる無形資産の取得による支出238百万円を計上したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は、3,069百万円(前年同期は2,486百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額2,147百万円、長期借入金の返済による支出737百万円を計上したことによるものであります。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当社グループは、主に企業向けソフトウェア及びサービスの開発に係る研究開発を行っており、市場の拡大や技術の進歩により多様化、高度化し、広汎な範囲にわたる顧客ニーズに応える製品を研究、開発し、提供することを基本方針としております。当中間連結会計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、1,814百万円であります。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況について重要な変更はありません。