E34853 IFRS
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
・経営環境と経営方針について
当中間連結会計期間における我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかに回復したものの、金利・為替の変動や地政学リスクの長期化、物価上昇に伴う消費動向の変化など、先行きが不透明な状況が続いております。
このような環境下、当社グループの主たる事業領域である電子書籍市場は中長期的な成長可能性を維持しておりますが、国内マンガサービス市場は競争激化に伴い、足元では厳しい状況が続き、やや下落基調で推移いたしました。こうした状況に対し、当社グループは、経済産業省が掲げる「エンタメ・クリエイティブ産業戦略 ~コンテンツ産業の海外売上収益20兆円に向けた5ヵ年アクションプラン~」にも示されるように、日本のマンガ・IPが持つ海外市場の可能性に着目し、この巨大なグローバル市場の獲得を最重要課題と位置づけ、成長の軸足を海外へシフトさせるべく、事業を推進してまいりました。
当社グループは、「あらゆる価値を解放し、ココロ震える体験を世界に。」というグループパーパスのもと、自社設計のオリジナルサーバーによる圧倒的なコスト競争力と高速なデータ転送速度及び大手出版社との強固なリレーションと長期運用実績を強みとし、多くのコンテンツホルダーのDX推進パートナーとして、事業領域を拡大してまいりました。
これらの強固な基盤を踏まえ、当中間連結会計期間を、グローバル市場での成長と顧客への提供価値の最大化及び生産性向上という目標達成に向けた収益構造の転換点と位置づけております。この転換を推進するため、グローバル展開の本格化、IPの強化、AIの活用推進を主要戦略としてまいりました。
・事業の取組み状況について
マンガサービス事業におきましては、国内市場が成熟傾向にある厳しい環境認識のもと、国内サービスの収益維持を図りつつ、成長の軸足を海外市場にシフトいたしました。特に海外展開においては、世界最大規模のアニメブランドであるCrunchyroll, LLCと業務提携し、海外向けマンガサービス「Crunchyroll Manga」を北米にて提供を開始いたしました。これは、国内サービスで培った基盤を起点に、強固な海外流通網を通じて、IPコンテンツをグローバルに循環させる海外進出の端緒となるものです。これらの施策が奏功し、当事業全体では四半期ベースで過去最高収益を計上する原動力となりました。
制作事業におきましても、顧客のDX需要を捉えた大型開発案件を継続して受注し、四半期ベースで過去最高収益を記録するなど極めて堅調に推移いたしました。今後の収益性と競争優位性を飛躍的に高めるべく、エンジニアの役割を「AIへの的確な指示とマネジメント」へと変革させることで、AI駆動型の開発体制への移行を推進いたしました。また、自社及び外部のIPコンテンツの海外プラットフォームへの提供を拡大し、将来的な海外市場の成長を収益の柱とするべく注力しております。
マーケティング事業におきましては、重要顧客との取引縮小による影響が継続し、業績は低調に推移いたしました。こうした環境変化に対応するため、今後はグループ全体の成長戦略に足並みをそろえたグローバル市場向けの展開へと事業モデルを再構築し本分野における新たな成長機会の創出と収益性の回復を目指してまいります。
・経営成績について
当中間連結会計期間の経営成績は、売上収益2,285,163千円(前年同期比87.1%)、営業利益56,342千円(前年同期比18.6%)、税引前中間利益51,842千円(前年同期比17.3%)、親会社の所有者に帰属する中間利益4,101千円(前年同期比4.3%)となりました。
売上収益や各段階利益が変動した主な要因は、前述のマーケティング事業における取引縮小の影響によるものであります。しかしながら、こうした状況下においても、国内市場の変化への対応やグローバル展開といった将来の成長に向けた経営基盤強化のための先行投資を実行してまいりました。当社グループは、当期間を将来の飛躍に向けた戦略的基盤構築期間と位置づけ、中長期的な企業価値向上につなげてまいります。
なお、当社グループはインターネットサービス事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。サービス別の状況は、次のとおりであります。
(マンガサービス)
「マンガサービス」は、主にレベニューシェア収益及び月額固定収益(サブスクリプション)で構成されており、ストック型のビジネスモデルとなります。自社設計のオリジナルサーバーを基軸としたデータ配信と、データの適切な蓄積・分析・処理をワンストップで提供するサーバープラットフォームビジネスとして、国内外のユーザーに向けたマンガアプリおよびWebプラットフォームの企画・開発・運営を行っております。自社オリジナルサービスの展開に加え、大手出版社等パートナー企業が運営するマンガサービスのシステム提供・運営支援、ならびにグローバル市場に向けた配信ネットワークの拡大を推進しております。多様化する読者ニーズに応える利便性の高いサービスを提供し、強固な収益基盤の構築を図っております。
当中間連結会計期間においては、国内マンガサービスが伸び悩む一方で、第1四半期より北米にて提供を開始した海外向けマンガサービス「Crunchyroll Manga」が順調に伸長いたしました。
この結果、マンガサービス事業の売上収益は1,350,115千円(前年同期比106.8%)となりました。
(制作)
「制作」は、主としてエンターテインメント領域におけるシステム開発・保守運用サービスや独自性の高いオリジナルマンガ作品やWebtoon(縦読みマンガ)等のデジタルコンテンツ制作で構成されております。AIをはじめとする最新のテクノロジーを制作プロセスに活用して生産性向上を図るとともに、国内外のプラットフォームに向けて質の高いIP(知的財産)を継続的に創出・提供する体制を構築しております。
当中間連結会計期間においては、大型開発案件の受注により開発売上が堅調に推移いたしました。
この結果、制作事業の売上収益は663,085千円(前年同期比99.7%)となりました。
(マーケティング)
「マーケティング」は、WEBマーケティング、Vtuber・ストリーマーを活用したファン共創型マーケティング、自社開発アプリを利用したライフサイクルマーケティングで構成されており、コンテンツの価値を最大化するためのプロモーション支援、データ分析、および関連するソリューションの提供を行っております。当社グループが培ってきた独自のデータ基盤やプロモーションノウハウを活用し、国内外における作品の認知拡大とユーザー獲得を支援することで、グループ全体およびパートナー企業の収益最大化に貢献しております。
当中間連結会計期間においては、特にファン共創型マーケティングの展開縮小により、厳しい状況が続いております。
この結果、マーケティング事業の売上収益は271,962千円(前年同期比39.1%)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における資産合計は5,469,241千円となり、前連結会計年度末と比較して251,636千円の減少となりました。
その主な要因は、貸付金の増加130,528千円、その他の流動資産の減少243,927千円及び現金及び現金同等物の減少230,207千円によるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末における負債合計は2,856,733千円となり、前連結会計年度末と比較して234,725千円の減少となりました。
その主な要因は、借入金(非流動)の増加345,360千円及び借入金(流動)の減少483,667千円によるものであります。
(資本)
当中間連結会計期間末における資本合計は2,612,508千円となり、前連結会計年度末と比較して16,910千円の減少となりました。
その主な要因は、その他の資本の構成要素の減少24,388千円及び利益剰余金の増加4,101千円によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末と比較して230,207千円減少し、1,424,454千円(前連結会計年度末1,654,662千円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において営業活動の結果獲得した資金は196,246千円(前年同期は326,744千円の獲得)となりました。その主な要因は、減価償却費及び償却費の計上140,578千円及び税引前中間利益の計上51,842千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において投資活動の結果支出した資金は210,476千円(前年同期は55,941千円の支出)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出145,361千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において財務活動の結果支出した資金は217,372千円(前年同期は387,880千円の獲得)となりました。その主な要因は、長期借入による収入500,000千円及び長期借入金の返済による支出638,307千円によるものであります。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。