株式会社明光ネットワークジャパン

ブランドなど:明光義塾
サービス業教育プライムTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04981 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績

 当第3四半期連結累計期間(2023年9月1日~2024年5月31日)におけるわが国経済は、足踏みを見せつつも緩やかな回復を見せました。先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で緩やかな回復が続くことが期待される一方で、海外景気の下振れリスク、物価上昇、中東情勢、金融資本市場の変動等の影響も懸念される状況にあります。

 当社グループの属する教育サービス業界におきましては、2023年の出生数が過去最少の75.8万人を記録し、今後さらなる学齢人口の減少が予測される中で、様々な教育制度改革が進められており、教育のデジタル化や、大学入試における総合型・学校推薦型選抜の増加などの構造変化も急速に進行しております。そのような中で、長期的・持続的な企業価値向上を目指し、同業間や異業種とのM&A・アライアンスの動きや、事業再編の流れも加速しており、大きな変革期にあります。

 当社グループはこのような環境の中で、2022年8月期を初年度とする中期3ヶ年計画を策定し、中期経営方針を「ファン・イノベーション“Fan・Fun Innovation”」としました。

 当社は“Purpose”“「やればできる」の記憶をつくる”を起点として“蛻変(ぜいへん)”を繰り返しながら、“人の可能性をひらく”企業グループを目指してまいります。また、FanとFunを繋ぐInnovation(=新結合)により、ファンづくりを推進し、持続的な企業価値の向上と成長を実現します。

 具体的には下記の基本方針のもとで、事業戦略・人事戦略・資本戦略を推進してまいります。

<基本方針>

① Fanをつくる

・DXの推進と明光ブランドの深化と探索により、新たなファンを創出します。

・社会の変化に対応した新しい価値の提案により、まなびのインフラをひろげます。

② Funをつくる

・“わくわく”を通じて満足と信頼に満ちたファン・エンゲージメントを育みます。

・働きがいのある、ウェル・ビーイングな職場づくりを目指します。

③ Innovation(=新結合)をつくる

・常に新しい“め”でみて意識変化し、判断行動します。

・事業収益のさらなる向上のために、事業構造を変革します。

 

<中期経営計画における戦略>

① 事業戦略

・既存事業における新教室フォーマットによる新規開校と、顧客エンゲージメント向上への取り組みを強化してまいります。

・新規事業である人材事業への取り組みを強化することで、教育事業に続く収益の柱を創出し、社会環境の変化に強い事業ポートフォリオへの変革を図ります。

・DX戦略として、「全社デジタルマーケティング機能の実現」と「DXデータプラットフォームの構築」に取り組んでまいります。

② 人事戦略

・イノベーション創出のためのダイバーシティ経営の推進と、働き方改革によるウェル・ビーイングの追求に取り組んでまいります。

③ 資本戦略

・事業基盤の強化・成長投資に必要な自己資本の充実と、株主の皆さまに対する安定的かつ持続的な利益還元を通じて中長期的に企業価値を高めてまいります。

 

 当連結会計年度(2024年8月期)におきましては、中期経営方針である「ファン・イノベーション“Fan・Fun Innovation”」の「その先へ」向かう年度と位置づけました。未来社会に向けて、お客様視点に立ち、「人的資本経営」と「デジタル経営」を実現し、「高い付加価値」を創造してまいります。

 「人的資本経営」につきましては、「従業員の成長こそ当社の成長」と捉え、従業員の「スキルと能力開発」、「リーダー育成とサクセッション」、「DXとCXの推進」、「ダイバーシティ&インクルージョン」、「Well―being」という人的資本投資を通じ、従業員全員が自らの仕事に誇りを持ち、個々の力を発揮することで、人の可能性をひらく企業グループとなり輝く未来を実現してまいります。

 「デジタル経営」につきましては、DXの実行に向けて、DX領域を「攻めのデジタル化(DI:デジタルイノベーション、DX:デジタルトランスフォーメーション)」と「守りのデジタル化(デジタイゼーション、ITインフラ)」に分けて定義を行いました。DX戦略本部の組織体制を見直すことで、QCDS(Quality: 品質、Cost: 費用コスト、Delivery: 納期、Safety: 安全性)をオペレーションDXのKPIとして捉え、オペレーション強化に努めてまいります。また、DX人材を計画的にアサイン・育成するためのリスキリング教育にも取り組んでまいります。

 当第3四半期連結累計期間におきましては、上記の取り組みにより、社会環境の急速な変化に柔軟かつ迅速に対応しながら、「高い付加価値」を創造し、持続的な成長の実現を目指してまいりました。

 また、2024年2月28日開催の取締役会において、児童発達支援事業を展開する株式会社ランウェルネスの発行済株式の全部を取得する決議を行い、2024年2月29日に株式譲渡契約を締結、2024年3月26日付で株式を取得することによって、同社を連結子会社といたしました。なお、みなし取得日を2024年5月31日としているため、当第3四半期連結会計期間末では貸借対照表のみを連結しており、当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結損益計算書及び四半期連結包括利益計算書に被取得企業の業績は含まれておりません。また、同社につきましては、2024年5月31日付で株式会社明光ウェルネスに商号変更を実施しております。

 

 これらの結果、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は15,920百万円(前年同期比6.7%増)、営業利益200百万円(同43.1%減)、経常利益274百万円(同44.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益63百万円(同81.9%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(明光義塾直営事業・明光義塾フランチャイズ事業)

 主力である明光義塾事業(直営事業・フランチャイズ事業)につきましては、前期(2023年8月期)より、全国を5つの地域(北海道東北・関東甲信・東海北陸・近畿・西日本)に分けた「カンパニー制」による運営体制に移行した中で、カンパニー主導により、地域ごとの環境・状況に合わせた「戦略の選択と集中」を直営・フランチャイズが一体となって推進してまいりました。

 中学生指導におきましては、生徒の学力に応じて取り組むべき問題が明確にわかる「明光式特許10段階学習法」を通じて、「授業の質」のアップデートを図るとともに、家庭学習サポートサービス「MEIKO!家スタディ®」を通じて、家庭学習の質と量を確保するための取り組みを推進してまいりました。

 また、生徒・保護者とのコミュニケーションアプリ「明光義塾アプリ塾生証」、ならびに、教室と講師の間のコミュニケーションアプリ「明光義塾アプリ講師証」につきましては、教室への導入フェーズを経て、生徒・保護者のCX(顧客体験価値)向上、教室業務のDX改革による効率化、講師とのエンゲージメント強化などに向けた実行フェーズとして、教室運営の一層の改善を推進しております。

 これらの結果、明光義塾直営事業における当第3四半期連結累計期間の売上高は9,259百万円(当社売上高4,968百万円、連結子会社5社売上高計4,290百万円)(前年同期比4.6%増)、セグメント利益(営業利益)は443百万円(当社営業利益299百万円、連結子会社5社営業利益計143百万円)(同9.7%増)となりました。教室数は487教室(当社直営270教室、連結子会社5社計217教室)、在籍生徒数は28,195名(当社直営16,475名、連結子会社5社計11,720名)となりました。

 また、明光義塾フランチャイズ事業における当第3四半期連結累計期間の売上高は2,975百万円(前年同期比2.6%減)、セグメント利益(営業利益)は747百万円(同14.8%減)、教室数は1,227教室(連結子会社5社除く。)、在籍生徒数は54,518名(連結子会社5社除く。)となりました。

 

(日本語学校事業)

 連結子会社である株式会社早稲田EDU(早稲田EDU日本語学校)及び国際人材開発株式会社(JCLI日本語学校)による日本語学校事業につきましては、「進学教育(大学院・大学・専門学校)」「美術基礎教育」「EJU(日本留学試験)対策」「就職支援(在留資格:技術・人文知識・国際業務、特定技能)」などの強み・特色を活かした学生募集活動・事業運営を進めてまいりました。なお、早稲田EDU日本語学校と比較して、生徒数の回復がやや遅れていたJCLI日本語学校におきましては、2023年10月ならびに2024年4月の入学者数が増加したことにより、大きく改善を見せました。

 これらの結果、日本語学校事業における当第3四半期連結累計期間の校舎数は2校(早稲田EDU日本語学校1校、JCLI日本語学校1校)、在籍生徒数は1,443名(早稲田EDU日本語学校609名、JCLI日本語学校834名)となり、売上高は1,014百万円(前年同期比24.2%増)、セグメント利益(営業利益)は64百万円(前年同期比241.7%増)となりました。

 

(その他)

 自立学習RED事業につきましては、AIタブレットを活用した個別最適化された学習カリキュラムにより、自分から勉強する力を育む自立学習塾として、株式会社スプリックスと緊密に連携を取りながら、直営教室による運営ノウハウの確立と、フランチャイズ教室の増加により、ブランドの価値向上を推進してまいりました。

 これらの結果、自立学習RED事業における当第3四半期連結累計期間の教室数は96教室(当社直営26教室、フランチャイズ70教室)となりました。

 

 キッズ事業(アフタースクール)につきましては、地域への発信を強化し、事業の存在価値を広げていくべく、直営スクール「明光キッズ」のほか、私立小学校等からの運営受託、民間学童クラブ(助成型)、公設民営、フランチャイズ等、様々な運営形態を取りながら、お客様から信頼され満足度の高いスクール運営と質の高いサービス提供に取り組んでまいりました。

 これらの結果、キッズ事業(アフタースクール)における当第3四半期連結累計期間のスクール数は32スクール(直営6スクール、フランチャイズ及び運営受託等26施設)となりました。

 

 明光キッズe事業につきましては、オールイングリッシュの学童保育・プリスクールとして、ロケーション毎の学童保育の需要や幼児英語教育への関心等に対応した取り組みを推進していく中で、不採算スクールのクローズを行いました。

 これらの結果、明光キッズe事業における当第3四半期連結累計期間のスクール数は8スクール(当社直営2スクール、フランチャイズ6スクール)となりました。

 

外務省より受託したEPA(経済連携協定)に基づくベトナム人看護師・介護福祉士候補者に対する訪日前日本語研修事業につきましては、これまでに培った日本語教育・日本文化理解教育の経験を最大限に活用し、質の高い教育の提供を追求してまいりました。

 連結子会社である株式会社明光キャリアパートナーズにつきましては、日本人の新卒・第2新卒に特化した人材紹介事業や、外国人材紹介事業(特定技能人材等)、外国人材向け教育・研修事業を展開してまいりました。加えて、それらのノウハウを活かし、経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の補助対象事業として、一次公募に続き、二次公募の採択企業として選定されております。

 連結子会社であるSimple株式会社による保育士・栄養士の転職支援サービスにつきましては、お客様満足度の高いサービス提供を行いながら、生産性向上に向けた取り組みを推進してまいりました。事業特性上、同社が認可保育園等に紹介する保育士の入職は、新年度4月に売上高計上が集中いたしますが、当第3四半期におきましては計画を下回る結果となりました。

 

 連結子会社であるGo Good株式会社につきましては、デジタルの力で新たな市場を開拓すべく、デジタル広告・動画広告事業やメタバース(3D仮想空間)事業などの展開に加えて、新規事業の企画開発を推進してまいりました。

 連結子会社である株式会社古藤事務所による学校支援事業(入試問題ソリューション)につきましては、業務の質の向上と確実な遂行により、堅調な業況推移となりました。

 

 その他の事業の当第3四半期連結累計期間の業績合計は、上記以外の事業も含めて売上高は2,671百万円(前年同期比21.5%増)、セグメント利益(営業利益)は7百万円(前年同期比39.6%減)となりました。

 

 

<ご参考> 明光義塾教室数、明光義塾在籍生徒数及び明光義塾教室末端売上高等の推移

回次

2023年8月期第3四半期

2024年8月期第3四半期

会計期間

自 2022年9月1日

至 2023年5月31日

自 2023年9月1日

至 2024年5月31日

経営成績他

前年同期

増減比較

経営成績他

前年同期

増減比較

明光義塾(当社直営)教室数

 

233

16

270

37

明光義塾(MAXISエデュケーション)

教室数

 

97

94

△3

明光義塾(ケイライン)教室数

 

41

41

明光義塾(TOMONI)教室数

 

42

42

明光義塾(One link)教室数

 

21

20

△1

明光義塾(クース・コーポレーション)教室数

 

18

20

明光義塾直営教室数計

 

452

21

487

35

明光義塾フランチャイズ教室数

 

1,304

△32

1,227

△77

明光義塾教室数合計

 

1,756

△11

1,714

△42

明光義塾(当社直営)教室在籍生徒数

(名)

14,703

938

16,475

1,772

明光義塾(MAXISエデュケーション)

教室在籍生徒数

(名)

5,778

△19

5,412

△366

明光義塾(ケイライン)教室在籍生徒数

(名)

2,585

△6

2,532

△53

明光義塾(TOMONI)教室在籍生徒数

(名)

1,831

△124

1,862

31

明光義塾(One link)教室在籍生徒数

(名)

776

△35

872

96

明光義塾(クース・コーポレーション)教室在籍生徒数

(名)

966

11

1,042

76

明光義塾直営在籍生徒数計

(名)

26,639

765

28,195

1,556

明光義塾フランチャイズ教室在籍生徒数

(名)

57,045

△3,610

54,518

△2,527

明光義塾在籍生徒数合計

(名)

83,684

△2,845

82,713

△971

明光義塾直営事業売上高

(百万円)

8,852

366

9,259

406

明光義塾フランチャイズ事業売上高

(百万円)※1

3,055

△174

2,975

△80

日本語学校事業売上高

(百万円)

816

264

1,014

197

その他の事業売上高

(百万円)

2,199

584

2,671

472

売上高合計

(百万円)

14,924

1,040

15,920

996

明光義塾直営教室売上高

(百万円)

8,852

366

9,259

406

明光義塾フランチャイズ教室末端売上高

(百万円)

16,378

△995

15,766

△612

明光義塾教室末端売上高合計

(百万円)※2

25,231

△628

25,025

△205

※1 明光義塾フランチャイズ事業売上高は、ロイヤルティ収入及び商品売上高等を記載しております。

2 明光義塾教室末端売上高合計は、直営教室の授業料、教材費、テスト料等の全売上高と、フランチャイズ教室の授業料等の売上高を合計したものであり、フランチャイズ教室の教材費、テスト料等の売上高は含んでおりません。

 

② 財政状態

(流動資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は、前連結会計年度末と比較して1,141百万円減少(11.0%減)し9,279百万円となりました。これは主に、現金及び預金が1,185百万円減少したことによります。

 

(固定資産)

 当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は、前連結会計年度末と比較して498百万円増加(9.2%増)し5,888百万円となりました。これは主に、のれん及び投資有価証券がそれぞれ254百万円及び92百万円増加したことによります。

 

(流動負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は、前連結会計年度末と比較して26百万円増加(0.7%増)し3,786百万円となりました。これは主に、預り金、賞与引当金及び契約負債がそれぞれ39百万円、177百万円及び50百万円増加した一方、未払費用が247百万円減少したことによります。

 

(固定負債)

 当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は、前連結会計年度末と比較して52百万円増加(6.2%増)し900百万円となりました。これは主に、資産除去債務が35百万円増加したことによります。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比較して722百万円減少(6.5%減)し10,480百万円となりました。これは主に、利益剰余金が849百万円減少した一方、その他有価証券評価差額金が116百万円増加したことによります。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(6)従業員数

 当第3四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。

 

(7)生産、受注及び販売の実績

 当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい増減はありません。

 

(8)主要な設備

 当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい増減はありません。