売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04999 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

 当第1四半期連結累計期間(2024年1月1日~2024年3月31日) における世界経済は、世界的に金融政策の動向が注目される中、それに伴う為替変動や、地政学的リスクの長期化影響による燃料輸入価格の上昇等の不透明感もあり、景気の先行きが懸念されるなか推移いたしました。

 情報産業につきましては、2024年の世界におけるIT支出額において想定以上のスピードで台頭した生成AIの導入などによる改革疲れなどを背景に伸長がやや鈍化し昨年対比6.8%増の5兆ドルと見込まれています。

 セキュリティ業界におきましては、引き続き国家機関等を狙ったサイバー攻撃、企業の機密情報の漏洩の被害、暗号資産の流出等をはじめとする特定の企業や組織を狙う標的型攻撃や、ランサムウェア等のサイバー攻撃が目立った他、生成AIが及ぼす影響も懸念される中で一層セキュリティ意識が問われる風潮が高まっております。

 このような環境下、当社グループの経営状況は、以下のようなものでありました。

 

 日本地域につきましては、法人向けビジネスは当社の統合セキュリティプラットフォーム:Trend Vision One™(以下、Vision One)を背景にSOCオペレーションセキュリティが大きく伸長しました。ITインフラセキュリティは低調だったものの、クラウドオペレーションセキュリティが同地域の売上に大きく貢献しました。個人向けビジネスは携帯電話ショップでの販売は成長継続しましたがPC向けセキュリティは低調でした。その結果、同地域の売上高は21,361百万円(前年同期比2.1%増)と増収となりました。

 アメリカズ地域につきましては、企業向けビジネスにおいてSOCオペレーションセキュリティが全地域で最も伸長し、マネージドサービスも好調でした。一方、クラウドオペレーションは低調でした。また円安の影響もありましたが、昨年同期に計上した過年度過少売上調整の反動もありました。その結果、同地域の売上高は14,388百万円(前年同期比7.0%増) と増収となりました。

 欧州地域につきましては、ITインフラオペレーションセキュリティは振るわなかったものの、SOCオペレーションセキュリティが大幅な伸長を見せ同地域の売上を牽引した他、マネージドサービスも好調でした。加えて円安の影響もあり、その結果、同地域の売上高は13,679百万円(前年同期比24.2%増)と二桁増収となり、全地域において最も高く伸長しました。

 アジア・パシフィック地域につきましては企業向けビジネス全般においてITインフラセキュリティが大きく貢献した他、SOCオペレーションセキュリティやマネージドサービスも伸長しました。地域的にはオーストラリア、中東、台湾が同地域の売上を牽引しました。加えて円安の影響も受け、その結果、同地域の売上高は16,501百万円(前年同期比23.8%増)と二桁増収となりました。

 その結果、当社グループ全体の当第1四半期連結累計期間における売上高は65,931百万円(前年同期比12.3%増)と全地域で増収となりました。

 

 一方費用につきましては、円安影響も大きく受けた人件費やSaaSビジネス拡大に伴うクラウド利用コストの増加等により、売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計費用は53,803百万円(前年同期比9.5%増)と増加し、当第1四半期連結累計期間の営業利益は12,127百万円(前年同期比27.0%増)と増益となりました。

 

 当第1四半期連結累計期間の経常利益は為替差益があったこと等により13,664 百万円(前年同期比52.2%増)の大幅な増益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は持分変動利益があったこと等により、10,754百万円(前年同期比68.7%増)の大幅な増益となりました。

 

 当社が重要な経営指標として意識しているPre-GAAP(繰延収益考慮前売上高)ベースの営業利益11,652百万円となり、前年同期に比べ2,837百万円増加(前年同期比32.2%増)となりました。これは二桁成長したPre-GAAPが円安影響で増加した人件費やSaaSビジネス拡大に伴うクラウド利用コストの増加などによる売上原価並びに販売費及び一般管理費の合計費用の増加以上に大きかったことによるものです。

 

 

(2)財政状態の分析

 当第1四半期連結会計期間末の現金及び預金の残高は154,203百万円となり、前連結会計年度末に比べ93,653百万円減少いたしました。

 主に現金及び預金が大幅に減少したことに加え、受取手形、売掛金及び契約資産も大きく減少したこと等により、当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ95,642百万円減少の396,985百万円となりました。
 当第1四半期連結会計期間末の負債は、繰延収益の増加等により前連結会計年度末に比べ1,449百万円増加の279,654百万円となりました。
 当第1四半期連結会計期間末の純資産は主に大幅な株主還元を目的とした配当金の支払いによる利益剰余金の大幅な減少と自己株式の取得による自己株式の大幅な増加等により、前連結会計年度末に比べ97,092百万円減少の117,331百万円となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間と比較して3,176百万円支出が増加して16,304百万円のプラスとなりました。これは主に、法人税等の支払額の増加によるものです。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間と比較して、4,803百万円収入が減少して5,374百万円のマイナスとなりました。これは主に、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入の減少によるものです。

 また、財務活動によるキャッシュ・フローは、前第1四半期連結累計期間と比較して、78,306百万円支出が増加して106,892百万円のマイナスとなりました。これは主に、配当金の支払額が増加したことなどによるものであります。
 これらの増減に現金及び現金同等物に係る換算差額を加えた結果、当第1四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物の残高は169,122百万円となり、前連結会計年度末に比べて92,143百万円減少しました。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、1,944百万円であります。