売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05161 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。

(1) 経営成績

当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたこと等により、緩やかな回復の兆しがみられる一方で、ウクライナ情勢の長期化や、原材料価格の高騰による物価上昇等、経済の先行きに係る不確実性は依然として高い状況が続いております。

当社グループは、「善いものを生みだし続ける」を経営理念に定め、既にビジネスモデルの確立した事業を堅実かつ安定的に成長させると同時に、ここで獲得した資金を原資に継続的に新規事業領域への投資を行うことで、企業体の存続と新規ビジネスモデルの生成を永続的に両立させることを経営方針としており、引き続きコーポレートDX、画像解析・AI、ライフスタイルDX、ブレインテック・DTx及びベンチャーインキュベーションの5つの事業領域をターゲットにビジネス展開を行っております。

働き方改革及びテレワークの浸透並びに業務プロセスの効率化等のDXの推進によりITサービスの需要は堅調に拡大しております。当社グループは、これらの状況を踏まえた上で、新たな市場トレンドに対応した成長市場向けサービス強化と新規ビジネス拡大を進めております。また、社内体制整備の側面においても、働き方改革及びテレワークの社会的普及のトレンドを先取る形で首都圏在住にこだわらない流動的かつ機動的なエンジニア確保のスキーム構築を進めており、一定の成果が表れております。

当第2四半期連結累計期間においては、「コーポレートDX」ビジネスユニットにおいて、国内の法人クライアントに対するシステムコンサルティング業務による売上を計上しました。「画像解析・AI」ビジネスユニットにおいては、スマートフォン向け無料提供アプリ「バーコードリーダー/アイコニット」を中心に、主にスマートフォン向け広告収入による売上を計上しました。「ライフスタイルDX」ビジネスユニットにおいては、当社オンラインプラットフォーム「マイクラス」による売上のほか、スマートフォン向けゲーム等各種情報サービスによる売上を計上しました。「ブレインテック・DTx」ビジネスユニットにおいては、DTx、認知機能チェック、医療SI及びNFBエンジン提供等の各種領域で研究開発及び新規事業構築活動を行っております。「ベンチャーインキュベーション」ビジネスユニットにおいては、有望なスタートアップ企業、各種ベンチャー企業に対するインキュベーションサービスに伴う活動を実施しました。

その結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、479,698千円(前年同期比13.8%増)、営業利益は、34,117千円(前年同期比30.1%増)、経常利益は、64,738千円(前年同期比81.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、40,193千円(前年同期比54.4%増)となりました。「ライフスタイルDX」ビジネスユニットにおいて展開する「マイクラス」の受注が引き続き好調であること等が主要因となり、前年同期に比べて大幅な増収増益となっております。

 

セグメントごとの経営成績は以下の通りです。

 

(コーポレートDX)

「コーポレートDX」ビジネスユニットにおいては、主に国内の法人クライアントに対するシステムコンサルティングサービスを実施しました。その結果、同ビジネスユニットの当第2四半期連結累計期間の売上高は、162,793千円(前年同期比4.7%増)、セグメント利益は、76,532千円(前年同期比26.4%増)となりました。国内におけるDXの推進によるITサービスの需要拡大の流れを受け、売上高及びセグメント利益は前年同期に比べ増加しております。また、引き続き、首都圏在住にこだわらない流動的かつ機動的なエンジニア確保のスキームの構築を進めております。その結果、以下の表のとおり、セグメント利益率が上昇傾向にあり、生産性の向上がみられる結果となっております。

 

2021年7月期

第2四半期 (注)

2022年7月期

第2四半期

2023年7月期

第2四半期

2024年7月期

第2四半期

セグメント利益率

16.4%

41.8%

39.0%

47.0%

 

(注) 2021年7月期第2四半期の値は、連結離脱した株式会社デリバリーコンサルティングの活動に起因した売上高及びセグメント利益を除外して算出しております。
 

(画像解析・AI)

「画像解析・AI」ビジネスユニットにおいては、主に累計3,500万ダウンロードを達成したスマートフォン向け無料提供アプリ「バーコードリーダー/アイコニット」を中心としたスマートフォン向け広告収入のほか、各種ライセンス提供に基づく売上を計上しました。また、次世代のサービスを開発するため、社内での研究開発を積極的に進めております。その結果、同ビジネスユニットの当第2四半期連結累計期間の売上高は、127,719千円(前年同期比11.6%減)、セグメント利益は、30,485千円(前年同期比52.1%減)となりました。売上高及びセグメント利益の減少は、主力商品である「バーコードリーダー/アイコニット」の売上高が減少していることに起因しております。当該サービスは広告収入により収益を獲得するビジネスモデルとなっております。広告収入の元となる広告表示回数が増加傾向にある一方で、経済の先行きに係る不確実性の関係から業界全体の広告単価が減少しており、売上高が減少しております。広告単価の回復傾向については先行きが不透明なため、今後はアプリユーザーから収集する加工食品に関する情報のデータベース化やアプリ内アンケート機能を活用し、BtoBに展開していく予定です。

 

(ライフスタイルDX)

「ライフスタイルDX」ビジネスユニットにおいては、当社オンラインプラットフォーム「マイクラス」による売上を計上しました。「マイクラス」のクライアントであるカルチャーセンター業界は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により業界再編が進み中小カルチャーセンターの事業撤退が発生している一方で、経営の効率化を迫られた大手カルチャーセンターの情報設備投資が促進されている状況にあります。更に、新型コロナウイルス感染症の収束により、市場規模そのものも回復基調にあります。このような状況下において、商品力の高い「マイクラス」は、大手カルチャーセンターから多くの引き合いがある状況にあり、前年同期比で大きな増収増益となっております。この状況はしばらく継続する見込みとなっております。この他、スマートフォン向けゲーム等各種情報サービスによる売上を計上しました。特に前連結会計年度中に、タイの人気ドラマに出演する複数の俳優をモデルにしたファン向けデジタルサービス(ファンゲーム、フォトフレームアプリ、SNSスタンプ等)を提供する「BOYS MEETING from Thailand」を開始しており、順調な滑り出しを見せております。その結果、同ビジネスユニットの当第2四半期連結累計期間の売上高は、187,246千円(前年同期比54.7%増)、セグメント利益は、60,763千円(前年同期比129.8%増)となりました。

 

(ブレインテック・DTx)

「ブレインテック・DTx」ビジネスユニットにおいては、DTx、認知機能チェック、医療SI及びNFBエンジン提供等の各種領域で研究開発及び新規事業構築活動を行っております。接骨院・鍼灸院の支援事業を展開するアトラグループ株式会社と合意した、脳波を活用したヘルステック事業のサービス開発は、2023年8月にブレインテックトレーニングサービスとして提供を開始しております。当連結会計年度の下半期に向けて本格的な収益化を達成すべく活動を継続しております。このほか、当社が独自開発したブレインテックエンジン「ALPHA SWITCH」を活用したアプリによる売上や、各種コンサルティングサービスに基づく売上を計上しました。その結果、同ビジネスユニットの当第2四半期連結累計期間の売上高は、1,937千円(前年同期比441.7%増)、セグメント損失は、22,016千円(前年同期は18,275千円のセグメント損失)となりました。当該セグメントの売上高は、僅少な値となっておりますが、前述の脳波を活用したヘルステック事業のサービス開発に関して、現在保証サービスを組み込んだサブスクパッケージを準備しており今期中にも売り上げの拡大を図る予定です。

 

(ベンチャーインキュベーション)

「ベンチャーインキュベーション」ビジネスユニットにおいては、有望なスタートアップ企業、各種ベンチャー企業に対するインキュベーションサービスに伴う活動を実施しました。なお、当第2四半期連結累計期間で一部売上高及び利益が発生しておりますが、これらは、全社管理部門で発生した費用及び「コーポレートDX」ビジネスユニットで計上された売上高及びセグメント利益と切り分けが困難であるため、当該ビジネスユニットに値を含めております。なお、当第2四半期連結累計期間に計上されているその他有価証券評価差額金のうち、834,086千円は、同ビジネスユニットの活動に起因したものとなります。

 

(2) 財政状態

①資産の部

資産の総額は、3,893,599千円(前連結会計年度末比1.0%増)です。

流動資産は、総資産の20.8%に相当する811,713千円(前連結会計年度末比12.2%増)です。流動資産の前連結会計年度からの増加額は、88,013千円となっておりますが、この主要因は、現金及び預金が20,521千円減少したこと及びその他の棚卸資産が11,258千円減少した一方で、売掛金及び契約資産が106,032千円増加したこと及び流動資産のその他に含まれる預け金が11,731千円増加したことによるものです。また、現金及び預金の残高は、419,989千円(前連結会計年度末比4.7%減)となっており、流動資産のその他に含まれる預け金の残高は、36,670千円(前連結会計年度末比47.0%増)となっております。これらは、いずれも現金及び現金同等物に相当し、合計で456,660千円(前連結会計年度末比1.9%減)となっており、流動資産の大きな割合を占めております。なお、現金及び預金の減少は、主として「マイクラス」の大口受託開発案件が増加したことにより、一時的に売掛金及び契約資産が増加したことによるものです。

固定資産は、総資産の79.2%に相当する3,081,885千円(前連結会計年度末比1.6%減)です。

有形固定資産は、総資産の0.7%に相当する27,010千円(前連結会計年度末比9.1%減)です。

無形固定資産は、該当するものが無いため(前連結会計年度末も該当するものがございません)残高が計上されておりません。

投資その他の資産は、総資産の78.5%に相当する3,054,875千円(前連結会計年度末比1.6%減)です。投資その他の資産の前連結会計年度からの減少額は48,551千円となっておりますが、この主要因は、余資運用の一環として投資有価証券を売却したこと及び保有する投資有価証券の時価が一部減少したこと等により、投資有価証券が48,331千円減少したことによるものです。なお、貸倒引当金が26,650千円計上されておりますが、投資その他の資産のその他に含まれる長期滞留債権26,650千円に対応して計上されたものになります。債権全額に対して貸倒引当金が設定されているため、貸倒れの確定による多額の追加損失発生の恐れはありません。なお、投資有価証券が2,982,876千円計上されておりますが、この98.8%に相当する2,948,091千円は時価を有する性質のものです。

 

②負債の部

負債の総額は、負債純資産合計の19.0%に相当する741,036千円(前連結会計年度末比7.3%増)です。

流動負債は、負債純資産合計の4.8%に相当する188,234千円(前連結会計年度末比18.7%増)となっております。流動負債の前連結会計年度からの増加額は、29,615千円となっておりますが、この主要因は、1年内返済予定の長期借入金が23,109千円増加したことによるものです。

固定負債は、負債純資産合計の14.2%に相当する552,801千円(前連結会計年度末比4.0%増)となっております。前連結会計年度からの増加額は、21,083千円となっておりますが、この主要因は、繰延税金負債が16,446千円減少した一方で、長期借入金が37,495千円増加したことによるものです。

 

③純資産の部

純資産の総額は、3,152,563千円(前連結会計年度末比0.4%減)であり、自己資本比率は、80.4%と高い水準を維持しております。純資産の前連結会計年度からの減少額は、13,949千円となっておりますが、この主要因は、以下の通りです。9,743千円の配当を実行した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益を40,193千円計上したことにより利益剰余金が30,449千円増加しました。一方で、保有する投資有価証券を売却したこと及び保有する投資有価証券の時価が一部減少したこと等により、その他有価証券評価差額金が44,440千円減少しました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、期首に比べ8,790千円減少し、456,660千円(前連結会計年度末は、465,450千円)となりました。

また、当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次の通りです。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、57,512千円の支出(前年同期は、37,159千円の支出)となりました。これは、主として税金等調整前四半期純利益を64,738千円計上した一方で、売上債権及び契約資産が106,032千円増加したこと及び投資有価証券売却益を11,815千円計上したことによるものです。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、3,079千円の支出(前年同期は、207,792千円の収入)となりました。これは、主として投資有価証券の売却により111,973千円の収入があった一方で、投資有価証券の取得により113,416千円の支出があったことによるものです。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、51,060千円の収入(前年同期は、29,266千円の収入)となりました。これは、長期借入金の返済により39,396千円の支出があったこと及び配当金の支払により9,543千円の支出があった一方で、長期借入金の借入により100,000千円の収入があったことによるものです。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

研究開発活動は、第1四半期連結会計期間よりブレインテック・DTx及び画像解析・AI等のセグメントにおいて通常の活動内で継続的に実施しております。

具体的な活動としては、今後市場の拡大が見込まれるブレインテック・DTx、バーコードリーダー及びAI等の領域で、将来の収益化のためのノウハウを蓄積しております。

当第2四半期連結累計期間における研究開発費は、44,372千円となっております。この研究開発費は、主として研究開発プロジェクトにアサインされた人件費及び外注費によるものです。なお、当社グループは、当該費用を全額期間費用として処理しております。