売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00991 IFRS


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期の連結業績は、売上高2,960億9千7百万円(前年同期比3.5%増、為替変動の影響を除いた実質前年同期比1.5%増)、事業利益126億4百万円(前年同期比26.8%減)、営業利益125億1千2百万円(同44.1%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益88億5千万円(同48.3%減)となりました。
 当社グループは、前年度よりスタートした3ヵ年の中期経営計画「Vision(ビジョン)2030 1st(ファースト) STAGE(ステージ)」の3つの成長戦略である、「4つの提供価値領域における成長加速」、「成長に向けた事業基盤への変革」、「変革を実現するダイナミズムの創出」にもとづく施策を推進しています。

国内事業では、柔軟剤、洗濯用洗剤等で高付加価値の新製品を投入するとともに、主力ブランドの育成に取り組みました。海外事業では、オーラルケア、ビューティケア等のパーソナルケア分野の拡大に注力し、加えて、新たな成長起点の創出に向けてベトナムのヘルスケア企業に資本参加しました。

 

[経営成績の概況]

 

当第3四半期(百万円)

前第3四半期(百万円)

増減率

売上高

296,097

286,141

3.5%

事業利益

12,604

17,225

△26.8%

営業利益

12,512

22,396

△44.1%

親会社の所有者に帰属する四半期利益

8,850

17,107

△48.3%

 

(注)事業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を控除したもので、恒常的な事業の業績を測る当社の利益指標です。

(注)前年同期の営業利益には、連結子会社が所有していた土地の譲渡益が含まれています。(2022年1月31日付譲渡)

 

[セグメントごとの経営成績]

 

売上高

セグメント利益(事業利益)

 

当第3四半期(百万円)

前第3四半期(百万円)

増減率

当第3四半期(百万円)

前第3四半期(百万円)

増減率

一般用消費財事業

196,519

193,009

1.8%

3,082

8,972

△65.6%

産業用品事業

42,713

42,333

0.9%

2,513

2,396

4.9%

海外事業

109,637

96,267

13.9%

5,975

3,358

77.9%

その他

15,535

11,287

37.6%

934

867

7.7%

小計

364,404

342,898

6.3%

12,505

15,595

△19.8%

調整額

△68,307

△56,756

98

1,630

合計

296,097

286,141

3.5%

12,604

17,225

△26.8%

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、セグメントごとの経営成績については、セグメント内およびセグメント間の内部売上高を含んでおります。

 

① 一般用消費財事業

当事業は、「オーラルケア分野」、「ビューティケア分野」、「ファブリックケア分野」、「リビングケア分野」、「薬品分野」、「その他の分野」で構成されています。全体の売上高は、前年同期比1.8%の増加となりました。セグメント利益は、前年同期比65.6%の減少となりました。

 

 

当第3四半期(百万円)

前第3四半期(百万円)

増減率

売上高

196,519

193,009

1.8%

セグメント利益

3,082

8,972

△65.6%

 

 

[売上高の分野別状況]

 

当第3四半期(百万円)

前第3四半期(百万円)

増減率

オーラルケア分野

51,892

52,043

△0.3%

ビューティケア分野

18,006

19,805

△9.1%

ファブリックケア分野

46,669

43,934

6.2%

リビングケア分野

15,801

17,068

△7.4%

薬品分野

18,931

17,912

5.7%

その他の分野

45,217

42,244

7.0%

 

 

(オーラルケア分野)

当分野は、「ハミガキ」、「ハブラシ」、「デンタルリンス」等で構成されています。

ハミガキは、「クリニカPRO(プロ) ハミガキ」や「NONIO(ノニオ)プラスホワイトニング ハミガキ」が好調に推移しましたが、一部ブランドにおいて販売促進の内容を見直したことなどから、全体の売上は前年同期を下回りました。
 ハブラシは、新製品「LION(ライオン)電動アシストブラシ」を発売するとともに、ブラシ部にラバー素材を採用した新製品「クリニカPRO(プロ)ハブラシ ラバーヘッド」がお客様のご好評をいただき、全体の売上は前年同期を上回りました。

デンタルリンスは、「NONIO(ノニオ)マウスウォッシュ」が前年同期を下回り、全体の売上も前年同期を下回りました。

以上により、分野全体の売上は、前年同期比0.3%の減少となりました。

 

(ビューティケア分野)

当分野は、「ハンドソープ」、「ボディソープ」、「制汗剤」等で構成されています。

ハンドソープは、市場縮小の影響を受け、全体の売上は前年同期を下回りました。

ボディソープは、「hadakara(ハダカラ)ボディソープ 泡で出てくるタイプ」が順調に推移したものの、液体タイプが前年同期を下回り、全体の売上も前年同期を下回りました。

以上により、分野全体の売上は、前年同期比9.1%の減少となりました。

 

 

(ファブリックケア分野)

当分野は、「柔軟剤」、「洗濯用洗剤」等で構成されています。

柔軟剤は、「ソフラン プレミアム消臭」が前年同期を下回りましたが、新製品「ソフラン エアリス」を発売し、全体の売上は前年同期を上回りました。

洗濯用洗剤は、高い洗浄・消臭力と衣類本来の色を保つ機能を両立させた液体高濃度洗剤の新製品「NANOX(ナノックス) one(ワン)」を発売し、全体の売上は前年同期を上回りました。

以上により、分野全体の売上は、前年同期比6.2%の増加となりました。

 

(リビングケア分野)

当分野は、「住居用洗剤」、「台所用洗剤」等で構成されています。

住居用洗剤は、「ルックプラス バスタブクレンジング」等が前年同期を下回り、全体の売上も前年同期を下回りました。
 台所用洗剤は、「CHARMY(チャーミー) Magica(マジカ)」が伸びなやみ、全体の売上は前年同期比微減となりました。

以上により、分野全体の売上は、前年同期比7.4%の減少となりました。

 

(薬品分野)

当分野は、「解熱鎮痛薬」、「点眼剤」、「ニキビ薬」等で構成されています。

解熱鎮痛薬は、「バファリン プレミアムⅮⅩ(ディーエックス)」が好調に推移しましたが、「バファリン プレミアム」、「バファリンA」が前年同期を下回り、全体の売上は前年同期比微減となりました。

点眼剤は、「スマイル40ゴールド」シリーズが堅調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。

ニキビ薬は、「ペアアクネクリームW」が好調に推移し、全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。

足用冷却シートは、インバウンド需要の回復により前年同期を大幅に上回りました。

以上により、分野全体の売上は、前年同期比5.7%の増加となりました。

 

(その他の分野)

当分野は、ペット用品、ギフト・ノベルティ、歯科ルート品等で構成されています。

ペット用品は、オーラルケア品が好調に推移するとともに、猫用トイレの砂「ニオイをとる砂」が堅調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。

ギフト・ノベルティは、ノベルティが増収となり、全体の売上も前年同期を上回りました。

以上により、分野全体の売上は、前年同期比7.0%の増加となりました。

 

② 産業用品事業

当事業は、タイヤ用ゴムの防着剤等を取り扱う「モビリティ分野」、二次電池用導電性カーボン等の「エレクトロニクス分野」、施設・厨房向け洗浄剤等の「業務用洗浄剤分野」等で構成されており、全体の売上高は、前年同期比0.9%の増加となりました。セグメント利益は、前年同期比4.9%の増加となりました。

 

 

当第3四半期(百万円)

前第3四半期(百万円)

増減率

売上高

42,713

42,333

0.9%

セグメント利益

2,513

2,396

4.9%

 

 

モビリティ分野では、タイヤ用ゴムの防着剤が順調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。

エレクトロニクス分野では、二次電池用導電性カーボンが堅調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。
 業務用洗浄剤分野では、ハンドソープが前年同期を下回りましたが、衣料用洗剤が好調に推移し、全体の売上は前年同期を上回りました。
 

 

③ 海外事業

海外は、タイ、マレーシア等の東南・南アジア、中国、韓国等の北東アジアにおいて事業を展開しております。全体の売上高は、前年同期比13.9%の増加(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は7.4%の増加)となりました。セグメント利益は、前年同期比77.9%の増加となりました。

 

 

当第3四半期(百万円)

前第3四半期(百万円)

増減率

売上高

109,637

96,267

13.9%

セグメント利益

5,975

3,358

77.9%

 

 

  [地域別状況]

 

 

当第3四半期(百万円)

前第3四半期(百万円)

増減率

東南・南アジア

売上高

66,874

61,108

9.4%

 

セグメント利益

3,409

1,485

129.5%

北東アジア 

売上高

42,762

35,159

21.6%

 

セグメント利益

2,565

1,873

37.0%

 

(注)前期にバングラデシュ人民共和国に合弁会社を設立したことから、従来の「東南アジア」の表記を「東南・南アジア」に

    変更しております。

 

   (地域別の状況)

東南・南アジア全体の売上高は、前年同期比9.4%の増加(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は1.7%の増加)、セグメント利益は129.5%の増加となりました。

タイでは、ボディソープ「植物物語」が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。

また、マレーシアでは洗濯用洗剤が前年同期を上回り、円貨換算後の全体の売上も前年同期を上回りました。

北東アジア全体の売上高は、前年同期比21.6%の増加(為替変動の影響を除いた実質前年同期比は17.4%の増加)、セグメント利益は37.0%の増加となりました。

中国では、ハミガキ「ホワイト&ホワイト」、ハブラシ「システマ」がともに好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前年同期を大幅に上回りました

また、韓国では、洗濯用洗剤が好調に推移し、円貨換算後の全体の売上は前年同期を大幅に上回りました。

 

④ その他

その他(建設請負事業等)では、全体の売上高は、前年同期比37.6%の増加となりました。セグメント利益は、前年同期比7.7%の増加となりました。

 

 

当第3四半期(百万円)

前第3四半期(百万円)

増減率

売上高

15,535

11,287

37.6%

セグメント利益

934

867

7.7%

 

 

 

(2) 財政状態の分析

資産合計は、持分法で会計処理されている投資の増加等により、前連結会計年度末と比較して96億6百万円増加し、4,788億8千5百万円となりました。資本合計は、126億5千7百万円増加し、2,918億2千5百万円となり、親会社所有者帰属持分比率は57.4%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費及び償却費等により、131億1千7百万円の資金の増加となりました。(前年同期は186億5千6百万円の資金の増加)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出等により、306億6千3百万円の資金の減少となりました。(前年同期は133億7千万円の資金の減少)

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額等により、110億4千2百万円の資金の減少となりました。(前年同期は192億3千万円の資金の減少)

以上の結果、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ272億4千1百万円減少し、738億3千6百万円となりました。また、前第3四半期連結会計期間末に比べて112億7千2百万円減少しました。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、事業上および財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は81億9千3百万円であります。