売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01007 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

なお、2021年12月31日に行われたZapi Industrie Chimiche S.p.A.及びTrezeta Immobiliare S.r.L.との企業結合について前第3四半期連結会計期間に暫定的な会計処理を行っておりましたが、前連結会計年度末に確定したため、前年同四半期連結累計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

 

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日まで)におけるわが国の経済は、ウィズコロナの中で回復基調にある一方、円安を背景にした物価上昇、長引くウクライナ情勢に加えて中東情勢の緊迫化など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

 このような状況の中で、当社グループは「ひとの命を守る。ひとの暮らしを守る。ひとを育む環境を守る。わたしたちは、世界中の人々がいつまでも安心して快適に暮らすことのできる社会づくりに貢献していきます。」という経営理念のもとで、それぞれの国に最適な高効力・高品質の商品を提供し、世界中のより多くの人々に安心を届けることを目指しています。

 特に、この数年でグループ全体の事業領域と欧州展開をはじめとする地理的な拡大が進んだため、それらの経営基盤強化と事業展開のスピードアップを積極的に進めてまいりました。

 その結果、連結売上高は前年同期比8.5%増の503億33百万円(為替変動の影響を除くと5.5%増)となりました。

 国内売上は、家庭用品が市場縮小の影響を受け減収となった中、主力の殺虫剤は外出機会の増加に伴い殺虫剤市場が前期より拡大したことに加えて、残暑が長引いたことにより販売期間が延び、返品も減少したことで増収となったことから、前年同期比7.0%増の191億60百万円となりました。

 一方、海外売上は、主力のインドネシアをはじめとする東南アジアが現地通貨ベースで前年を上回り、さらに円貨ベースでは円安の影響を受けた結果、前年同期比9.4%増の311億72百万円(為替変動の影響を除くと4.6%増)となりました。

 次に、売上原価は、前年同期比27億35百万円増加し359億28百万円、売上原価率は71.4%となり、前年同期より0.1ポイント減となりました。売上総利益は144億5百万円(前年同期比9.1%増)となりました。

 販管費につきましては、人件費、販促経費等が増加した結果、前年同期比6.7%増の133億55百万円となりました。

 これらの結果、営業利益は10億49百万円(前年同期比53.3%増)、経常利益は13億56百万円(前年同期比45.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は37百万円(前年同期は6億32百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりです。

①日本

 殺虫剤部門につきましては、外出機会の増加に伴い殺虫剤市場が前期より拡大したことに加え、残暑が長引いたことから販売期間が延び、同時に返品も減少した結果、売上高は90億37百万円(前年同期比6億51百万円増、前年同期比7.8%増)となりました。

 家庭用品部門は、主力のアルコール除菌剤の売上が前期を下回った結果、家庭用品合計の売上高は14億44百万円(前年同期比1億53百万円減、9.6%減)となりました。

 園芸用品部門は、主力の除草剤が伸長した一方で、園芸用ハンドスプレー、園芸用不快害虫商品の売上が前期を下回った結果、園芸用品合計の売上高は、29億51百万円(前年同期比42百万円減、1.4%減)となりました。

 防疫剤部門の売上高は、13億64百万円(前年同期比28百万円減、2.0%減)となりました。

 その他の部門の売上高は、子会社のフマキラー・トータルシステム㈱のシロアリ施工工事が好調で、46億67百万円(前年同期比4億20百万円増、9.9%増)となりました。

 なお、外部顧客に対する売上高は、194億65百万円(前年同期比8億47百万円増、4.6%増)で、セグメント損失は15億64百万円(前年同期は16億77百万円のセグメント損失)となりました。

 

②東南アジア

 マレーシア、ベトナムの売上は現地通貨ベースで前期を下回りましたが、インドネシア、ミャンマーの売上が現地通貨ベースで前期を上回り、さらに円安の影響も受けたため、外部顧客に対する売上高は213億84百万円(前年同期比8億73百万円増、4.3%増)となりました。また、セグメント利益は18億32百万円(前年同期比3億17百万円増、20.9%増)となりました。

 

③欧州

 欧州においては、外部顧客に対する売上高は79億99百万円(前年同期比18億90百万円増、31.0%増)となりました。また、セグメント利益は4億35百万円(前年同期比2億23百万円減、33.9%減)となりました。

 

④その他

 インドとメキシコを中心に販売し、外部顧客に対する売上高は14億82百万円(前年同期比3億27百万円増、28.3%増)となりました。また、セグメント利益は79百万円(前年同期比60百万円増、323.1%増)となりました。

 

 当社グループの業績は、殺虫剤や花粉対策商品、園芸用品など季節商品の売上構成比が高いため、天候によって大きく影響を受けます。主力商品である殺虫剤については、国内の需要期である夏季に向けた製造・出荷が年前半に集中するため、第4四半期連結会計期間から第1四半期連結会計期間の売上高が高くなる一方、需要期を過ぎた第3四半期連結会計期間においては返品が発生する等、季節により売上高や営業損益が偏る季節変動要因があります。

 

(2)資産、負債及び純資産の状況

 当第3四半期連結会計期間末における総資産額は、前連結会計年度末に比べて15億74百万円減少し、557億96百万円となりました。現金及び預金が15億50百万円、原材料及び貯蔵品が8億55百万円、投資有価証券が3億7百万円、返品資産が1億97百万円、建物及び構築物(純額)が1億9百万円増加した一方で、売掛金が53億29百万円減少したこと等によるものであります。

 負債につきましては、前連結会計年度末と比べて32億30百万円減少し、312億50百万円となりました。主な要因は支払手形及び買掛金が12億20百万円、長期借入金が1億65百万円、退職給付に係る負債が1億11百万円増加した一方で、短期借入金が41億9百万円、電子記録債務が9億87百万円減少したこと等によるものであります。

 純資産につきましては、前連結会計年度末と比べて16億56百万円増加し、245億46百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定が15億45百万円、その他有価証券評価差額金が2億24百万円増加した一方で、利益剰余金が3億25百万円減少したこと等によるものであります。

 自己資本比率は3.6ポイント増加し、39.7%となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、5億49百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。