E01225 IFRS
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間の業績については、売上収益は4兆6,356億円(前年同期は4兆3,797億円)、事業利益は2,275億円(前年同期は3,757億円)、親会社の所有者に帰属する中間利益は△1,133億円(前年同期は2,433億円)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりです。当社グループは、製鉄事業を中核として、エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションの4つのセグメントで事業を推進しており、製鉄セグメントが連結売上収益の約9割を占めています。
(当期のセグメント別の業績の概況) (単位:億円)
<製鉄>
世界の鉄鋼需要は、国内・海外ともに、製造業や建設業が低迷し、世界の鉄鋼事業環境は未曾有の危機的な状況です。中国経済の減速による需給ギャップ拡大を受けた過剰生産・輸出増加は構造的で改善の兆しがなく、各国における輸入材への通商措置による影響が顕在化しています。また、米国関税は、当初より引き下げられたとはいえ従来にない高関税となったこと、及び中国との交渉は先が見えないこと、さらに米国市場や欧州を含め様子見ムードが広がっていること等、先行きに対する不透明感はむしろ拡大しています。中国からの安値輸出のさらなる拡大もあり、鉄鋼需要の低迷は一段と深刻化してきており、市況も下落している状況です。このような状況下で、当社は、2021~2025年度の中長期経営計画期間において、「外部環境によらず実力ベース連結事業利益6,000億円以上を確保し得る収益構造」を構築してきました。2024年度以降、中長期経営計画策定時の想定を上回る規模とスピードで経営環境が悪化しているものの、他社に先駆けて取り組んできた各種の構造対策・収益改善策が奏功し、世界の同業他社に比し相対的に高水準の収益力を維持しています。加えて、2025年6月にUnited States Steel Corporation合併を完了し、経営の自由度と採算性を確保しつつ、高級鋼を中心に需要の伸びが期待できる米国・欧州に本格参入を果たしました。
当中間連結会計期間の業績は、生産出荷・マージン(為替影響を含む)の悪化、在庫評価差等の減益要因により、前年同期比で減益となりました。
製鉄セグメントとして、売上収益は4兆2,439億円(前年同期は3兆9,905億円)、事業利益は2,018億円(前年同期は3,538億円)となりました。
<エンジニアリング>
日鉄エンジニアリング㈱においては、工事進捗状況等による増減はあるものの、過年度から順調に積み上がった受注残高を背景に、EPC分野の廃棄物発電事業等で大型案件の工事が着実に進捗していることや、O&M・サービス分野の規模増により、売上収益は前年同期とほぼ同じ水準となりました。事業利益については、EPC分野における堅調な工事進捗に加え、電力ビジネス事業をはじめとするO&M・サービス分野の収益改善もあり、前年同期比で増益となりました。
エンジニアリングセグメントとして、売上収益は1,822億円(前年同期は1,833億円)、事業利益は74億円(前年同期は△12億円)となりました。
<ケミカル&マテリアル>
日鉄ケミカル&マテリアル㈱においては、世界的な原燃料価格の高止まりや中国経済の不振、汎用半導体等の在庫調整により需要低迷が続く厳しい事業環境下、コスト削減や販売価格の改善に最大限努めましたが、事業利益は前年同期比で減益となりました。コールケミカル事業は、主力の黒鉛電極用ニードルコークスの需要が低迷する一方、タイヤ向けカーボンブラックの販売は堅調に推移しました。化学品事業は、米国関税措置による世界経済の先行き不透明感等からベンゼン市況は低迷し、スチレンモノマーも国内誘導品需要の停滞に加え、中国での生産設備の新増設継続により市況が低迷しました。機能材料事業では、AI関連及び米国関税政策や中国補助金政策による需要の先取りがあり、市場は総じて好調に推移しました。特に、高速通信向け機能樹脂、スマートフォン向け基板材料、AI需要の伸長を受けた半導体向けボンディングワイヤ等の需要が伸長しました。
ケミカル&マテリアルセグメントとして、売上収益は1,281億円(前年同期は1,404億円)、事業利益は98億円(前年同期は122億円)となりました。
<システムソリューション>
日鉄ソリューションズ㈱においては、2025年2月公表の「2025-2027中期経営計画」のもと、旺盛なDXニーズを最大限に捕捉し、事業拡大に取り組んでいます。同年5月より、当社製造現場で培ったソリューションとして、製造・物流拠点における操業・保全等の情報を3Dデジタル空間上に可視化し、安全管理や効率化等に寄与するデジタルツインソリューション(※)「Geminant」の提供を開始しました。また、当社に導入した生産管理システムを標準化した「PPMP」等、同社の有する知見や強みをアセット化したソリューション展開を進めており、顧客から多くの引き合いをいただいています。外部成長戦略・グローバル戦略についても積極的に取組みを進め、インフォコム㈱及びインドネシアのPT.WCS ABYAKTA NAWASENAのグループ会社化や、その他資本業務提携等の施策も実行しています。
システムソリューションセグメントとして、売上収益は1,790億円(前年同期は1,570億円)、事業利益は175億円(前年同期は183億円)となりました。
(※)デジタルツインソリューション:現実世界の物をデジタル世界に忠実に再現した「モノ」で、データの俯瞰やシミュレーションを実現する。現場のデジタル化とデジタルツインモデル構築によるスマートファクトリー化を促進。
(2)当中間連結会計期間末の資産、負債、資本及び当中間連結会計期間のキャッシュ・フロー
当中間連結会計期間末の連結総資産は、当社米国子会社とUnited States Steel Corporationとの合併(以下「本合併」という。)等により、営業債権及びその他の債権の増加(2,555億円)、棚卸資産の増加(4,959億円)、有形固定資産の増加(2兆52億円)、のれんの増加(4,354億円)等があった一方で、現金及び現金同等物の減少(2,140億円)等があり、前期末(10兆9,424億円)から3兆589億円増加し14兆13億円となりました。
負債についても、本合併に伴う株式取得対価の支払いを目的とした借入を中心として有利子負債が5兆745億円と前期末(2兆5,074億円)から2兆5,671億円増加したことや、営業債務及びその他の債務の増加(5,280億円)等により、前期末(5兆390億円)から3兆2,975億円増加し8兆3,365億円となりました。
資本については、親会社の所有者に帰属する中間損失1,133億円による減少、配当金の支払による減少(837億円)等により、前期末(5兆9,033億円)から2,385億円減少し5兆6,648億円となりました。なお、当中間連結会計期間末の親会社の所有者に帰属する持分は5兆1,471億円となり、親会社の所有者に帰属する持分に対する有利子負債の比率(D/Eレシオ)は0.99倍(劣後ローン・劣後債資本性調整後0.74倍)となりました。
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前中間損失301億円に、減価償却費及び償却費(2,407億円)、事業再編損(2,303億円)の加算、棚卸資産の減少(720億円)等の収入があった一方、営業債務及びその他の債務の減少(1,502億円)、法人所得税の支払(1,389億円)等による支出があり、2,061億円の収入(前年同期は2,132億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、関係会社株式の売却による収入(514億円)等があった一方、有形固定資産及び無形資産の取得による支出(3,891億円)、本合併を中心とした連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出(2兆107億円)等により、2兆4,161億円の支出(前年同期は1,950億円の支出)となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローは2兆2,100億円の支出(前年同期は182億円の収入)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、本合併に伴う株式取得対価の支払いを目的として借り入れたブリッジローン及びコミット型劣後特約付タームローン等による有利子負債の実質的な増加を伴う収入(1兆9,715億円)に対し、前期末の配当の支払(837億円)等による支出があり、2兆83億円の収入(前年同期は1,509億円の収入)となりました。以上により、当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は4,585億円となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書(第100期有価証券報告書)に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等について、重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当中間連結会計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について、重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(7)研究開発活動
当中間連結会計期間における当社及び連結子会社全体の研究開発費は412億円です。
なお、当中間連結会計期間において、研究開発活動の状況について、重要な変更はありません。
(8)従業員数
①連結会社の状況
当中間連結会計期間において、当社は、当社米国子会社とUnited States Steel Corporationを合併(以下「本合併」という。)し、同社は当社の主要な連結子会社となりました。本合併等に伴い、2025年9月30日現在の製鉄セグメントの従業員数は120,094人となり、2025年3月31日現在に対し23,381人増加しています。また、日鉄ソリューションズ㈱は、インフォコム㈱の全株式を取得し、連結子会社としました(以下、「本子会社化」)。本子会社化等に伴い、2025年9月30日現在のシステムソリューションセグメントの従業員数は10,474名となり、2025年3月31日現在に対し、1,774名増加しています。なお、従業員数は、当社グループから当社グループ外への出向者を除き、当社グループ外から当社グループへの出向者を含む就業人員数です。
②提出会社の状況
当中間連結会計期間において、当社は、当社の主要な連結子会社であった日鉄鋼管㈱及び日鉄ステンレス㈱とそれぞれ合併しました。これらの合併等に伴い、2025年9月30日現在の当社の従業員数は32,440人となり、2025年3月31日現在に対し3,788人増加しています。なお、従業員数は、当社から他社への出向者を除き、他社から当社への出向者を含む就業人員数です。
(9)生産、受注及び販売の実績
当中間連結会計期間において、生産、受注及び販売の実績について、著しい変動はありません。
(10)主要な設備
当中間連結会計期間において、United States Steel Corporationが当社の主要な連結子会社となったことから、主要な設備が新たに加わりました。当該設備の状況は以下のとおりです。
(2025年9月30日現在)(単位:百万円)
(注) 1 土地(面積千㎡)の欄中[ ]内は、連結会社以外の者から賃借している土地の面積(千㎡)であり外数で表している。
2 United States Steel Corporationについては連結ベースで記載している。
当中間連結会計期間において、重要な設備の新設、除却等の計画について、以下の計画が加わりました。
新設
拡充
改修