E01233 Japan GAAP
当第3四半期連結累計期間における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態及び経営成績の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況の概要
当第3四半期連結累計期間(2023年4月~2023年12月)において、当社グループの主要需要先である自動車業界では、半導体等の部品不足の緩和等により、前年同期と比べ生産台数の回復が進みました。一方、建設機械業界では下期より需要が急激に減少したほか、産業機械・工作機械業界でも、中国の景気悪化の影響が大きく、需要減少が継続しています。
また調達コスト面では、落ち着きを見せていた原材料市況は足元再び上昇の動きを見せているほか、円安の進行による原材料輸入コストの増加やエネルギー価格の高止まりに加え、物流費や労務費等の諸コストも上昇しています。
このような状況下、当第3四半期連結累計期間の売上高は、ばね事業において自動車需要回復に伴う売上数量増や売価転嫁の効果があったものの、特殊鋼鋼材事業の売上数量減影響等により、前年同期比4億8千6百万円(0.4%)減収の1,259億6千1百万円となりました。営業利益は、北米ばね子会社の損益が大幅に改善したものの、国内特殊鋼鋼材事業の損益悪化により、前年同期比8千9百万円(3.1%)減益の27億8千3百万円となりました。
また、親会社株主に帰属する四半期純損失は、為替差損益の悪化、支払利息の増加及び前年同期に計上した保険金収入等の減少により、前年同期比18億円減益となり、5億6千5百万円の損失(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益12億3千4百万円)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
特殊鋼鋼材事業の売上高は、前年同期比73億4千6百万円(9.7%)減収の686億4千4百万円となりました。建設機械の急激な需要減とそれに伴うサプライチェーンにおける中間在庫調整の影響に加え、産業機械・工作機械の需要減が継続していることにより、減収となりました。営業利益は、前年同期比26億9千6百万円(56.9%)減益の20億4千1百万円となりました。インドネシア海外事業ではスクラップ価格の下落等により増益となったものの、国内事業の売上数量減とそれに伴う生産性・原単位の悪化に加え、円安進行による輸入原材料価格の上昇に売価が追い付いていないことや、前年同期における価格急騰前の安価な原材料在庫使用による増益影響が無くなること等から、減益となりました。
ばね事業の売上高は、前年同期比83億3千2百万円(19.4%)増収の512億5千万円となりました。国内及び北米における原材料やエネルギー価格等の高騰に対する売価転嫁の効果や自動車生産の回復に伴う売上数量増に加え、円安による換算影響が大きく寄与しました。営業利益は、前年同期比27億4百万円損失幅が縮小し、1億1千3百万円の損失(前年同期は営業損失28億1千7百万円)となりました。北米子会社の損益は、売価転嫁の進展や生産混乱の解消により大幅に改善したものの、第3四半期では、自動車メーカーのストライキや売価交渉が一部未決着となった影響等もあり、営業損失を計上しました。一方で第4四半期では、ストライキ影響の解消と挽回生産に加え、引き続き売価転嫁や生産コストの改善等を進めることから北米子会社の損失は解消し、国内の売上増も見込めることから、ばね事業全体の営業利益は、第3四半期までの約1億円の損失から、大幅な良化を見込んでいます。
素形材事業の売上高は、前年同期比12億5千5百万円(15.8%)減収の66億8千3百万円となりました。売価改善は進んだものの、鋳鋼製品(エスコ)生産終了に伴う売上数量減により減収となりました。営業利益は、売価及びコストの改善が進んだものの、売上減に伴い、前年同期比1億9千8百万円(38.6%)減益の3億1千5百万円となりました。
機器装置事業の売上高は、環境関連事業として注力している磁力選別機等の売上増により、前年同期比1億8百万円(1.7%)増収の66億3千1百万円となりました。営業利益は、売上増や生産性向上等が寄与し、前年同期比1億3千4百万円(39.7%)増益の4億7千4百万円となりました。
その他の事業につきましては、流通及びサービス業等でありますが、売上高は、前年同期比1億1千8百万円(4.4%)減収の25億7千3百万円、営業利益は、前年同期比2千1百万円(24.7%)減益の6千6百万円となりました。
(2) 財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ90億7千9百万円減少し、1,473億3千万円となりました。これは設備投資や為替影響により固定資産が増加した一方で、借入金の返済及び法人税、配当金の支払いにより現金同等物が減少したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の負債総額は、前連結会計年度末に比べ78億5千1百万円減少し、988億7千万円となりました。これは仕入債務及び法人税の支払い、並びに借入金の返済で負債が減少したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ12億2千7百万円減少し、484億6千万円となりました。これは配当の支払いにより利益剰余金が減少したことによるものであります。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、13億3千4百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した設備の新設等の計画は以下のとおりであります。
(注) 上記所要資金は自己資金によって賄いました。
(5) 資本の財源及び資金の流動性
①資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための材料や部品の購入、及び設備投資によるものであります。
②財務政策
当社グループは、設備投資を厳選して実施することで財務の健全性を保ちながら、営業活動によるキャッシュ・フロー収入を基本に、将来必要な運転資金及び設備資金を調達していく考えであります。