E27868 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における当社グループの事業領域においては、中国不動産の低迷の長期化、不安定な世界情勢、世界的なインフレ長期化に伴う景気後退の懸念等により、先行きは不透明な状況が続いております。世界の粗鋼生産量は軟調に推移しましたが、国内の粗鋼生産量は堅調に推移しました。
このような状況において、鉄スクラップ価格(東京製鐵田原海上特級価格)は、当期首から高位安定で推移し、当第3四半期連結累計期間の鉄スクラップ平均価格は50,881円と、前年同期の48,990円を上回りました。
またリチウムイオン電池の主原料においては、コバルト、ニッケル、及びリチウム等のレアメタルの平均価格は前年同期を下回りましたが、銅の平均価格は前年同期を上回って推移しました。
このような環境下で、当第3四半期連結累計期間においては、「サーキュラーエコノミー(CE)をリードする」という戦略コンセプトのもと、「モノづくりを支えるCE」、「地域を支えるCE」という2つの戦略に分類し、CEの具体的事例を他社に先駆けて数多く実現していくべく、事業を推進してまいりました。人的資本、設備等への積極的な投資、安全管理等の推進に加え、不採算事業からの撤退と新規事業の拡大によるポートフォリオの組み換えも進めてまいります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は38,764百万円(前年同期比9.6%増)、営業利益は1,039百万円(前年同期比15.4%減)、経常利益は1,334百万円(前年同期比11.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は976百万円(前年同期比4.0%減)となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を含めた売上高で表示しております。
セグメント別業績の概要
≪売上高≫ (単位:百万円)
≪セグメント利益≫ (単位:百万円)
(注)セグメント利益は四半期連結損益計算書の経常利益と調整を行っております。
①資源循環事業
焼却灰等の利益商材を選別する体制整備、及び日東化工のグループ化が収益及び利益に貢献しました。しかしながら金属スクラップの仕入れ環境が軟調に推移し、金属スクラップの入荷量は前年同期を下回り、加えて新規設備、新工場稼働に伴う減価償却、及び一時的な移設費等も利益を圧迫しました。
以上の結果、資源循環事業の売上高は15,653百万円(前年同期比18.4%増)、セグメント利益は1,144百万円(前年同期比1.9%減)となりました。
②グローバルトレーディング事業
リサイクル資源の流通においては、国内販売の強化、機動的な営業活動により出荷量は増加し、為替等の影響もあり増収増益となりました。しかしながら製鋼原料における輸出環境は依然として厳しい状況が続くものと想定され、引き続き商材開発、拠点展開、機能強化を推進し、ビジネスモデルを転換すべく取り組んでまいります。物流代行サービスにおいては内陸国向けの好調な出荷に加え、大量仕入れによるコスト減、及び通関業の内製化によるコストダウン等が利益を増加させました。
以上の結果、グローバルトレーディング事業の売上高は25,888百万円(前年同期比4.1%増)、セグメント利益は323百万円(前年同期比43.4%増)となりました。
③リチウムイオン電池リサイクル事業
電池材料の需要が軟調に推移する中で積極的な営業により取扱量を増加させました。一方で電池材料であるレアメタルの需給が緩和したことで相場は低迷しました。
以上の結果、リチウムイオン電池リサイクル事業の売上高は1,195百万円(前年同期比8.1%減)、セグメント利益は170百万円(前年同期比65.5%減)となりました。
2024年6月稼働予定の茨城工場の準備を進めてまいります。
④その他
TNFD対応支援、サーキュラーエコノミー関連コンサルティング、CO₂算定システムの開発等の新規取り組みを進めました。一方で、カーボンニュートラル関連コンサルティングも順調に増加し収益に貢献しました。
障がい福祉サービス事業は、就労継続支援B型を中心に新規利用者及び延べ利用人数が増加しました。
以上の結果、その他事業の売上高は387百万円(前年同期比9.6%増)、セグメント利益は107百万円(前年同期比13.1%増)となりました。
(2) 財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における総資産は32,905百万円(前連結会計年度末比781百万円の減少、2.3%減)となりました。流動資産は17,635百万円(前連結会計年度末比1,453百万円の減少、7.6%減)となりました。これは、商品及び製品が623百万円、受取手形及び売掛金が402百万円増加したものの、その他流動資産が1,446百万円、現金及び預金が1,057百万円減少したこと等によります。固定資産は15,270百万円(前連結会計年度末比671百万円の増加、4.6%増)となりました。これは、機械装置及び運搬具が471百万円増加したこと等によります。
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は15,448百万円(前連結会計年度末比1,413百万円の減少、8.4%減)となりました。流動負債は9,549百万円(前連結会計年度末比865百万円の減少、8.3%減)となりました。これは、賞与引当金が188百万円増加したものの、その他流動負債が625百万円、短期借入金が560百万円減少したこと等によります。固定負債は5,898百万円(前連結会計年度末比547百万円の減少、8.5%減)となりました。これは、長期借入金が467百万円減少したこと等によります。
当第3四半期連結会計期間末における純資産は17,457百万円(前連結会計年度末比632百万円の増加、3.8%増)となりました。これは、非支配株主持分が112百万円減少したものの、利益剰余金が560百万円、自己株式の処分により131百万円増加したこと等によります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題については、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、93百万円であります。主な活動の内容はリチウムイオン電池等のレアメタルを含んだ廃棄物からの効率的な分離精製技術の開発であります。
(5)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変動はありません。
(6)主要な設備
該当事項はありません。