E00028 Japan GAAP
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)が判断したものです。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの事業の状況につきましては、自動車の生産が堅調であったことから、自動車関連製品及びサービスの受注が増加しました。情報通信関連製品は中国経済の停滞等により販売が減少しました。また、新エネルギー関連製品は太陽光パネル向けの堅調な需要を受けて、当社製品の販売は増加しました。環境・リサイクル関連サービスは廃棄物処理の受注が堅調でした。相場環境につきましては、前年同期と比較して平均為替レートは円安ドル高となりましたが、亜鉛及びPGM(白金族金属)の平均価格は大幅に下落しました。一方で、エネルギー価格の高騰を受け、電力代等のエネルギーコストは前年同期と比較して増加しました。
このような状況の中、当社は企業価値の向上と持続可能な社会の実現への貢献に向け、「循環型ビジネスモデルの進化」と「サステナビリティ・マネジメントの強化」を「中期計画2024」の基本戦略とし、引き続き5つのコアビジネスのさらなる強化と経営基盤の充実化のための諸施策を着実に推進しています。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比7.0%減の551,675百万円、営業利益は同38.3%減の22,653百万円、経常利益は同26.9%減の33,138百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は政策保有株式の縮減に伴う売却益が発生したこと等から同11.9%減の24,020百万円となりました。
主要セグメントの経営成績は次のとおりです。なお、表中の「前第3四半期連結累計期間」は2022年4月1日から2022年12月31日まで、「当第3四半期連結累計期間」は2023年4月1日から2023年12月31日までです。
環境・リサイクル部門
(単位:百万円)
廃棄物処理事業では焼却の処理量及び処理単価は堅調に推移しました。また、溶融・再資源化の処理量は増加しました。土壌浄化事業では土壌浄化や不燃性廃棄物の再資源化の受注が前年同期を下回りました。リサイクル事業では当社製錬所向けのリサイクル原料の集荷量は増加し、家電リサイクルの処理量は減少しました。東南アジア事業では廃棄物処理の受注が前年同期を下回りました。一方で、労務費を中心に販売費及び一般管理費が増加しました。また、営業外損益では外貨建債権の為替換算差益を計上しました。
これらの結果、当部門の売上高は前年同期比1.2%増の111,592百万円、営業利益は同4.9%減の8,485百万円、経常利益は同6.0%減の8,867百万円となりました。
製錬部門
(単位:百万円)
貴金属銅事業では金、銀及び銅の生産量が減少しました。PGM事業では使用済み自動車排ガス浄化触媒からの金属回収量が増加したものの、PGMの平均価格が前年同期比で大幅に下落した影響を受けました。また、デリバティブ評価益が縮小しました。亜鉛事業では亜鉛の生産量は前年同期を下回りました。また、電力代等のエネルギーコストが大幅に増加しました。一方で、亜鉛の棚卸資産の簿価切下額による損失幅は縮小しました。営業外損益では海外亜鉛鉱山の運営会社において持分法投資利益を計上しました。
これらの結果、当部門の売上高は前年同期比22.6%減の255,264百万円、営業利益は同64.3%減の6,538百万円、経常利益は同48.8%減の13,373百万円となりました。
電子材料部門
(単位:百万円)
半導体事業ではウェアラブル機器向け需要の停滞を受けて、近赤外LED及び受光素子(PD)の販売が減少しました。電子材料事業では太陽光パネル向けの堅調な需要に伴って銀粉の販売が増加しました。一方で、半導体事業と電子材料事業では、平均為替レートが前年同期比で円安ドル高となったことが業績に寄与しました。機能材料事業では磁性粉の販売が低調に推移しました。また、営業外損益ではサンプル収入が増加しました。
これらの結果、当部門の売上高は前年同期比28.1%増の138,707百万円、営業利益は同66.7%減の1,183百万円、経常利益は同45.5%減の2,518百万円となりました。
金属加工部門
(単位:百万円)
伸銅品事業では当社の自動車向け製品の販売は堅調な自動車生産を受けて、第2四半期連結会計期間から増加に転じ前年同期並みとなりました。情報通信関連製品の販売は中国経済の停滞等により減少しました。また、デリバティブ評価益が縮小しました。めっき事業では自動車向けの需要が堅調に推移しました。回路基板事業の販売は堅調に推移しました。
これらの結果、当部門の売上高は前年同期比2.0%減の86,020百万円、営業利益は同10.1%減の3,948百万円、経常利益は同9.2%減の4,168百万円となりました。
熱処理部門
(単位:百万円)
熱処理事業では堅調な自動車生産に伴い国内外における熱処理受託加工の受注が増加しました。また、コストの増加に対する一時金収入が一部の顧客からありました。工業炉事業では設備販売及びメンテナンスの需要が堅調に推移しました。
これらの結果、当部門の売上高は前年同期比9.7%増の23,084百万円、営業利益は同79.4%増の1,599百万円、経常利益は同72.4%増の2,103百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比較して35,551百万円減少し619,730百万円となりました。流動資産で47,213百万円の減少、固定資産で11,662百万円の増加となります。
流動資産の減少は、原材料及び貯蔵品の減少41,092百万円、商品及び製品の減少23,433百万円、流動資産のその他の減少12,258百万円及び、現金及び預金の増加31,215百万円等によるものです。固定資産の増加は、有形固定資産の増加16,213百万円、投資有価証券の減少4,467百万円等によるものです。
負債は、前連結会計年度末と比較して62,602百万円減少しました。これは、コマーシャル・ペーパーの減少26,000百万円、流動負債のその他の減少13,651百万円、社債の減少10,000百万円及び、長期借入金の減少9,534百万円等によるものです。
純資産につきましては、親会社株主に帰属する四半期純利益が24,020百万円となり、配当金の支払い等を行った結果、株主資本が15,194百万円増加しました。また、為替換算調整勘定の増加等により、その他の包括利益累計額が10,648百万円増加した結果、純資産合計では前連結会計年度末と比較して27,050百万円増加しました。この結果、自己資本比率は59.8%となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当社は、株式会社の支配に関する基本方針を定めていませんが、基本的な考え方として、次のとおり「情報と時間ルール」を定めています。
情報と時間ルール
当社取締役会は、議決権割合が20%以上となる当社株式の買付行為(以下、大規模買付といいます)を受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると認識しております。その判断にあたっては、当社の事業規模や事業領域に照らして、大規模買付を行おうとする者(以下、大規模買付者といいます)と当社取締役会の双方からの「適切な情報提供」と「十分な検討期間の確保」が必要であると考えます。
このような基本的な考え方に基づき、当社取締役会は、大規模買付を認識したときは、大規模買付者に対し、次の情報(以下、大規模買付情報といいます)を他の株主及び取締役会に提供することを求めます。
① 大規模買付の目的及び内容
② 買付価格の算定根拠及び買付資金の裏付け
③ 大規模買付完了後に意図する当社経営方針及び事業計画
④ その他株主価値に影響する重要な事項に関する情報
当社取締役会は、大規模買付情報を検討したうえで、当該大規模買付に対する評価意見を公表します。その際には、取締役会から独立した第三者により構成される委員会の意見を求めます。
また、当社取締役会は、当社株式の取引や異動状況を常に注視し、大規模買付がなされた場合に迅速かつ適切な対応をとり得る社内体制を整備いたします。
当第3四半期連結累計期間における「開発研究費」の総額は7,954百万円です。これには研究開発費5,295百万円のほか、新鉱床探鉱費等2,659百万円が含まれています。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間において、熱処理部門及びその他の受注残高が著しく増加しています。
受注残高の増加は、熱処理部門(熱処理炉)の連結子会社であるDOWAサーモテック㈱、その他(工事の請負)の連結子会社であるDOWAテクノエンジ㈱において受注高が増加したことによるものです。
当第3四半期連結累計期間における熱処理部門の受注実績は次のとおりです。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループは、コアビジネスである環境・リサイクル部門、製錬部門、電子材料部門、金属加工部門、熱処理部門を中心に事業を行っており、このうち製錬部門等は、非鉄金属地金相場及び為替相場の変動の影響を受けやすいため、状況に応じて非鉄金属先渡取引及び為替予約取引等によりリスク軽減に努めています。
当社グループでは、今後も収益性の向上及び財務体質の改善に努めていきますが、非鉄金属地金相場及び為替相場の急激な変動、景気動向等の外的要因により業績に影響を受ける可能性があります。