売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01408 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染懸念後退に伴い、サービス消費、インバウンド需要の回復が見られました。一方、中国経済の景気停滞、消費マインドの冷え込みによる成長鈍化の影響を受けた産業もあり、まだら模様の状況が見られましたが、総じていえば、緩やかな景気の回復が見られました。

 今後も、地政学的リスクの高まりによるエネルギー価格や資源価格の高止まり、円安による諸物価の上昇など、依然として先行きが不透明な状況が予想されます。

 当第3四半期は、当社グループの主力品種である18L缶は、出荷数に若干の落ち込みがみられましたが、原材料やエネルギー価格上昇の客先への転嫁により、前年対比で売上高は13.0%増加しております。また、美術缶につきましては出荷数も若干増加し前年対比で売上高は17.0%増加しております。

 このような中、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は、9,211百万円(前年同期比13.7%増)、営業利益は262百万円(前年同期比153.6%増)、経常利益は313百万円(前年同期比111.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は238百万円(前年同期比21.9%増)となりました。

 セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

①金属缶製造販売事業

 製品別売上高                                  (単位:百万円、%)

 

前年同四半期

当第3四半期

前年同四半期比

金額

構成比

金額

構成比

金額

増減率

18L缶

5,200

65.1

5,878

64.6

678

13.0

美術缶

2,229

27.9

2,608

28.7

379

17.0

その他

555

7.0

605

6.7

49

8.9

7,985

100.0

9,092

100.0

1,107

13.9

 

 金属缶製造販売事業の売上高は9,092百万円(前年同期比13.9%増)、営業利益は201百万円(前年同期比354.4%増)となりました。

②不動産賃貸事業

 不動産賃貸事業の売上高は118百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益は60百万円(前年同期比3.0%増)となりました。

 

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は7,687百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,189百万円増加いたしました。これは主に電子記録債権が755百万円、原材料及び貯蔵品が188百万円、受取手形及び売掛金が182百万円増加し、仕掛品が1百万円減少したことによるものであります。固定資産は7,372百万円となり、前連結会計年度末に比べ72百万円減少いたしました。これは主に有形固定資産が83百万円増加し、無形固定資産が40百万円、投資その他の資産が115百万円減少したことによるものであります。

 この結果、総資産は15,060百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,116百万円増加いたしました。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は5,721百万円となり、前連結会計年度末に比べ886百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が781百万円、短期借入金が200百万円増加し、設備関係支払手形が68百万円、賞与引当金が52百万円減少したことによるものであります。固定負債は3,202百万円となり、前連結会計年度末に比べ108百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が124百万円、退職給付に係る負債が19百万円増加し、繰延税金負債が31百万円減少したことによるものであります。

 この結果、負債合計は8,923百万円となり、前連結会計年度末に比べ995百万円増加いたしました。

 

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、6,137百万円となり、前連結会計年度末に比べ121百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が142百万円増加し、その他有価証券評価差額金が74百万円減少したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は34.4%(前連結会計年度末は36.6%)となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因

①需要動向

 当社グループを取り巻く事業環境は、短期的には内需は新型コロナウイルス感染懸念後退に伴うサービス消費、インバウンド需要の回復が一巡したものの、逆に物価高騰による実質賃金マイナスの影響を受けた消費マインドの冷え込みから、エンドユーザーの購買控えが懸念されます。特に外需は、中国の各種製造能力と需要ミスマッチによる市況悪化、不動産部門の調整長期化、将来不安の高まりを背景とした消費者心理の悪化から中国の景気は停滞が進み、一方で欧米の高金利政策継続による景気後退が予想され、18L缶も間接的にこれらの影響を受けると懸念されます。

 なお、商品には登場から退場迄のライフサイクルがありますが、商品ライフサイクルにあわせた美術缶の大型製造設備の設置を予定しております。設備設置期間中は、操業を止めることになるので、収益に影響が出てきます。また、既存の古い設備を利用する場合は減価償却がほぼ終わっており、償却負担なく利益確保が可能なのに対し、新規設備の場合は、減価償却負担が大きく掛かってきます。販売数量的には、従来の1社購買から複数社購買にしたい旨の客先申し入れがあります。販売数の減少は現時点で不明ですが、今後収益に悪影響を及ぼすリスクがあります。当社としても、できる限り早い設備設置、操業開始、販売数量の拡大に向け努力をしてまいります。

 中長期的には、少子高齢化、容器素材の多様化による金属缶の需要減少に直面しております。係る状況下、鉄鋼メーカーと一体となって、地球にやさしいLCAの優位性のある容器であるということをお客様に積極的にアピールを行い、微力ではありますが持続可能な社会構築の一助になるべく取り組んでまいります。

②コストアップの要因

 主原材料、原油、ガス等の国際市況の高止まりと円安が続く中、労働人口の減少やミスマッチによる人件費の高騰、ホワイト物流による物流コストの上昇や輸送能力での制約から、コストの上昇圧力は強くなっており、これらが収益の大きな圧迫要因となっております。

 当社グループといたしましては、引続き稼働率向上、歩留り改善による生産効率改善と輸送効率改善に努めるとともに、お客様にコストアップの状況を丁寧に説明し続けてまいります。