売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01411 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに回復の動きが見られるものの、中東情勢の緊迫化、原材料価格やエネルギー価格の高騰等により、景気の見通しは依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。

このような状況の下、国内市場におきましては、コロナ禍の収束や半導体不足の影響が少なくなり、回復傾向にあるものの、コロナ禍前の水準までには戻っておらず未だ回復途上にあることや、一部メーカーでは依然部品供給不足の影響が残っていること、鉄鋼メーカーのリードタイム長期化など、当社グループを取り巻く環境は厳しい状況が続いております。また、海外市場におきましても、特に中国関連事業が急速なEVシフトや価格競争の激化、新排ガス規制に対応した生産調整等により業績に大きな影響を与えております。加えて、鋼材価格や電力その他諸費用上昇分の価格転嫁も進まず収益が圧迫されておりますが、製造経費や販管費などのコスト削減に全社一丸となって取り組んで参りました。

この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は378億3千1百万円と前年同四半期比63.3%増加し、営業利益につきましては2千4百万円(前年同四半期は8千1百万円の損失)となりました。

経常利益は1億4千万円(前年同四半期は2百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては3千9百万円と前年同四半期比88.1%の減少となりました。

 

当第3四半期連結累計期間における各セグメントの概況は、次のとおりです。

 

(a) 商事部門

特殊帯鋼、普通鋼等を販売しております商事部門では、前第3四半期連結会計期間末から連結の範囲に含めた中川産業株式会社の業績が当第3四半期連結累計期間に含まれていること等により、売上高は278億4千2百万円と前年同四半期比100.1%増加し、セグメント利益(営業利益)は4億4千1百万円と前年同四半期比40.0%の増加となりました。

 

(b) 焼入鋼帯部門、鈑金加工品部門

焼入鋼帯、鈑金加工品を製造販売しております焼入鋼帯部門、鈑金加工品部門では、焼入鋼帯部門につきましては、輸出を中心とした自動車関連部品や刃物の在庫調整もあり、売上高は11億6千8百万円と前年同四半期比18.0%減少し、セグメント利益(営業利益)は原材料価格の高騰により1億2千3百万円と前年同四半期比61.8%の減少となりました。鈑金加工品部門につきましては、主力販売先である自動車業界向けの売上高が増加したことや経費抑制に努めたこと、前連結会計年度において事業用資産等を減損したことで減価償却費の負担が軽減したこと等により、売上高は53億3千8百万円と前年同四半期比8.4%増加し、セグメント利益(営業利益)は3億7千2百万円と前年同四半期比277.4%の増加となりました。

 

(c) 海外事業

海外事業におきましては、売上高は34億8千1百万円と前年同四半期比19.6%増加しましたが、中国関連事業の大幅な落ち込みと製造原価の増加等により、3億6千3百万円のセグメント損失(営業損失)(前年同四半期は1億7千9百万円の損失)となりました。

 

 

②財政状態

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末より7千7百万円減少し、364億1千4百万円となりました。主な内訳は以下のとおりであります。

(a) 流動資産

流動資産の残高は、主に商品及び製品の減少により261億3千2百万円(前連結会計年度末比6億6千6百万円減少)となりました。

(b) 固定資産

固定資産の残高は、主に投資有価証券の増加により102億8千2百万円(前連結会計年度末比5億8千8百万円増加)となりました。

(c) 流動負債

流動負債の残高は、主に支払手形及び買掛金の減少により194億3千4百万円(前連結会計年度末比14億7千9百万円減少)となりました。

(d) 固定負債

固定負債の残高は、主に長期借入金の増加により34億4千9百万円(前連結会計年度末比7億9千5百万円増加)となりました。

(e) 純資産

純資産の残高は、主に為替換算調整勘定の増加により135億3千1百万円(前連結会計年度末比6億6百万円増加)となりました。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。

 

株式会社の支配に関する基本方針

①基本方針の内容

当社は、1943年5月に創業以来、特殊帯鋼(みがき特殊帯鋼、熱間圧延鋼帯、ステンレス鋼帯)、普通鋼等を主とした鋼材の販売をする商事部門と、特殊帯鋼を主原料とする焼入鋼帯(ベーナイト鋼帯を含む。)及び、鈑金加工品(コードリール、ゼンマイを含む。)の生産をする製造部門を中心として事業展開をしております。
 現在当社は、『会社の繁栄は従業員の幸福のためにあり社会に貢献することにある』を経営理念とし、『人を 大切にして、共に成長する会社つくり』を経営方針としております。当社は、この理念に基づき、短期的な収益の確保のみならず、中長期的な視野に立って、当社の従業員、取引先の皆様、お客様その他の当社に係る利害関係者を含んだ当社の本源的価値及び株主様共同の利益を持続的に維持・向上させていくことが必要であると考えております。

 

②基本方針実現のための取組み
○当社の財産の有効な活用、適切な企業グループの形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

当社及び当社グループ会社は、透明で公正な企業活動による人を大切にして、共に成長する会社つくりをめざして、特殊帯鋼の専門商社及び焼入鋼帯・鈑金加工品のメーカーとして、特殊帯鋼の市場占有率の向上を図るとともに、特殊帯鋼の特性を熟知した加工技術をもつ強みを活かした安全な製品を自動車のエンジン・ミッション、農業機械、住環境機器などの広範な市場に安定的に提供しております。
 また、価値提案企業として、特殊帯鋼の加工性情報を活用した販売に努め、広幅焼入鋼帯のさらなる市場創造と、自動車エンジン・ミッション分野へのアッセンブリ製品の展開、農業機械分野へのモジュール製品などの複合製品の展開をそれぞれ推進するとともに、自社ブランド製品の開発に努めております。
 また、当社は、企業の社会的責任を果たし、株主の皆様、顧客の皆様、ユーザーの皆様、取引先の皆様、従業員などさまざまなステークホルダーから信頼されることが、事業活動において不可欠と考えております。また、コーポレート・ガバナンスの充実・強化が経営上の重要課題であると認識し、公正かつ透明性のある経営基盤の強化を図り、的確な意思決定と迅速な業務執行を行うよう努めております。

○基本方針に照らして不適切な者によって当社が支配されることを防止するための取組み

当社は、2023年5月26日開催の取締役会において、2023年6月28日開催の第82期事業年度に係る定時株主総会における株主の皆様のご承認を条件に、「当社株券等の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」(以下、「本プラン」といいます。)を継続することを決議し、2023年6月28日開催の定時株主総会でご承認をいただいております。
 本プランでは、当社の株券等を20%以上取得しようとする者(大規模買付者)が現れた場合に、大規模買付者が本プランに定める要件(必要情報及び検討期間)を満たさない場合、また、要件を満たす場合であっても当該大規模買付行為が、当社の企業価値及び株主様共同の利益の確保・向上に反し、対抗措置を採ることが相当と認められる場合には、当社取締役会は、当社株主の皆様の利益を守るために、株主総会において株主の皆様に承認を得たうえで、対抗措置を採ることがあります。
 当社が本プランに基づき発動する大規模買付行為に対する対抗措置は、新株予約権無償割当て等、会社法その他の法令及び当社の定款により認められる措置といたします。
 具体的に如何なる手段を講じるかについては、独立委員会の勧告を最大限尊重して、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することといたします。
 本プランの有効期間は、2026年6月30日までに開催される第85回定時株主総会の終了の時までであります。

③具体的な取組みに対する取締役会の判断及びその理由

当社取締役会は、これらの取組みが基本方針に沿うものであり、株主様共同の利益を損なうものではなく、会
社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。
 本プランは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経
営を担っている当社取締役の意見を当社株主の皆様に提供し、さらには、当社株主の皆様が代替案の提示を受け
る機会を確保することを目的としております。これにより当社株主の皆様は十分な情報のもとで、大規模買付行
為に応じるか否かについて適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社の企業価値及び株主様共同の利
益の確保・向上に繋がるものと考えております。
 同時に本プランは、本プランの発動等に際しての社外者からなる独立委員会の設置や合理的な客観的発動要件
を設定しており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。

 

④コーポレート・ガバナンスの強化について

当社は、企業の社会的責任を果たし、株主の皆様、顧客の皆様、ユーザーの皆様、取引先の皆様、従業員などさまざまなステークホルダーから信頼されることが、事業活動において不可欠と考えております。また、コーポレート・ガバナンスの充実・強化が経営上の重要課題であると認識し、公正かつ透明性のある経営基盤の強化を図り、的確な意思決定と迅速な業務執行を行うよう努めております。

(a) コーポレート・ガバナンス体制の強化

当社は概ね1ヶ月に1~2回の常務会、経営会議において各部門の管掌役員が集まり、各部門の運営上の説明を行い、経営上の諸問題の審議及び内容の具体化など、経営執行上の意思決定を迅速に行っております。
 当社の取締役会は現在7名で構成されております。取締役会は月1回の定例取締役会のほか、必要に応じて機動的に臨時取締役会を開催し、経営に関する重要事項の決定や業務執行の状況を逐次監督しております。また、変化の激しい経営環境に機敏に対応するために取締役の任期を1年としております。
 さらに、取締役会から独立した監査役会を設置しており、財務監査は当然のこととして、コンプライアンス、リスク管理、業務監査の各視点から監査を行っております。

(b) コンプライアンス体制の強化

当社は、「企業倫理規程」を定め、これをコンプライアンスの規範としております。また、全社を挙げて法令・規程順守の体制を整備するとともに、当社の企業理念、社員行動基準を集約した「モリテックグループ行動規範」ハンドブックを作成し、全役職員に配付することでコンプライアンス精神の浸透を図っております。また、従業員からの通報、相談を受け付けるヘルプラインを設置するなど、コンプライアンス、リスク管理を含む企業倫理の啓蒙とその徹底に努めております。

(c) リスク管理体制の強化

当社は、リスクマネジメント委員会がリスクの評価、優先順位などを総括的に管理しており、情報管理委員会
が個人情報、企業の有する機密情報などの適正な管理体制の構築に努めております。
 財務報告に係る内部統制委員会が、内部統制の整備及び運用状況を管理し適時経営者に報告しております。
 内部監査部が、経営の合理化及び能率の増進を目的とし業務及び会計の監査を行うほか、リスク管理の視点か
らも監査を行っております。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、122,511千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
 なお、研究開発活動については、特定のセグメントに関連付けられないため、セグメント別の記載は行っておりません。

 

(4) 従業員数

当第3四半期連結累計期間において、従業員数の著しい増減はありません。

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売の実績に著しい変更はありません。

 

(6) 主要な設備

当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。