売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01698 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、経済活動に正常化の兆しが見られた一方で、長期化するロシア・ウクライナ情勢や不安定な中東情勢等の地政学的リスクを背景とした原材料価格・資源価格の高騰に加えて、世界的なインフレ長期化や金融引き締めの継続などにより、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

当社グループを取り巻く経営環境につきましては、北米及び欧州のゲーミング市場においては、世界的な旅行需要の拡大を背景にカジノホテルの設備投資需要が堅調に推移したことに加えて、国内外のコマーシャル市場においても、各国でスタンダードになりつつある非接触・非対面による代金決済方式の普及拡大に伴う環境整備需要は引き続き堅調でありました。また、国内の遊技場向機器市場では、顧客におけるスマート遊技機の更新需要の高まりに伴い周辺設備の販売が堅調に推移いたしました。

このような状況の下、ゲーミング市場においては引き続き堅調な需要に対し、顧客ニーズに沿った様々な提案活動に努めるとともに、新製品の販売促進活動を含めた多角的なマーケティング活動を実施いたしました。また、コマーシャル市場では、国内において高まるインバウンド需要の増加に伴う旺盛な製品需要への対応に加えて、本年7月に発行される新紙幣の改刷対応に努めるとともに、海外では、主に北中南米地域における新拠点を中心に、新製品の販路拡大を含めた現地代理店の拡充や、各国の市場ニーズに応じた製品提案活動に引き続き注力いたしました。さらに、遊技場向機器市場においても高需要製品に特化した販売活動を実施いたしました。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は、22,282百万円(前年同四半期比17.3%増)となりました。利益面においても売上高の増加に加えて、部材供給不足の解消などに伴う利益率の向上により、営業利益は1,997百万円(前年同四半期比123.8%増)、円安の進行に伴う為替差益の計上などにより、経常利益は2,359百万円(前年同四半期比62.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,685百万円(前年同四半期比43.9%増)となりました。

なお、当第3四半期連結累計期間の平均為替レートは、米ドル139.56円(前年同四半期は129.46円)、ユーロは151.21円(前年同四半期は136.68円)で推移いたしました。また、当第3四半期連結会計期間末の時価評価に適用する四半期末日の為替レートは、米ドル141.83円(前連結会計年度末は133.54円)でありました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

①グローバルゲーミング

 主力製品である紙幣識別機ユニット及びプリンターユニットの需要が旺盛であったことから、当セグメントの売上高は11,597百万円(前年同四半期比3.8%増)、セグメント利益は1,927百万円(前年同四半期比45.7%増)となりました。

②海外コマーシャル

 欧州地域における流通市場向けの紙幣還流ユニット及び紙幣識別機ユニットの需要が堅調に推移したことなどにより、当セグメントの売上高は4,275百万円(前年同四半期比39.1%増)となりました。一方で部材価格高騰の影響等により、セグメント損失は50百万円(前年同四半期は129百万円の利益)となりました。

③国内コマーシャル

 セルフガソリンスタンド精算機、バス運賃箱向けの紙幣識別機ユニット等の販売が増加したことに加えて、新紙幣の改刷需要の増加などにより、当セグメントの売上高は1,873百万円(前年同四半期比35.9%増)、セグメント利益は244百万円(前年同四半期比115.7%増)となりました。

④遊技場向機器

スマート遊技機専用ユニットを中心に周辺機器の販売や設置工事等が増加したことなどにより、当セグメントの売上高は4,536百万円(前年同四半期比34.3%増)、セグメント利益は774百万円(前年同四半期は71百万円の損失)となりました。

 

(2)財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて4,197百万円増加し、43,014百万円となりました。

 流動資産合計は、前連結会計年度末に比べて3,291百万円増加し、35,564百万円となりました。「受取手形、売掛金及び契約資産」が2,159百万円、棚卸資産が7,193百万円それぞれ増加した一方、「現金及び預金」が5,065百万円、「有価証券」が402百万円、前渡金の減少などにより「その他」が478百万円それぞれ減少いたしました。

 固定資産合計は、有形固定資産の取得等により前連結会計年度末に比べて911百万円増加し、7,419百万円となりました。

 繰延資産は、社債発行費の償却により前連結会計年度末に比べて5百万円減少し、29百万円となりました。

 流動負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,487百万円増加し、9,113百万円となりました。「支払手形及び買掛金」が1,129百万円、契約負債の増加などにより「その他」が490百万円それぞれ増加いたしました。

 固定負債合計は、前連結会計年度末に比べて518百万円減少し、3,509百万円となりました。借入金返済により「長期借入金」が600百万円減少いたしました。

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べて3,227百万円増加し、30,391百万円となりました。譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分等に伴い「自己株式」が15百万円減少し、また、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより「利益剰余金」が1,274百万円、在外子会社の時価評価による「為替換算調整勘定」が1,813百万円それぞれ増加いたしました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,135百万円減少し、8,068百万円になりました。

 

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、支出した資金は4,297百万円(前年同四半期は319百万円の支出)となりました。これは主に税金等調整前四半期純利益2,361百万円、仕入債務の増加499百万円などにより資金が増加した一方、売上債権の増加1,301百万円、棚卸資産の増加6,062百万円、法人税等の支払486百万円などにより資金が減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、支出した資金は374百万円(前年同四半期は49百万円の収入)となりました。これは主に有価証券の減少455百万円などにより資金が増加した一方、定期預金の預入による支出73百万円、有形固定資産の取得による支出699百万円などにより資金が減少したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、支出した資金は1,093百万円(前年同四半期は1,003百万円の支出)となりました。これは主に長期借入金の返済600百万円、配当金の支払410百万円などにより資金が減少したことによるものであります

 また、これらのほかに、現金及び現金同等物に係る換算差額629百万円の資金の増加がありました。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、当第3四半期連結累計期間において、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、1,109百万円であります。
 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。