売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E33254 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

① 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、近頃の足踏みもみられますが、緩やかに回復しており、先行きについても、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復が続くことが期待されております。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような環境のもと、当社グループは、「ゲームをより楽しめる世界を創る」を企業理念に掲げ、ゲームに関する様々な事業を展開し、当社グループの事業成長に注力してまいりました。多くのユーザーから支持を集めるゲーム情報メディア「GameWith」の運営を中心としたメディア事業は堅調に成長し、利益を生み出しております。また、今後も市場規模の拡大が見込めるeスポーツ、現在注目を集めているNFT領域やeスポーツ向けの光回線事業等については、積極的に経営資源を投下することで、売上高が大きく成長しております。

一方で、当期の第2四半期以降、メディア事業において、スマホゲームの新作リリース本数及び広告費の減少といった外部環境の影響を受け、当初の想定よりも売上高が減少しておりました。さらに、広告単価が年明けから大きく下落した影響により、売上高及び利益が減少いたしました。その結果、売上高、営業利益、経常利益について、期初計画より下回る見込みとなりました。

また、子会社である株式会社DetonatioNにおいては、運営するeスポーツチーム「DetonatioN FocusMe」におけるVALORANT部門のライアットゲームズとのパートナーシップ締結やeスポーツチーム「Crazy Raccoon」との業務提携等、子会社化を行った当初とは大きく状況が変化しており、投資機会も大幅に増えている状況です。そのため、将来的な企業価値最大化を目的に、チーム強化のための投資を優先する方向で、改めて利益計画の見直しを行いました。その結果として、短期的な利益については減少し、四半期連結財務諸表において、のれんや固定資産等に係る減損損失等を計上することといたしました。なお、当該減損損失には既に将来取得することが決まっている株式によって生じるのれんも含まれております。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,701百万円(前年同期比3.1%増)、営業利益は114百万円(同53.8%減)、経常利益は91百万円(同60.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失は272百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益130百万円)となりました。

 

セグメント別の業績は以下のとおりでございます。

なお、顧客との契約から生じる収益を分解した情報として、従来は「ゲーム攻略」、「ゲーム紹介」、「動画配信」に区分しておりましたが、市場環境の変化に適応した注力事業の変化をより正確な情報として提供するため、また、より詳細な事業ごとの収益性を明確にするため、第1四半期連結会計期間より、「メディア広告」、「メディアソリューション」、「eスポーツクライアント」、「eスポーツファンビジネス」の区分に変更しております。

 

1)メディア

メディア事業においては、主に多くのユーザーから支持を集めるゲーム情報メディア「GameWith」等の企画・運営を行っております。ゲームを有利に進めるための攻略情報やゲームを見つけるための紹介情報等のコンテンツを、主にWebサイトの利用者に提供し、そこに表示される広告枠を販売すること等により収益を得ております。

コンテンツ作成においては、コンテンツ作成に特化した組織の運営や、全国どこでもリモートライターとしてゲームを仕事にできる「ゲームプレイワーカー」の活用等を行うことで、より質の高い記事を迅速に提供できる仕組みを構築しております。PV(ページビュー)数が見込めるヒットタイトルについては攻略サイト運営によりトラフィックを生み出すことで、複数の広告主が入札を行い、広告枠を獲得するモデルである「メディア広告」による収益を得ると同時に、主にゲーム会社向けに有料攻略サイト運営やゲーム紹介記事作成等の多様な商材を直接提供することで、メディア価値を活かした「メディアソリューション」による収益を得ております。

当第3四半期連結累計期間においては、モバイルゲームの市場成長が以前と比較して鈍化している中、家庭用ゲームやPCゲームにおけるPV数獲得は引き続き好調のため、全体として堅調に推移している一方で、好調を維持していたPV単価が年始から急落したため、「メディア広告」による収益が影響を受けました。「メディアソリューション」による収益においては、モバイルゲームを中心として新作タイトルのリリース数や投下する広告費が想定以上に減少しており、前年同期比で大きく減少しております。対策及び見通しといたしまして、広告単価については市況の影響を受けやすい領域ではあるものの、広告運用を徹底することで年明けを底に徐々に回復傾向にあります。PV数については順調に推移しているため、「メディア広告」については今後も堅調な売上を見込んでおります。「メディアソリューション」においては、直近で市場が増加傾向にある家庭用ゲーム領域へのアタック強化と、国内No.1ゲームメディアを運営するゲームのプロとしての知見を活かした顧客に対するトータルソリューションの提案による案件あたりの単価増を目指してまいります。戦略に基づいた新規商材の開発や営業体制の構築を急ピッチで行っており、当社提案による大型新規案件の獲得や、大手ゲーム企業からの案件も対応しており、収益改善に注力してまいります。

以上の結果、当セグメントの売上高は1,747百万円(前年同期比4.4%減)、営業利益は727百万円(同6.5%減)となりました。

 

2)eスポーツ・エンタメ

eスポーツ・エンタメ事業においては、主にゲーム実況を中心としたストリーマー等のクリエイターマネジメントとeスポーツチームの運営を行っております。

直近で注力しているeスポーツについては、国内屈指のeスポーツチーム「DetonatioN FocusMe(以下、「DFM」という)」をグループに抱えており、有力な選手をスカウトし固定報酬や練習環境、チームマネジメント等を提供することで、世界で戦えるかつ人気のあるeスポーツチームを運営することに注力しております。こういった点に経営資源を投下しチームの価値を上げることで、大会賞金だけでなく、大手企業を含んだ様々な業界のクライアントによるスポンサー収益やイベント開催、eスポーツタイトルのパブリッシャーによる支援金などの「eスポーツクライアント」による収益を得ております。また、選手やストリーマー、チームのファンに向けたグッズ販売やファンクラブ運営、動画配信などの「eスポーツファンビジネス」による収益など、多様な方法で収益を得ております。

当第3四半期連結累計期間においては、eスポーツチームにおける新規スポンサーの獲得やパブリッシャーによるインセンティブ等が売上高増加に貢献いたしました。また、2023年11月18日に国内でトップクラスの人気を誇るeスポーツチーム「Crazy Raccoon(以下、「CR」という)」との包括的業務提携契約の締結を発表いたしました。CRの持つインフルエンサービジネスのノウハウやアートディレクションスキルを活用することによるDFMおよび当社グループのeスポーツ事業のさらなる持続的な成長および国内トップレベルのプロeスポーツチーム同士が連携することによる日本のeスポーツ業界のさらなる発展を目的に、主にDFMのVALORANT部門における広報、動画作成、オンラインウォッチパーティ・イベント、グッズ制作・販売等のインフルエンサービジネス拡大に係る業務全般について、それぞれのノウハウや既存のアセットを活用した業務連携を行ってまいります。

以上の結果、当セグメントの売上高は684百万円(前年同期比7.8%増)、営業損失は174百万円(前年同期は営業損失162百万円)となりました。

 

3)その他

その他においては、新規事業として、企業理念である「ゲームをより楽しめる世界を創る」を実現するため、ゲームに関する様々な事業を行っております。現状は、NFT事業とeスポーツに特化した光回線事業の主に2つに注力しております。

NFT事業については、投資先の株式会社Kyuzanよりプロモーション等の受託をしているNFTゲーム「EGGRYPTO」が成長しております。また、2022年7月には初心者でもNFTゲームを楽しむことができる情報を提供するNFTゲーム専門メディア「GameWith NFT」をオープンしております。メディア運用で培ったノウハウやブランドを活かし、NFTゲームの発展と普及に貢献することを目指しております。

光回線事業については、eスポーツを楽しむユーザーが拡大している中、eスポーツで勝つために必要となる高速で低遅延のインターネット回線の需要を見込み、ゲームを知り尽くしたGameWithによる、信頼性のある光回線を提供しております。資本業務提携先であるアルテリア・ネットワークス株式会社のインターネット接続サービス、ノウハウを利用して運用することで、最大限のパフォーマンスを実現しております。2024年2月には、全国の学校向けにeスポーツ部専用「GameWith光eスポーツ部応援プラン」の提供を開始するなど、様々な取り組みを実施しております。

当第3四半期連結累計期間においては、リリース3.5周年を迎えアプリの累計ダウンロード数が150万を超えるNFTゲーム「EGGRYPTO」について、売上高は前年同期比で成長しました。光回線事業については、引き続き新規ユーザー獲得のためプロモーションを積極的に実施しており、順調に申込者を獲得しております。

以上の結果、当セグメントの売上高は269百万円(前年同期比71.1%増)、営業損失は163百万円(前年同期は営業損失133百万円)となりました。

 

② 財政状態の分析

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における総資産は4,013百万円となり、前連結会計年度末に比べ567百万円減少いたしました。これは主に、未収消費税等が11百万円増加したものの、現金及び預金が344百万円、のれんが242百万円減少したことによるものであります。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は920百万円となり、前連結会計年度末に比べ302百万円減少いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が34百万円、未払法人税等が82百万円、賞与引当金が38百万円、長期借入金が195百万円減少したことによるものであります。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産は3,093百万円となり、前連結会計年度末に比べ265百万円減少いたしました。これは、その他有価証券評価差額金が3百万円、為替換算調整勘定が2百万円増加したものの、利益剰余金が272百万円減少したことによるものであります。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

該当事項はありません。