株式会社HANATOUR JAPAN

ブランドなど:JAPAN TOPKENマークシティホテル
サービス業旅行代理店グロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E33602 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において判断したものであります。

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における経営環境は、金融政策による景気後退懸念やエネルギー等資源価格の高止まりによる世界経済の先行き不透明な状況が続いているほか、観光産業における人手不足などインバウンド旅行市場の正常化に課題が残る状況ではありますが、国際線航空便数は回復途上にあり、訪日外国人数は堅調な回復をみせています。

このような環境の中、当社グループでは、生産性向上やペーパーレス化に資する社内業務のデジタル化の推進、徹底したコストの抑制を継続するとともに、インバウンド需要の獲得に注力してまいりました。

基幹事業である旅行事業においては、増加傾向にあるインバウンド需要を取りこぼしなく獲得するため、人員の最適化とともに、九州、北海道の地方営業所を再開いたしました。またライフスタイルの変化・多様化によるお客様のニーズに合わせた旅行商品の開発に取り組むとともに、グループ全体で持続的な成長を実現すべく、業容拡大と生産性向上に努めております。

なお、当第3四半期連結累計期間及び今後の業績動向等を勘案し、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、当第3四半期連結決算において、繰延税金資産を追加計上いたしました。これにより、当第3四半期連結累計期間の法人税等調整額(益)は、416,213千円となりました。

これらの活動の結果、売上高3,605,229千円(前年同期比210.5%増)、営業利益446,558千円(前年同期は営業損失1,312,323千円)、経常利益401,520千円(前年同期は経常損失1,307,315千円)、親会社株主に帰属する四半期純利益818,329千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失1,306,019千円)となりました。

セグメント別の業績は、次のとおりであります。各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。

 

① 旅行事業

当第3四半期連結累計期間のインバウンド旅行市場は、国際線定期便が2023年夏ダイヤ時点でコロナ禍前の約6割まで回復し、訪日外客数は1,737万人(出典:日本政府観光局(JNTO))と、2019年比では71.2%程度まで回復するに至り、2023年9月単月の同年比は96.1%まで回復しました。

一方では、航空運賃の高止まりや、国内地方空港の国際線回復の遅れ、観光産業における人手不足など課題が残る状況であります。また、当社が注力とする訪日韓国人旅行については個人客が高い割合を占めており、足元の団体パッケージツアーは低価格帯の商品を中心に展開しております。今後の本格的な回復に向け、市場動向を分析しながら、プロモーションなどに取組んでまいります。

さらに、韓国をはじめとする海外エージェント向けの商品企画や開発、東南アジア、欧州地域のエージェントへの営業強化、FIT向けとして海外有力サイトとのAPI連携を中心に展開しているオンラインプラットフォーム「Gorilla」にて取扱うホテルや旅ナカ商材の拡充に注力してまいりました。

今後、コロナ禍で縮小した事業規模を拡大させつつ、社内業務のデジタル化を推進し生産性の向上を目指してまいります。

当第3四半期連結累計期間の旅行事業の売上高は1,648,467千円(前年同期比13.0倍)、セグメント利益は463,407千円(前年同期はセグメント損失90,212千円)となりました。

 

② バス事業

当第3四半期連結累計期間のバス事業は、東京、大阪、北海道と九州の4拠点にて、韓国を中心としたインバウンド需要獲得をはじめ、国内向けの営業強化に注力し、2023年7月27日より海外航空会社のクルー送迎の運行業務効率化のため「羽田営業所」を開設し、営業を開始しております。

インバウンド需要を中心に貸切観光バスの需要は想定を超えるペースで回復しており、ドライバーの採用など業容拡大とともに、社内業務のデジタル化を推進し生産性の向上を目指しております。

当第3四半期連結累計期間のバス事業については、売上高1,202,680千円(前年同期比11.7倍)、セグメント利益149,888千円(前年同期はセグメント損失234,321千円)となりました。

 

③ ホテル等施設運営事業

当第3四半期連結累計期間においては、国内需要、インバウンド需要ともに順調に回復している中、国内外の旅行エージェントへの営業を強化し、団体需要の獲得を中心に注力してまいりました。また、2棟のホテルを運営している札幌地区が夏の行楽シーズンを迎えたこともあり、業績は黒字化するに至りました。

回復傾向にあるADR(平均客室単価)については、地域別の市況に応じADRを適切にコントロールし、最大限の売上高獲得に注力しております。

継続して、国内、東アジアや東南アジアのエージェントへの営業強化、近隣の飲食店やレジャー施設とのセット商品等の企画など、ビジネス需要と共に、レジャー需要の取込みに注力し、利益拡大を目指してまいります。

当第3四半期連結累計期間のホテル等施設運営事業の売上高は1,662,222千円(前年同期比63.4%増)、セグメント利益は73,395千円(前年同期はセグメント損失800,912千円)となりました。

 

④ その他

システム開発事業のHANATOUR JAPAN SYSTEM VIETNAM COMPANY LIMITEDは、当社旅行事業のプラットフォーム「Gorilla」を含む当社グループのシステム開発・運用を中心に行っており、当第3四半期連結累計期間のセグメント間内部売上は堅調に推移しております。

当第3四半期連結累計期間の売上高は30,199千円(前年同期比28.7%増)、セグメント損失1,360千円(前年同期はセグメント利益726千円)となりました。

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における総資産は9,322,329千円となり、前連結会計年度末に比べ403,290千円増加いたしました。これは主に、各事業コロナ禍からの回復により取引高が増加しているため、売掛金及び契約資産が298,942千円増加、前渡金が25,201千円増加したこと、同様にホテル等宿泊施設に差入れた保証金の増加により敷金保証金が35,844千円増加したこと、税効果会計における繰延税金資産の認識に伴い、投資その他の資産のその他に属する繰延税金資産が416,213千円増加したこと、一方、金融機関への借入金早期弁済などにより現金及び預金が134,910千円減少したこと、有形固定資産が減価償却等により234,702千円減少したこと等によるものであります。

当第3四半期連結会計期間末における負債は7,858,145千円となり、前連結会計年度末に比べ413,248千円減少いたしました。これは主に、流動・固定負債のリース債務が支払いにより176,133千円減少したこと、短期・長期借入金が約定弁済、早期弁済により617,008千円減少したこと、一方、各事業の取引高増加に伴い営業未払金が157,524千円増加、未払費用が40,670千円増加したこと、流動負債のその他に属する未払消費税等が121,527千円増加したこと等によるものであります。

当第3四半期連結会計期間末における純資産は1,464,183千円となり、前連結会計年度末に比べ816,538千円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益が818,329千円となったこと、一方、新株予約権者の権利失効に伴い新株予約権が4,077千円減少したこと等によるものであります。

なお、旅行事業に係る売上高は、取扱高と仕入高を相殺した純額で表記している他、バス事業、ホテル等施設運営事業に係る一部の売上高について、取扱高と仕入高もしくは販売費及び一般管理費を相殺した純額で表記しているため、その結果売掛金及び契約資産の残高が売上高に対して高い水準となっております。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

該当事項はありません。