売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01775 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日まで)におきましては、国内向け空調機および情報通信システムの売上は増加しましたが、海外向け空調機の減収が大きく、連結売上高は2,144億9千6百万円(前年同期比16.5%減)となりました。

損益につきましては、コストダウンの進展や素材価格などコスト環境の好転はあったものの、流通在庫圧縮を目的とした海外向け空調機の出荷抑制に伴う減収影響が大きく、営業損益は5億2百万円の損失(前年同期は36億8千3百万円の利益)となりました。経常利益および親会社株主に帰属する四半期純利益は、為替変動に伴う為替差益の計上等により、それぞれ47億9千7百万円(前年同期比5.6%増)、22億2千9百万円(同0.7%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

<空調機部門>

空調機部門では、前年同期に上海市都市封鎖の影響を大きく受けた国内向けの売上は回復したものの、海外向けでは、中東、北米向けの前年同期の出荷が高水準であったことに加え、コロナ禍後の消費動向の変化や世界的なインフレの進行などに伴う各地域での需要停滞による流通在庫の増加や、商品供給不安解消に伴う追加受注の鈍化などにより、売上高は1,922億5千2百万円(同18.1%減)となりました。営業損益は、コストダウンの進展や素材価格などコスト環境の好転はあったものの、流通在庫圧縮を目的とした海外向けの出荷抑制に伴う減収影響が大きく、28億2千3百万円の損失(前年同期は22億3百万円の利益)となりました。

 

〔海外向け〕

売上高は、1,561億1千7百万円(前年同期比23.3%減)となりました。

中東、北米向けの前年同期の出荷が高水準であった影響が大きいことに加え、欧州向けATW(ヒートポンプ式温水暖房システム)の販売減もあり、前年同期比で減収となりました。

また、サプライチェーン正常化に伴い、供給が遅れていた受注残の出荷が前年度に大きく進展したものの、商品供給不安解消に伴い販売代理店等からの追加受注が鈍化しているほか、各地域での需要停滞などにより、流通在庫が高水準となり、北米等において当初の想定より現地在庫削減に時間を要している状況です。こうしたなか、出荷を抑制し現地販売促進に最優先で取り組みました。なお、地域別の状況は以下のとおりです。

 

米州では、北米において、一昨年度からの販売ずれ込みにより前年同期の出荷が高水準であったことに加え、販売代理店等における在庫削減に注力し出荷を抑制したことから、売上が減少しました。なお、当初の想定より現地在庫削減に時間を要しており、販売促進策を強化し引き続き消化促進に努めるとともに、今後の販売拡大に向けた販路開拓の取り組みを進めております。

 

欧州では、ルームエアコンの販売が前年同期を下回ったほか、ATWにおいて、サプライチェーン混乱下でも市場拡大期待に応えて優先的に生産・出荷し、現地在庫の積み増しが進んでいたところ、補助金制度の変更をはじめとした一時的な市場環境変化の影響を受け、売上が減少しました。なお、今後の需要拡大が期待される施工性に優れたATWの新機種をはじめ、ルームエアコン、VRF(ビル用マルチエアコン)においても商品ラインアップ強化を進めております。

 

中東・アフリカでは、一昨年度からの販売ずれ込みにより前年同期の出荷が高水準であったことなどから、大幅減収となりましたが、流通在庫の削減は着実に進展しております。

 

オセアニアでは、商品供給の正常化により、ルームエアコンおよびVRFの販売が前年同期を上回ったことから、売上が増加しました。

 

アジアでは、主力市場のインドにおいて、第1四半期は天候不順の影響を受けたものの、第2四半期以降ルームエアコンの販売が回復するとともに、VRFの販売も堅調に推移したほか、タイの空調機用コンプレッサー製造会社の連結化効果もあり、売上が増加しました。

 

中華圏では、中国において、不動産市況の低迷などにより、VRFの販売が停滞したほか、台湾向けの販売が減少したことなどから、売上が減少しました。

 

 

〔国内向け〕

売上高は、361億3千4百万円(同15.6%増)となりました。

ルームエアコン市場は、巣ごもり需要の反動減などにより業界出荷は前年同期を下回りました。当社は、上海市都市封鎖の影響による大幅な出荷減があった前年同期に対し、今年度は出荷が正常化していることから、主に住宅設備ルート向けの販売が回復するとともに、売価改善にも取り組み、売上が増加しました。また、環境意識の高まりなどから、省エネ性の高い機種や、暖房機として高い安全性・快適性も備え需要が拡大傾向にある寒冷地向け機種の販売が伸長しました。

 

<情報通信・電子デバイス部門>

情報通信・電子デバイス部門では、情報通信システムの販売増により、売上高は202億2千9百万円(同1.5%増)、営業利益は14億2千7百万円(同229.2%増)となりました。

 

〔情報通信システム〕

売上高は、109億4千2百万円(同38.2%増)となりました。

公共システムにおいて、商談案件数が増加しているなか、受注済みシステムの納入が順調に進展するとともに、民需システムの販売増もあり、売上が増加しました。

 

〔電子デバイス〕

売上高は、92億8千6百万円(同22.7%減)となりました。

自動車生産の回復に伴い車載カメラの販売は前年同期を上回ったものの、産業用ロボット向け電子部品・ユニット製造において、中国における設備投資の停滞で販売が減少したことから、売上が減少しました。なお、今後の需要増が見込まれるパワーモジュールについて、大分県の協力工場に生産ラインを新設し、増産および安定供給への対応強化を図ります。

 

<その他部門>

売上高は20億1千4百万円(同2.1%増)、営業利益は8億9千3百万円(同14.6%減)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

① 資産、負債及び純資産の状況

当第3四半期連結会計期間末の総資産につきましては、ノルウェー、ギリシャにおける販売代理店の連結子会社化に伴うのれんの計上などによる増加はありましたが、受取手形、売掛金及び契約資産ならびに棚卸資産の圧縮に加え、タイにおけるコンプレッサー工場の持分法適用関連会社からの連結子会社化などに伴う投資有価証券の減少により、前連結会計年度末比300億2千2百万円減少し、2,683億6千7百万円となりました。

負債につきましては、支払手形及び買掛金ならびに短期借入金の減少などにより、前連結会計年度末比328億2千7百万円減少し、1,259億9千1百万円となりました。

純資産につきましては、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上があったものの配当金の支払に伴い利益剰余金は減少しましたが、為替換算調整勘定などの増加により、前連結会計年度末比28億5百万円増加し、1,423億7千5百万円となりました。なお、昨年8月に譲渡制限付株式報酬としての新株式を発行したことにより、資本金および資本剰余金がそれぞれ47百万円増加しております。

この結果、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は5.6%増加し、50.3%(前連結会計年度末は44.7%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、売上債権の回収および棚卸資産の圧縮などによる運転資本の減少ならびに税金等調整前四半期純利益および減価償却費の計上などにより、238億4千1百万円の収入(前年同期は135億1千2百万円の支出)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、開発・生産設備、基幹システム刷新等のIT関連への投資およびノルウェー、ギリシャにおける販売代理店ならびにタイにおけるコンプレッサー工場の連結子会社化に伴う株式取得により、128億7千2百万円の支出(同61億9千万円の支出)となりました。この結果、当第3四半期連結累計期間のフリー・キャッシュ・フローは109億6千8百万円の収入(同197億3百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、金融機関への借入金返済および配当金の支払を行ったことなどにより、115億5千6百万円の支出(同219億4千2百万円の収入)となりました。

この結果、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末比1億1千8百万円増加し、175億1千万円となりました。

 

(3)会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社および連結子会社)が定めている経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社および連結子会社)が優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について、重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における当社グループ(当社および連結子会社)の研究開発活動の金額は、115億7千2百万円であります。なお、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。