売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E34722 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における日本経済は、賃上げなどの動きにより雇用・所得環境が改善した一方で、急激な物価高などの難局に直面いたしました。足元では、賃金上昇やコストの適切な価格転嫁・マークアップの確保の不確実性など、先行きは不透明な状況が続いております。

国内警備業界は、2023年6月30日に警察庁が発表した「令和4年における警備業の概況」によると、市場規模は約3兆5,250億円(2.1%増)、警備業者数は10,524業者(1.6%増)と拡大した一方、警備員数は58万2千人(1.3%減)と減少いたしました。引き続き、安定した需要がある一方で、2023年12月現在の保安職業従事者の有効求人倍率は7.31倍と採用環境は大変厳しく、警備業界の事業活動に影響を及ぼしております。

このような経営環境の下、当社グループは、長期視点での経営方針として「売上高800億円、社員数2万人」を目指し、成長のための取り組みを続けてまいりました。

 

当第3四半期連結累計期間の売上高は、前期比888百万円増加し、6,855百万円となりました。この増収は、臨時契約の減収があったものの、主に合建警備保障等買収の影響及び常駐契約の増加によるものであります。買収は、2023年2月に合建警備保障㈱(徳島県徳島市)、2023年10月に東神産業㈱(神奈川県横浜市)ならびに㈱セキュリティ(埼玉県所沢市)などを買収した影響が含まれております。なお、2023年12月31日現在の就業人員数は2,960名となりました。売上高の契約別の内訳については、後述の「契約別営業概況」をご参照ください。

営業利益は、前期比236百万円減少して252百万円となりました。この減益は、主に臨時警備の減収の影響、賃上げにともなう原価率上昇、基幹システムのリプレース及び採用活動強化にともなうコスト増加によるものであります。また、販売費及び一般管理費には、買収にともなうのれん償却費の増加ならびに取得関連費用が含まれております。

経常利益は、前期に比べ208百万円減少し、310百万円となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益は、前期に比べ207百万円減少し、195百万円となりました。

 

契約別営業概況

当社グループは、警備事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しておりますが、契約別の売上高については、以下の表をご参照ください。

 

前第3四半期連結累計期間

(百万円)

当第3四半期連結累計期間

(百万円)

常駐契約売上高

4,972

6,093

臨時契約売上高

993

761

顧客との契約から生じる収益

5,966

6,855

 

※ 契約期間が1年以上を常駐契約、1年未満を臨時契約として分類しております。
 但し、常駐契約に付随した臨時契約は常駐契約に含むなど、実態に即した分類としております。

 

常駐契約の増収は、重要防護施設、半導体工場、EC物流倉庫、商業施設等の施設警備の新規開始によるものであります。また、京都府に事務所を新設し博物館等の施設警備を新規開始した影響が増収に含まれております。なお、重要防護施設の警備実績は今後の事業展開にとって競争優位性を及ぼすものと考えられます。

臨時契約の減収は、東京都港区の超高層複合ビルのオープニングにともなう臨時警備、美術館での展覧会にともなう臨時警備の受注などがあったものの、主に前期で新型コロナウイルス関連の臨時警備が終了したことによるものであります。

 

事業戦略

当第3四半期連結累計期間の業績は、賃上げに対応した影響などがあったものの、長期的な経営方針に向けて、買収と常駐契約増加の取り組みを反映したものとなりました。このような環境下、当社グループは、引き続き出資・買収と常駐契約増加に取り組んでまいります。

出資・買収は、前述のとおり国内警備業者は1万社超ある環境下で、案件数も増加傾向であります。警備会社や周辺領域(ビルメンテナンス業等)に対する出資・買収などを継続的に実施することにより、人員数とエリア補完体制を拡大・強化し、規模の強さによる料金改定の実現、スケールメリットによる利益創出に取り組み、ステークホルダーである社員と株主の皆様への利益還元につなげていく方針であります。

常駐契約増加については、新規案件の受注強化のため、グループ横断の品質管理部門を事業の中心に位置付け、業務品質向上による競争力強化を推進しております。また、"One Person, 10 License"というキーワードを掲げて社員の資格取得を推進し、付加価値と社員エンゲージメントの向上によって、採用力強化と定着率強化による収益性改善に取り組んでおります。

 

当第3四半期連結会計期間末の財政状態につきましては、次のとおりであります。

(資産)

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ854百万円14.6%)増加し、6,700百万円となりました。

 

(流動資産)

当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ134百万円2.9%)減少し、4,455百万円となりました。この減少は、連結子会社の増加による売掛金の増加などがあったものの、配当金の支払いにより現金及び預金が減少したことなどによるものであります。

 

(固定資産)

当第3四半期連結会計期間末の固定資産は、前連結会計年度末に比べ989百万円78.7%)増加し、2,245百万円となりました。この増加は、主に連結子会社の増加によるのれん、新たな連結子会社が保有している社有車や社員寮等の固定資産によるものであります。

 

(負債)

当第3四半期連結会計期間末の流動負債及び固定負債合計は、前連結会計年度末に比べ787百万円62.5%)増加し、2,047百万円となりました。

 

(流動負債)

当第3四半期連結会計期間末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ340百万円30.7%)増加し、1,448百万円となりました。この増加は、主に金融機関借入金や連結子会社の増加による未払金の増加によるものであります。

 

(固定負債)

当第3四半期連結会計期間末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ447百万円294.1%)増加し、599百万円となりました。この増加は、主に金融機関借入金の増加によるものであります。

 

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ66百万円1.5%)増加し、4,652百万円となりました。なお、当第3四半期連結累計期間末の自己資本比率は、前期末の78.4%から69.4%となりました。