E03679 Japan GAAP
以下の記載における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当第3四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、個人消費は宿泊や飲食などを中心に緩やかに増加し、企業収益も総じてみれば改善していますが、倒産件数の増加がみられ、設備投資は持ち直しに足踏みがみられました。先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、緩やかな回復が続くことが期待されますが、海外景気の下振れや、金融資本市場の変動等の影響に十分に注意する必要があります。
金融市場の動向は、長期金利は、日本銀行がイールドカーブコントロール運用を再修正するとの思惑が広がり、11月には0.955%まで上昇しました。その後は、米国の政策金利据え置きが決定すると、米国金利低下の流れを受け、長期金利も低下し、一時0.555%となりましたが、12月末には0.620%まで上昇しました。
日経平均株価は、10月は米国金利上昇や日銀の金融政策再修正への警戒感から30,500円台まで下落しましたが、11月に日米の金融政策が示されると株価は上昇し、12月は33,000円付近で推移しました。
為替は、10月末に対ドルベースで151円台まで円安が進みましたが、11月以降は日米金利差の縮小が続き、12月末には141円台まで円高が進みました。
こうした中、当地山陰経済は個人消費や雇用・所得環境に持ち直しの動きがみられ、設備投資が増加しました。
このような情勢の下、当行グループの2024年3月期第3四半期連結累計期間における業績は、次のとおりになりました。
当第3四半期連結累計期間の経常収益は、有価証券利息配当金が減少しましたが、貸出金利息や役務取引等収益が増加したことなどから、全体では前年同期比611百万円増加し6,603百万円となりました。一方、経常費用は営業経費、預金利息、役務取引等費用及びその他業務費用が増加したことなどから、全体では前年同期比462百万円増加し5,990百万円となりました。この結果、経常利益は前年同期比149百万円増加し613百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比89百万円増加し494百万円となりました。
セグメントごとの損益状況につきましては、「銀行業」の経常収益が前年同期比562百万円増加し5,150百万円、セグメント利益は前年同期比151百万円増加し563百万円となりました。また、「リース業」の経常収益は前年同期比59百万円増加し1,510百万円、セグメント利益は前年同期比5百万円減少し55百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末における財政状態については、総資産が前連結会計年度末比43,535百万円増加し547,301百万円となり、純資産は前連結会計年度末比682百万円増加し17,662百万円となりました。
預金は法人預金が減少しましたが、スマートフォン支店で実施したキャンペーン定期が好調に推移したことなどから個人預金が増加したことに加え、公金預金も増加したことなどから、全体では前連結会計年度末比39,912百万円増加し506,723百万円となりました。
貸出金は中小企業向け貸出金が減少しましたが、個人向け貸出金が増加したことなどから、全体では前連結会計年度末比18,607百万円増加し359,312百万円となりました。
また、有価証券は国債を中心に購入を行う一方で、投資信託の解約や債券の売却、償還があり、前連結会計年度末比2,808百万円減少し112,337百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間において、当行グループの経営方針・経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
また、研究開発活動については該当事項はありません。
当第3四半期連結累計期間において、当行グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、次のとおりであります。
(その他有価証券評価損益への対応)
当行は2019年9月に締結したSBIグループとの資本業務提携以降、有価証券の運用方針をインカムゲイン中心の方針に改め、SBIグループと連携し、安定したインカムゲインが期待できる高格付の海外債券(国債・地方債等)を中心とする有価証券ポートフォリオに入れ替えておりますが、2022年度において米国を始めとする海外金利の急上昇により、当行のその他有価証券の評価損が拡大しました。
こうした状況下において、運用会社は更なる金利上昇リスクに対処するため、一部の投資信託についてデュレーションの調整や為替ヘッジの一部弾力化等、市場の変化に応じた対応策を前連結会計年度より講じております。当行は当該対応策の実施について、運用会社からの報告を受け、当行においても当該方針について検討を行い、運用会社の対応策は最善の対応であることを確認しております。また、当第3四半期連結累計期間においては、当該対応策を実施した投資信託の一部について、再度、高格付け債券を中心としたポートフォリオへのシフトを開始した旨の報告を運用会社から受けております。加えて、投資信託の一部を解約して損失を実現させるなど、財務の健全化に向けた対応も行っております。
今後についても当行は海外金利をはじめとする市場環境の見通しや、有価証券ポートフォリオの状況のモニタリング等を通じ、SBIグループと引き続き連携し、課題等を共有することでリスク管理を更に強化し、その他有価証券評価損益全体の改善と収益性の向上に努めてまいります。
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」の記載から重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間の役務取引等収益は907百万円と前年同期比156百万円の増加となりました。また、役務取引等費用は636百万円と前年同期比85百万円の増加となりました。
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2 定期性預金=定期預金+定期積金
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)