売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E32803 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限がなくなり、経済活動の正常化が進みましたが、その一方で、資源価格の上昇や円安により企業収益の二極化が進行し、物価上昇により消費者の実質賃金はマイナスが続きました。世界経済においても、ウクライナ情勢や米中対立の長期化により地政学リスクが高まり、各国で金融引き締め政策が行われ景気減速懸念が浮上する等、我が国経済への影響が不透明な状況が続きました。

 当社グループが属する住宅業界におきましては、政府の住宅取得支援策が実施され、変動型住宅ローン金利が低水準で推移したものの、円安等による建築資材をはじめとした建設コスト上昇により、住宅価格が購買力を超えて高止まりし、住宅ローン金利上昇の懸念も消費者の住宅取得への行動に影響を与えました。国土交通省発表による全国新設住宅着工戸数では、持家(注文住宅)が依然として前年同月比マイナスで推移する等、当社グループの顧客層である全国の中小住宅事業者(工務店・ビルダー)の経営環境は厳しい状況が続き、与信が低下し、資金繰りが悪化するケースが増加しました。

 また、当社の主要セグメントである住宅金融事業が属する全国の住宅ローン市場におきましては、変動金利が過去最低の金利水準で推移したことに加え、住宅価格の上昇等により毎月返済額等の負担がより軽い変動金利シェアの増加傾向が継続しました。

 このような事業環境のもと、当社グループは創業当時から掲げる「住宅事業者の経営を支援し、住宅産業の課題を解決する」という基本方針に基づき、グループ一体となり差別化を訴求する営業活動や、住宅事業者のサポート業務、住宅事業者の多角化経営を支援するための中古住宅向け戦略商品の開発検討等に注力し、各事業を推進いたしました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間における財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。

 

① 財政状態

当第3四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比較して211,858千円増加し、22,419,449千円となりました。主な要因は、営業未収入金が2,112,270千円減少した一方で、現金及び預金が183,193千円、営業貸付金が2,207,243千円増加したことによるものです。

当第3四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末と比較して325,345千円減少し、14,354,257千円となりました。主な要因は、短期借入金が707,430千円、前受金が130,121千円増加した一方で、買掛金が138,131千円、営業預り金が785,180千円、未払法人税等が110,001千円減少したことによるものです。

当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末と比較して537,203千円増加し、8,065,192千円となりました。主な要因は、利益剰余金が543,015千円増加したことによるものです。

 

② 経営成績

当第3四半期連結累計期間の経営成績は、営業収益5,269,799千円(前年同期比4.0%減)、営業利益1,179,080千円(同5.3%減)、経常利益1,179,202千円(同5.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益837,054千円(同8.0%減)となりました。

 

セグメントの経営成績は、次のとおりです。

A.住宅金融事業

 住宅金融事業におきましては、事業の継続的成長に向け、幅広い商品ラインナップやコンサルティング力等の強みを活かし、住宅事業者への経営支援やサポートを推進いたしました。営業拠点に関しましては、当第3四半期連結累計期間において新規に5店舗を開設いたしました。

 全国の住宅ローン市場においては、固定金利型住宅ローンと変動金利型住宅ローンの金利差が拡大したこと等により、独立行政法人住宅金融支援機構と民間金融機関との提携による固定金利型住宅ローン「フラット35」の市場が大きく低迷し、住宅ローンを専業とするモーゲージバンクの経営環境は厳しい状況となりました。このような環境において、当社では、前連結会計年度に取扱いを開始したプロパーローン商品をはじめ、従前より進めてまいりました住宅ローン商品の多角化を進めました。当第3四半期連結累計期間における融資実行件数(銀行代理ローン商品及び提携ローン商品を除く)は、前年同期比で22.9%の減少となりましたが、その中で融資手数料率を維持すると共に、新商品による地道な収益積上げにより利息等が増加いたしました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間における営業収益は2,466,926千円(前年同期比1.0%減)、営業利益は854,437千円(同2.5%増)となりました。

 

B.住宅瑕疵保険等事業

 住宅瑕疵保険等事業におきましては、主力商品である戸建住宅及び共同住宅の「新築住宅かし保険」の販売を推進するため、従前より注力しております住宅事業クラウドシステム「助っ人クラウド」及び「地盤保証」の同時提案による差別化を前面に打ち出した積極的な営業活動を展開・継続し、複数商品のクロス販売を推進いたしました。

 住宅業界においては、当セグメントの主力市場である持家(注文住宅)の全国新設住宅着工戸数が前年同月比マイナスで推移し、「新築住宅かし保険」等が大きな影響を受けました。政府が推進する省エネ基準適合住宅の普及施策により「住宅性能評価」等の関連サービスが健闘したものの、当第3四半期連結累計期間における保険証券・保証書・評価書・適合証等の発行件数(時限的な経済政策に対応するものは除く)は、前年同期比で6.9%の減少となりました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間における営業収益は2,359,796千円(前年同期比8.2%減)、営業利益は275,730千円(同26.7%減)となりました。

 

C.住宅アカデメイア事業

 住宅アカデメイア事業におきましては、住宅事業クラウドシステム「助っ人クラウド」及びこれに連動する「住宅メンテナンス保証」「住宅設備延長修理保証」等の住宅保証サービスの提供を推進し、グループ戦略として「助っ人クラウド」の追加機能開発に注力いたしました。

 助っ人クラウドを利用する住宅事業者に向けた住宅メンテナンス保証等のクロスセル提案により、当第3四半期連結累計期間における住宅保証サービス件数は、前年同期比で8.2%の増加となりました。また、住宅瑕疵保険等事業と同様に省エネ基準適合住宅政策に関連して、住宅事業者向けの設計サポートサービス(「住宅フルフィルメント・サービス」)が堅調に推移し、業績に貢献いたしました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間における営業収益は443,075千円(前年同期比3.5%増)、営業利益は48,282千円(同39.0%増)となりました。

 

(2) 経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更、及び新たに生じた課題はありません。

 

(4) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間において、特記すべき事項はありません。