売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02257 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におきましては、引き続き混迷を深めるウクライナ情勢、インフレ抑制のための各国中央銀行による利上げや中国経済回復の鈍化などが下押し要因となり、世界経済の回復基調は弱含みとなりました。

欧州では、利上げによるインフレ圧力の低下が個人消費を部分的に下支えしたものの、景気は力強さを欠きました。

米国では、金融引き締めが続くなか、良好な雇用情勢や実質賃金の上昇から、消費者マインドは改善の兆しを見せはじめました。

中国では、経済活動は再開したものの、顕著となった不動産市場の不安や個人消費の鈍化により、景気回復は緩慢なものになりました。

日本では、経済活動の正常化が進み、個人消費やインバウンド需要などの後押しを受けて、緩やかな景気回復が続きました。

このような環境の下、自転車、釣具への需要は引き続き弱含みであり、当第3四半期連結累計期間における売上高は375,264百万円前年同期比19.8%減)、営業利益は72,086百万円前年同期比43.0%減)、経常利益は96,221百万円前年同期比35.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は60,169百万円前年同期比47.0%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

自転車部品

自転車人気の過熱感は一服したものの、長期的なトレンドとして自転車への関心は高いまま継続しました。一方で、引き続き需給調整は進んでいるものの、市場在庫は総じて高い水準で推移しました。

海外市場において、欧州市場では、主要な市場であるドイツをはじめベネルクス諸国での自転車への高い関心は継続し、完成車の店頭販売は底堅く推移したものの、市場在庫は高い水準が継続しました。

北米市場では、完成車の店頭販売は弱含みで推移し、市場在庫の調整は進んでいるものの、依然高い水準が継続しました。

アジア・オセアニア・中南米市場では、自転車への関心は底堅かったものの、インフレの高進や経済不安の影響を受けた消費者マインドの冷え込みにより、完成車の店頭販売はやや低調に推移し、市場在庫は高い水準で推移しました。一方、中国市場では、アウトドアスポーツとしてのサイクリングの人気が継続したことにより、ロードバイクを中心に販売は好調に推移し、市場在庫は適正な水準を維持しました。

日本市場においては、円安による完成車価格の高騰や消費者の買い控えの影響を受けて店頭販売はやや低調となり、市場在庫はやや高めに推移しました。

このような市況の下、12段変速となった「105」やグラベル専用コンポーネント「SHIMANO GRX」などの新製品にご好評をいただきました。

この結果、当セグメントの売上高は289,443百万円前年同期比24.8%減)、営業利益は55,917百万円前年同期比48.8%減)となりました。

 

 

釣具

釣具に対する世界的な高需要は落ち着いたものの、アウトドアレジャーとしての釣りへの関心は継続しました。

日本市場においては、レジャーの選択肢が多様化するなか、物価高や天候不順の影響を受け、コロナ禍で増えた新規ファミリー層や初心者層は減少し、普及価格帯製品の販売は鈍化した一方、従来からのコアな釣り人による高価格帯製品の購入意欲は堅調でした。

海外市場においては、北米市場では、販売は依然として弱含みで推移したものの、高価格帯製品については高い需要が継続しました。

欧州市場では、一部地域での需要は安定していたものの、夏の天候不順の影響もあり、販売は力強さを欠きました。

アジア市場では、中国市場における高価格帯製品の需要は高く、販売は好調を維持しました。

豪州市場では、良好な釣況も手伝い製品需要が活発になり、販売は堅調に推移しました。

このような市況の下、新製品のスピニングリール「STRADIC」や「BB-X DESPINA」をはじめ、引き続きスピニングリールの「VANQUISH」などの製品に多くのご注文をいただきました。

この結果、当セグメントの売上高は85,472百万円前年同期比3.4%増)、営業利益は16,200百万円前年同期比7.3%減)となりました。

 

その他

当セグメントの売上高は348百万円前年同期比2.5%減)、営業損失は31百万円前年同期は営業損失24百万円)となりました。

 

財政状態は次のとおりであります。

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は900,347百万円前連結会計年度比73,933百万円の増加)となりました。これは、現金及び預金が81,134百万円、投資有価証券が4,883百万円、建設仮勘定が4,707百万円、繰延税金資産が3,770百万円それぞれ増加し、受取手形及び売掛金が18,386百万円、仕掛品が8,321百万円それぞれ減少したこと等によるものです。

負債合計は74,795百万円前連結会計年度比10,522百万円の減少)となりました。これは、製品保証引当金が16,658百万円増加し、未払法人税等が16,827百万円、買掛金が9,296百万円それぞれ減少したこと等によるものです。

純資産合計は825,551百万円前連結会計年度比84,456百万円の増加)となりました。これは、為替換算調整勘定が54,764百万円、利益剰余金が17,942百万円それぞれ増加し、自己株式が9,701百万円減少したこと等によるものです。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(3) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は10,741百万円であります。