株式会社アイリックコーポレーション

ブランドなど:保険クリニック
保険業保険グロース

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E34281 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

 (1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間(2023年7月1日から2024年3月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善に伴い、景気は緩やかな回復傾向にあります。その一方で、中東地域情勢を契機とした資源・原材料価格の上昇や円安による物価上昇、世界的な金融引き締めがもたらす影響等に対して、引き続き注視していく必要があります。

 このような外部環境の下、当社は「人と保険の未来をつなぐ~Fintech Innovation~」という企業テーマを掲げ、保険分析・販売支援におけるプラットフォーマーとしての事業展開を推進しております。また、独自開発した『保険IQシステム®』、『ASシステム』、『AS-BOX』及び『スマートOCR®』を活用し、システムユーザーの更なる拡大を目指しております。

 

 各セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

・保険販売事業

 直営店部門は、『保険クリニック®』のイメージキャラクターである向井理さんを前面に出したWeb広告やSNSなどを継続して活用し、顧客層をターゲット化した効率的なWeb広告などの施策を引き続き実施いたしました。広告宣伝費の投下先としては、屋外広告からWeb広告へ更にシフトしました。その結果、Webからの来店予約数は増加し、既存店における新規来店件数は過去最高を更新するなど、新規来店件数が前年同期比14.3%増と好調に推移しました。さらに既存顧客の再来店件数については、前年同期比54.0%増と大幅に伸長しました。また、子会社である株式会社ライフアシストについては、保険募集人の新規採用者が大幅に増加したことにより、当初予想を大幅に上回り好調に推移いたしました。この結果、売上高は前年同期比を上回りました。

 法人営業部門は、前年度に新規案件及び既存顧客の大型追加契約があったことにより、当第3四半期の売上高は前年同期を下回りました。

 この結果、同事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は3,396,364千円(前年同期比38.2%増)、セグメント利益は447,616千円(同160.1%増)となりました。

 

・ソリューション事業

 FC部門は、3月末のFC店舗数が198店舗となりました(当第3四半期では、2店舗オープン、4店舗クローズ、2店舗直営化)。店舗数は減少しましたが、Web広告からの送客が大幅に増加したため増収いたしました。今後も、①新規リクルート活動の強化、②既存代理店への追加出店の提案、③店舗運営指導要員の派遣という施策を実施し、他業界からの新規参入企業への支援と取り込みを行っていきます。

 AS部門は、ASシリーズのユーザーID数が12,403IDと堅調に推移しました。今期の施策でもあるロボアドなどの新たなソリューションの拡販として、ふくおかフィナンシャルグループ3銀行へのOEM提供、新規ソリューションの開発では、法人証券分析機能をリリースするなど、施策の取り組みも順調に進んでおります。さらには地方銀行への導入は堅調に推移しており、銀行の導入数は39行となりました。また金融機関向けに販売を強化しているAI-OCRのOEM提供も好調に推移し、大幅な増収となりました。引き続き、大手保険会社や地方銀行・企業代理店向けのプロジェクトも複数継続しており、具体的な導入に向けての検討が進んでおります。

 この結果、同事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は1,576,947千円(前年同期比17.6%増)、セグメント利益は403,561千円(同15.9%減)となりました。

 

・システム事業

 子会社である株式会社インフォディオは、官公庁関連提供会社へのOEM提供、大手企業、金融機関やソリューション事業と連携した生命保険会社など、『スマートOCR®』関連の大型の新規受託開発が好調に推移し増収となりました。『スマートOCR®』に加え、電子帳簿保存クラウドサービス『DenHo®』や新サービスの『brox』についても多くの問い合わせを頂いております。今後も当社グループの業績を牽引することが期待できます。一方で、営業強化のための人財確保を継続的に行っており売上原価並びに販売費及び一般管理費が増加いたしました。

 この結果、同事業の当第3四半期連結累計期間の売上高は692,847千円(前年同期比23.2%増)、セグメント損失は2,887千円(前年同期はセグメント利益105,200千円)となりました。

 

(注)『スマートOCR®』とは、AI(人工知能)を搭載し、ディープラーニング技術(深層学習、人間が自然に行うタスクをコンピュータに学習させる機械学習の手法の一つ)を活用した、非定型帳票対応の次世代型光学的文字認識システムです。

 

(注)『DenHo®』とは、紙文書をスキャン、またはスマホで撮影しアップロードすると、AIが文書の文字を認識・データ化して保存、文書内のキーワードで検索・閲覧できる電子帳簿保存法に対応したクラウドサービスです。

 

(注)『brox』とは、紙文書をAI-OCRでテキストデータ化し、PDFや画像データに加えExcel・Word・PowerPointなどのOffice系ドキュメントも横断的に全文検索ができるエンタープライズサーチです。

 

 販売費及び一般管理費につきましては、人員増による人件費の増加、店舗数増に伴う支払手数料等の増加から、当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は4,086,127千円(前年同期比15.1%増)となりました。

 

 この結果、当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高5,666,159千円(前年同期比30.0%増)、営業利益358,776千円(同175.2%増)、経常利益389,440千円(同184.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益223,226千円(同12,969.4%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は2,623,164千円となり、前連結会計年度末に比べ208,126千円減少いたしました。これは主に現金及び預金が126,144千円、その他の流動資産が191,799千円減少し、売掛金及び契約資産が60,631千円増加したことによるものであります。固定資産は2,099,857千円となり、前連結会計年度末に比べ432,284千円増加いたしました。これは主に無形固定資産が397,958千円、保証金が17,948千円増加したことによるものであります。

 この結果、総資産は、4,723,022千円となり、前連結会計年度末に比べ224,157千円増加いたしました。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は1,083,693千円となり、前連結会計年度末に比べ220,969千円増加いたしました。これは主に未払金が141,493千円、未払費用が47,730千円及び未払法人税等が31,226千円増加したことによるものであります。固定負債は107,258千円となり、前連結会計年度末に比べ85,343千円増加いたしました。これは主に長期借入金が84,000千円増加したことによるものであります。

 この結果、負債合計は、1,190,951千円となり、前連結会計年度末に比べ306,312千円増加いたしました。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は3,532,070千円となり、前連結会計年度末に比べ82,154千円減少いたしました。これは利益剰余金が96,306千円、自己株式が180,913千円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は74.1%(前連結会計年度末は79.7%)となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

 

(5)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、7,288千円であります。

 なお、第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。