売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E35908 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

(単位:百万円)

 

2022年第3四半期

連結累計期間

2023年第3四半期

連結累計期間

前年同期比

実績

構成比(%)

実績

構成比(%)

増減

増減率(%)

売上高

19,305

100.0

21,094

100.0

1,788

+9.3

売上原価

15,335

79.4

17,034

80.8

1,698

+11.1

売上総利益

3,970

20.6

4,060

19.2

89

+2.3

販売費及び一般管理費

3,213

16.6

3,604

17.1

390

+12.2

営業利益

757

3.9

456

2.2

△300

△39.8

経常利益

804

4.2

461

2.2

△342

△42.6

親会社株主に帰属する四半期純利益

533

2.8

280

1.3

△253

△47.4

 

 当第3四半期連結累計期間においては、前年同期比で増収減益となりました。

 売上高につきましては、21,094百万円(前年同期比9.3%増)となりました。その主な要因は、ファミリーケア事業において、ベビーシッターサービスの業績拡大がけん引したこと、およびエデュケア事業において、当第3四半期連結累計期間に認可保育所4施設、認定こども園1施設を含む新たな保育施設等14施設の開設により順調に業績が拡大したこと等によるものであります。

 当第3四半期連結累計期間の売上総利益につきましては、以下の要因により、売上高増加率を下回る2.3%増の4,060百万円に留まりました。

 エデュケア事業:

・前第3四半期連結累計期間と比較して9園が閉園となったこと

・保育学童職員の採用数増加に伴い、特に第2四半期連結累計期間に採用費が大きく増加したこと(前年同期比2.1倍、第2四半期連結累計期間においては前年同期比2.5倍)

・物価高騰およびコロナ後の正常化に伴う経費の増加が生じたこと

 プロフェッショナル事業:

・例年第1四半期に一部売上計上している大型研修案件について委託先の変更が行われたこと(なお当該研修は再受託しており、主に当下期に売上が計上される予定です。)

・研修の実施時期が当社の下期に集中する研修が増加し、翌第1四半期での売上計上額が小さくなる傾向にあること

 販売費及び一般管理費につきましては、3,604百万円(前年同期比12.2%増)となりました。その主な要因は以下のとおりです。

・ナニー及びベビーシッターサービス並びにエデュケア事業において、取引規模が拡大したこと等による売上原価および販売費及び一般管理費の増加に伴い、租税公課(控除対象外消費税)が増加したこと

・上記取引規模拡大による租税公課増加のほか、エデュケア事業において、特に第2四半期連結累計期間の新規直営保育施設の設備投資額が前年同期比で増加したことにより、租税公課(控除対象外消費税)が増加したこと

・各事業で事業拡大を図るために営業及び運営人員を増強したことにより人件費並びに採用費が増加したこと

 以上の結果、営業利益は456百万円(前年同期比39.8%減)となりました。

 また、営業利益の減少に伴い、経常利益は461百万円(前年同期比42.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は280百万円(同47.4%減)となりました。

 

 なお、第3四半期連結会計期間(2023年7月~9月)の経営成績について5ページの(参考情報)に記載していますのでご参照ください。

 

 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。なお、各セグメントの金額は、セグメント間取引を相殺消去する前の金額であります。

 第1四半期連結会計期間より、従来「その他」に含めていた交流館の運営事業の一部について、「エデュケア事業」へ報告セグメントの変更を行いました。以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で行っております。

(単位:百万円)

 

セグメントの名称

2022年第3四半期

連結累計期間

2023年第3四半期

連結累計期間

前年同期比

実績

構成比(%)

実績

構成比(%)

増減

増減率(%)

売上高

ファミリーケア事業

3,182

16.4

3,996

18.8

814

+25.6

エデュケア事業

15,613

80.4

16,587

78.2

973

+6.2

プロフェッショナル事業

284

1.5

264

1.2

△20

△7.2

その他

344

1.8

363

1.7

19

+5.6

調整額(注)

△119

△117

1

 合計

19,305

21,094

1,788

+9.3

 

 

 

 

 

 

 

 

セグメント利益

ファミリーケア事業

741

39.4

863

52.0

122

+16.5

エデュケア事業

1,141

60.7

839

50.5

△301

△26.4

プロフェッショナル事業

15

0.8

△28

△1.7

△44

その他

△16

△0.9

△12

△0.7

4

調整額(注)

△1,125

△1,206

△81

 合計

757

456

△300

△39.8

(注)調整額は、各報告セグメント間の内部売上高又は振替高、報告セグメントに配分していない全社費用で、主に経営管理に係る一般管理費用および事業セグメントに帰属しない販売費及び一般管理費であります。

 

(ファミリーケア事業 : ナニーサービス、ベビーシッターサービス、シルバーケアサービス)

 ナニーサービスにつきましては、年明け以降、新型コロナウィルス感染症の流行が収束へ向かったことから、プレミアムサービスを中心とした底堅い需要と東京都8区で実施している居宅訪問型保育事業が拡大しており、売上高は前年同期比で増加しております。

 そのような中、今後のナニーサービスの需要拡大を見据えた体制整備を進めております。その一環として6月1日にナニーの報酬を改定すると共に価格改定を行い、定着率の上昇、採用力の強化に加え収益性が向上しました。

 ベビーシッターサービスにつきましては、こども家庭庁ベビーシッター割引券が年度途中で配布上限に達し、新規配布を終了したとの報道がなされましたが、当割引券の子育て支援効果が再認識される結果となり、急遽発行枠の増額がなされました。また、東京都ベビーシッター利用支援事業を採用する自治体も増加し、当サービスの利用の追い風となっております。

 その結果、特に第1四半期の2月・3月に東京都ベビーシッター利用支援事業の会計年度末に向けた駆け込み需要が生じたこともあり、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比で約1.7倍と大きく成長しました。

 更なる事業拡大のために採用費を戦略的に増加させている一方、順調な会員数拡大により安定的な広告宣伝費水準の維持が可能となっているため、同サービスは徐々に利益拡大のステージに入っております。

 シルバーケアサービス(高齢者在宅ケアサービス)につきましては、大口顧客のご逝去や入院等により一時的に売上が減少しているものの、家事支援や高付加価値サービスのナースケアが貢献することで、5月以降、顧客数と売上高が拡大基調にあります。

 以上の結果、売上高は3,996百万円(前年同期比25.6%増)、セグメント利益は863百万円(同16.5%増)となりました。

 

(エデュケア事業 : 保育施設、学童児童館等の運営)

 当第3四半期連結累計期間には認可保育所4施設、認定こども園1施設、事業所内保育所1施設、学童クラブ・児童館7施設、交流館1施設、合計14施設を新規開設する一方で、認証保育所1施設、事業所内保育所6施設、学童クラブ・児童館2施設、合計9施設が閉園となりました。その結果、第3四半期末時点で運営する施設は、認可保育所78施設、認定こども園2施設、認証保育所34施設、事業所内保育所79施設、学童クラブ・児童館100施設、交流館5施設、その他施設41施設の計339施設となっております。

 4月時点において、東京都を中心に待機児童が減少、当社グループの認可保育所においても、低年齢児(0歳~2歳)の4月時点の定員空き状況が平均2.8人(前年比1.6人増)となりましたが、5月以降順調に入所者が増加し、10月時点で平均0.8人まで改善いたしました。また、認証保育所においても4月時点の園児数が前年比で1%減少いたしましたが、10月時点の園児数は前年を上回っております。なお、待機児童解消に伴い今後の需要が低いと予想される認証保育所については、来期以降の運営形態の変更や閉園を検討してまいります。

 こうした状況の中、保育所設備投資に係る租税公課(控除対象外消費税)を含む新規開設コストの発生、事業所内保育所の閉園、助成金売上計上時期のズレ、物価高騰の影響の他、常勤保育士の割合を高めて利益回復を図るため、特に第2四半期(4月~6月)において採用費を一時的に大きく掛け(前年同期比2.5倍)保育・学童職員の採用数を増加させたことにより、前年同期比でセグメント利益が減少しました。

 以上の結果、売上高は16,587百万円(前年同期比6.2%増)、セグメント利益は839百万円(同26.4%減)となりました。

 

(プロフェッショナル事業 : 国内・海外研修)

 当事業については、国内の自治体が実施する保育士キャリアアップ研修や子育て支援研修等の保育研修の受託事業が売上の大きな割合を占めております。自治体が実施するこれらの保育研修は、主に第2四半期から第3四半期にかけて受注し、第3四半期から翌第1四半期の前半にかけて研修を実施しており、実際の研修実施の進捗に応じて売上を計上します。したがって、当事業の売上高および利益の大部分は、下期に計上されます。

 例年第1四半期に実施される一部大型研修案件について委託先の変更が行われると共に(なお当該研修は再受託しており、主に当下期に売上が計上される予定です)、研修のオンライン化により1案件当たりの受注額が減少傾向にあるものの、当第3四半期につきましては、第2四半期までに獲得した研修案件の実施が想定通りに進み、売上高、セグメント利益ともに好調に推移しました。

以上の結果、売上高は264百万円(前年同期比7.2%減)、セグメント損失は28百万円(前年同期は15百万円のセグメント利益)となりました。

 

(その他 : 人材派遣・紹介、新規事業等)

 売上高につきましては、既存の保育士派遣先における派遣需要が堅調であったことに加え、新たな派遣先の獲得により派遣人数が増加した結果、363百万円(前年同期比5.6%増)となりました。

 また、新規事業立ち上げ費用等の影響により、セグメント損失は12百万円(前年同期は16百万円のセグメント損失)となりました。

 

(2)財政状態に関する説明

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は13,805百万円(前連結会計年度末比1,255百万円増)となりました。

 流動資産につきましては、9,092百万円(前連結会計年度末比1,177百万円増)となりました。その主な要因は、流動資産その他が減少したものの、現金及び預金および貯蔵品が増加したためであります。なお、現金及び預金の増加につきましては、配当金の支払いなどの減少要因があったものの、主に新規借入によるものであります。

 固定資産につきましては、4,713百万円(前連結会計年度末比78百万円増)となりました。その主な要因は保育所の開設に伴い建物及び構築物および投資その他の資産その他が増加する一方で有形固定資産その他が減少したことによるものでありますなお建物及び構築物につきましては保育所の開設等に関する助成金の受入れに伴い圧縮記帳を行っております

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における負債は6,087百万円(前連結会計年度末比1,360百万円増)となりました。

 流動負債につきましては、3,648百万円(前連結会計年度末比648百万円増)となりました。その主な要因は、未払金および前受金が減少したものの、1年内返済予定の長期借入金、賞与引当金および流動負債その他が増加したためであります。

 固定負債につきましては、2,439百万円(前連結会計年度末比712百万円増)となりました。その主な要因は、新規借入による長期借入金および資産除去債務の増加によるものであります。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産は7,718百万円(前連結会計年度末比104百万円減)となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益280百万円を計上した一方で、配当の支払い387百万円があったことにより利益剰余金が減少したためであります。

 この結果、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は、55.9%(前連結会計年度末比6.4ポイント減)となりました。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(参考情報)

[2023年12月期第3四半期連結会計期間](2023年7月~9月)

(単位:百万円)

 

2022年第3四半期

連結会計期間

2023年第3四半期

連結会計期間

前年同期比

実績

構成比(%)

実績

構成比(%)

増減

増減率(%)

売上高

6,501

100.0

7,231

100.0

730

+11.2

売上原価

5,197

79.9

5,748

79.5

551

+10.6

売上総利益

1,303

20.1

1,483

20.5

179

+13.8

販売費及び一般管理費

1,101

16.9

1,175

16.3

74

+6.8

営業利益

202

3.1

307

4.3

105

+52.0

経常利益

211

3.2

303

4.2

91

+43.6

親会社株主に帰属する四半期純利益

142

2.2

185

2.6

43

+30.2

 

 当第3四半期連結会計期間においては、前年同期比で増収増益となりました。

 売上高につきましては、7,231百万円(前年同期比11.2%増)となりました。成長ドライバーであるファミリーケア事業が順調に拡大したこと、事業基盤であるエデュケア事業において当年および昨年に開設した保育所等が売上貢献したこと、プロフェッショナル事業においても順調に研修実施が進捗したこと等によるものであります。

 売上原価につきましては、5,748百万円(前年同期比10.6%増)となりました。第2四半期連結会計期間までは売上原価の前年同期比増加率が売上高増加率を上回る状況が続いたものの、第3四半期連結会計期間については、売上原価増加率が売上高増加率を下回りました。その要因としては、原価率の低いファミリーケア事業の業績が拡大していること、エデュケア事業で認可保育所を中心に職員の適正配置が進み原価率が改善したこと、紹介会社の利用を控え保育士等の採用費が減少したことによるものであります。その結果、売上総利益につきまして、1,483百万円(前年同期比13.8%増)となりました。

 販売費及び一般管理費につきましては、コールセンター費用、システム保守費用、本社体制強化等の費用が増加したものの、ベビーシッター採用と顧客獲得が順調に進み、広告宣伝費を圧縮した結果、1,175百万円(前年同期比6.8%増)に留まりました。

 

(単位:百万円)

 

 

セグメントの名称

2022年第3四半期

連結会計期間

2023年第3四半期

連結会計期間

前年同期比

実績

構成比(%)

実績

構成比(%)

増減

増減率(%)

売上高

ファミリーケア事業

1,107

16.9

1,382

19.0

275

+24.9

エデュケア事業

5,187

79.3

5,575

76.7

387

+7.5

プロフェッショナル事業

134

2.1

186

2.6

51

+38.3

その他

114

1.8

125

1.7

10

+9.4

調整額(注)

△43

△38

5

 合計

6,501

7,231

730

+11.2

 

 

 

 

 

 

 

 

セグメント利益

ファミリーケア事業

246

41.6

304

42.4

57

+23.2

エデュケア事業

323

54.4

357

49.8

33

+10.4

プロフェッショナル事業

35

6.0

57

8.1

22

+63.2

その他

△11

△1.9

△1

△0.3

9

調整額(注)

△391

△409

△17

 合計

202

307

105

+52.0

 

(ファミリーケア事業 : ナニーサービス、ベビーシッターサービス、シルバーケアサービス)

 ナニーサービスにつきましては、6月からのナニー報酬改定およびナニーサービスの価格改定により、注力しているナニープレミアムにおいては7月に月間最高売上を更新し、9月にも再び更新いたしました。ベビーシッターサービスにつきましては、認知度が向上したことに加え、こども家庭庁ベビーシッター割引券・東京都ベビーシッター利用支援事業の二大助成金利用促進を行ったこと等により売上高が増加いたしました。

 シルバーケアサービスにつきましては、大口顧客ご逝去にともない前年同期比で売上高が減少いたしました。一方で富裕層マーケティングを強化したことにより、新規会員数は第2四半期と比較して1.3倍に拡大しました。

 以上の結果、セグメント売上高は1,382百万円(前年同期比24.9%増)、セグメント利益は304百万円(前年同期比23.2%増)の増収増益となりました。

 

(エデュケア事業 : 保育施設、学童児童館等の運営)

 保育施設におきましては、体制整備により本社主導を強化し、職員の適正配置を進めたこと、入園説明会を実施し、0歳児を中心とした園児獲得に注力したことにより、10月時点の認可・認証保育所において0歳児および1歳児の定員がほぼ充足いたしました。なお、第3四半期における採用費は前年同期比で0.4倍に減少しております。

 学童クラブ・児童館では本社主導強化によるシフトの最適化が進み、常勤職員の残業時間を前年同期比で抑制いたしました。

 以上の結果、セグメント売上高は5,575百万円(前年同期比7.5%増)、セグメント利益は357百万円(前年同期比10.4%増)の増収増益となりました。

 

(プロフェッショナル事業 : 国内・海外研修)

 自治体研修の受注競争力を強化したこと、研修受注の領域を拡大したことにより、セグメント売上高は186百万円(前年同期比38.3%増)、セグメント利益は57百万円(前年同期比63.2%増)の増収増益となりました。

 

 以上の結果、主要3セグメントで増収増益となっております。