売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E36478 


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結累計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 当社グループは、前連結会計年度に引き続き既存事業で徹底したコスト削減を進めながら、今後の成長の核となる新規事業領域の拡大に向けて、持続的な成長のための事業基盤の強化に努めてまいりました。また、SDGsやサーキュラーエコノミーの文脈において事業機会は増加しており、事業化の取組みを加速しております。

 素材ビジネスにおいては、当社の主力製品である再生塩化ビニルコンパウンド「リファインパウダー」の引合いが前連結会計年度に引き続き好調なことに加え、2023年11月1日の日本リサイクルカーペット協会の設立に伴い、当社は同協会の事務局メンバーとしてリサイクルカーペットの更なる普及に取り組んでおります。また、再生ナイロン樹脂「REAMIDE®」(リアミド)は、製品の高付加価値化を指向し、新規受注獲得のため営業活動の強化に取り組んでおりますが、個々の案件の進捗が遅延しており新規受注の獲得に至っていない案件が複数ございます。国内外を問わず外部企業等との連携や弊社技術のライセンス供与等の引合いに対応し、更なる収益・利益増加に貢献する見込みであるものの、案件進捗は当初想定していたよりも時間を要しております。また、ソリューション事業においては、顧客の脱炭素に向けた取組みが加速しており、資源循環における当社グループのノウハウへの引合いが増加しております。顧客企業からのコンサルティング受託、再資源化技術開発、ライセンス提供先への技術指導、設備設計業務受託などで収益源が拡大し収益増加を見込んでおりますが、ライセンス供与の取組みに時間を要していることから収益貢献時期は当初の見込みより遅延しております。

 資源ビジネスにおいては、組織再編によりオペレーションの見直しやリソース配分の最適化を行いながらDX化等を進めたことで生産性が向上しており、安定的に利益を確保しております。一方で、連結子会社の株式会社コネクションとの組織再編に伴い受注件数が一時的に減少していることから利益額は伸び悩んでおり、受注件数を回復すべく営業およびドライバー等のリソース強化を行っております。また、新規事業領域となる廃プラ資源化への取組みを加速し、既存事業での安定的な成長とともに収益基盤の強化に努めております。

この結果、当第3四半期連結会計期間末の財政状態及び当第3四半期連結累計期間の経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

 (資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は1,367,695千円となり、前連結会計年度末(以下「前年度末」という)と比べ309,299千円減少しております。これは、主として現金及び預金が379,184千円減少、商品及び製品が19,355千円、仕掛品が20,392千円、その他(流動資産)が25,188千円増加したことによるものです。

 当第3四半期連結会計期間末における固定資産は2,118,512千円となり、前年度末と比べ12,444千円増加しております。これは、主として有形固定資産が58,767千円減少、敷金及び保証金が71,657千円増加したことによるものです。

 (負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は1,098,769千円となり、前年度末と比べ70,281千円減少しております。これは、主として短期借入金が50,000千円、1年内返済予定の長期借入金が31,436千円減少したことによるものです。

 当第3四半期連結会計期間末における固定負債は2,283,773千円となり、前年度末と比べ230,536千円減少しております。これは、主として長期借入金が199,730千円減少したことによるものです。

 (純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産は103,664千円となり、前年度末と比べ3,962千円増加しております。これは、主として新株予約権が15,201千円増加したことによるものです。

 

 

b.経営成績

 当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高2,809,758千円(前年同期比19.0%減)、営業利益13,989千円(前年同期比91.8%減)、経常損失8,525千円(前年同四半期は経常利益143,217千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失16,616千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益105,238千円)となりました。

 

 セグメントの経営成績は、次のとおりであります。

 なお、記載のセグメント別の金額はセグメント間取引の相殺前の数値です。

 

 (素材ビジネス)

 素材ビジネスにつきましては、前連結会計年度に引き続きセグメント損益は黒字で推移しております。廃カーペットタイル受入処理量は堅調に推移し、廃カーペットタイルを再資源化した再生塩化ビニルコンパウンド「リファインパウダー」は、脱炭素の流れを受けて好調な引合いが継続しております。大口顧客の工場火災により一時的な受注減少があったものの、当第3四半期連結会計期間より工場が再稼働し受注が回復しております。また、自動車エアバッグの基布や廃棄漁網等を再資源化したナイロン樹脂「REAMIDE®」(リアミド)は高付加価値化を指向しており、特にアパレルや成型パーツ向け等の複数の業界に対する提案、および、サンプル提供は進んでおりますが、新規受注の獲得に苦戦しております。そのため、営業人材の補強や営業政策の仕組み化を行うなど、提案力強化に向けた活動を進めております。さらに、当社自動車エアバッグ基布リサイクル技術や廃漁網リサイクル技術の海外企業へのライセンス供与やライセンス先への技術指導等、当社のビジネスノウハウに対する引合いは好調であり、収益機会が拡大しておりますが、当初の予定よりも案件の進捗に時間を要しており、収益・利益への貢献が遅延しているため、前年同期比で減収減益となっております。

 この結果、売上高は953,555千円(前年同期比20.9%減)、セグメント利益は66,572千円(前年同期比33.8%減)となりました。

 (資源ビジネス)

 資源ビジネスにつきましては、組織再編によりオペレーションの見直しやリソースの最適化を進め、産業廃棄物処理事業で安定的な利益を維持しております。収集運搬・中間処理を一括受注できる体制と顧客要望に対応したサービスを強みに営業活動を強化したことに加え、DX化・廃材処理バリューチェーン改革など顧客の収益性を高める取組みが功を奏し、原状回復工事の受注獲得を継続しております。また、ケミカルリサイクル用廃プラ供給の事業化や廃プラ資源化新商流の創出、新規事業領域となる廃プラ資源化への取組みを加速しております。しかしながら、当四半期連結累計期間においては、株式会社コネクションとの組織再編の過渡期で一時的に受注が低調となったことから、前年同期比で減収となっております。今後の事業成長に向け営業活動を強化しており大口顧客との取引も開始を見込んでおります。それに伴い、中間処理工場および現場ドライバーの補強といったリソースの強化を先行して行った影響で、前年同期比で減益となっております。

 この結果、売上高は1,903,372千円(前年同期比18.0%減)、セグメント利益は371,099千円(前年同期比16.8%減)となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、24,498千円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。