売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E34994 IFRS


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営成績の分析

当第1四半期連結会計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における各種制限等が収束し、また日経平均株価は最高値を更新する等、経済正常化がより一層進行いたしました。一方で、世界的にはロシアによるウクライナ侵攻等による資源価格高騰やインフレが継続していることでの金利の上昇やそれに伴う金融機関の経営不安等が生じ、引き続き先行き不透明な状況となっております。

当社グループを取り巻くインターネット広告市場におきましては、2023年の広告費は3兆3,330億円(前年比7.8%増加)となり、一貫して成長を続けている結果、2022年に続きマスコミ四媒体広告費(新聞、雑誌、ラジオ、テレビメディア広告費の合算)を上回りました。(出所:株式会社電通「2023年日本の広告費」)

このような事業環境のもと、当社グループはリーガルメディア関連事業を中心に事業を展開しており、当該事業においては主に弁護士を顧客とするリーガルメディアや、弁護士以外を顧客とする派生メディアを運営しております。また、リーガルメディア関連事業に加えて、弁護士・公認会計士といった士業人材や管理部門人材を対象とする人材紹介サービスを提供するHR事業や、弁護士に依頼する際の費用の一部を補償対象とする弁護士費用保険を販売する保険事業を展開しております。

収益の大部分を占めるリーガルメディアでは、新規顧客開拓を推し進めるとともに、解約率の引き下げ並びに既存顧客からの追加受注に注力するなどした結果、2024年1月における掲載枠数(注1)は2,456枠(前年同月比17.3%増加)、掲載顧客数(注2)は1,001件(前年同月比20.6%増加)となり、順調に伸長しております。

(注1)掲載枠数とは、掲載延べ数であり、同一顧客が複数の広告枠掲載を行う場合は複数カウントを行って

    おります。

(注2)掲載顧客数とは、広告枠の掲載を行っている顧客の実数であります。

また、派生メディアにおいては、経済正常化による企業の採用意欲の高まりが継続していることや積極的な広告出稿等から、転職メディア「キャリズム」の案件数が増加し、当第1四半期連結累計期間における問合せ数は17,266件(前年同期比81.7%増加)となり、大幅に増加いたしました。

なお、2023年3月31日付で全株式を取得した株式会社ビッコレ(以下「ビッコレ」という。)については、利益面においては買収時の事業計画を上回って推移をしておりましたが、直近において従来の主要送客先にて広告費の大幅な絞り込みがあり送客先の変更を余儀なくされ、代替の送客先においては送客条件が大幅に悪化し、成長路線への回帰には追加的なコストと時間が必要となると判断したことから、経営資源を最適化すべく同事業は非注力とする方針に転換し、当第1四半期決算においてビッコレ取得に係るのれん136,549千円について、全額を減損損失として計上することといたしました。

 

以上の結果、国際会計基準(IFRS)に準拠した当第1四半期連結累計期間の業績は、売上収益は966,083千円(前年同期比40.7%増)、営業利益は103,567千円の損失(前年同期は79,261千円の利益)、税引前四半期利益は106,365千円の損失(前年同期は77,107千円の利益)、四半期利益は132,926千円の損失(前年同期は36,955千円の利益)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は128,465千円の損失(前年同期は44,556千円の利益)となりました。

当社は2025年10月期に売上収益55億円、営業利益11億円の達成を主な目標とする中期経営計画を策定しており、そのための施策として2023年10月期~2024年10月期の2カ年については中長期的な成長のための投資を積極化させる「成長投資期間」と位置付けていることから、各段階利益に関しては低水準となっております。また当第1四半期連結累計期間において、上記の減損損失を136,549千円計上することとしておりますが、当社はIFRSを採用していることから減損損失はその他の費用として営業損益に含まれ、営業利益以下の各段階利益に影響しております。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、売上収益はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

 

[リーガルメディア関連事業]

リーガルメディアの掲載枠数及び掲載顧客数の増加に伴う掲載料収入等の増加に加えて、新たなユーザーの獲得に向けた施策検討を行うとともに、新規メディア立ち上げに関する各種テストマーケティングを実施いたしました。また、派生メディアにおいては、経済正常化による企業の採用意欲の高まりが継続していることや積極的な広告出稿といった上述の背景に加えて、送客の質や量が評価されていることも起因し、転職メディア「キャリズム」の案件数が増加いたしました。一方、ビッコレ取得に係るのれん136,549千円を減損損失として計上することとなりました。以上の結果、売上収益は898,907千円(前年同期比40.2%増)、セグメント利益は92,355千円(同59.3%減)となりました。

 

 

なお、リーガルメディアの売上収益は511,768千円(同17.6%増)、営業利益は157,800千円(同10.3%減)となりました。また、派生メディアの売上収益は387,139千円(同88.0%増)、営業利益は65,446千円の損失(前年同期は51,362千円の利益)となりました。

 

[HR事業]

人材紹介に関しては、コンサルタントの積極的な採用や育成、業務効率改善を目的とした体制整備、認知向上のための広告出稿等の投資を積極的に実施いたしました。また、当期より連結子会社である株式会社ヒトタスにて人材派遣の許認可を取得し、人材派遣事業を開始しております。同人材派遣事業については、HRのセグメントに含まれますが、当面は事業立ち上げにより赤字が続く見通しです。以上の結果、売上収益は48,900千円(前年同期比62.3%増)、セグメント損益は80,046千円の損失(前年同期は24,443千円の損失)となりました。

 

[保険事業]

株式会社アシロ少額短期保険が営む保険事業は保有契約件数に応じて売上収益が増加するストック型の収益モデルであり、保有契約件数の積み上げに向けて当社グループが強みとしているウェブマーケティングを活用した販売活動を推進しております。また、今期より代理店経由での販売活動にも注力を開始しております。以上の結果、売上収益は18,276千円(前年同期比20.6%増)、セグメント損益は20,075千円の損失(前年同期は32,620千円の損失)となりました。

 

[その他]

現時点では重要性の乏しい新規事業等を報告セグメントに含まれない事業セグメントとして区分し、「その他」として開示しております。当第1四半期連結累計期間は、当該セグメントの実績計上はありません(前年同期は売上収益は259千円、セグメント損益は260千円の利益)。

 

(2)財政状態の分析

①資産

当第1四半期連結会計期間末の流動資産は、前期末に比べ6,433千円増加し1,788,828千円となりました。これは主に売上債権及びその他の債権が68,528千円増加した一方、現金及び現金同等物が49,869千円減少したことによります。

当第1四半期連結会計期間末の非流動資産は、前期末に比べ173,985千円減少し1,764,699千円となりました。これは主にビッコレ取得に係るのれんの減損損失の計上に伴いのれんが136,549千円減少した他、使用権資産が27,989千円減少したことによります。

この結果、当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、3,553,527千円となりました。

 

②負債

当第1四半期連結会計期間末の流動負債は、前期末に比べ112,116千円増加し876,658千円となりました。これは主にその他の流動負債(主に前受金や未払消費税等)が46,070千円、仕入債務及びその他の債務が44,972千円、未払法人所得税が26,561千円、それぞれ増加したことによります。

当第1四半期連結会計期間末の非流動負債は、前期末に比べ51,313千円減少し677,774千円となりました。これは主に社債及び借入金が25,720千円、リース負債が25,563千円それぞれ減少したことによります。

この結果、当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、1,554,432千円となりました。

 

③資本

当第1四半期連結会計期間末における資本合計は、前期末に比べ228,355千円減少し1,999,095千円となりました。これは主に四半期損失の計上により利益剰余金が128,465千円、期末配当の実施等により資本剰余金が95,426千円、それぞれ減少したことによります。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ49,869千円減少し、1,176,084千円となりました。

当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは98,335千円の資金流入(前年同期は189,088千円の資金流出)となりました。これは主に、増加要因としてビッコレ取得に係るのれんの減損損失の計上136,549千円、仕入債務及びその他の債務の増加45,187千円、その他の流動負債の増加42,274千円、減価償却費及び償却費の計上38,912千円、減少要因として税引前四半期損失の計上106,365千円、売上債権及びその他の債権の増加68,528千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは1,768千円の資金流出(同42,946千円の資金流出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出1,768千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは146,436千円の資金流出(同335,476千円の資金流出)となりました。これは主に、減少要因として配当金の支払による支出94,628千円、長期借入金の返済による支出26,394千円、リース負債の返済による支出25,279千円によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

会計上の見積り及び仮定については、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。

 

(5)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(7)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(8)主要な設備

 該当事項はありません。