売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03318 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の状況

 当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行したことにより社会経済活動の正常化が一段と進展し、個人消費やインバウンド需要などの内需が幅広い分野で持ち直し、緩やかな回復傾向にあります。一方で、為替相場の円安、原材料価格やエネルギー価格の高騰の長期化、物価上昇に伴う消費マインドの冷え込みが懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 外食産業におきましては、人流の回復に加えて、コロナ禍前以来となる各種催事の復活などによる外出機会の増加、10月には訪日外国人客数が初めてコロナ禍前を上回ったことにより、ご来店客数は着実に回復傾向にあるものの、食材価格や人手不足による人件費関連コストの上昇等、依然として厳しい状況が続いております。

 このような環境の中ではありますが、当社は「美味しい料理を真心込めて提供します」を経営理念とし、「お客様に美味しい料理を低価格で提供し、ハッピーな一日(ハイデイ)を過ごしていただく」、このことを基本姿勢とし、より多くのお客様に美味しい料理を提供させていただくことに注力いたしました。引き続き、首都圏600店舗体制に向けて安定的な新規出店、サービス水準のさらなる向上、新商品の投入、積極的な販売施策などを推進し、業容拡大を図ってまいります。

 当第3四半期累計期間における主な取り組みについて、2024年2月期からの3年間を対象とした中期経営計画「Hiday 500」達成に向けた6つの重点施策、①店舗戦略、②採用の強化・人財育成、③DX推進戦略、④事業拡大・新商品開発・販路戦略、⑤ブランディングの強化、⑥サステナビリティの取組推進に基づいて説明いたします。

 

〈中期経営計画「Hiday 500」の重点施策〉

①店舗戦略

 新規出店を進めるとともに利益の確保が困難な不採算店を退店して、スクラップアンドビルドを推進することで収益率の向上を図っております。

 新規出店は13店舗(東京都4店舗、神奈川県4店舗、埼玉県2店舗、千葉県2店舗、茨城県1店舗)、退店が8店舗となりましたので、11月末の直営店舗数は445店舗となりました。業態別店舗数は、「日高屋」(来来軒含む)が412店舗、「焼鳥日高」(大衆酒場日高含む)26店舗、その他業態が7店舗となりました。新規出店した13店舗のうち、ロードサイド店が5店舗を占めています。ロードサイド店は車でのご来店が多く商圏を大きく確保できるため、ファミリー層やビジネスマンを中心に若者から高齢者まで幅広い年齢層のお客様が対象となり、5店舗ともに好調な立ち上がりとなりました。

②採用の強化・人財育成

 中長期的な成長を支えるため、新卒採用にとどまらず、中途採用や特定技能外国人採用を強化しています。

 フレンド社員(パート・アルバイト)の正社員登用を積極的に実施し、当第3四半期累計期間の中途採用者数は年間計画値を上回る進捗となりました。あわせて、育成と定着率の向上を目的として、中途採用者向けの入社時研修と入社後のキャリアアップフォロー研修を新たに導入しています。

 特定技能外国人の採用も順調で、採用後の教育研修にとどまらず、在留資格申請などの事務手続きサポートなどの支援体制を充実させました。特定技能2号の制度拡大にあわせて採用活動をさらに強化していく方針です。

③DX推進戦略

 もっと便利に、ご来店いただくことが楽しい店舗運営の実現に向けて取り組んでおります。

 お客様の利便性向上、店舗オペレーションの効率化・生産性向上に向けてタッチパネル式オーダーシステムの導入・切り替えを推進、11月末で182店舗に拡充しました。同システム導入は外国人の正社員・フレンド社員がより働きやすい環境を構築できる側面を持つため、多様な人財が活躍しています。配膳ロボットはロードサイド店を中心に25店舗で導入しており、大型の新店舗は配膳ロボット導入を視野に入れたレイアウトを採用しています。

④事業拡大・新商品開発・販路戦略

 お客様の多様なニーズにお応えするため、新業態開発・育成、新商品開発、販売チャネルを拡充しています。

 商品面では、期間限定メニューを積極的に投入し、9月に季節メニュー「肉そば」、10月に創業50周年記念の復刻メニュー「温玉旨辛ラーメン」、11月に季節メニュー「チゲ味噌ラーメン」を提供しました。「日高屋」の季節メニューでもっとも人気の高い「チゲ味噌ラーメン」は、調理工程を効率化し、提供スピードをアップさせるとともに均質な商品を提供することで例年の注文数を大きく上回っています。

 

⑤ブランディングの強化

 積極的な広報活動や提携先と連携したキャンペーンに取り組み、店舗以外の場所で「日高屋」に接する機会を増やしています。

 テレビCM、SNS、動画サイト、ホームページなど、多様なコンテンツを活用して、新商品やお得なキャンペーンなどを継続的に紹介・発信、お客様に楽しい食事を想起していただけるよう活動しております。創業50周年を記念した動画を制作して、ホームページや動画サイトで公開しました。50年間の歴史を振り返り、感謝の気持ちと未来に向けたメッセージを伝えています。10月には、コンビニエンスストア「ローソン」と共同開発した「にんにくと唐辛子を効かせた担々麺」と「バクダン炒飯」が関東甲信越と北陸で発売され、店舗以外の場所で「日高屋」ブランドを訴求いたしました。

⑥サステナビリティの取組推進

 次世代へとつなげて行くために地球にやさしい店作り、地域コミュニティに密着した社会インフラとして地域活性化に貢献するため推進中です。

 3月に設置したサステナビリティ委員会では、環境・社会・ガバナンスへの取り組みを強化するため、目標や実行計画の策定を進めています。環境面の計画として、2018年を基準年として2030年度には温室効果ガスの排出量(Scope1、2)を30%削減する目標を掲げるとともに、サプライチェーン全体での排出量(Scope3)算定にも取り組む方針です。今後は2050年に向けた長期的な排出量削減目標についても策定してまいります。また、ESGに関する外部評価として、CDP2023気候変動質問書への回答を実施することで、ESG経営にもとづいた課題の抽出と施策の実施につなげます。

 

 上記施策の推進に加えて、3月に実施した価格改定後もご来店客数が伸長してご利用単価も上昇したこと、創業50周年記念感謝祭や生ビール祭などのキャンペーンの実施、コロナ禍で短縮した営業時間の延長に取り組んだことなどが奏功し、当第3四半期累計期間における売上高は360億95百万円(前年同四半期比30.9%増)となりました。10月度の売上高は単月として過去最高額となり、各月の売上高も9ヶ月連続で同月比過去最高額を記録し、第3四半期累計期間としても過去最高額となりました。

 生産、原価面につきましては、小麦粉、豚肉、米等の各種食材購入価格上昇もありましたが、増収効果により原価率は28.0%(前年同四半期は28.1%)になりました。

 販売費及び一般管理費も増収効果によってフレンド社員の増員・時給アップに伴う人件費の増加や水道光熱費などのコスト上昇分を吸収して、対売上高比が61.9%(前年同四半期は71.4%)に低減しました。

 この結果、利益面では、営業利益は36億43百万円(前年同期は1億51百万円の営業利益)、経常利益は37億78百万円(前年同四半期比87.2%増)、四半期純利益は25億49百万円(前年同四半期比103.5%増)となりました。

 なお、飲食店チェーン関連事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。

 

(2)財政状態の分析

 当第3四半期会計期間末の総資産は320億66百万円となり、前期末に比べ28億85百万円増加しました。主な要因は、前期末に比べ流動資産の現金及び預金の増加13億92百万円、売掛金の増加3億79百万円、固定資産の投資有価証券の増加5億11百万円等によるものです。

 負債合計は76億41百万円となり前期末に比べ14億34百万円増加しました。これは主に未払法人税等の増加7億94百万円、買掛金の増加1億96百万円等によるものです。

 純資産合計は、244億24百万円となり前期末に比べ14億50百万円増加しました。これは四半期純利益の計上等によるものです。この結果、自己資本比率は76.2%(前期末78.7%)となりました。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 該当事項はありません。