売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02414 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、インバウンドやポストコロナの個人消費の回復が下支えをして、経済正常化が進みました。今後は、雇用や賃金環境の改善が加速することで、個人消費については、緩やかながら回復を続けていくことが期待されております。その一方で、為替相場や国際情勢に左右される物価動向、またエネルギーと資源価格の高止まり等が今後の経済成長の不確実性をもたらしております。世界経済は、欧米を中心としてインフレ局面に対応するための金融引き締め政策による景気回復の減速懸念、中国では不動産問題に端を発した雇用の一段の悪化と景気の底割れ懸念があります。また、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の緊迫化を始めとする地政学的リスクは、経済動向への大きな影響を及ぼしかねない状況となっております。

国内のコンタクトレンズ市場におきましては、経済社会活動の正常化と近視人口の増加により需要が増大しております。加えて、1日使い捨てタイプへのシフトが継続していることやミドルエイジ以降の遠近両用及び乱視用コンタクトレンズが伸長していること、また、就寝時に装用し日中裸眼で視力矯正効果が得られるオルソケラトロジーレンズの普及を背景として、市場は、人口が減少する中に有っても、着実な成長基調にあると推測されます。

当社が展開をしております、アジアから欧州に至る海外のコンタクトレンズ市場におきましては、国や地域による跛行性はありながらも、需要拡大と近視の低年齢化による近視人口の増加により、今後も市場の拡大が予想されております。

このような状況の下、当社グループでは、3ヶ年中期経営計画(2021年4月~2024年3月)の最終年度である

   2024年3月期につきましても、『「見える」に新たな価値を』を実現していくために、「市場競争力の強化・収益

力の強化」、「信頼されるモノづくり」、「SDGsの推進」、「安定した株主還元」を最重要施策として、日本国内

での安定した成長を軸に、海外各国での需要回復を積極的に取り込むことにより海外事業規模の拡大と収益基盤の

強化を進めております。当社では、需要回復と他社の供給不足に起因して、「Pureシリーズ」の国内外向け一部商

品において、在庫の逼迫による納期の遅延が発生しておりますが、今後も拡大が見込まれる国内外市場において、

成長戦略を実現するために当社は安定した商品供給と市場競争力を高める新商品の量産体制を整備し、生産力全体

の強化を行う事が不可欠であると考えております。現在、当社の生産拠点である鴻巣研究所におきまして、2024年

3月期には経年した1号棟の生産設備の更新及び3号棟のライン新規増設により月間最大計画枚数を現在の

5,300万枚から5,800万枚へ、2024年4月竣工予定の2号棟別館新設により月間最大計画枚数5,800万枚から6,500万

枚へと引き上げ、更に既存ラインの効率的な運営で、2025年3月期中に更に能力を拡大する計画を進めておりま

す。

商品戦略としましては、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」に対する需要の高まりを背景に、乱

視、遠近両用コンタクトレンズといったスペシャリティレンズの需要を伸ばすと同時に、2023年3月期に市場に投

入したシリコーンハイドロゲルレンズの2商品「シード1daySilfa(シルファ)」、「シードAirGrade 1day UV W-

Moisture(エアグレード ワンデー UV ダブルモイスチャー)」並びにカラーコンタクトレンズ「ベルミー」、オ

ルソケラトロジーレンズ「ブレスオーコレクト®」の普及拡大により更なる需要創出を目指して販売を行っており

ます。海外市場では、「シード1dayPureシリーズ」を中心に、それぞれの市場特性に合わせて、サークルレンズ、

カラーレンズ、「シード1daySilfa(シルファ)」、オルソケラトロジーレンズ、RGPレンズ、ケア用品等、プロダ

クトミックスを多様化しています。

これらの事業活動の結果、当第3四半期連結累計期間において、主に国内のコンタクトレンズ販売が伸長したため、売上高は24,128百万円(前年同期比6.4%増)となりました。

利益につきましては、売上高増加及び生産数量の増加に伴う量産効果が出て原価率低減が実現されました。また、2023年3月期第2四半期以降からの価格改定効果により、売上総利益が増加した結果、営業利益1,818百万円(前年同期比124.8%増)、経常利益1,803百万円(前年同期比125.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,234百万円(前年同期比358.7%増)となりました。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 

(コンタクトレンズ・ケア用品)

国内のコンタクトレンズにつきましては、引き続き主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」を中心と

し、2つの異なるベクトルを持つシリコーンハイドロゲルレンズや特に市場での伸長が最も見込まれる遠近両用コ

ンタクトレンズ等の高付加価値商品の拡販に注力してまいりました。「シード1dayPureシリーズ」は需要増によ

り、前年同期比8.2%増加いたしました。オルソケラトロジーレンズにつきましては、前年同期比15.5%増と大き

く伸長いたしました。

サークル・カラーコンタクトレンズにおきましては、販売チャネルの多様化や競合商品の増加の影響もあり、前年

同期比1.6%増と概ね横ばいでの推移となりました。

ケア用品につきましては、オルソケラトロジーレンズ関連のケア用品は増加しましたが、コンタクレンズの使い

捨てタイプへのシフトの影響で前年同期比0.8%増と概ね横ばいとなりました。

海外へのコンタクトレンズ輸出等につきましては、国や地域により差はあるものの、欧州向けや東南アジア向け

が堅調に推移しました。これらの増加が、中国向けの製品輸出の停滞をカバーし、前年同期比23.2%増となりまし

た。

その結果、セグメント全体の売上高は24,040百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益2,713百万円(前年同期比 69.6%増)となりました。

(その他)

その他につきましては、眼内レンズの売上が減少した結果、売上高は87百万円(前年同期比4.0%減)、営業損失は6百万円(前年同期営業損失5百万円)となりました。

 

(2)資産、負債及び純資産の状況

当第3四半期連結会計期間末における資産の残高は、43,630百万円となり、前連結会計年度末から3,619百万円増加いたしました。主な要因としては、鴻巣研究所での新規設備の導入3号棟底地購入新社屋関係の投資によ り有形固定資産が増加したことや売上増加に伴い現金及び預金が増加したことが挙げられます

負債につきましては、30,472百万円となり、前連結会計年度末から2,607百万円増加しております。主な要因としては、新規設備導入によるリース債務の増加が挙げられます

純資産につきましては、13,157百万円となり前連結会計年度末から1,012百万円増加しております主な要因としては利益剰余金が増加したことが挙げられます

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,580百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。