ローランド株式会社

上場廃止 (2014/10/27) 株式の全部取得 その他製品娯楽用品プライムTOPIX Small 1

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01834 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 業績の状況

当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く世界経済は、世界的にポストコロナへの移行が大きく進んだ一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、世界的な物価や金利の上昇、金融不安等により世界景気の減速懸念が強まり、先行き不透明な状況が継続しました。

電子楽器に対する需要は、地域や製品カテゴリーにより濃淡はあるものの、全体としては堅調に推移しました。一方で出荷に関しては、コロナ禍を要因とした供給制約が緩和されたことによる前期末の出荷増により、当期は、特に米国においてディーラーの在庫が一時的に過剰になるなど、サプライチェーンの正常化に向けた最終調整局面となっています。コスト面においては、原材料価格は高止まりを見せていますが、継続的に実施してきた価格適正化の浸透や、大きく上昇していた海上輸送費の減少により改善が見られました。また、市場の変化に対し迅速かつ柔軟に対応すべく、経費執行についても適時適切に見直しを図りました。

以上の結果、前年度に買収した米国のドラムメーカーDrum Workshop, Inc.(以下DW社)の新規連結効果や円安効果もあり、当第3四半期連結累計期間の売上高は、71,410百万円(前年同期比10.5%増)となりました。損益につきましては、営業利益は7,744百万円(前年同期比23.1%増)、経常利益は7,131百万円(前年同期比21.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,762百万円(前年同期比13.5%増)となりました。

 

製品カテゴリーごとの販売状況(対前年同期比)は以下のとおりです。

 

(鍵盤楽器)売上高18,387百万円(前年同期比11.7%減)

電子ピアノは、コロナ禍を契機とした非常に高い需要の落ち着きに加え、ディーラーの在庫調整、競合激化等により苦戦しました。

 

(管打楽器)売上高20,623百万円(前年同期比47.8%増)

ドラムは、中国においては、コロナや政府の学習塾に対する規制を背景とした音楽教室縮小の影響を受けましたが、新製品の導入を中心に先進国では概ね堅調に推移しました。ドラム事業全体としては、DW社の新規連結効果もあり販売は大きく伸長しました。

電子管楽器は、主力市場である中国、日本での市場在庫の調整に加え、中国を中心に新規参入企業との競合もあり、販売は苦戦しました。

 

(ギター関連機器)売上高18,123百万円(前年同期比12.5%増)

ギターエフェクターは、前年同期間の供給不足からの回復に加え、新製品の効果もあり好調に推移しました。

楽器用アンプは、米国を中心とした市場の在庫調整影響はありましたが、堅調な需要に加え新製品の貢献もあり好調に推移しました。

 

(クリエーション関連機器&サービス)売上高8,996百万円(前年同期比2.3%増)

シンセサイザーは、前年同期間に多くの新製品を発売したため反動減がありましたが、需要は堅調に推移しました。

ダンス&DJ関連製品では、今期発売した新製品群は貢献しているものの、既存製品には落ち着きが見られました。

ソフトウエア/サービス分野では、Roland Cloudにおいて、ソフトウエアシンセサイザーやサウンドコンテンツ、ハードウエアのアップデータ等の提供を継続的に行い、会員数は安定的に増加しました。

 

(映像音響機器)売上高3,085百万円(前年同期比4.6%増)

ビデオ関連製品は、個人向け配信需要が落ち着いた一方でイベント需要が回復し、関連製品の需要の高まりを受け好調に推移しました。

 

(2) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して6,197百万円増加し、83,254百万円となりました。その主な要因は、売上債権が1,726百万円、棚卸資産が3,160百万円、有形固定資産が704百万円それぞれ増加したことによるものです。

負債は、前連結会計年度末と比較して1,453百万円増加し、44,762百万円となりました。その主な要因は、借入金が1,098百万円減少した一方、仕入債務が2,118百万円増加したことによるものです。

純資産は、前連結会計年度末と比較して4,744百万円増加し、38,491百万円となりました。その主な要因は、配当金の支払いにより剰余金が4,506百万円減少した一方で、主要国通貨に対する円安進行により為替換算調整勘定が3,384百万円増加し、また親会社株主に帰属する四半期純利益が5,762百万円あったことによるものです。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して2.4ポイント増加し、45.9%となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間において現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、482百万円減少(前年同期は579百万円減少)し、期末残高は10,023百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間において営業活動の結果得られた資金は、主として税金等調整前四半期純利益及び運転資金の減少により、8,027百万円(前年同期に使用した資金は3,934百万円)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は、主として有形固定資産の取得による支出により、1,761百万円(前年同期に使用した資金は791百万円)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間において財務活動の結果使用した資金は、主として借入金の返済や配当金の支払い等により、5,922百万円(前年同期に得られた資金は4,953百万円)となりました。

 

(4) 経営方針、経営戦略及び対処すべき課題等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

   当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は3,617百万円です。

    なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。