売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02412 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当社グループは、創業以来の原点である「現場主義」「顧客第一主義」を徹底し、製造業として「もっとも高品質で環境に配慮した製品を」「どこよりも競争力のある価格で」「必要なときに確実にお届けする」を実践しております。2024年は、これまで整備してきたあらゆるグループインフラや新技術を活用して、大きく「前進」することをテーマとし、さらなる成長を目指してまいります。

 

(売上高・利益の状況)

当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年12月31日まで)の売上高と利益は、以下の通りとなりました。

[第3四半期連結累計期間の売上高・利益]                                                  (単位:百万円)

 

前年実績

実績

前年同期比 増減額

前年同期比

売上高

162,811

170,760

+7,948

104.9%

製品売上高

127,884

132,622

+4,737

103.7%

商品売上高

34,926

38,137

+3,210

109.2%

営業利益

14,173

13,525

△647

95.4%

経常利益(※1)

14,700

13,882

△817

94.4%

親会社株主に帰属する

四半期純利益

9,810

9,646

△163

98.3%

償却前経常利益

25,229

25,223

△6

100.0%

 

経常利益増減の主な要因

当第3四半期連結累計期間の経常利益は前年同期に対して8億17百万円の減益、当第3四半期連結会計期間については16億43百万円の減益となりました。その要因は以下の通りであり、一過性の外的要因、また、将来にわたる経営基盤の強化に向けた投資によるものであります。

・前第3四半期連結会計期間(2022年10月1日から2022年12月31日まで)

二度にわたる製品価格改定が完全実施され利益反映したことに加えて、ナフサやベンゼン等の粗原料価格の一時的な値下がりにより利益が押し上げられた結果、過去最高の利益となりました。

・当第3四半期連結会計期間(2023年10月1日から2023年12月31日まで)

人材の確保・定着に向けて大幅な賃上げをしたことによる人件費及び労務費の増加、前期に稼働を開始した関西工場・関西ハブセンターによる減価償却費の増加等がありました。これらの経費の増加は、将来にわたる経営基盤の強化、さらなる安定供給体制の整備に向けた投資として行っております。その結果、離職者数は減少しており、物流の「2024年問題」への対応も順調に進んでおります。

販売枚数については、2023年9月を境に増加トレンドに転じております。経費の増加をまかなうまでには至らなかったものの、エコ製品(エコトレー、エコAPET、エコOPET)の数量伸長が続いているほか、新低発泡PSP容器、惣菜向けなど付加価値の高い製品の販売が堅調に推移しております。前第4四半期連結会計期間(2023年1月1日から2023年3月31日まで)から販売数量の前年割れが顕著になったことも含めて、当第4四半期連結会計期間(2024年1月1日から2024年3月31日まで)以降の販売数量は着実に回復すると見込んでおります。

 

[経常利益の増減内訳]                                                          (単位:億円)

 

第2四半期累計

第3四半期

第3四半期累計

原料価格(製品価格改定含む)

電力価格

販売活動

人件費及び労務費

減価償却費

運送費・その他経費等

+33.8

△5.5

+1.0

△10.6

△5.7

△4.8

△7.3

+4.0

+1.0

△5.9

△2.5

△5.7

+26.5

△1.5

+2.0

△16.5

△8.2

△10.5

合計

+8.2

△16.4

△8.2

 

上表のうち、第3四半期の原料価格(製品価格改定含む)は、前第3四半期連結会計期間における一時的な値下がりによるものであり、一過性の外的要因であります。例年以上の経費増となった人件費及び労務費は大幅な賃上げを実施したことによるものであり、来期は落ち着いた水準に戻る見通しです。また、減価償却費の増加は関西工場・関西ハブセンターの稼働に伴う一時的なものであり、来期は一巡し、当期並みになると想定しております。これらの経費の増加を販売数量の伸長でまかなうには至りませんでしたが、販売数量はすでに回復基調で推移しております。

 

経常利益の計画比

計画に対しては若干の未達となりました。

前連結会計年度までに二度にわたって実施した製品価格改定の効果が維持できた一方で、当第3四半期連結会計期間においてナフサやベンゼンが若干値上がりしたこと、また、原料仕入価格において川上メーカーのユーティリティコスト増加を一部受け入れたことによります。

また、販売数量の伸長に遅れが生じておりましたが、マーケットが回復に移りつつある中、値上げ活動を優先したことで遅れていた売り場提案が実績として現れるなど、回復基調にあります。

 

製品売上数量

2023年9月に対前年比で増加に転じて以降、回復基調にあります。食品を中心とした幅広い物価上昇が続く中、スーパーマーケットにおける買い上げ点数の減少の影響があり、第3四半期連結累計期間は前年同期比99.3%と若干下回りましたが、第3四半期連結会計期間では100.3%となりました。なお、12月単月では前年比99.5%となりましたが、出荷日数が1日少ない影響であり、実質的には対前年比で増加しております。

 

[製品伸長率]

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第3四半期累計

前年同期比(枚数)

98.4%

99.2%

100.3%

99.3%

2020年3月期比

108.8%

108.3%

108.0%

108.4%

年平均成長率(CAGR)

2.1%

2.0%

1.9%

2.0%

 

(※1)経常利益 利益増減要因

  ※画像省略しています。

 

(営業活動の状況)

当社グループは、お客様の生産性を向上させる容器の「機能」と、鮮度やボリューム感を演出する「働き」を意識した提案等により、お客様の収益拡大に貢献することを目指しております。

原料・電力をはじめ、あらゆるモノの価格上昇が続く中、非発泡容器から大幅に軽量化(プラスチック使用量削減)した日本初の低発泡化(軽量化)容器「新低発泡PSP容器」の提案を進めております。これは、積水化成品工業株式会社(本社:大阪市北区、以下「積水化成品工業」)の発泡技術と当社の独自技術である両面真空成形を基軸とした金型設計技術を融合してできたものであり、当社の非発泡容器と同等の強度及びシャープな形状を維持しながら、大型の寿司容器(※2)においては、当社従前の非発泡容器と比較して約60%(本体のみ)の軽量化を実現しております。(当社と積水化成品工業にて共願で特許出願済み)容器包装リサイクル法に基づく再商品化実施委託料の軽減効果もあり、大型の寿司容器の12月単月の販売数量は前年同月比142%(非発泡容器含む)と伸長しております。引き続き、この新技術を活用した新製品の上市を進めてまいります。

また、昨今の人手不足を背景に、食品の生産及び配送を一括して行うPC(プロセスセンター)やスーパーマーケットのバックヤードにおいて自動化が急加速する中、トレーの自動供給機やトップシール等、機械化に対応した製品の開発・提案を進めております。加えて、盛付け面になだらかな傾斜をつけた刺身容器(ツマゼロ容器※3)については、ツマの削減によるコスト低減に留まらず、作業工程の合理化により人手不足対策につながるなど、採用が広がっております。

包装資材のECサイト「パックマーケット」については、登録アイテムの充実や販促活動の実施により、会員登録数が拡大し、販売額の伸長が続いております。

 

(※2)プラスチック使用量を大幅に削減した大型の寿司容器(新低発泡PSP容器)

※画像省略しています。

(※3)ツマを削減できる刺身容器(ツマゼロ容器)

※画像省略しています。

(生産部門の状況)

当社グループは、設備稼働率の上昇、自動化の推進等により生産性の向上に努めるとともに、FSSC22000認証の取得による製品安全性のさらなる向上や、危険体感講習等を通じた安全教育の取り組みを推進しております。

自動化については、中部第一工場及び関西工場において、無人搬送車による原反・金型・フィルムの搬送やアームロボットによる原反つなぎにより、軽作業化や省人化を実現しております。加えて、2023年4月より現場社員の給与水準の向上や年間休日日数を増加させることで人材の確保・定着を図っており、前年同期に比べ離職者数が減少するなど一定の効果が現れております。

 

(物流部門の状況)

当社グループは、製商品の安定供給のため、全国9拠点(北海道、東北、関東、八王子、東海、中部、関西、福山、九州)の配送センターから半径100km圏内で全人口の85%をカバーする物流ネットワークを構築しております。

物流コストの低減に向けては、路線便と比較して運賃を抑制できる自社便での配送、パレット輸送の活用、トラック1台あたりの積載効率の向上に努めております。昨今の人手不足への対応については、配送センター内における無人搬送車や無人搬送フォークリフトの活用に加え、現場社員の給与水準の向上や運賃の値上げを行い、人材や車両の安定確保に努めております。また、関西エリア向けには従来、福山ハブセンターから配送しておりましたが、関西ハブセンターから出荷を行うことで配送時間が短縮され、拘束時間13時間超のトラック台数の大幅な減少として効果が現れております。引き続き、「働き方改革関連法」に伴うドライバーの時間外労働の上限規制(物流の「2024年問題」)へ対応するなど、さらなる安定供給を図ってまいります。

 

(海外事業の状況)

2022年8月に持分法適用関連会社となったLee Soon Seng Plastic Industries Sdn. Bhd.(本社:マレーシア、以下「LSSPI社」)については、当社遊休設備の活用を含む設備投資や在庫管理システムの導入による生産性の向上を進めております。人口増加や所得水準の向上により、東南アジアにおける食品容器需要の拡大が見込まれる中、LSSPI社の東南アジアにおける競争力向上と利益の最大化を実現させてまいります。

(循環型のサステナブルな社会の実現に向けた取り組み)

当社グループは、気候変動問題及び海洋プラスチックごみ問題を対処すべき重要な課題と考えており、課題解決に向けて以下の取り組みを推進しております。

(a) リサイクルの推進

当社グループは、1990年に6ヶ所のスーパーマーケットにおいて使用済み容器の回収を始めて以来、エフピコ方式のリサイクル「トレーtoトレー」を進めてまいりました。2023年12月末時点では回収拠点が10,600拠点を超えるなど、拡大を続けております。加えて、2012年からは使用済みPETボトルをサラダ容器などの透明容器に再生する「ボトルto透明容器」にも取り組んでおります。この「トレーtoトレー」「ボトルto透明容器」の水平リサイクル推進に向けて、“お店で使用・販売した食品トレー・PETボトルはそのお店で資源として回収し、食品トレー・透明容器に再生して、またそのお店で積極的に使用する”というお店を発着点としたリサイクル「ストアtoストア」の拡大に努めております。2022年11月から株式会社中国シジシー(本社:広島市安佐南区)と協働し、環境目標を設定し取り組みを進めた結果として、ユーザーにおけるトレー及びPETボトルの回収量が増加し、エコ製品の使用に伴うCO2削減量の大幅な増加につながっております。加えて、2023年10月には株式会社エブリイ(本社:広島県福山市)、2023年11月には株式会社九州シジシー(本社:福岡市博多区)との協働を開始するなど、地域の環境負荷低減、持続可能な循環型社会の推進に貢献してまいります。

2023年10月には、リサイクル工場における見学者の累計が50万人を突破いたしました。1990年に受け入れを始めて以来、年間2万人を超える見学者にお越しいただいております。引き続き、お取引先様及び消費者の皆様にご協力いただき、さらなるリサイクル拡大に向けた取り組みを推進してまいります。

 

(b) 気候変動問題への取り組み

当社グループは、2050年のカーボンニュートラル達成を目指す中長期目標を定めており、目標達成に向けたガバナンス、戦略などについてTCFD提言に基づき公表しております。

当社事業拠点におけるCO2排出削減の施策として、再生可能エネルギーや省エネ設備の導入などに取り組むとともに、サプライチェーン全体におけるCO2排出削減に関しては、再生原料を使用しない石油由来製品と比較して30%のCO2削減効果を持つエコ製品の販売を推進しております。

再生可能エネルギーの導入については、関東地区及び中部地区の自社工場に設置した太陽光発電設備が稼働しております。2024年3月には関西地区にも導入を予定しており、これによって使用済みトレーリサイクル工場における再生原料製造工程をすべて再生可能エネルギーでまかなうことが可能となり、エコトレーのCO2削減効果が30%から37%に上昇する見込みです。

 

(c) エフピコ環境基金を通じた取り組み

当社は2020年3月にエフピコ環境基金を創設し、“環境保全”、“環境教育・研究”、“「食」課題解決・「食」支援に関わる活動”の3分野において活動する団体への助成を実施しております。2024年3月期は22団体へ助成を行うとともに、助成先団体の活動へ当社グループ社員が参加するなど、地域の皆様とともに持続可能な社会の構築を目指しております。

 

(d) 各種リサイクル手法及び代替素材の研究開発

当社グループは、リサイクルの拡大推進が気候変動問題及び海洋プラスチックごみ問題の有効な対策の一つと考え、単一素材におけるリサイクルの技術と仕組みが確立しているエフピコ方式のリサイクル「トレーtoトレー」「ボトルto透明容器」を着実に実行してまいります。

さらに、発泡ポリスチレン容器の完全循環型リサイクルを目指し、DIC株式会社(本社:東京都中央区、以下「DIC」)と協業し溶解分離リサイクル及びケミカルリサイクルの研究を進めております。これらの研究は従来、日用品雑貨等にリサイクルされていた色柄付き発泡ポリスチレン容器を当社製品へ再生する水平リサイクルを目指すものであり、溶解分離リサイクルについてはDIC四日市工場において2024年中の稼働(生産能力:エコ原料1万トン/年)を見込んでおります。これにより、エコトレーの販売を現状の月平均21万ケースから28万ケースに約30%増加させることが可能となります。

引き続き、技術は進歩するという前提のもと、各種リサイクル手法の調査研究や紙・バイオマス等新素材の情報収集を進めるとともに、環境負荷の低い容器の開発を通して、循環型のサステナブルな社会の実現を目指してまいります。

(ESG・SDGsへの取り組み)

当社グループは、資源循環や多様な人材の活躍推進など、SDGsの実現に向けた取り組みを進めるとともに、ESG情報開示の充実を図っております。

障がいのある人材の活用については、食品容器の製造や回収した使用済み食品容器の選別など基幹業務に従事しており、エフピコグループの障がい者雇用率は、2023年3月時点で12.5%となりました。

女性の活躍推進については、職域拡大、継続就業支援、管理職の増加を目指し「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」を厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースに掲載し、2022年以降に採用する総合職の女性比率を30%以上、2026年までに女性管理職を50名、男性社員の育児休暇の取得を義務化し、2025年3月末までに男性の育児休業の取得率を50%以上とする目標を定めるなど、様々な取り組みを実践しております。この結果、2023年4月入社の総合職における女性比率は24%、2023年12月末時点の女性管理職は57名、2023年3月期の男性育児休業取得率は9%となりました。

社員の健康推進については、健康のためのあらゆる取り組みや情報発信を行う「職場で健康プロジェクト」を実施するとともに、職場環境の整備に努めることで、社員の活力及び生産性の向上につなげております。

これらの取り組みの結果、当社は、FTSE Russellの「FTSE4Good Index Series」、「FTSE Blossom Japan Index」、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」、MSCI社の「MSCI 日本株女性活躍指数(WIN)」の構成銘柄へ選定、経済産業省の「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定されております。

 

(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の

分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(3)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4)財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて72億83百万円増加し、3,059億6百万円となりました。主な増減は、売上高の増加及び当四半期連結会計期間末日が金融機関の休日であったことなどによる受取手形及び売掛金の増加120億38百万円、減価償却などによる有形固定資産の減少47億43百万円であります。

負債合計は、前連結会計年度末に比べて9億69百万円増加し、1,594億21百万円となりました。主な増減は、当四半期連結会計期間末日が金融機関の休日であったことなどによる支払手形及び買掛金の増加53億26百万円、返済などによる借入金(短期借入金及び長期借入金)の減少46億61百万円であります。

また、純資産合計は、前連結会計年度末に比べて63億14百万円増加し、1,464億85百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益96億46百万円及び剰余金の配当38億47百万円によるものであります。

 

(5)キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より16億80百万円増加し、239億36百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は、194億15百万円(前年同期は95億19百万円の資金獲得)となりました。

 これは主に、税金等調整前四半期純利益141億31百万円、減価償却費113億40百万円、棚卸資産の減少18億39百万円及び仕入債務の増加39億37百万円などによる資金の増加、他方、売上債権の増加118億48百万円及び法人税等の支払額57億67百万円などによる資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により支出した資金は、83億13百万円(前年同期は212億16百万円の資金支出)となりました。

 これは主に、関西工場・関西ハブセンターの建設及び生産設備等の有形固定資産の取得による支出84億14百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により支出した資金は、94億20百万円(前年同期は176億97百万円の資金獲得)となりました。

 これは主に、長期借入れによる収入60億円と、長期借入金の返済による支出106億74百万円、リース債務の返済による支出8億96百万円及び配当金の支払額38億17百万円などによるものであります。

(6)事業上及び財務上の対処すべき課題

  当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(7)研究開発活動

  当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、10億34百万円であります。

  なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(8)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

連結業績予想については、2023年4月28日の「2023年3月期 決算短信」で公表した通期の業績予想に変更はありません。

販売面については、環境意識の高まりやあらゆるモノの価格上昇が続いていることを背景に、エコ製品及びプラスチック使用量を削減した製品を中心に数量の増加を見込んでおります。特にエコ製品は数量の伸長が続いているほか、軽量化(プラスチック使用量削減)した「新低発泡PSP容器」の引き合いが増しており、品揃えの充実と非発泡容器からの切り替え提案を進めております。さらに、マルチFPの高光沢化や耐寒PPi-タルクの更なる軽量化など新技術の製品化を推進してまいります。また、コロナ下で定着したテイクアウト・デリバリー市場や、今後の拡大を目指す冷凍食品市場及び病院介護食市場などに向け、積極的な販売拡大への取り組みを進めております。商品の販売増加に向けては、当社グループの持つ物流・システム・パックマーケット・マーチャンダイジング機能などのインフラをお取引先様に最大限活用いただき、効率化を実現するご提案を進めてまいります。

2023年9月29日には持分法適用関連会社であった株式会社アペックス(本社:福岡市中央区、以下「アペックス」)の株式を追加取得し連結子会社化いたしました。前述した当社グループのインフラを活用することで、コスト削減や経営効率の改善を図るとともに、既存のお客様へのサービスを向上させてまいります。また、アペックスの競争力を強化することでこれまで深掘りできていなかったマーケットへの参入を目指し、食品容器のみならず包装資材・消耗品の販売拡大に取り組んでまいります。

原料価格については、ナフサやベンゼンなど粗原料価格の動向から、ポリスチレン価格は高止まりが続くと見込んでおります。一方で、再生PET原料については、ベールの市場価格の値下がりが進んでいるほか、電力価格はピークアウトしており前年の実績を下回る見通しです。

これらの価値創造提案や新マーケット創出に加え、リサイクル技術の研究開発、M&Aなどを通じて、持続的な成長を目指してまいります。

 

(用語説明)

エコトレー

:スーパーマーケットの店頭などから回収されたポリスチレン容器と工場内端材を原料とする

 リサイクル発泡ポリスチレン容器(1992年販売開始)

エコAPET

:スーパーマーケットの店頭などから回収されたPET(ポリエチレンテレフタレート)透明容器、PETボトル及び工場内端材を原料とするリサイクルPET透明容器

耐熱温度+60℃(2012年販売開始)

エコOPET

:エコAPET容器と同じ原料を使用する二軸延伸PETシートから成形したリサイクルOPET透明容器

耐油性に優れ、透明度も高くOPS容器(従来からの二軸延伸ポリスチレンシートから成形した透明容器)と同等の耐熱性を実現

耐熱温度+80℃(2016年販売開始)

マルチFP

:-40℃~+110℃の耐寒・耐熱性、耐油性及び断熱性に優れた発泡PS容器(2010年販売開始)

耐寒PPi-タルク

:従来の耐寒PPフィラー容器と比較し、強度を保ちながらプラスチック使用量を削減した容器(2022年販売開始)

FSSC22000

:消費者に安全な食品を提供することを目的とした、食品安全マネジメントシステムに関する国際規格

溶解分離リサイクル

:マテリアルリサイクルにより生産された黒色PSペレットを溶解、脱色したうえで、食品容器向けの再生PS原料を生産する手法

DIC㈱が開発した世界初の技術