売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02366 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)業績の状況

 当第3四半期連結累計期間(2023年1月1日から2023年9月30日まで)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付け変更に伴い、物価上昇の影響を受けつつも、コロナ禍での行動制限によるペントアップ需要の顕在化などを背景とした個人消費の緩やかな回復により、社会経済活動において正常化の基調が見えてきました。一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化や原材料費、エネルギーコストなどの高騰といった不確実性が高いリスクに加え、世界的なインフレ圧力とそれに伴う欧米を中心とした金融引き締め等を背景とした海外景気の下振れ懸念は依然として継続しており、先行き不透明な状況にあります。

 当社グループを取り巻く外部環境といたしましては、デジタル化やペーパーレス化の進展といった影響から、国内外問わず、事務用品としての筆記具需要は依然として厳しい状況が続いております。一方、国内市場では、人口減少と少子高齢化という構造的問題を抱えつつも、機能性にとどまらない付加価値のある商品へのニーズの高まりに加え、訪日外国人の増加に伴うインバウンド需要の回復やイベント等の開催によるノベルティ需要の増加といった明るい兆しも見え始めております。海外市場に目を転じると、北米・欧州を中心に筆記具におけるアート&クラフト需要がボーダレスに拡大しております。また、サステナビリティへの関心の高まりをはじめとするニーズの多様化がより一層進むなか、こういった外部環境の変化に対応し、お客様の求める価値を具現化し続けていかなければ、生き残っていくことが難しい状況が続いております。

 このような経営環境のなか、当社グループは、「書く、描く」を通じた“表現体験そのもの”を創造することで、すべての人が生まれながらにして持つ個性や才能といった「ユニーク」を表現する機会を創り出すことが、お客様への提供価値ととらえ、「違いが、美しい。」というコーポレートブランドコンセプト(企業理念)に基づき、活動してまいりました。オフィシャルスポンサーとして「鉛筆工場」パビリオンを出展しているキッザニア東京の特設スペースで、水性サインペン「POSCA(ポスカ)」を使って木製のコマにペインティングして表現を楽しむお子様向けのワークショップイベントを開催しました。また、“自分らしさ”をテーマに表現する第2回アートコンテストをオフィシャルパートナー「パラリンアート」と開催し、表現体験を後押しするための活動の一つとして実施しました。他方、“ノート、くっきりキマる。”ゲルインクボールペン「uni-ball one(ユニボール ワン)」シリーズで、「最も黒いゲルインクボールペン“Blackest gel ink ball pen”」としてギネス世界記録TM認定を受けました。「uni-ball one」シリーズは新開発のビーズパック顔料を使用しており、黒はより濃く、カラーはより鮮やかに発色するため、ノートを見返したときに印象に残りやすい文字を書くことができます。この「uni-ball one」シリーズより、さりげない色遊びで気分が盛り上がるモダンポップカラー「uni-ball one F」を発売いたしました。

 これらの活動の結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は53,129百万円(前年同期比6.0%増)、営業利益は8,093百万円(前年同期比25.2%増)、経常利益は9,112百万円(前年同期比21.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,222百万円(前年同期比21.5%増)となりました。

 セグメント別の業績を概観いたしますと、筆記具及び筆記具周辺商品事業におきましては、欧州を中心に海外市場での販売が堅調に推移し、加えて国内市場での個人需要の緩やかな回復、また為替による押し上げ効果により、外部顧客への売上高は51,422百万円(前年同期比6.2%増)となりました。粘着テープ事業、手工芸品事業といったその他の事業におきましては、事業を取り巻く市場環境は依然として厳しく、外部顧客への売上高は1,706百万円(前年同期比0.7%減)となりました。

 財政状態につきましては、当第3四半期連結会計期間末の資産は、主に現金及び預金や投資有価証券が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて10,795百万円増加し141,596百万円となりました。

 負債は、主に固定負債のその他に含まれる繰延税金負債や賞与引当金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて1,911百万円増加し27,709百万円となりました。

 純資産は、主に利益剰余金やその他有価証券評価差額金が増加したことにより、前連結会計年度末に比べて8,884百万円増加し113,886百万円となりました。

 

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 当第3四半期連結累計期間において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は2,681百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。