売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E00601 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

日本では重点戦略の一つであるDTC事業の強化に注力しており、『デサント』における直営店舗や期間限定で出店したポップアップストアにおいて売上が好調に推移しました。韓国では『デサント』においてTシャツや薄手のジャケットをはじめとした端境期商材が好調に推移し、プロパー店舗での売上が伸長しました。中国ではLE COQ SPORTIF(NINGBO) CO., LTD.(以下、NLCS)を前第4四半期連結会計期間より連結業績に取り込んだこと等が増収要因となりました。

ゴルフブームの反動の影響が続き、ゴルフウェアカテゴリーの売上は前年同四半期比で減収となったものの、各セグメントでアスレチックウェアカテゴリーの売上伸長により当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同四半期比4.6%増90,100百万円となりました。

売上総利益は、上記の増収並びに日本におけるDTC事業の売上高総利益率向上により、前年同四半期比9.0%増54,059百万円となりました。

販管費は、ブランディングを推進させるために積極的に広告販促を実行したこと及びNLCS連結子会社化の影響等により、前年同四半期比12.6%増47,625百万円となりました。

営業利益は上記の結果、前年同四半期比11.9%減6,434百万円となりました。

経常利益はDESCENTE CHINA HOLDING LTD.(以下、DCH)の業績伸長に伴い持分法による投資利益が増益となった結果、前年同四半期比11.7%増11,662百万円となり、第3四半期連結累計期間において、過去最高益となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益は、経常利益が増益となったものの、前年同四半期においてNLCS連結子会社化に伴う段階取得に係る差益等2,132百万円の特別利益を計上したのに対し、当第3四半期連結累計期間においては同社の事業構造改善費用358百万円の特別損失を計上した結果、前年同四半期比18.0%減8,344百万円となりました。

 

 報告セグメントの業績は次のとおりであります。なお、在外子会社の決算期は12月であり、各セグメントの業績には持分法適用関連会社の数値は含まれておりません。

 

(日本)

 『デサント』の「水沢ダウン」やハードシェルジャケット「クレアス」等の高付加価値商材の販売が好調に推移し、アスレチックウェアカテゴリーの売上が前年同四半期比で増収となりました。また、DTC売上高構成比率が前年同四半期比で2.9ポイント上昇、売上高総利益率も向上する等、DTC事業強化のための取り組みの効果が着実に現れています。一方で『マーモット』の2022年12月ライセンス契約終了の影響及びゴルフウェアカテゴリーの減収の結果、売上高は前年同四半期比5.1%減37,915百万円となりました。前第1四半期連結累計期間において発生した一過性利益約470百万円の反動及びブランディングに伴う広告宣伝費の増加により、セグメント利益は前年同四半期比24.7%減3,342百万円となりました。

 

(韓国)

 アスレチックウェアカテゴリーにおいて『デサント』におけるプロパー店舗の売上伸長、『アンブロ』の売上好調等により増収となりましたが、ゴルフブームの反動により、売上高は前年同四半期比2.1%減40,100百万円、セグメント利益は前年同四半期比8.8%減2,964百万円となりました。なお、セグメント損益には含まれませんが、『アリーナ』を展開する持分法適用関連会社のARENA KOREA LTD.は国外への旅行客増加に伴うレジャー水着の売上が堅調に推移しております。

 

(中国)

 ARENA(SHANGHAI)INDUSTRIAL CO.,LTD.(以下、ASH)及びNLCSの連結子会社化による増収効果並びに人流回復の影響を受け、売上高は前年同四半期比186.0%増10,403百万円となりました。セグメント利益はNLCSにおいてリブランディングのために展示会を刷新したことや、店舗改装を戦略的に実行していることに伴う販管費増加に加え、同社に係るのれんの償却費等を計上した結果、前年同四半期比83.7%減42百万円となりました。なお、セグメント損益には含まれませんが、『デサント』を展開する持分法適用関連会社のDCHは引き続き好調です。

 

品目別売上高の状況は次のとおりであります。

 

(アスレチックウェア及びその関連商品)

 『デサント』では日本・韓国での売上好調、また『アンブロ』では日本で注力している子供向け商材の売上が伸長し、韓国ではZ世代向けのストリートファッション商材が引き続き好調に推移するなど現地マーケティング戦略が順調に進んでいます。『アリーナ』では2023年7月に開催された「世界水泳選手権2023福岡大会」や、日本・韓国・中国でブランド誕生50周年を記念したマーケティング活動によるブランド露出効果を受け、売上も堅調に推移しております。加えて、中国におけるASH及びNLCSの連結子会社化による増収要因もあり、当カテゴリーの売上高は前年同四半期比16.3%増62,186百万円となりました。


(ゴルフウェア及びその関連商品)

 日本において当社のゴルフブランドを集結させた直営旗艦店DESCENTE GOLF COMPLEX GINZA(東京・銀座)を中心に、高い機能性に加えてデザイン性も兼ね備える新コレクション「DSG」の新規展開や外国人旅行客の需要取込等による増収効果がありました。一方で日本・韓国におけるゴルフブームの反動を受け、当カテゴリーの売上高は前年同四半期比12.2%減22,783百万円となり、コロナ禍前の水準程度となりました。
 

(サステナビリティに関する取り組み)

 当社はサステナビリティの一環としてスポーツを通じた青少年の育成と地方創生に貢献すべく、「Team DESCENTE」の契約選手と共にスポーツ振興に取り組んでいます。当第3四半期連結累計期間では、バレーボールの石川祐希選手(アリアンツ・ミラノ)を招待した「ベストアタッカーアカデミー~MAKE THE MOMENT その瞬間のプレーのために~」というイベントを2023年10月に開催しました。当イベントに参加した高校生・大学生は同選手によるバレーボールの直接的な技術指導や質疑応答を通じて熱いメッセージを受け取ることが出来ました。また、地方創生に関する包括連携協定を締結している岩手県奥州市において「チャレスポおうしゅう2023」が2023年11月に開催され、『デサント』ブースの出展及びソフトボールの上野由岐子選手(ビックカメラ女子ソフトボール高崎)とアスリートコンサルタント鴻江寿治氏によるトークショーを実施し、地域の住民と交流を深めました。

 当社は今後もスポーツを通じた活動によって社会課題の解決に取り組んでまいります。

 

 財政状態の分析につきましては次のとおりであります。

 

当第3四半期連結会計期間末の資産合計は141,860百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,297百万円増加しました。
 流動資産は前連結会計年度末に比べ2,018百万円増加し、84,524百万円となりました。これは主に現金及び預金の減少6,048百万円受取手形及び売掛金の増加1,886百万円商品及び製品の増加4,924百万円などによるものです。

固定資産は前連結会計年度末に比べ6,278百万円増加し、57,336百万円となりました。これは主に投資その他の資産に含まれる投資有価証券の増加6,554百万円などによるものです。

負債合計は前連結会計年度末に比べ2,269百万円減少し、30,993百万円となりました。これは主に流動負債のその他に含まれる未払金の減少2,025百万円などによるものです。

純資産は前連結会計年度末に比べ10,567百万円増加し、110,867百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加5,324百万円為替換算調整勘定の増加4,728百万円などによるものです。

以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、3.1ポイント増の77.7%となりました。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は1,109百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。