売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02647 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

[内外環境]

当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類引き下げ以降、個人消費やインバウンド需要は概ね回復基調を維持しており、雇用や所得環境にも改善が見られるなど、経済活動の正常化が進みました。しかしながら、長期化するウクライナ情勢、原材料・資源価格の上昇、継続する円安基調、これらに端を発した物価上昇に加えて、中東情勢が緊迫化するなど、先行き不透明な状況が継続しました。

 

[主要施策]

新型コロナウイルスの分類引き下げ以降、経済活動の正常化が進んでいますが、当社グループでは、こうした環境変化に対応し、新たな成長フェーズを確固たるものとするための施策として、2023年度を起点とする3カ年の中期経営戦略『SANYEI 2025』を策定し、そこで掲げた目標の達成に向けて、事業改革の強化、見直しの徹底に鋭意取り組んでいます。

中期経営戦略『SANYEI 2025』では、「グループ事業構造、事業ポートフォリオの見直し」「スピード感のある新規取組みの促進」「ワークライフバランス」「ガバナンスの強化」を重点施策として掲げ、最終年度の2025年度までに売上高500億円、経常利益20億円(経常利益率4%)の達成を数値目標としています。また、こうした成長戦略を支える成長ドライバーとして、次の3つを挙げています。

① 海外取引の拡大

② EC事業の強化

③「健康と環境」に則ったサステナブルビジネスの追求

 

[連結業績]

当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比8.9%減少の261億5千5百万円となりました。外食・旅行など好調なサービス消費やインバウンド需要の回復を背景に、主に外出・トラベル関連商材の需要増を受けた服飾雑貨事業セグメントの売り上げが前年同期比伸長しました。一方で、巣ごもり需要の大幅な縮小や、欧州景気低迷を主因とした海外拠点での減収を背景に、家具家庭用品事業セグメントの売り上げが前年同期比大きく減少しました。

利益面につきましては、売上高は減少したものの、引き続き収益力の改善に注力した結果、売上総利益率が改善し、売上総利益は前年同期比3億8千3百万円増加の72億1千4百万円となりました。営業利益につきましては、店舗経費の減少やグループ基幹システムに係る減価償却費の減少など、販管費が前年同期比4億9千4百万円減少したことから、前年同期比8億7千7百万円改善し、7億5千万円の黒字となりました。経常利益は、営業損益の黒字化や為替差損の減少を主因として、前年同期比9億4百万円改善の8億1千6百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、ブランド販売子会社に係る減損損失などの特別損失の計上があったものの、前年同期比6億1千6百万円増加の4億4千3百万円となりました。

 

[セグメント別業績]

(家具家庭用品事業)

当報告セグメントの売上高は、前年同期比27.1%減少の120億7千1百万円となりました。巣ごもり需要の大幅な落ち込みや欧州景気低迷の影響、継続商品の一部失注などにより、OEM事業では国内外で売り上げが大きく減少しました。ブランド事業においても、ドイツのテーブルウェアブランド「Villeroy&Boch(ビレロイアンドボッホ)」等を取扱う(株)エッセンコーポレーションや「MINT(ミント)」などの家具・インテリアのネットショップの売り上げが、前年同期比減少しました。

セグメント利益については、売上総利益率の改善や販管費は減少したものの、売上高の減少を主因として、前年同期比1億8千5百万円減少の3億6千7百万円となりました。

 

(服飾雑貨事業)

当報告セグメントの売上高は、前年同期比22.6%増加の100億5千9百万円となりました。外出・トラベル関連の旺盛な需要増を受け、関連商材の売り上げが前年同期比大幅に回復しており、特にOEM事業において売上高を押し上げました。ブランド事業においても、ベルギーのプレミアム・カジュアルバッグブランド「Kipling(キプリング)」を販売する(株)L&Sコーポレーションの売り上げが増加しましたが、ドイツのコンフォートシューズブランド「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」等を販売する(株)ベネクシーは、オリジナルブランドの開発や新ブランドの取り込みを進める事業再編の途上にあり、前年同期比減少となりました。

セグメント利益については、売上高の増加に加え、ブランド販売子会社での採算性向上などが寄与し、前年同期比7億5千7百万円増加の10億3百万円となりました。

 

(家電事業)

当報告セグメントの売上高は、前年同期比1.7%増加の27億5千1百万円となりました。OEM事業では、上半期好調に推移した季節商品の売り上げが減退したことを主因に、前年同期比減少に転じました。ブランド事業においては、海外向け販売が前年同期比伸び悩むなど、調理家電の売り上げは苦戦を強いられましたが、主にドライヤーの売り上げが好調に推移したことで理美容家電の売り上げが伸長し、全体として前年同期比増加に転じました。なお、理美容家電・調理家電のブランド販売子会社(株)ゼリックコーポレーションは2023年4月1日付けで当社に吸収合併(簡易合併・略式合併)しております。

セグメント利益については、売上高の増加に加えて、売上総利益率の改善や販管費の削減により、前年同期比1億9千1百万円改善し、1億9千1百万円の損失となりました。

 

(2)財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3億5千万円増加の200億2百万円となりました。

主な資産の変動は、「商品及び製品」が9億2百万円減少した一方、「現金及び預金」「投資有価証券」がそれぞれ4億4千1百万円、8億6千万円増加しております。

主な負債の変動は、「短期借入金」が7億4千2百万円減少しております。

主な純資産の変動は、「利益剰余金」「その他有価証券評価差額金」「為替換算調整勘定」がそれぞれ3億3千7百万円、5億8千5百万円、3億円増加しております。

この結果、自己資本比率は56.0%、1株当たり純資産は4,765円82銭となりました。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 ①資金需要
 当社グループの主要な資金需要は棚卸資産の購入のほか、人件費、販売費及び一般管理費等の費用ならびに当社グループの設備の新設および改修等に係る投資となります。また、今後、当社グループの新たな収益源となり、企業価値向上に資するとの判断から、M&Aを含む新規事業への投資も資金需要の対象となります。

 

 ②財務政策

 資金需要の財源といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、主要取引銀行から供与された円資金借入枠に基づく借入金となります。なお、当社および国内関係会社との間でCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、これにより、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理することで、資金効率の向上に努めています。また、「流動性の確保」、「金利上昇リスクのヘッジ」等を目的に社債の発行および長期借入金も実行しております。

 一方、当社では、為替相場変動リスクのヘッジ方法の一環として、国内OEM取引先との間で商品代金等の決済を米ドル建てで行う契約を締結しています。このため、短期のつなぎ資金として米ドル資金が必要となりますが、その調達源として、当社では、主要取引銀行との間で中長期多通貨コミットメントラインを締結しております。これにより、今後、本邦において米ドル資金調達リスクが想定外に顕在化した場合でも、米ドル資金の流動性を確保することができます。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5)研究開発活動

 特記事項はありません。