売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E01075 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)概観

 当第3四半期連結累計期間における国内エネルギー業界においては、主力の石油類・LPガスの仕入価格に影響を及ぼす原油価格・プロパンCPが、主要産油国による協調減産の延長を受けて一時急騰したものの、世界的な温暖化や中国の景気低迷などによる需給の緩みが影響し、前連結会計年度と比べて下落しました。また、電力市場においては、燃料価格の低下と需要の減少により電力需給が安定しており、卸市場価格は低位で推移しました。

 

 このような環境の中、当社グループは、2027年度の創業100周年に向けて第1四半期連結会計期間から第三次中期経営計画をスタートさせ、「脱炭素社会の実現に貢献する総合エネルギー・ライフクリエイト企業グループへの進化」というビジョン達成に向けて、経営基盤の強化を加速させ、成長戦略を進めています。事業面では、「既存事業の収益拡大」と「脱炭素社会の実現に寄与する新規事業創出」の両輪で収益性の向上を図っております。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績については、石油製品市況の低下に伴い販売単価が下落したものの、石油類や電力の販売数量増加により、売上高は2,375億53百万円(前年同四半期比0.9%増)となりました。

 その一方、損益面は、電力事業において、2023年11月13日に公表した「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」のとおり、前連結会計年度に調達した相対電源を、低位で推移する卸電力市場価格の影響を受けた「逆ザヤ」での売却を余儀なくされたことなどにより売上総利益が悪化し、営業損失22億2百万円(前年同四半期は同4億65百万円)、経常損失15億62百万円(前年同四半期は同2億30百万円)となりました。親会社株主に帰属する四半期純損失については、前連結会計年度に計上した固定資産売却益の剥落により、21億64百万円(前年同四半期は同7億76百万円)となりました。

 なお、電力事業については、価格変動リスクを最小化するべく、今後の実施体制の見直しを行いました。BtoB事業においては、市場連動型プランへの移行の推進を図る一方、BtoC事業においては、他社のバランシンググループ(複数の小売電気事業者が1つのグループを形成し、一般送配電事業者との間で1つの託送供給規約を結ぶ仕組み)に参加し、電源調達と需給管理を委託することで、需給バランスの最適化を図っていきます。

 

 セグメント毎の取り組み状況は次のとおりです。

 

[エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)]

 売上面は、主力の「LPガス・灯油販売」において、平均気温が平年と比較して高くなったことで販売数量が低調に推移し、減収となりました。

 損益面は、電力事業の売上総利益の悪化があった一方、主力のLPガス販売において前連結会計年度に行った価格改定の寄与を中心に、赤字幅が縮小しました。

 なお、第三次中期経営計画で示した顧客数拡大に向けた新たな取り組みとして、CO2排出量を実質ゼロとする「ミライフカーボンニュートラルLPガス」の販売を第2四半期連結会計期間より開始しました。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるエネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の売上高は486億82百万円(前年同四半期比9.1%減)、営業損失は4億95百万円(前年同四半期は営業損失8億39百万円)となりました。

 

[エネルギーソリューション事業(BtoB事業)]

 売上面は、主力の石油事業において、石油製品市況の低下に伴う販売単価の下落があった一方、電力事業においては市場連動型プランにおける新たな大口顧客の獲得などにより、増収となりました。

 損益面は、前述した電力事業における売上総利益の悪化が大きく影響したことに加え、前連結会計年度好調だった石油事業の売上総利益が平年並みの水準に戻ったことにより、赤字幅が拡大しました。

 なお、オフサイトコーポレートPPAによる再生可能エネルギー電力の供給開始やCO2排出量削減に寄与する次世代バイオディーゼル燃料の取り扱い開始など、第三次中期経営計画で示した「電力・再生可能エネルギーなど総合エネルギーサービスへのポートフォリオ転換」に向けた取り組みを進めています。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるエネルギーソリューション事業(BtoB事業)の売上高は1,736億95百万円(前年同四半期比3.5%増)、営業損失は23億35百万円(前年同四半期は営業損失1億83百万円)となりました。

 

[非エネルギー事業]

 非エネルギー事業全体としては、自転車事業が好調に推移したことなどにより、増収増益となりました。

 事業別の状況は、次のとおりです。

 自転車事業(シナネンサイクル株式会社)は、前連結会計年度後半より実施した価格改定の寄与に加えて、プライベートブランド製品の販売強化やコンテナ導入による新規法人開拓を推進し、増収増益となりました。

 シェアサイクル事業(シナネンモビリティPLUS株式会社)は、シェアサイクルサービス「ダイチャリ」の拠点開発を推進するとともに、埼玉県蕨市など新たな地方自治体との実証実験を開始しました。2023年12月末現在、ステーション数3,400カ所超、設置自転車数12,000台を超える規模まで拡大し、増収増益となりました。また、他社のメンテナンスを担う体制を構築し、HELLO CYCLING全体の運営品質の向上を推進しています。なお、2023年11月に東京都にて開催された自転車イベント「レインボーライド」にて電動アシスト自転車800台を貸し出すなど、第三次中期経営計画で示した「新たな収益源の創出」に向けた取り組みを進めています。

 環境・リサイクル事業(シナネンエコワーク株式会社)は、新設住宅着工戸数の伸び悩みによる建設系廃木材の搬入量減少に加え、運送費などの販売変動経費や新たな環境関連事業の開発に伴う販管費の増加により、減収減益となりました。

 抗菌事業(株式会社シナネンゼオミック)は、中国経済の低迷に起因する海外向け需要減少の影響があった一方、国内向けの販売が順調に推移しており、全体では増収増益となりました。なお、フィンランド発の天然系抗菌剤の独占販売代理契約を締結するなど、新たな取り組みを進めています。

 システム事業(株式会社ミノス)は、主力のLPガス基幹業務システムが安定的に貢献し、前年同四半期並みの収益となりました。なお、顧客情報システム(電力CIS)については、市場の変動に応じて価格・サービスを調整する市場連動機能を構築するなど、新たな開発を随時進めています。

 建物維持管理事業を手掛けるグループ4社は、2023年10月よりシナネンアクシア株式会社として統合し、総合建物メンテナンス会社として、新たなスタートを切っています。当第3四半期連結累計期間は、集合住宅の建物メンテナンス業務のエリア拡大に加え、斎場・病院など施設運営業務が好調に推移し増収となった一方、統合に伴う販管費の増加などが影響し、減益となりました。なお、第三次中期経営計画で示した「業務エリアのさらなる拡大」に向けて、埼玉エリアにおいて新たな拠点開設を準備しています。また、大型物件の管理開始など「安定収益の確保」に向けた取り組みの成果も現れています。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間における非エネルギー事業の売上高は150億5百万円(前年同四半期比8.4%増)、営業利益は6億58百万円(前年同四半期比36.2%増)となりました。

 

(2)経営者による財政状態の分析

①流動資産

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産の残高は660億9百万円となり、前連結会計年度末と比較して72億48百万円増加しました。増加した主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の売上債権が季節要因から65億64百万円増加したこと等によります。

 

②固定資産

 当第3四半期連結会計期間末における固定資産の残高は433億21百万円となり、前連結会計年度末の425億89百万円と比較して大きな変動はありません。

 

③流動負債

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債の残高は496億39百万円となり、前連結会計年度末と比較して105億67百万円増加しました。増加した主な要因は、支払手形及び買掛金が季節要因から97億94百万円増加したこと等によります。

 

④固定負債

 当第3四半期連結会計期間末における固定負債の残高は83億23百万円となり、前連結会計年度末の86億46百万円と比較して大きな変動はありません。

 

⑤純資産

 当第3四半期連結会計期間末における純資産は、親会社株主に帰属する四半期純損失の計上が21億64百万円、利益剰余金の配当により8億20百万円減少等により、前連結会計年度末と比較して22億63百万円減少したため、513億67百万円となりました。

 以上により、自己資本比率は前期末と比較し5.9ポイント減少し、47.0%となりました。

 

(3)経営者による経営成績の分析

①売上高

 当第3四半期連結累計期間及び前第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の売上高は以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

当第3四半期

前年同四半期

増減

エネルギー卸・小売周辺事業

48,682

53,538

△4,856

エネルギーソリューション事業

173,695

167,844

5,850

非エネルギー事業

15,005

13,840

1,164

その他・調整額

170

172

△2

連結合計

237,553

235,397

2,156

 

 エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の売上高は、486億82百万円(前年同四半期比9.1%減)となりました。これは主に、主力の「LPガス・灯油販売」において、平均気温が平年と比較して高くなったことで販売数量が低調に推移したことによります。

 エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の売上高は、1,736億95百万円(前年同四半期比3.5%増加)となりました。これは主に、電力事業において、市場連動型プランにおける新たな大口顧客を獲得したことによります。

 非エネルギー事業の売上高は、150億5百万円(前年同四半期比8.4%増加)となりました。これは主に、自転車事業が好調に推移したことによります。

 その他・調整額の売上高は、当社が管理している不動産賃貸収入に係る売上であり、1億70百万円(前年同四半期比1.5%減)となりました。

 

②営業利益又は営業損失

 当第3四半期連結累計期間及び前第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の営業損益は以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

当第3四半期

前年同四半期

増減

エネルギー卸・小売周辺事業

△495

△839

343

エネルギーソリューション事業

△2,335

△183

△2,152

非エネルギー事業

658

483

174

その他・調整額

△29

74

△103

連結合計

△2,202

△465

△1,737

 

 エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の営業損失は、4億95百万円(前年同四半期は8億39百万円の営業損失)となりました。赤字幅が縮小した主な要因は、主力のLPガス販売において前連結会計年度行った価格改定の寄与があったことによります。

 エネルギーソリューション事業(BtoB事業)の営業損失は、23億35百万円(前年同期は1億83百万円の営業損失)となりました。赤字幅が拡大した主な要因は、2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)概観に記載の通り、電力事業において売上総利益が悪化したことに加え、前連結会計年度好調だった石油事業の売上総利益が平年並みの水準に戻ったことによります。

 非エネルギー事業の営業利益は、6億58百万円(前年同四半期比36.2%増加)となりました。これは主に、自転車事業において実施した価格改定に加えて、プライベートブランド製品の販売強化やコンテナ導入による新規法人開拓の推進が収益に貢献したことによります。

 その他・調整額の営業損益には、当社が管理している不動産賃貸収入に係る売上に加えて、セグメント間取引消去、各報告セグメントに配分されていない全社費用が含まれており、当第3四半期連結累計期間の営業損益は、29百万円の営業損失(前年同期は74百万円の営業利益)となりました。

③経常損失

 当第3四半期連結累計期間の経常損失は、営業損失が22億2百万円であったため、15億62百万円となりました。

 

④親会社株主に帰属する四半期純損失

 当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純損失は、特別利益、特別損失に大きな計上はなかったものの、経常損失が15億62百万円であったため、21億64百万円となりました。

 

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、1億35百万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。