売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E02655 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①財政状態

当第3四半期連結会計期間末の総資産は1,588億円で前連結会計年度末比580億円増加しました。主な増加項目は現金及び預金460億円、売掛金51億円、商品及び製品30億円、投資その他の資産のその他24億円です。

負債の部は864億円で前連結会計年度末比420億円増加しました。主な増加項目は長短借入金及び社債(1年内償還予定社債を含む)22億円、転換社債型新株予約権付社債311億円、支払手形及び買掛金29億円、未払法人税等19億円です。

純資産の部は、723億円で前連結会計年度末比160億円増加しました。主な増加項目は利益剰余金127億円、為替換算調整勘定38億円です。主な減少項目は退職給付に係る調整累計額12億円です。

自己資本比率は45.3%で前連結会計年度末比10.3ポイント減少しました。

 

②経営成績

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行により経済活動が正常化するとともに外国人観光客が増加するなど、景気の回復基調が継続いたしました。一方で、欧州における紛争の長期化や中東情勢の緊迫化、世界的な金融引締めによる景気への影響、エネルギーコストや原材料価格の高騰に伴う物価上昇や為替変動による影響が懸念されるなど、依然として先行きが不透明な状況が継続しております。

このような状況のなか、当社グループは2024年3月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画「未来への創造と挑戦」の最終年度として、「組織風土改革」「国内外構造改革の着手・完遂」「再成長の戦略や成長市場への種まき」を3本柱とする各種施策を着実に推し進めております。また、2024年に50周年を迎える『ハローキティ』は50周年アニバーサリーイヤー(2023年11月~2024年12月)として、限定商品の展開や様々なイベントを実施し、幅広い世代からご支持をいただいております。

国内の店舗・テーマパークは、新型コロナウイルス感染症の分類移行に加え、様々な施策が奏功し、国内客および外国人観光客が大幅増となり、売上高を押し上げました。また、ライセンス事業は国内外ともに複数キャラクター戦略が奏功し、既存ライセンシーの商品展開が増加するなど、売上高の伸長に寄与いたしました。

なお、サンリオファン会員向けアプリ「Sanrio+」の会員数は12月末現在で約170万人となりました。

連結営業損益に関しては、国内外ともに大幅増収したことに加え、構造改革を通じて営業費用をコントロールしたことにより収益性が向上し、大幅増益となりました。

 

以上の結果、売上高は724億円(前年同期比40.3%増)、営業利益は213億円(前年同期比101.8%増)、経常利益は224億円(前年同期比104.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は161億円(前年同期比137.6%増)となりました。

なお、すべての海外連結子会社の決算期は1月~12月であり、当第3四半期連結累計期間の対象期間は、2023年1月~9月であります。

 

報告セグメントの業績は次のとおりであります。

① 日本:売上高510億円(前年同期比35.1%増)、営業利益150億円(前年同期比92.2%増)

1.国内営業本部(物販事業・ライセンス事業)

2023年4月、シナジー効果を発揮し全社利益最適化に貢献すべく、物販事業本部とライセンス営業本部を統合し、国内営業本部に名称変更いたしました。

物販事業は、新型コロナウイルス感染症の分類移行に伴う社会経済活動の正常化に加え、様々な施策が奏功し、店舗の客数が大幅に増加いたしました。また、外国人観光客の増加が継続しており、都心や観光地を中心に店舗の売上高を大きく押し上げました。2024年に50周年を迎える『ハローキティ』は、50周年アニバーサリーイヤー(2023年11月~2024年12月)として、限定商品の展開や『ハローキティ』が全国の店舗を回る「ハローキティ50周年全国ツアー」イベントを実施し、好評を博しております。一方、人気投票イベント「2023年サンリオキャラクター大賞」で上位の『シナモロール』や『ポムポムプリン』などのキャラクターに加え、他社の人気キャラクターとのコラボレーションなど、『ハローキティ』以外のキャラクターも好調に推移いたしました。特に、複数のキャラクターを展開しているマスコットホルダーが国内および海外のお客様から支持されております。

ライセンス事業は、複数キャラクター戦略が引き続き奏功しており、50周年を迎え注目を集める『ハローキティ』はもちろん、『クロミ』や『シナモロール』など複数のキャラクターが好調に推移し、売上高が伸長いたしました。商品化ライセンスは、すべてのカテゴリーで前年同期実績を上回り、特に人気継続のカプセルトイやプライズ、複数キャラクター展開の大手アパレル、インバウンド需要の高まりによりお土産品が好調に推移いたしました。また、デパ地下で人気の洋菓子店とのコラボレーションが話題を集めました。

広告化ライセンスは、顧客課題に合わせたキャラクター提案が奏功しており、商業施設や外食、菓子・食品など様々な業態のキャンペーンで採用されました。

営業損益については、売上高の大幅増により大幅増益となりました。

 

2.テーマパーク事業

サンリオピューロランド(東京都)とハーモニーランド(大分県)は、新型コロナウイルス感染症の分類移行に伴い、国内客が増加するとともに外国人観光客が急増し、売上高を押し上げました。

サンリオピューロランドでは、分類移行後にキャラクターとの握手・ハグなどの触れ合いや、同施設最大の人気エンターテイメント「Miracle Gift Parade」を3年ぶりに再開したため、有料席や関連商品が好調に推移いたしました。また、人気キャラクターの『クロミ』が初めて主役となった季節限定パレード「Makkuro Halloween Party」を上演いたしました。新作パレードを上演するのは4年ぶりでしたが、国内外のお客様で人気を博し、集客に寄与するとともに関連商品の売上も好調に推移いたしました。さらに、当社が前年3月から販売している英語教材「Sanrio English Master」と連動した、サンリオピューロランド初の英語発話型の新アトラクション「BUDDYEDDY WONDERFUL CLUB」(2023年10月オープン)は、大人から子供までの幅広い層にお楽しみいただくなど話題を集めました。

ハーモニーランドは、ニューアトラクション「ウォーターショット」(2023年7月14日オープン)やシーズンイベントの「HAPPY HALLOWEEN」、「HAPPY CHRISTMAS」などが客数増に貢献いたしました。また、これらの新規イベントと連動したオリジナル商品や値上げした入園チケットが客単価を押し上げ、売上増に寄与いたしました。

営業損益は、両施設の売上高が大幅に増えたことが寄与し、増益となりました。

 

② 欧州:売上高17億円(前年同期比36.9%増)、営業利益2億円(前年同期は営業損失1億円)

ライセンス事業は、ドイツの有名ブランドとのコラボレーションや大手ライセンシーとの取り組みが継続し、ブランド価値が向上いたしました。カテゴリー別の動向について、フットウエアカテゴリーは有名ブランドとグローバル展開した複数キャラクターのスニーカーが好調に推移いたしました。アパレルカテゴリーでは、ファストファッションの大手ライセンシーとの取り組みが奏功いたしました。食品カテゴリーでは、ハローキティデザインの菓子が好評で、売上高が伸長いたしました。

『ミスターメンリトルミス』はアパレルカテゴリーの既存ライセンシーが好調に推移いたしました。玩具カテゴリーでは米国およびフランスの既存ライセンシーとの取り組みが奏功いたしました。

営業損益は、売上高の増加に伴い黒字に転換いたしました。

 

③ 北米:売上高75億円(前年同期比77.4%増)、営業利益14億円(前年同期比126.1%増)

 物販事業(自社EC)は、引き続き好調に推移いたしました。特にカメラやぬいぐるみ、新規ライセンシーのフットウエアが人気を博しました。

ライセンス事業は、アパレルや玩具、ヘルス&ビューティーカテゴリーが好調に推移いたしました。アパレルカテゴリーは、既存ライセンシーとの取り組みが引き続き好調に推移するとともに、有名アニメキャラクターとのコラボレーションが認知度向上に寄与いたしました。玩具カテゴリーは、大手メーカーと中長期契約を締結(2022年12月)し、同メーカーが持つ様々な玩具品でサンリオキャラクターが採用され、売上高の増加に大きく貢献いたしました。ヘルス&ビューティーカテゴリーは、有名アーティストのキャラクターとコラボレーションしたコスメ商品が好調に推移いたしました。デジタルカテゴリーはゲームコンテンツ(2023年7月配信開始)が話題を集め売上高の増加に寄与いたしました。その他、メジャーリーグベースボール(MLB)と協業のオフラインイベントを定期的に開催しており、顧客接点強化にも努めております。

営業損益については、売上高の大幅伸長により、大幅増益となりました。

 

④ 南米:売上高5億円(前年同期比63.5%増)、営業利益1億円(前年同期比177.4%増)

南米全体は、ヘルス&ビューティー、バッグ、企業特販、文具カテゴリーのライセンス事業が好調に推移いたしました。メキシコは、ハローキティカフェの人気が継続している企業特販カテゴリー、香水や衛生商品が好調のヘルス&ビューティーカテゴリー、スニーカーやビーチサンダルが人気のフットウエアカテゴリーが好調に推移いたしました。ペルーは、通学バッグの需要が増加したバッグカテゴリーが売上を牽引いたしました。ブラジルは、「Hello Kitty & Friends」レストラン(2023年4月オープン)が同国のライセンシングエキスポで受賞するなど話題を集め、ブランドの認知向上に寄与いたしました。チリは、文具やヘルス&ビューティーカテゴリーが好調に推移いたしました。

営業損益については、売上高の大幅伸長により大きく改善いたしました。

 

⑤ アジア:売上高115億円(前年同期比44.9%増)、営業利益54億円(前年同期比68.7%増)

香港・マカオ地区は、ライセンス事業において、金融機関との継続的なプロモーションにより企業特販カテゴリーが売上高を牽引いたしました。また、複数キャラクターが採用された家庭用品や文具カテゴリーが好調に推移いたしました。

台湾は、ライセンス事業において、企業特販やヘルス&ビューティーカテゴリーが好調に推移し、売上高の増加に貢献いたしました。

韓国は、前期に実施した韓国大手芸能事務所所属のアイドルグループとのコラボレーションをきっかけにZ世代への認知度およびブランド価値が向上しており、新規ライセンシーの獲得に加え既存ライセンシーの商品展開が引き続き拡大いたしました。特にライセンス事業において、複数キャラクター展開のぬいぐるみが売上高を牽引し、トイ&ホビーカテゴリーが伸長いたしました。

中国は、ライセンス事業において、2023年1月からマスターライセンス契約先をアリババグループのアリフィッシュへと変更いたしました。新型コロナウイルス感染症の拡大により2023年初頭はビジネス活動が鈍化したものの、ヘルス&ビューティー、企業特販、トイ&ホビーカテゴリーが伸長いたしました。物販事業は、前年の反動に加え、複数キャラクター展開が奏功しており、『ハローキティ』だけでなく、『シナモロール』『クロミ』『ポチャッコ』なども注目を集め、売上高が大幅に伸長いたしました。

東南アジアは、タイが売上高を牽引いたしました。特に同国最大のコンビニエンスストアとのコラボレーションが売上高の増加に寄与いたしました。

営業損益については、アジア各国における全体的な売上高の伸びが寄与し、増益となりました。

 

(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

該当事項はありません。