ロイヤルホールディングス株式会社

ブランドなど:ロイヤルホストてんやリッチモンドホテル
小売業飲食店プライムTOPIX Small 1

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04783 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の状況

 当第3四半期連結累計期間については、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行したことを受けて、行動制限の緩和が進んだことから、社会経済活動は正常化に向かいました。また、雇用や所得環境の改善に伴う個人消費の持ち直しやインバウンド需要の拡大などが国内景気を下支えしております。しかしながら、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の悪化、為替相場の円安傾向などに伴い、資源価格の高騰に起因する物価上昇は続いているため、国内経済は依然として不透明な状況が続いております。また、当社グループにおきましては、外食および観光需要の戻りやコロナ禍で取り組んだ構造改革の効果などもあり、各事業セグメントで業績は回復に向かっておりますが、原材料費や光熱費の上昇傾向の継続、需要回復に応じた労働力の確保など、事業環境は依然として厳しいものとなっております。

 このような状況のもと、当第3四半期連結累計期間の売上高は101,755百万円(前年同期比+36.8%)、営業利益は5,017百万円(前年同期比+1,106.0%)、経常利益は4,346百万円(前年同期比+456.9%)となりました。また、固定資産除売却損246百万円、減損損失160百万円など総額422百万円を特別損失に計上したほか、法人税等831百万円および非支配株主に帰属する四半期純利益15百万円を差し引いた、当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は3,077百万円(前年同期比+945.5%)となりました。

 セグメント別の状況については、次のとおりであります。

 

(外食事業)

 当社グループの基幹である外食事業におきましては、ホスピタリティ・レストラン「ロイヤルホスト」、天丼・天ぷら専門店「てんや」、ピザレストラン「シェーキーズ」、サラダバー&グリル「シズラー」などのチェーン店のほか、ビアレストラン、カフェ、各種専門店等の多種多様な飲食業態を展開しております。

 主力の「ロイヤルホスト」におきましては、世界各国の料理をロイヤルホスト風にアレンジした料理フェア「フュージョンセレクション」をシーズン毎に開催するなど、引き続き、高付加価値な商品の提供を行いました。また、直営店としては4年ぶりの新店である「ロイヤルホスト光が丘IMA店(東京都練馬区)」を出店いたしました。

 「てんや」におきましては、ご当地食材を使用したメニューの提供を行うとともに、引き続き、テイクアウト需要拡大の取り組みを行いました。また、直営店として「天丼てんや難波千日前店(大阪府大阪市)」を出店し、次世代型店舗の展開を開始いたしました。

 「専門店」におきましては、ミドルサイズチェーンの「シズラー」において、アメリカの食文化や料理を紹介するWorld Ocean Fairを実施いたしました。また、「ミセスエリザベスマフィン天神地下街(福岡県福岡市)」「キリン横浜ビアホール(神奈川県横浜市)」「ロイヤルガーデンカフェ天神(福岡県福岡市)」の3店舗を出店いたしました。あわせて、「シェーキーズららぽーとTOKYO‐BAY店(千葉県船橋市)」「シェーキーズ横浜西口店(神奈川県横浜市)」を新型モデルとしてリニューアルオープンし、シェーキーズブランドの価値向上に取り組みました。

 当第3四半期連結累計期間におきましては、上記施策を実施したことなどにより、売上高は46,216百万円(前年同期比+18.7%)、経常利益は3,560百万円(前年同期比+25.6%)となりました。

 

(コントラクト事業)

 コントラクト事業におきましては、法人からの委託等により、空港ターミナルビル、高速道路サービスエリア・パーキングエリア、コンベンション施設、エンターテインメント施設、オフィスビル、医療介護施設、百貨店、官公庁等において、それぞれの立地特性に合わせた多種多様な飲食業態を展開しております。

 当第3四半期連結累計期間におきましては、行動制限の緩和やインバウンド需要の戻りを受けて、各業態で売上高は増加いたしました。また、空港ターミナルビルでは、「海膳空膳中部国際空港店(愛知県常滑市)」「道頓堀今井大阪国際空港店(大阪府豊中市)」「淡麺(DAN‐MEN)大阪国際空港店(大阪府豊中市)」の3店舗を新たに出店いたしました。高速道路サービスエリア・パーキングエリアでは、持分法適用の関連会社であったハイウェイロイヤル㈱の株式を追加取得し、前連結会計年度末に連結子会社化したことに伴い、第1四半期連結会計期間の期首から同社の売上高等が四半期連結財務諸表に反映されております。あわせて、事業所内等では、新規に開業したエンターテインメント施設内においてレストランやカフェの運営を受託するとともに、日本橋三越本店の「カフェ&レストラン ランドマーク(東京都中央区)」を3年ぶりにリニューアルオープンいたしました。上記施策を実施したことなどにより、売上高は31,849百万円(前年同期比+91.3%)、経常利益は1,697百万円(前年同期比+73.5%)となりました。

 

(ホテル事業)

 ホテル事業におきましては、「ひとと自然にやさしい、常にお客様のために進化するホテル」を経営理念とし、全国に「リッチモンドホテル」等を47店舗展開しております。

 当第3四半期連結累計期間におきましては、全国各地で祭礼や催事が再開され、国内観光需要が活発化したことに加えて、インバウンド客が増加したことなどにより、売上高は堅調なものとなりました。また、立地特性によって異なる利用動機に対応するため、順次、既存ホテルで改装を実施するなど、顧客ニーズに合わせた取り組みを行いました。上記施策を実施したことなどにより、売上高は21,109百万円(前年同期比+30.5%)、経常利益は1,843百万円(前年同期比+1,527.7%)となりました。

 

(食品事業)

 食品事業におきましては、主に当社グループの各事業における食品製造、購買、物流業務等のインフラ機能を担っているほか、グループ外企業向けの「業務食」および家庭用フローズンミール「ロイヤルデリ」の製造も行っております。

 当第3四半期連結累計期間におきましては、ロイヤルホストを中心としたグループ店舗における売上高の増加を受け、内部向けの製造販売量が増加したことなどにより、売上高は8,359百万円(前年同期比+20.4%)、経常利益は148百万円(前年同期経常損失218百万円)となりました。

 

(その他)

 その他の事業は不動産賃貸や機内食等の事業であり、国際線の航空需要が回復途上であることから、売上高は205百万円(前年同期比△18.5%)、経常損失は36百万円(前年同期経常損失384百万円)となりました。

 

(2)財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,970百万円増加し125,541百万円となりました。内訳は、流動資産が1,194百万円増加し、固定資産が776百万円増加しております。流動資産の増加は、季節的な要因等による売掛金の減少340百万円、未収入金や預け金の減少等によるその他流動資産の減少428百万円などの減少要因があった一方、現金及び預金が1,910百万円増加したことなどによるものであります。また、固定資産の増加は、のれんや施設運営権の償却の進捗により無形固定資産が523百万円減少した一方、上場有価証券の時価の上昇等により投資有価証券が1,122百万円増加したことなどによるものであります。負債は、前連結会計年度末に比べ902百万円減少し77,860百万円となりました。内訳は、流動負債が5,020百万円減少し、固定負債が4,118百万円増加しております。流動負債の減少は、長期借入金の調達等に伴い1年内返済予定の長期借入金が2,800百万円増加し、賞与の引当等により引当金が792百万円増加した一方、返済等により短期借入金が8,532百万円減少したことなどによるものであります。また、固定負債の増加は、返済等によりリース債務(固定負債)が1,955百万円減少しておりますが、調達等により長期借入金が5,950百万円増加したことなどによるものであります。純資産は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上3,077百万円、その他有価証券評価差額金の増加687百万円等の増加要因、配当金の支払い752百万円等の減少要因などにより、純資産全体では2,872百万円増加し47,681百万円となりました。また自己資本は前連結会計年度末に比べ2,857百万円増加し47,150百万円となり、自己資本比率は、前連結会計年度末比1.8ポイント上昇し37.6%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,916百万円増加し、27,576百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間に比べ4,313百万円収入が増加し、9,058百万円の収入となりました。法人税等の支払・還付前のキャッシュ・フロー(収入)は、前第3四半期連結累計期間に比べ4,757百万円増加し、9,981百万円の収入となりました。また、法人税等の支払・還付によるキャッシュ・フロー(支出)は、前第3四半期連結累計期間に比べ443百万円増加しております。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間に比べ1,010百万円支出が増加し、4,514百万円の支出となりました。これは、前第3四半期連結累計期間にハイウェイロイヤル㈱の株式追加取得があったことなどにより、関係会社株式の取得による支出が2,149百万円減少した一方で、前第3四半期連結累計期間に比べ有形固定資産の取得による支出が2,628百万円増加したことなどによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間は5,174百万円の収入でしたが、当第3四半期連結累計期間では2,627百万円の支出となりました。これは、前第3四半期連結累計期間において、双日㈱による新株予約権の行使に伴う、株式の発行による収入8,300百万円があったことなどによるものであります。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 特記すべき事項はありません。

 

(7)従業員数

 当社の当第3四半期会計期間末の従業員数は85名となります。当第3四半期累計期間においては、2023年1月1日付で、当社の組織を企画・統制機能を軸に簡素化することを目的に、店舗設計開発部、人事企画部及びシステム部を子会社であるロイヤルマネジメント㈱に移管したことで、35名減少しております。また、2023年4月1日付で、当社グループの新入社員を当社にて一括採用していることにより、31名増加しております。