売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03120 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)業績の状況

 当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う社会経済活動の正常化が進む一方で、ウクライナ情勢の長期化等による、エネルギー価格や原材料価格の高騰、円安の長期化、継続的な物価上昇による個人消費停滞の懸念など、依然として先行きが不透明な状況となっております。

 小売業界におきましては、業種・業態を越えた競争環境の中、電気代や生活必需品等の物価上昇による生活防衛意識の高まりに加えて、人件費や物流コストの上昇もあり、引き続き厳しい経営環境が続いております。

 営業概況におきましては、春先から続いた天候不順の影響により、園芸植物関連・ガーデニング・家庭菜園資材や農業者もご利用になられる単管パイプ・合板等の資材の販売が、当社の主力フォーマットであるハード&グリーンを中心に前年を大きく下回りました。また、7月以降の夏の記録的な暑さと残暑により、エアコン・夏物作業衣料等の季節商品の販売は堅調だったものの、園芸用品や屋外作業に関連する商品の販売が低調に推移いたしました。10月以降は全国的に気温の高い日が続き、前期の日本海側の大雪による季節商品需要の反動もあり、暖房用品・防寒衣料・除雪用品等の販売が低調に推移いたしました。

 一方、当社が注力しているプロの建設事業者様が頻繁にご利用になられる、機械釘・セメント・断熱材等の消耗品や農業者向けの農薬、刈払機は堅調に推移いたしました。

 利益面におきましては、当社核カテゴリーである園芸農業・建築資材の販売が苦戦したことと、原材料価格の高止まりや、円安の長期化、仕入れ価格の上昇の影響により、売上総利益率の悪化が顕著となりました。

 出店につきましては、コメリパワーを2店舗、コメリPROを1店舗、コメリハード&グリーンを9店舗それぞれ開店いたしました。退店につきましては、コメリハード&グリーンを8店舗閉店いたしました(スクラップ&ビルドによる閉店5店舗含む)。これらにより、当第3四半期連結会計期間末の店舗数は、パワー96店舗、ハード&グリーン1,104店舗、PRO13店舗、アテーナ5店舗、合計で1,218店舗となりました。

 また、物流におきましては、2023年7月に切花を自社グループで流通加工する「フレッシュマネジメントセンター」(以下、FMC)をコメリ花巻流通センター敷地内に新設いたしました。当社グループのFMCは現在、茨城・新潟・花巻3か所の流通センター内で稼働しており、東日本を中心に約700店舗にて、「より新鮮で、より安い」切花を店頭に揃えられ、お客様のご支持をいただいております。

 重点施策であるPB商品開発につきましては、「暮らしを守り・育てる商品開発」を実現するため、お客様の潜在ニーズを顕在化させる商品開発に努めてまいりました。2023年10月には、営農農家様向け農業用品の新ブランド「BICROP(ビックロップ)」とファッション性も兼ね備えたワーキングウェアブランド「SOLVIC(ソルビック)」を立ち上げ、新オリジナルブランドの展開で更なる商品力強化を図りました。これらの結果、お客様からもご支持をいただくことができ、PB商品の売上高構成比率は、前年同期比1.3%増の48.1%まで高めることができました。

 リフォーム事業におきましては、お客様の住まいのお困りごとを総合的に解決するため、全国1,200以上のコメリ店舗で、住宅設備機器の取付・交換サービスや、住まいのメンテナンスサービスを受付けできる体制を整えております。また、マイスター制度の促進で接客レベルを向上させることで、シロアリ・害虫駆除、庭木の手入れ等の「住急番サービス」の取扱高も増加し、売上高前年同期比8.3%増と引き続き好調に推移しております。2023年12月には「2023年 オリコン顧客満足度(R)調査 戸建てリフォーム ホームセンター部門」におきまして、4年連続で第1位を受賞することができました。

 カード事業におきましては、自社発行しているコメリカード(クレジット機能)、アクアカード(プリペイド機能)等のカード会員数は、494万人(前年同期比27万人増)となりました。コメリカードとアプリを連携させたスマホ決済サービス「コッコPay」や、2023年11月より、コメリカードタッチ決済サービスの導入を行い、決済手段の多様化に対応しております。

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の営業収益は、2,900億64百万円(前年同四半期比2.3%減)、営業利益は、201億5百万円(同17.0%減)、経常利益は、201億62百万円(同15.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、138億58百万円(同14.4%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

(セグメント別営業収益)                            (単位:百万円、%)

部門別

前第3四半期

連結累計期間

当第3四半期

連結累計期間

前 年

同期比

(自 2022年4月1日

至 2022年12月31日)

(自 2023年4月1日

至 2023年12月31日)

金額

構成比

金額

構成比

工具・金物・作業用品

53,018

17.9

52,020

17.9

98.1

リフォーム資材・エクステリア用品

45,082

15.2

43,364

15.0

96.2

園芸・農業・ペット用品

91,142

30.7

90,625

31.2

99.4

日用品・家電・カー・レジャー用品

57,603

19.4

56,193

19.4

97.6

インテリア・家庭・オフィス用品

28,398

9.5

27,192

9.4

95.8

灯油等

7,665

2.6

7,046

2.4

91.9

その他

10,342

3.5

10,362

3.6

100.2

ホームセンター事業計

293,255

98.8

286,805

98.9

97.8

その他事業

3,530

1.2

3,258

1.1

92.3

営業収益合計

296,785

100.0

290,064

100.0

97.7

(注)1.第1四半期連結累計期間よりホームセンター事業の商品分類を変更いたしました。前年同期比較にあたっては、前第3四半期連結累計期間分を変更後の区分に組替えて表示しております。

2.ホームセンター事業の商品別の各構成内容は次のとおりであります。

工具・金物・作業用品

(工具、建築金物、ペイント、補修用品、作業衣料等)

リフォーム資材・エクステリア用品

(建築資材、配管材、木材、住設機器、エクステリア等)

園芸・農業・ペット用品

(園芸用品、肥料・農薬、農業資材、植物、ペット用品等)

日用品・家電・カー・レジャー用品

(日用消耗品、ヘルス&ビューティケア、家電、カー・レジャー・サイクル用品、

食品等)

インテリア・家庭・オフィス用品

(内装、家具・収納用品、家庭用品、ダイニング、文具等)

 

 

(2)財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、1,670億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億61百万円減少いたしました。主に現金及び預金が42億3百万円増加いたしましたが、商品及び製品が82億77百万円減少したことによるものであります。固定資産は、1,935億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億57百万円増加いたしました。主に有形固定資産の増加によるものであります。

この結果、総資産は、3,605億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億3百万円減少いたしました。

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、972億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ42億36百万円減少いたしました。主に電子記録債務が12億8百万円、短期借入金が25億円それぞれ増加いたしましたが、支払手形及び買掛金が40億10百万円、未払法人税等が18億99百万円それぞれ減少したことによるものであります。固定負債は、269億39百万円となり、前連結会計年度末に比べ56億7百万円減少いたしました。主に長期借入金の減少によるものであります。

この結果、負債合計は、1,241億95百万円となり、前連結会計年度末に比べ98億43百万円減少いたしました。

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、2,363億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ90億40百万円増加いたしました。主に剰余金の配当により利益剰余金が24億91百万円減少し、自己株式の取得により自己株式が24億3百万円増加いたしましたが、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が138億58百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は、65.6%(前連結会計年度末は62.9%)となりました。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(7)サステナビリティへの取り組みに関する説明

 コメリグループでは、より良い商品をより安くより多くのお客様へご提供するため、お客様の潜在需要を顕在化させる商品やサービスを開発するとともに、環境・社会を中心とする社会課題の解決による持続可能な社会の実現も目指し、事業活動を通じたサステナビリティの各種課題の解決に努めております。当第3四半期連結累計期間における主なサステナビリティへの取り組みについては、以下の通りです。

① 物流2024年問題への対応

 コメリグループでは、子会社である北星産業株式会社が運営する物流センターに、お取引先様からの商品を集約し、店舗ごとの仕分けをして配送を行っております。その結果、お取引先様から直接店舗ごとに納品する場合と比べ、トラックの走行距離が大幅に削減され、配送効率が高まるとともに、エネルギー使用量の削減やCO2排出量削減につながっております。

 また、現在、社会課題となっている「物流2024年問題」の対応にも積極的に取り組んでおります。資材・建材、金物・工具、園芸・農業分野の流通近代化を目指すため、生産から販売までをトータルプロデュースし、その中で生じる物流の各種課題について解決してまいります。具体的には、以下の事項に取り組んでまいります。

 ・配送日の事前集約による車両効率の向上、配送ルートの見直し

 ・待機時間短縮のための時間指定納品の推進

 ・物流センターへの納品は、一括集荷する専用便(KALNET)を推進

 ・パレットによる商品の集荷・店舗納品の共同配送の推進

② 人的資本投資

 人的資本投資につきましては、現在、営業力強化とスキルアップを目的とした「マイスター制度」に基づくマイスター取得者の増加に注力しております。特に、全店フルリフォーム体制を構築したリフォーム分野や、農業資材予約販売やJA協業を行っている農業分野に関して、社員・準社員の育成を積極的に行っております。

 引き続き、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に重要な、経営資源である人材の育成に努めてまいります。

③ NPO法人コメリ災害対策センターの取り組み

 NPO法人コメリ災害対策センターは、全国の自治体、当社グループ及び協力企業が一体となるネットワークを構築し、災害発生時等に必要な物資供給を迅速かつ円滑に行っております。2023年12月末時点での全国の自治体等との災害時支援協定の締結件数は、1,063件(2023年3月末比+53件)となっております。

 なお、2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震に関しても、各自治体等と締結している災害時支援協定に基づき、物資の供給要請に対応しております。26の自治体等に対して、ブルーシート、飲料水、土のう袋、作業用手袋等の支援物資を供給いたしました(2024年1月23日時点)。