売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03013 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループに関する財政状態、経営成績の状況の分析・検討内容は、原則として四半期連結

財務諸表に基づいて分析した内容であります。

 

(1)業績の状況

当第1四半期連結累計期間(2024年3月1日~2024年5月31日)における我が国経済は、本年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除し、17年ぶりに金利を引き上げるなど、長らく続いたデフレから、物価と賃金が上昇する好循環への転換が進みつつあります。

髙島屋グループ(以下、当社)では、この機を捉えて、将来を見据えた成長投資を着実に実行し、円安や株高、インバウンドなどの外部環境の変化に左右されない本質的な営業力の強化、強靭な経営基盤の構築に向けて取組を進めてまいります。

当社は、2031年に創業200周年を迎えます。更にその先も、社会に必要とされ存在意義を発揮し続け、持続的成長を果たしていくために当社がどうあるべきかについて、一年以上にわたりグループ全体で議論を重ねてまいりました。その中で、当社が目指す姿を「お客様・従業員・株主・地域社会など、全てのステークホルダーの『こころ豊かな生活を実現する身近なプラットフォーム 』」と定めました。お客様にとっては、当社ならではの商品やサービスの提供を通じて感動体験が得られる場、従業員にとっては、労働条件・環境の改善により意欲と能力を高め、働きたいと思える場など、ステークホルダーそれぞれの生活を豊かにするために欠かすことのできない存在としてあり続けることです。

その実現に向け、新たな中期経営計画(2024-2026年度)を策定し、初年度はグループの『持続的成長』実現策を着実に実行していく重要な一年と位置づけています。経営課題としては、「ESG経営の推進」、「人材の確保・育成・活躍推進」、「まちづくりの推進」を設定いたしました。

また、当社が成長し続けるためには、有形・無形の経営資源の将来価値を見極めた上で、より成長を見込める事業分野への資源再配分を迅速に行っていくことが必要です。そのため、経営資源の効果性を見極める基準として、投下資本に対する利益率を表す「ROIC」をグループ共通で採用し、事業別に資本コストを上回るROICを設定、マネジメントしていくことで経営の効率性を高めてまいります。

 

□ESG経営の推進

価値提供の基盤となるESG経営におきましては、事業活動を通じて、社会課題の解決に貢献していくことは、社会の一員である企業としての責務であり、全てのステークホルダーがメリットや利益を共に分かち合える仕組みを作りあげなければ、持続可能なビジネスを行うことはできません。

当社ESG経営の象徴的な取組である「TSUNAGU ACTION」におきましては、更なる認知度向上や、社会課題解決と事業成長の両立に向けて全社レベルで強化しております。美しい地球と豊かな自然を守り、未来をつなぐ「地球環境」、日本・地域の伝統や文化を受け継ぎ、発展させる「地域社会」、すべての人の自由と平等、笑顔を守り、寄り添う「すべての人に」、という3つのテーマを設定し、企画数を拡充するとともに、通年で展開いたします。更に数値目標を設定し、PDCAサイクルで運営していくことにより、企業価値向上や利益に直結する取組にしてまいります。具体的な取組として、「TSUNAGU ACTION」Webサイトにおきまして、本年3月より、特徴的な企画は「背景」や「ものづくりのストーリー」を写真、インタビューなどのコンテンツを充実させるなど、発信を強化いたしました。また、これまで期間限定であった「衣料品」「コスメ」の回収について、本年4月より、通年実施に変更いたしました。今後も再資源化、環境負荷の軽減につなげる取組を継続して強化してまいります。

ダイバーシティ(多様性)・エクイティ(公平性)&インクルージョン(包摂性)の観点からは、コンプライアンスを前提にSDGsが目指す「誰一人取り残さない」社会の実現に向けて、全ての人々の人権や価値観を尊重し、人種、年齢、性的指向・性自認、障がいの有無等に関係なく全員が活躍できる仕組みづくりに主体的に取り組んでまいります。また、消費者に身近な企業として、あらゆるお客様が楽しく時間を過ごし、お買物をしていただけるような施設環境や商品・サービスの整備・開発にも積極的に取り組んでおります。こうした中、本年4月に施行された改正障害者差別解消法への対応として、義務化される「合理的配慮の提供(※1)」に向け、組織的な体制を施行前から構築してまいりました。今後も障がいのある人との建設的対話を重ね、課題解決に継続して取り組んでまいります。さらに、LGBTQ+など、性的マイノリティ当事者の方々への理解、支援を目的とするAlly活動の一環として、同年4月に特定非営利団体東京レインボープライドが主催するイベントに参加いたしました。引き続き、職場内の正しい理解と風土醸成に取り組んでまいります。

地球環境保全の観点からは、大規模な商業施設運営をはじめとする当社の事業活動が環境に与える影響が大きいことから、再生可能エネルギーの導入拡大などを通じ、脱炭素化の推進や、循環型社会の実現に貢献してまいります。具体的には、再生可能エネルギー由来の電力を事業者から直接調達する契約を締結し、昨年4月より横浜店で消費する電力の一部として供給を受け始めております。さらに、本年5月より高崎店でも開始しており、今後も複数店舗での新規導入を進めてまいります。

「物流の2024年問題」(※2)への対応として、昨年より深夜の検品を見直し、開店前であった納品時間を開店後に切り替えることで、ドライバーの負担軽減につなげる取組を進めてまいりました。さらに、従来百貨店配送品に対応できていなかった「事前に登録いただいたお客様へのお届け予定メール」の送付対応を、本年5月より業界内で先行して対応開始しております。受取日時や場所などを指定いただくことで再配達の削減とお客様の利便性向上につなげてまいります。

 

□人材の確保・育成・活躍推進

当社は、経営理念に「いつも、人から。」を掲げ、これまでも「人」を大切にする経営を実行してまいりました。人材不足が深刻な社会課題となりつつある中、当社の持続的成長に向けては、人材の確保・育成・活躍推進など、人的資本経営の考え方に基づく人材への積極的な投資を行っていくことも最優先の課題です。

当社は、百貨店を核とした商業施設展開を主要事業とするビジネスモデルであり、営業力強化に向けては「百貨店の販売力を支える人材の確保・育成」が不可欠です。その実現に向け、店頭・営業現場において、お客様の潜在的なニーズまで読み取り、提案を行うことができる「販売のプロ」の育成を進めてまいります。

また、多様なグループ会社を有する当社では、人とノウハウの持続可能性や競争力の確保に向けて「各業務における専門性強化」が重要です。マーケティングや仕入を担う人材や、金融事業の専門人材やデジタル人材など各業務におけるスペシャリスト育成に向けた取組を推進してまいります。

さらに、翌年のグループ商業施設の正月営業について、1月1日の元日に加え、新たに1月2日も原則休業日とする方針といたしました。当社のブランド価値を高めるために、従業員一人ひとりが誇りとやりがいを持ちながら長く働くことができる環境整備を進めることも重要です。当社が目指す将来の姿を共有し、前向きな職場風土を醸成することでエンゲージメント向上につなげてまいります。

 

□まちづくりの推進

当社は、グループ総合戦略として「まちづくり」を掲げ、当社が目指す姿を実現していくための事業戦略の根幹の考え方には「グループの全員が主役のまちづくりを通じた価値提供」を据えております。

「まちづくり」は二つの考え方から成り立っております。一つ目は、「街のアンカーとしての役割発揮」、具体的には、人々が集うエリアを大きな「まち」としてとらえ、当社が中心的存在となって、地域社会や行政と連携して賑わいを創出し、まちの魅力を高めることです。二つ目は、「館の魅力最大化」、具体的には、館そのものを「まち」ととらえ、そのまちの魅力を最大化させるため、商業開発や金融、飲食、ECなど、グループ各事業のノウハウを結集し、お客様満足を追求した当社ならではの商業施設づくりを推進することです。つまり、当社が考えるまちづくりは不動産開発だけを意味するものではありません。グループで提供するあらゆる商品・サービス・空間が全て「まちづくり」の一環ということです。

これら二つの考えに基づき「まちづくり」を具現化していくためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していくことが必要不可欠です。今後、人口減少に伴う国内マーケットの縮小や人手不足は避けられない状況の中、デジタル技術は加速度的に進化しており、企業の業務運営や人々の生活に大きな影響を与えています。そこで本年から全社横断のDX推進プロジェクトを立ち上げ、デジタル技術を活用した業務変革に取り組んでまいります。既存業務の流れを分析し最適化したうえで、業務をデジタル化して生産性向上を図り、これにより生み出した経営資源を営業力強化に振り向けていきます。また、営業や販売へのデジタル技術の活用方法についても検討を行い、お客様の新しい買物体験や利便性向上につなげていくことで「まちづくり」を更に推進してまいります。

 

当第1四半期連結累計期間の連結業績につきましては、連結営業収益は120,125百万円(前年同期比13.8%増)、連結営業利益は17,295百万円(前年同期比56.7%増)、連結経常利益は17,835百万円(前年同期比53.5%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は12,821百万円(前年同期比50.1%増)となりました。

 

事業のセグメント別業績は、次のとおりであります。

なお、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期の数値につきましては、変更後のセグメント区分に組み替えた数値を記載しております。

 

<国内百貨店業>

国内百貨店業での営業収益は75,407百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益は9,275百万円(前年同期比108.9%増)となりました。

 

国内百貨店におきましては、増収増益となりました。

売上高は、円安を背景にインバウンド売上高が増大したことに加え、全体売上高の約8割を占める国内顧客売上高も堅調に推移いたしました。消費動向、お客様ニーズの変化を捉え提案できる販売力強化と、ニーズに即応する話題性と品質を両立する品揃え強化を両輪で推進したことで、ラグジュアリーブランドをはじめとする高額品のほか、婦人服、紳士服、化粧品などファッション関連商品も前年から伸長いたしました。また、シーズンに合わせた関連イベントは多くのお客様にご来場いただきました。これからもあらゆるお客様を対象として、多様なニーズに応える上質な商品やサービスの拡充、知的欲求に応える文化発信を推進することで、実店舗の強みを生かしたワンストップでの買物体験を提供してまいります。

ECにおきましては、昨年来より化粧品の品揃え拡充や、各店で行っていた出荷作業の共通倉庫一元化による配送リードタイムの短縮など、オンラインストアの魅力向上に取り組んでまいりました。引き続き、お客様のニーズに基づいた展開ブランドの拡充やサイト、アプリの特徴化、利便性を高める取組を推進いたします。また、実店舗を持つ強みを生かし、店頭とECの相互送客により顧客接点を創出、新たなお客様の獲得、売上高の増大につなげてまいります。

一方、商品利益率は、高率のファッション関連商品以上に低率の高額商品が大きく売上を伸長したことで、売上プロポーションが変化し、前年を下回りました。しかしながら、商品利益額は、売上高増大による効果が大きく、前年を上回りました。今後も重点取引先と連携した正価品強化など商品利益率改善に向けた取組を同時に進め、更なる利益額の拡大を図ってまいります。

さらに、販売管理費は、前年からの増加を最小限に抑制することができました。ベースアップなど人的資本投資や、新規ブランドの導入など営業力強化につなげる費用は適正に投下する一方、店舗運営体制の更なる効率化などコスト削減に向けた取組も同時に進めたことにより、総額営業収益に対する販売管理費比率は前年を下回る水準となりました。

今後も品揃え、販売力強化による売上高の増大や、商品利益率、商品利益額の改善、コスト削減に向けた一連の取組を継続し、更なる利益拡大を図ってまいります。

 

<海外百貨店業>

海外百貨店業での営業収益は8,260百万円(前年同期比8.2%増)、営業利益は2,060百万円(前年同期比5.7%増)となりました。

 

 海外百貨店業におきましては、増収増益となりました。

 シンガポール髙島屋では、今後の成長に向けた主要ブランドの改装工事影響があったものの、国内顧客の堅調な推移やツーリストの回復、為替影響もあり、売上高、営業利益とも伸長、全体をけん引いたしました。また、ベトナムは景況感の悪化に伴い、特に内需の鈍化がみられましたが、ホーチミン髙島屋におきまして、成長領域である子供用品、お客様からの支持の高い化粧品や食料品などの改装や品揃え強化に向けた取組を推進したことにより、増収増益となりました。タイ・サイアム髙島屋におきましても、景気動向が不透明な中、お客様ニーズに基づいた日本ブランドの品揃え拡充や物産イベントの実施などの効果、為替影響もあり増収となりました。また、商品利益率の改善、コスト削減に向けた取組も同時に推進したことにより赤字幅も縮小しております。さらに、本年3月末にオープンした日本の家具・インテリア用品専門店は堅調に推移しており、今後も収益改善に向けた取組を推進し、黒字化を早期に実現してまいります。一方、上海高島屋では、市場変化に対応した新たなテナントの誘致など収益基盤の強化に継続して取り組んでおりますが、長引く中国経済の低迷の影響は大きく、減収減益となりました。引き続き、各国の景気、消費動向やリスク分析を踏まえながら、適切に経営資源を投下し、持続的な成長につなげてまいります。

 

<国内商業開発業>

国内商業開発業での営業収益は10,230百万円(前年同期比9.0%増)、営業利益は2,511百万円(前年同期比6.9%増)となりました。

 

東神開発株式会社におきましては、「玉川髙島屋S・C」の改装工事影響があったものの、昨年10月に開業した「京都髙島屋S.C.」、同年11月にリニューアルオープンした「立川髙島屋S.C.」のテナント賃料収入増加や、その他施設のコスト削減効果もあり、増収増益となりました。さらに、「柏髙島屋ステーションモール」が、ニーズの高いテナントやコミュニティ機能を取り入れて段階的にリニューアルを実施しております。引き続き、地域に根ざした魅力的なSCを実現することでリアル施設ならではの体験価値の向上と新たなお客様層の開拓を進めてまいります。

 

<海外商業開発業>

海外商業開発業での営業収益は3,845百万円(前年同期比20.6%増)、営業利益は1,598百万円(前年同期比38.2%増)となりました。

 

海外商業開発業におきましては、増収増益となりました。

トーシンディベロップメントシンガポールPTE.LTD.では、賃料収入が増加したことに加え、費用減もあり、増収増益となりました。また、成長ドライバーと位置づけるベトナム事業についても増収増益となり、着実に成長しております。シンガポールでの実績やベトナム・ホーチミンでの成功を足掛かりに、ハノイでの開発を段階的に進めており、住宅・オフィス・商業の複合開発事業など、将来的に大きなリターンを見込んでいます。今後もベトナム開発には集中的に投資を行い、シンガポールに次ぐ第2の収益の柱として、持続的な成長につなげてまいります。

 

<金融業>

金融業での営業収益は4,520百万円(前年同期比2.9%増)、営業利益は1,198百万円(前年同期比4.0%減)となりました。

 

髙島屋ファイナンシャル・パートナーズ株式会社におきましては、収益の柱であるカード事業の取扱高伸長により増収となりましたが、今後の事業強化に向けた人的資本投資や、取扱高伸長に伴う関連費用の増加により減益となりました。

カード事業では、百貨店・専門店での新規会員の獲得強化により新規発行口座数がコロナ禍以前の2019年度水準まで回復いたしました。加えて、百貨店・外部加盟店ともに取扱高が伸長し、特に百貨店の利用が好調に推移したことで加盟店手数料および割賦手数料が増加しました。また、昨年8月に発行を開始したビジネスオーナー・個人事業主を対象とするビジネスカード「タカシマヤカード《ビジネスプラチナ》アメリカン・エキスプレス®」は会員獲得・利用額が順調に拡大しております。

ライフパートナー事業では、本年からスタートした新しいNISA制度(※3)にあわせ「タカシマヤのカード積立」の積立上限月額を5万円から10万円に引き上げ、利用促進を図ってまいりました。さらに、NISAと保険を組み合わせた相談コーナーの設置や、セミナーコンテンツの拡充などの取組を推進したことにより、相談数・申込数が着実に増加しております。

また、ソーシャルレンディング事業では、本年1月の第1号、2月の第2号ファンドに続き、4月に第3号ファンドを組成しました。引き続き、「髙島屋ファンディング」として取り扱いの幅を広げ、顧客接点の拡大を図ってまいります。

さらに、M&Aやアライアンスも視野に入れ、事業拡大や新しい領域の開拓を進めてまいります。本年3月には不動産投資やアセットマネジメントを展開する株式会社Fantaと新たに提携いたしました。今後は両社でヘルスケア施設を対象とした投資法人創設を目指して協業し、収益拡大を図るとともに、高齢化時代における社会課題解決にも貢献してまいります。

 

<建装業>

建装業での営業収益は8,526百万円(前年同期比79.8%増)、営業利益は578百万円(前年同期は営業損失344百万円)となりました。

 

髙島屋スペースクリエイツ株式会社におきましては、ホテルなどの大型物件やラグジュアリーブランドを中心とした商業施設の受注が増加し、増収、黒字転換となりました。引き続き、専門人材の育成、補強により、営業力とデザイン力を駆使した先行提案営業の強化を図り、安定的な収益基盤の構築につなげてまいります。

 

<その他の事業>

クロスメディア事業等その他事業全体での営業収益は9,334百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益は307百万円(前年同期比16.9%増)となりました。

 

卸売業のタカシマヤ トランスコスモス インターナショナルコマースPTE.LTD.におきましては、減収となった一方、通信販売業のクロスメディア事業におきまして、コスト削減の効果により増益となったことから、その他の事業全体におきましては、減収増益となりました。今後も各事業におきまして、業界競争力の獲得により持続的な成長を実現してまいります。

 

※1:合理的配慮の提供

障がいのある人から何らかの配慮を求める意思の表示があった場合、社会的障壁を取り除くために、必要な対応を、過度な負担が無い範囲で行うこと。

 

※2:物流の2024年問題

2018年6月改正の「働き方改革関連法」に基づき、自動車の運転業務の時間外労働について、2024年4月より、年960時間(休日労働含まず)の上限規制が適用される。併せて、トラックドライバーの拘束時間を定めた「改善基準告示」(貨物自動車運送事業法に基づく行政処分の対象)により、拘束時間等が強化されることに伴う諸問題。

 

※3:新しいNISA制度

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、これらを売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかる。NISAは、「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる制度。2024年1月からは「家計の安定的な資産形成」を更に推し進めることを目的に非課税保有期間の無期限化、口座開設期間の恒久化、年間投資枠の拡大などを図った新制度に移行。

 

 

(2)財政状態に関する説明

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、1,295,760百万円と前連結会計年度末に比べ25,284百万円増加しました。これは、売上増加に伴う受取手形、売掛金及び契約資産の増加19,977百万円、海外子会社における円安に伴う為替換算影響等による使用権資産の増加3,207百万円、株価上昇や持分法適用関連会社の業績伸長等に伴う投資有価証券の増加2,512百万円が主な要因です。

負債については、803,305百万円と前連結会計年度末に比べ11,632百万円の増加となりました。これは、有利子負債の減少1,542百万円があったものの、売上増加に伴う支払手形、買掛金の増加9,213百万円、海外子会社における円安に伴う為替換算影響等によるリース債務の増加4,108百万円が主な要因です。

純資産については、492,454百万円と前連結会計年度末に比べ13,652百万円増加しました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益による利益剰余金の増加12,821百万円及び株式配当の支払いによる利益剰余金の減少3,154百万円、円安に伴う為替換算調整勘定の増加2,974百万円が主な要因です。

以上の結果、自己資本比率は36.0%(前連結会計年度末比0.3ポイント増)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況の分析

 営業活動によるキャッシュ・フローは、13,323百万円の収入となり、前年同期が15,715百万円の収入であったことに比べ2,391百万円の収入の減少となりました。主な要因は、税金等調整前四半期純利益が6,084百万円増加したものの、売上債権の増減額が19,018百万円増加したことなどによるものです。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、11,270百万円の支出となり、前年同期が6,882百万円の支出であったことに比べ4,387百万円の支出の増加となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が3,923百万円増加したことなどによるものです。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、7,325百万円の支出となり、前年同期が5,812百万円の支出であったことに比べ1,513百万円の支出の増加となりました。主な要因は、配当金の支払額が946百万円増加したことなどによるものです。

 これらに換算差額を加えた結果、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,138百万円減少し、89,760百万円となりました。

 

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において、当社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

 

(5)研究開発活動

特記事項はありません。