売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E03032 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。       

 

(1) 業績の状況

当3四半期連結累計期間(2023年3月1日~2023年11月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が解除され、社会・経済活動が正常化に向かうなど、緩やかな回復傾向が続いております。しかしながら、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、内外経済の下振れリスクに加え、物価の上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響などもあり、景気の先行きは不透明な状況が続いております。

当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績につきましては、売上高は16,181百万円(前年同期比100.5%)、営業利益は527百万円(前年同期比70.5%)、経常利益は464百万円(前年同期比69.1%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は444百万円(前年同期比54.2%)となりました。

引き続き当社グループは、先行き不透明な経済情勢におきましても、これまで取り組んでまいりました事業構造改革をより一層定着・発展させ、将来にわたる安定的な収益基盤の確立と、財務体質の健全化に努めてまいります。

 

  セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

  ①百貨店業

百貨店業界におきましては、2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5類に移行し、行動制限がなくなったことを受け、インバウンド需要を主な要因として大都市部を中心に商況は著しい回復がみられました。しかしながら、インバウンド需要の小さい地方都市ならびに郊外立地の百貨店はいまだ厳しい商況下にあるなど、総じて緩やかな回復基調に留まっております。

こうした状況の中、当社グループにおきましては、従来型の規模や量を追求する事業モデルを見直す契機と捉え、量から質への新たな事業モデルへの道筋をつける「井筒屋グループ中期3ヵ年経営計画(2022年度~2024年度)」を策定し、推進いたしております。

本店におきましては、引き続き高額品やデイリー商材の食料品などの好調カテゴリーが牽引する中、百貨店らしさの追求、他商業施設との差別化を図るための商品・サービス力強化や地域活性化などの取り組みを推し進めております。

商品力強化といたしましては、3月に本館7階子供服フロアに、サステナブルライフを推進するための自主編集セレクトショップ「SustainaBase(サステナベース)」、新館5階紳士服フロアでは、気軽にオーダーメイドが楽しめるメンズ&レディースオーダースーツ専門ショップ「ディファレンス」をオープンいたしました。

9月には本館6階リビングフロアにキッチン・ダイニング用品を編集した「Kitchen Style +(キッチンスタイルプラス)」、新館3階婦人服フロアではイタリアのプレミアムデニムブランド「リプレイ」がオープンいたしました。

11月には地階食品売場において神戸のチョコレートブランド「モンロワール」、「ベルプラージュ」を導入し、洋菓子ゾーンの強化を図りました。

サービス力強化といたしましては、9月に新館7階フロアにおいて、メモリアルワンストップサービスカウンター「MUSUBI(むすび)」がオープンいたしました。家事代行やハウスリフォームといった老後の暮らしから、生前・遺品整理、葬儀、遺言・相続等の法律相談・手続まで幅広くご相談を承り、各分野のプロフェッショナルを紹介する九州の百貨店初の取組みとなります。日々の相談、提携企業の紹介に加え、定期的に無料セミナーや相談会も開催し、お客様から大変ご好評をいただいております。

催事・イベントに関しましては、4年振りの開催となった「イタリア展」や恒例の「北海道物産展」など多くの物産催事で入場制限緩和や試食再開の影響等もあり、賑わいを取り戻しつつあります。10月には「現代アート展&バンクシー展」を開催し、幅広いお客様にご来場いただきました。

地元消費喚起への取り組みといたしましては、プレミアム付き地域商品券事業への参画をはじめ、本新館間クロスロードにて「クロスロードマルシェ」を開催。また、北九州市制60周年と京都物産協会60周年を掛けあわせて開催した「大京都展」では、舞妓の演舞や抽選会、記念イベントなどを実施し、多くのお客様にご来場いただきました。併せて、地元の魅力を発信する催事「きたきゅうフェスティバル」や「井筒屋のお中元・お歳暮」においても市制60周年特集や限定商品など、地元の繋がりを活かした取り組みを推進いたしました。今後も店内催事の開催や地域イベントへの参画など、地域の活性化に積極的に取り組んでまいります。

サテライトショップにおきましては、飯塚ショップが7月に「イオン穂波ショッピングセンター」での営業を終了し、新たに「ゆめタウン飯塚」1階に移転オープンいたしました。今後とも地域のお客様との繋がりを大切にした店づくりに努めてまいります。

山口店におきましては、本店と商品供給や催しにおける連携強化に努めております。10月には、「だし」をはじめとした無添加自然食品の「茅乃舎」を1階特設会場において期間限定で開催し、お客様から大変ご好評をいただきました。

また、お客様の店内の買い廻りを促進すべく、2階フロアのカテゴリー見直しを重点課題とし、3月には洋服と雑貨のリラクシングスタイルショップ「VOYAGES HOME(ボヤージュホーム)」や4月にはインドの天然素材を使って、木版プリントの伝統技法を用いた「kapuwa(カプワ)」をオープンいたしました。

今後もお客様にご満足いただける魅力ある店舗づくりに努めてまいります。

当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は16,152百万円(前年同期比100.5%)、営業利益は543百万円(前年同期比65.8%)となりました。

   ②友の会事業

友の会事業におきましては、売上高は28百万円(前年同期比112.4%)、営業利益は44百万円(前年同期比305.7%)となりました。

 

(2)  財政状態の分析

  ①資産

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,018百万円増加し、47,361百万円となりました。これは主に建物及び構築物が減少したものの、受取手形及び売掛金や商品等が増加したことによるものであります。総資産のうち流動資産は9,363百万円、固定資産は37,998百万円であります。固定資産の主な内容は、有形固定資産33,722百万円、無形固定資産450百万円、投資その他の資産3,825百万円であります。

   ②負債

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ681百万円増加し、36,912百万円となりました。これは主に長期借入金が減少したものの、支払手形及び買掛金や契約負債等が増加したためであります。うち、流動負債は27,481百万円、固定負債は9,430百万円であります。負債の主な内容は、借入金15,509百万円、契約負債5,143百万円、支払手形及び買掛金5,241百万円、再評価に係る繰延税金負債3,278百万円であります。

   ③純資産

当第3四半期連結会計期間末における純資産は、主に親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したこと等により前連結会計年度末に比べ337百万円増加し、10,449百万円となりました。

 

(3)  会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

 

 (4) 経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

  (5)  優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

 (6)  研究開発活動

該当事項はありません。

 

 (7) 経営成績に重要な影響を与える要因

「1 事業等のリスク」に記載しております。

 

 (8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当第3四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性についての分析について重要な変更はありません。