E03728 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当第1四半期会計期間より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期累計期間におけるわが国経済は、世界経済の回復進展や円安による企業業績の改善等により回復基調を強めました。日本銀行が実施している企業短期経済観測調査(短観)の6月調査で大企業・非製造業の景況指数(DI)はプラス1と前回の3月調査から2ポイント改善し、非製造業がプラス圏に浮上するのは2020年3月以来5四半期ぶりとなりました。また、大企業・製造業の同DIはプラス14と2年半ぶりの高水準となり、新型コロナウイルスのワクチン接種の普及進展などで幅広い業種の景況感が上向きになってきたものの、完全回復には道半ばにあり、半導体不足や内外コロナ感染の影響残存の深刻さは残っております。
為替市場では、世界的なワクチン普及が進展する中で、欧米経済への正常化への期待が高まる一方、日本では新型コロナウイルスのワクチン普及の出遅れから、円の上値が重く、全般売られやすい展開となりました。また、世界的に供給不足となっている木材・木製品の大幅上昇や、原油などのエネルギー価格も高止まりなどから、資源国通貨(南アランド、メキシコペソ、カナダドルなど)は、引き続き強い基調が続いております。しかし、トルコリラに関しては、国内のインフレ率の上昇基調にも関わらず、エルドアン・トルコ大統領の利下げ圧力が強いことがリラの重しとなりました。
証券市場においては、米連邦準備理事会(FRB)の政策金利(フェデラルファンド金利)の3月予測で、23年末まで現状のゼロ金利維持だったものが、6月見通しでは23年中に0.25%ずつ2回の利上げ予測となり、FRBが従来より利上げに前向きな姿勢に突然転じた印象を市場に与えたため、米国株式市場では警戒心が高まり下落調整場面となりました。しかし、利上げ懸念よりも経済再開が順調に進むとの期待が勝ったほか、米10年物の利回りも1.4%台に低下したことで、米国株は持ち直す展開となりました。日本株も米国株に連れた下落調整となりましたが、日本銀行の株式ETFの買入れ額の減少から戻り上値の重い展開が続きました。
商品先物市場では、米FRBが従来より利上げに前向きな姿勢に転じた印象から、ドルが主要国通貨に対して強含み、米金利の上昇懸念が強まったことで金は下げ足を早めましたが、利上げによる懸念が一服すると、上値は重いものの金の押し目買いから下げ止まる展開になりました。また、世界的なワクチン普及が進展する中で、経済の正常化への期待が高まっていることから、エネルギー関連価格は底堅い展開が続きました。
これらの状況下において、東京金融取引所の取引所為替証拠金取引(くりっく365)の取引数量は601万枚(前年同四半期比19.4%減)、取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)は875万枚(同132.4%増)となりました。また、国内商品取引所の総出来高(オプション取引を除く。)は444万枚(前年同四半期比3.8%減)、主な市場別出来高は貴金属市場が289万枚(同33.8%増)、エネルギー市場(中京石油市場含む)が100万枚(同54.4%減)、農産物市場が37万枚(同587.3%増)となりました。
このような環境の中、「投資サービス事業」につきましては、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令等により、予定していた大型のリアルセミナーがオンラインに変更になるなど、引き続き、営業活動に大きな制約を受けております。この間、YouTube動画の配信やオンラインセミナーの企画・開催など、非対面の営業手法の整備も継続しておりますが、対面営業を強みとする当社にとっては、非常に厳しい営業環境が続いております。また、顧客本位の業務運営に関する取組みの実効性を確保するため、基本方針に加えて具体的な取組方針を策定・公表するなど営業管理体制の整備を進めてまいりました。
「生活・環境事業」の保険募集業務につきましては、コロナ禍における資金繰り悪化による法人事業保険の早期解約に伴い、代理店手数料の戻入が発生し、生保の業績が押し下げられましたが、損保の業績は着実に伸展しております。また、顧客基盤の拡大のため、九州地区における営業担当の増員を図ってまいりました。
不動産事業につきましては、コロナ禍においても、引き続き、販売用不動産の売却は順調に進んでおり、賃貸物件も安定稼働を維持しております。また、前事業年度に落ち込んだ販売用不動産の在庫不足を補うため、中古区分マンションを中心に再販用の新規物件の仕入活動に注力してまいりました。
これらの結果、当第1四半期累計期間の経営成績は、営業収益415百万円(前年同四半期比19.7%減)、営業総利益363百万円(同12.9%減)、営業費用が430百万円(同2.0%減)となり、営業損失66百万円(前年同四半期は21百万円の営業損失)、経常損失62百万円(前年同四半期は9百万円の経常損失)、四半期純損失は63百万円(前年同四半期は11百万円の四半期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
投資サービス事業
当第1四半期累計期間の投資サービス事業の営業収益及び営業総利益は293百万円(前年同四半期比15.1%減)、セグメント損失は61百万円(前年同四半期はセグメント損失20百万円)となりました。
生活・環境事業
当第1四半期累計期間の生活・環境事業の営業収益は121百万円(前年同四半期比29.1%減)、営業総利益は69百万円(同2.6%減)、セグメント損失は4百万円(前年同四半期はセグメント損失1百万円)となりました。
財政状態については次のとおりであります。
(資産)
当第1四半期会計期間末における流動資産は6,570百万円となり、前事業年度末に比べ396百万円増加いたしました。これは主に差入保証金の増加515百万円、保管有価証券の増加38百万円、現金及び預金の減少180百万円によるものであります。固定資産は785百万円となり、前事業年度末に比べ10百万円増加いたしました。これは主に長期差入保証金の増加16百万円、従業員に対する長期貸付金の減少4百万円によるものであります。
この結果、総資産は、7,355百万円となり、前事業年度末に比べ407百万円増加いたしました。
(負債)
当第1四半期会計期間末における流動負債は5,125百万円となり、前事業年度末に比べ486百万円増加いたしました。これは主に受入保証金の増加341百万円、預り証拠金(代用含む)の増加159百万円によるものであります。固定負債は283百万円となり、前事業年度末に比べ5百万円増加いたしました。これは主に訴訟損失引当金の増加7百万円によるものであります。
この結果、負債合計は、5,431百万円となり、前事業年度末に比べ491百万円増加いたしました。
(純資産)
当第1四半期会計期間末における純資産合計は1,924百万円となり、前事業年度末に比べ84百万円減少いたしました。これは主に利益剰余金の減少83百万円によるものであります。
この結果、自己資本比率は26.2%(前事業年度末は28.9%)となりました。
①投資サービス事業
<商品先物取引受託業務>
商品先物取引受託業務の受取手数料は78百万円(前年同四半期比24.9%減)となりました。
主な市場別の受取手数料は、貴金属市場が74百万円(前年同四半期比23.8%減)、エネルギー市場1百万円(同69.6%減)、農産物・砂糖市場が1百万円(同166.0%増)となりました。
<金融商品取引受託業務>
金融商品取引業務の受取手数料は211百万円(前年同四半期比11.4%減)となりました。
商品別の受取手数料は、取引所為替証拠金取引(くりっく365)が96百万円(前年同四半期比16.1%減)、取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)が114百万円(同7.1%減)となりました。
<その他>
くりっく365振興料等の売上高は3百万円(前年同四半期比56.4%増)となりました。
※当社における商品先物取引自己売買業務は、2020年4月1日付で廃止しております。
a.当第1四半期累計期間における投資サービス事業の営業収益の内訳は次のとおりであります。
1)受取手数料
区分 |
金額(千円) |
前年同四半期比(%) |
|
商品先物取引 |
|
|
|
現物先物取引 |
農産物・砂糖市場 |
1,422 |
166.0 |
貴金属市場 |
63,238 |
△13.3 |
|
ゴム市場 |
577 |
△54.7 |
|
エネルギー市場 |
26 |
△93.2 |
|
小計 |
65,264 |
△13.1 |
|
現金決済先物取引 |
貴金属市場 |
11,760 |
△53.9 |
エネルギー市場 |
1,173 |
△67.0 |
|
小計 |
12,933 |
△55.5 |
|
商品先物取引計 |
78,198 |
△24.9 |
|
金融商品取引 |
|
|
|
取引所為替証拠金取引 |
96,924 |
△16.1 |
|
取引所株価指数証拠金取引 |
114,949 |
△7.1 |
|
金融商品取引計 |
211,874 |
△11.4 |
|
合計 |
290,072 |
△15.5 |
2)その他
区分 |
金額(千円) |
前年同四半期比(%) |
くりっく365振興料等 |
3,582 |
56.4 |
(注)当社における商品先物取引自己売買業務は、2020年4月1日付で廃止しております。
b.当第1四半期累計期間における商品先物取引及び金融商品取引の売買高の状況は次のとおりであります。
1)売買高の状況
市場名 |
委託(枚) |
前年同四半期比(%) |
|
商品先物取引 |
|
|
|
現物先物取引 |
農産物・砂糖市場 |
1,989 |
636.7 |
貴金属市場 |
28,566 |
19.1 |
|
ゴム市場 |
1,229 |
△26.7 |
|
エネルギー市場 |
35 |
△94.2 |
|
小計 |
31,819 |
19.9 |
|
現金決済先物取引 |
貴金属市場 |
14,327 |
△44.6 |
エネルギー市場 |
1,674 |
△66.9 |
|
小計 |
16,001 |
△48.2 |
|
商品先物取引計 |
47,820 |
△16.7 |
|
金融商品取引 |
|
|
|
取引所為替証拠金取引 |
124,388 |
△3.9 |
|
取引所株価指数証拠金取引 |
168,693 |
234.4 |
|
金融商品取引計 |
293,081 |
63.0 |
(注)商品先物取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金1枚は1kg、白金1枚は500gというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。
c.商品先物取引及び金融商品取引に関する売買高のうち、当第1四半期会計期間末において反対売買等により決済されていない建玉の状況は次のとおりであります。
1)未決済建玉の状況
市場名 |
委託(枚) |
前年同四半期比(%) |
|
商品先物取引 |
|
|
|
現物先物取引 |
農産物・砂糖市場 |
362 |
624.0 |
貴金属市場 |
1,885 |
△18.9 |
|
ゴム市場 |
112 |
6.7 |
|
エネルギー市場 |
20 |
△65.5 |
|
小計 |
2,379 |
△6.2 |
|
現金決済先物取引 |
貴金属市場 |
5,613 |
0.1 |
エネルギー市場 |
145 |
△43.1 |
|
小計 |
5,758 |
△1.8 |
|
商品先物取引計 |
8,137 |
△3.1 |
|
金融商品取引 |
|
|
|
取引所為替証拠金取引 |
35,406 |
△5.0 |
|
取引所株価指数証拠金取引 |
23,287 |
44.7 |
|
金融商品取引計 |
58,693 |
10.0 |
②生活・環境事業
<保険募集業務>
保険募集業務の受取手数料は58百万円(前年同四半期比19.5%増)となりました。
<不動産賃貸及び不動産販売>
不動産賃貸料収入は10百万円(前年同四半期比18.5%減)、不動産販売の売上高は52百万円(同51.8%減)となりました。
<その他>
太陽光発電機及び新規受注営業を停止しているLED照明の販売実績はありませんでした。
a.当第1四半期累計期間における、生活・環境事業の営業収益の内訳は次のとおりであります。
1)受取手数料 (単位:千円)
期別
科目 |
前第1四半期 累計期間 (自2020年4月1日 至2020年6月30日) |
当第1四半期 累計期間 (自2021年4月1日 至2021年6月30日) |
増減 (△印減) |
金額 |
金額 |
金額 |
|
生命保険・損害保険の募集 |
48,996 |
58,533 |
9,536 |
2)売上高 (単位:千円)
期別
科目 |
前第1四半期 累計期間 (自2020年4月1日 至2020年6月30日) |
当第1四半期 累計期間 (自2021年4月1日 至2021年6月30日) |
増減 (△印減) |
金額 |
金額 |
金額 |
|
不動産販売 |
109,518 |
52,834 |
△56,684 |
3)その他 (単位:千円)
期別
科目 |
前第1四半期 累計期間 (自2020年4月1日 至2020年6月30日) |
当第1四半期 累計期間 (自2021年4月1日 至2021年6月30日) |
増減 (△印減) |
金額 |
金額 |
金額 |
|
不動産賃貸料収入 |
12,548 |
10,230 |
△2,318 |
その他 |
499 |
― |
△499 |
合計 |
13,047 |
10,230 |
△2,817 |
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期累計期間において、当社の資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。