株式会社アドバンスクリエイト

ブランドなど:保険市場
保険業保険プライムTOPIX Small 2

売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05280 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)経営成績に関する説明

 当第1四半期連結累計期間(2023年10月1日~2023年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の分類移行に伴い、社会経済活動の正常化が進み、個人消費の回復や非製造業を中心とした設備投資の増加に支えられ、緩やかな回復を続けてきました。一方で世界的な高金利と中国の景気後退懸念、ウクライナや中東情勢の緊迫等、先行きが不透明な状況は続いております。

 保険業界においては、ITや医療技術の進歩を背景として、引き続き保険商品の多様化と高度化が進むと同時に、真にお客さまの役に立つ情報の提供並びにコンサルティングの実施等、お客さま本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)の実現が求められております。

 このような状況下、当社グループは「人とテクノロジーを深化させ進化する会社」を標榜し、あらゆる保険ニーズに対応できる「保険業界のプラットフォーム」と、OMO(Online Merges with Offline.=オンラインとオフラインの融合)時代に相応しいエコシステム(ビジネス生態系)を構築すべく、日々新たな挑戦を行っております。

 具体的には、自社開発のビデオ通話システム「Dynamic OMO」により、対面と非対面の垣根をなくし、オフラインと同等のオンライン保険相談を実現してまいります。2022年7月からは、大阪大学の石黒浩教授が代表を務めるスタートアップ企業「AVITA」と提携し、同社が開発したアバターを活用して、お客さまのご相談にアバターコンサルタントがお答えするサービスを展開しております。「Dynamic OMO」とアバターを組み合わせた結果、オンライン保険相談におけるコンサルタント指名予約ではアバターが最も支持されております。

 保険会社や保険代理店向けには、アバターの販売も行っており、既に複数社で導入いただく等、保険業界全体のDX化にも貢献しております。また、AVITA社が開発した、ChatGPTを用いた「AIアバター接客トレーニングサービス(β)」を導入し、AIアバターによる社員教育を開始する等、先進的な技術の活用にも取り組んでおります。

 保険業界初となるオンライン専門の営業拠点「保険市場スマートコンサルティングプラザ」や、お客さまがコンサルタントを指名して相談予約できる「コンサルタント指名予約サービス」は、当社が提供する保険相談の幅広い選択肢のひとつとして定着し、多くのお客さまからご好評をいただいております。当社は今後も、オンライン保険相談のさらなる利便性向上を追求し、保険募集プロセスのDX化を推進することで、収益力のさらなる向上を図ってまいります。

 また、自動車保険をはじめとする損害保険分野についての取り組み強化を継続し、生命保険に限らず、多様な収益チャネルを確立することで、安定的な経営基盤の構築を目指してまいります。

 保険業界の共通プラットフォームシステム「Advance Create Cloud Platform」(以下「ACP」という。)の開発についても、引き続き推進してまいります。ACPは保険会社と乗合保険代理店、お客さまの情報を相互に連携し、保険商品の検討からお申し込み、保全手続きまでを一括して管理・運用できるシステムです。ACPの普及により、ペーパーレス化と事務負担の大幅な軽減が期待できます。ACPの主要機能である顧客管理システム「御用聞き」、申込共通プラットフォームシステム「丁稚(DECHI)」、保険証券管理アプリ「folder」、ビデオ通話システム「Dynamic OMO」は、いずれも導入したお客さまからご好評をいただいており、さらなる機能拡充を進めております。特に「Dynamic OMO」については、保険代理店や保険会社をはじめ、クレジットカード会社等他業種のお客さまにも導入いただいております。これらのシステムの販売により、サブスクリプションモデルとしてのストック収入の確保及び協業事業の拡大を目指します。

 さらに、当社はLINE、SMS等のテキストコミュニケーションツールの活用により、お客さまとのよりスムーズなコンタクトを実現しております。このようなノウハウを、他の保険会社や保険代理店の顧客に対する保全業務を請け負うBPO事業にも活用し、業容の拡大及び保険業界の課題であるCRMの継続・改善にも取り組んでまいります。これらの施策を拡充するとともに、ガバナンス体制及びコンプライアンス体制の一層の充実や、情報セキュリティ体制の強化を継続し、関係法令に適応した保険募集管理体制の強化に、積極的に経営資源を投下してまいります。

 以上により、当第1四半期連結累計期間の売上高は2,424百万円(前年同期比11.3%減)、営業利益は32百万円(前年同期は391百万円の損失)、経常利益は35百万円(前年同期は421百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は41百万円(前年同期は355百万円の損失)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(保険代理店事業)

 協業での販売実績が伸び悩んだ一方で、固定費の圧縮に努めた結果、減収増益となりました。

 この結果、保険代理店事業におきましては、当第1四半期連結累計期間の売上高は1,837百万円(前年同期比13.5%減)、営業損失は148百万円(前年同期は453百万円の損失)となりました。

(ASP事業)

 乗合保険代理店等へのACPの販売が伸び悩んだことにより、減収減益となりました。

 この結果、ASP事業におきましては、当第1四半期連結累計期間の売上高は64百万円(前年同期比0.4%減)、営業利益は21百万円(前年同期比20.0%減)となりました。

(メディア事業)

 保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」への広告出稿が、好調だった前年同期に比べ伸び悩んだことにより、減収減益となりました。

 この結果、メディア事業におきましては、当第1四半期連結累計期間の売上高は376百万円(前年同期比25.6%減)、営業利益は81百万円(前年同期比30.7%減)となりました。

(メディアレップ事業)

 前年同期に比べて受注が伸び悩んだことから、減収減益となりました。

 この結果、メディアレップ事業におきましては、当第1四半期連結累計期間の売上高は228百万円(前年同期比34.2%減)、営業利益は23百万円(前年同期比50.0%減)となりました。

(再保険事業)

 売上高が引き続き堅調に推移したことと、新型コロナウイルス感染症の分類移行に伴い再保険金支払いが一巡したことにより、増収増益となりました。

 この結果、再保険事業におきましては、当第1四半期連結累計期間の売上高は290百万円(前年同期比7.4%増)、営業利益は53百万円(前年同期は129百万円の損失)となりました。

 

①財政状態

(資産合計)

 当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ322百万円増加し10,835百万円(前連結会計年度末は10,512百万円)となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ364百万円増加しましたが、これは主に、未収入金が323百万円、未収法人税等が331百万円、それぞれ減少した一方で、売掛金が1,061百万円増加したこと等によるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ40百万円減少しましたが、これは主に、差入保証金が52百万円減少したこと等によるものです。

(負債合計)

 当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ633百万円増加し6,501百万円(前連結会計年度末は5,868百万円)となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ788百万円増加しましたが、これは主に、預り金が345百万円減少した一方で、短期借入金が1,312百万円増加したこと等によるものです。

(純資産合計)

 純資産は前連結会計年度末に比べ310百万円減少しましたが、これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益41百万円を計上した一方で、剰余金の配当による減少394百万円があったこと等によるものです。

 

②経営成績

(売上高)

 当第1四半期連結累計期間の売上高は2,424百万円(前年同期比11.3%減)となりました。これは主に、保険代理店事業において、アポイント配信数及び協業の販売実績が伸び悩んだ他、メディア事業・メディアレップ事業において、好調だった前期に比べて伸び悩んだことによるものであります。

 

(売上原価、販売費及び一般管理費)

 当第1四半期連結累計期間の売上原価は、534百万円(前年同期比36.5%減)となりました。主な減少要因としましては、マーケティングコストの効率化によるものであります。

 当第1四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、1,857百万円(前年同期比18.6%減)となりました。主な減少要因としましては、新型コロナウイルス感染症に伴うみなし給付金の再保険金支払の一巡とコールセンター人員の適正化による人件費の減少によるものであります。

(営業損益)

 当第1四半期連結累計期間の営業利益は、32百万円(前年同期は391百万円の損失)となりました。主な増加要因としましては、売上原価及び人件費の減少によるものであります。

(経常損益)

 当第1四半期連結累計期間の経常利益は、35百万円(前年同期は421百万円の損失)となりました。主な増加要因としましては、売上原価及び人件費の減少によるものであります。

(親会社株主に帰属する四半期純損益)

 当第1四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は、41百万円(前年同期は355百万円の損失)となりました。主な増加要因としましては、売上原価及び人件費の減少によるものであります。

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因

 当第1四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因に変更はありません。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性

 当第1四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性の重要な変更はありません。

 

(7)保険代理店事業に係る売上計上について

 保険代理店事業の主たる収入は保険代理店手数料収入であります。当社グループは、保険契約の媒介及び代理行為に伴い、各保険会社との契約及び手数料規程に基づき保険代理店手数料を受領しております。

 保険代理店手数料の受領形態は、保険商品の種類(生命保険・損害保険、契約期間(1年・複数年)、保険料支払方法(年払い・月払い)、その他)、保険会社毎の契約及び規程によりさまざまな形態があり、保険契約成立時に受領するもの(初回手数料)及び保険契約継続に応じて受領するもの(2回目以降手数料)等、これらについて一括又は分割並びにその受領割合等が異なるものが存在しております。

 当社グループは、初回手数料については保険契約成立時に受領する手数料額を売上計上しているほか、2回目以降手数料の一部については、複数年にわたる期間を対象とする保険契約のうち保険会社より計算結果確認書面の受領が可能である等の条件の下、顧客との契約における履行義務が充足した額を収益として認識しております(一方で、将来発生する解約相当額を収益額の算定において控除しております)。