株式会社アドバンスクリエイト

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E05280 Japan GAAP


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当第2四半期連結累計期間(2023年10月1日~2024年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限の緩和、及び企業活動が以前の水準に戻ったこと等に起因して日経平均株価が史上最高値を更新する等、明るい兆しが見られました。一方で、収束の見通しが立たないロシアのウクライナ侵攻、ガザ地区における紛争といった不安定さを増す世界情勢や、国内においては円安及び資源高に起因するコストプッシュ型の物価高騰の影響もあり、成長と収益性を阻害し得るさまざまな地政学上、マクロ経済上の課題に直面しております。

 保険業界においては、少子高齢化社会による公的医療保険制度への不安感から、医療保障を補う商品の多様化が進んでおります。同時に、個人金融資産を貯蓄から投資へ移行する動きから、外貨建保険等の貯蓄性保険商品が注目を浴びる等、民間保険に対するニーズは依然として底堅く推移するものと見込まれております。また、当社も認定されている一般社団法人生命保険協会の「認定代理店」制度に見られるように、保険業界は保険代理店事業の体制整備及びお客さま本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)の実現が求められている状況にあります。このような状況下、当社グループは「人とテクノロジーを深化させ進化する会社」を標榜し、あらゆる保険ニーズに対応できる「保険業界のプラットフォーム」と、OMO(Online Merges with Offline.=オンラインとオフラインの融合)時代に相応しい体制を構築すべく、日々新たな挑戦を行っております。

 具体的には、保険業界初となるオンライン専門の営業拠点「保険市場 スマートコンサルティングプラザ」や、お客さまがコンサルタントを指名して相談予約できる「コンサルタント指名予約サービス」は、当社が提供する保険相談の幅広い選択肢のひとつとして定着し、多くのお客さまからご好評をいただいております。自社開発のオンライン面談システム「Dynamic OMO」により、対面と非対面の垣根をなくし、オフラインと同等のオンライン保険相談を実現しております。また、2022年7月からは、大阪大学の石黒浩教授が代表を務めるスタートアップ企業「AVITA株式会社(以下「AVITA社」という。)」と提携し、同社が開発したアバターを活用しております。これまでの実証実験では、生身の人間よりも、アバターの方が心を開いて話しやすいという人が、一定数いることが分かっております。保険販売の場でも、アバターの活用によって、お客さま、コンサルタント両者の緊張を和らげ、スムーズな保険相談が可能になる等の効果が現れております。また、AVITA社が開発した、生成AIを用いた『アバターAIロープレ支援サービス「アバトレ」』を導入し、社員教育を開始する等、先進的な技術の活用にも取り組んでおります。さらに、当社はLINE、SMS等のテキストコミュニケーションツールを積極的に活用し、電話以上にお客さまとのよりスムーズなコンタクトを実現しております。当社は今後も、OMOを追求し、保険募集プロセスのDX化を推進することで、収益力のさらなる向上を図ってまいります。

 併せて、保険業界の共通プラットフォームシステム「Advance Create Cloud Platform」(以下「ACP」という。)の開発と販売についても、引き続き推進してまいります。ACPの普及により、営業活動のデジタル化と事務負担の大幅な軽減が期待できます。ACPの主要機能である顧客情報管理システム「御用聞き」、申込共通プラットフォームシステム「丁稚(DECHI)」、保険証券管理アプリ「folder」、オンライン面談システム「Dynamic OMO」は、いずれも導入したお客さまからご好評をいただいております。また各種システムのアプリ化等さらなる機能拡充を進めております。さらに、「Dynamic OMO」とAVITA社のアバターを連携するシステム開発を行い、共に販売を行っております。これらACPシステムを保険業界のスタンダードとすべく積極的に展開し、サブスクリプションモデルとしてのストック収入の確保及び協業事業の拡大を目指します。

 これらの営業施策を推進・拡充する一方で、情報セキュリティ体制、保険募集管理体制の強化等、ガバナンス及びコンプライアンス体制を一層充実させるために、積極的に経営資源を投下してまいります。

 以上により、当第2四半期連結累計期間の売上高は5,005百万円(前年同期比22.5%減)、営業利益は343百万円(前年同期比55.0%減)、経常利益は332百万円(前年同期比50.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は144百万円(前年同期比55.4%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

(保険代理店事業)

 直営コンサルティングプラザ(支店)においては保険販売方針を見直し、より総合的な保険提案を行うよう教育を進めております。一方で、本教育には一定の浸透の時間が必要であることから、一時的に支店での獲得契約数が落ち込んでおります。また、コールセンター部門においても、より保険検討意欲が高いお客さまに対してアポイントを獲得する体制を敷いた結果、協業支店に対する配信アポイント数が減少しております。そのため、協業での獲得契約数も伸び悩みました。この結果、保険代理店事業におきましては、当第2四半期連結累計期間の売上高は3,673百万円(前年同期比27.4%減)、営業損失は123百万円(前年同期は323百万円の利益)となりました。

 

(ASP事業)

 乗合保険代理店等へのACPの新規販売が堅調に推移したことにより、ASP事業におきましては、当第2四半期連結累計期間の売上高は146百万円(前年同期比16.1%増)、営業利益は53百万円(前年同期比8.9%増)となりました。

(メディア事業)

 保険選びサイト「保険市場(ほけんいちば)」への広告出稿が好調だった前年同期に比べ伸び悩んだことにより、メディア事業におきましては、当第2四半期連結累計期間の売上高は1,154百万円(前年同期比37.1%減)、営業利益は249百万円(前年同期比39.1%減)となりました。

(メディアレップ事業)

 前年同期に比べ受注が伸び悩んだことから、メディアレップ事業におきましては、当第2四半期連結累計期間の売上高は426百万円(前年同期比35.6%減)、営業利益は64百万円(前年同期比42.3%減)となりました。

(再保険事業)

 新型コロナウイルス感染症の分類移行に伴い再保険金支払いが一巡したことにより、再保険事業におきましては、当第2四半期連結累計期間の売上高は584百万円(前年同期比7.3%増)、営業利益は72百万円(前年同期は133百万円の損失)となりました。

 

①財政状態

(資産合計)

 当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,401百万円増加し11,913百万円(前連結会計年度末は10,512百万円)となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,600百万円増加しましたが、これは主に、未収入金が429百万円、未収還付法人税等が393百万円、それぞれ減少した一方で、売掛金が2,329百万円増加したこと等によるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ202百万円減少しましたが、これは主に、投資有価証券が103百万円減少したこと等によるものです。

(負債合計)

 当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,648百万円増加し7,516百万円(前連結会計年度末は5,868百万円)となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,453百万円増加しましたが、これは主に、短期借入金が1,612百万円増加したこと等によるものです。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ194百万円増加しましたが、これは主に、リース債務が45百万円、退職給付に係る負債が31百万円、それぞれ減少した一方で、社債が300百万円増加したこと等によるものです。

(純資産合計)

 当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ246百万円減少し4,397百万円(前連結会計年度末は4,643百万円)となりました。

 これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益を144百万円計上した一方で、剰余金の配当による減少394百万円があったこと等によるものです。

 

②経営成績

(売上高)

 当第2四半期連結累計期間の売上高は、5,005百万円(前年同期比22.5%減)となりました。これは主に、保険代理店事業において、直営コンサルティングプラザでの保険販売方針の見直し及びその教育体制の構築に時間が必要であったことから、販売実績の一時的な落ち込みがあったこと並びにメディア事業において、好調であった前年同期に比べ、広告出稿で伸び悩んだことが要因となっております。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

 当第2四半期連結累計期間の売上原価は、1,000百万円(前年同期比34.8%減)となりました。これは主に、マーケティングコストの見直しに伴うものであります。

 当第2四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、3,661百万円(前年同期比11.9%減)となりました。これは主に、各部門での固定費の見直し等、各種コスト低減に努めた結果になります。

(営業利益)

 当第2四半期連結累計期間の営業利益は、343百万円(前年同期比55.0%減)となりました。これは主に、保険代理店事業における保険販売方針の見直しによる売上高減少によるものであります。

(経常利益)

 当第2四半期連結累計期間の経常利益は、332百万円(前年同期比50.1%減)となりました。これは主に、営業利益と同じく、保険代理店事業における保険販売方針の見直しによる売上高減少によるものであります。

 

(親会社株主に帰属する四半期純利益)

 当第2四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益は144百万円(前年同期比55.4%減)となりました。これは主に、保険代理店事業における保険販売方針の見直しによる売上高減少によるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ41百万円増加し、1,233百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果使用した資金は、税金等調整前四半期純利益332百万円(前年同期は641百万円)、減価償却費334百万円(前年同期は266百万円)、売上債権の増減額△2,329百万円(前年同期は△413百万円)、未収入金の増減額429百万円(前年同期は△59百万円)及び法人税等の支払額66百万円(前年同期は323百万円)等により、1,411百万円の支出(前年同期は177百万円の支出)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は、無形固定資産の取得による支出327百万円(前年同期は280百万円の支出)、投資有価証券の売却による収入117百万円等により、114百万円の支出(前年同期は100百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果獲得した資金は、短期借入れによる収入1,612百万円、社債の発行による収入494百万円及び配当金の支払額393百万円(前年同期は394百万円)等により、1,573百万円の収入(前年同期は557百万円の支出)となりました。

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(4)研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因

 当第2四半期連結累計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因に変更はありません。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性

 当第2四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性の重要な変更はありません。

 

(7)保険代理店事業に係る売上計上について

 保険代理店事業の主たる収入は保険代理店手数料収入であります。当社グループは、保険契約の媒介及び代理行為に伴い、各保険会社との契約及び手数料規程に基づき保険代理店手数料を受領しております。

 保険代理店手数料の受領形態は、保険商品の種類(生命保険・損害保険、契約期間(1年・複数年)、保険料支払方法(年払い・月払い)、その他)、保険会社毎の契約及び規程によりさまざまな形態があり、保険契約成立時に受領するもの(初回手数料)及び保険契約継続に応じて受領するもの(2回目以降手数料)等、これらについて一括又は分割並びにその受領割合等が異なるものが存在しております。

 当社グループは、初回手数料については保険契約成立時に受領する手数料額を売上計上しているほか、2回目以降手数料の一部については、複数年にわたる期間を対象とする保険契約のうち保険会社より計算結果確認書面の受領が可能である等の条件の下、顧客との契約における履行義務が充足した額を収益として認識しております(一方で、将来発生する解約相当額を収益額の算定において控除しております)。