E04021 IFRS
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
当中間連結会計期間(2024年12月1日~2025年5月31日)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策効果により、景気は緩やかな回復傾向を維持しています。一方、先行きについては、米国相互関税措置の不透明感や、長引く物価高に伴う消費者マインドの低下等が国内景気の下押しリスクとなっており、海外景気や金融資本市場の動向等と合わせて留意が必要です。
当社グループが属する不動産業界では、売買取引が活況に行われ、2025年1月~3月の国内不動産投資額は2兆952億円(前年同期比23%増)となり、世界都市別投資ランキングでは東京は1位(2024年通年は2位)となりました。足元、米国を中心に経済の不確実性が高まっているものの、不動産投資市場に変化はみられておらず、諸外国に比べて低い金利環境も相まって、2025年の国内不動産投資額は過去最高を更新する見込みです(民間調査機関調べ)。
首都圏分譲マンション市場では、建築費高騰を背景に採算性の観点から開発用地の取得を控える動きがみられており、2025年1月~4月の新築発売戸数5,124戸(前年同期比12.5%減)と、調査が開始されてから過去最低を記録した昨年をさらに下回るペースとなっています。また、2025年4月の平均発売価格は都心の高額物件の供給が減少したことにより6,999万円(前年同月比8.7%低下)と一時的に低下しましたが、新築マンション価格は高値圏での推移が継続しています。首都圏中古マンション市場では、住宅ローン金利の先高観により購入を急ぐ動きがみられたことで2025年1月~4月の成約戸数は16,335戸(前年同期比24.5%増)となりました。投資資金の流入が続く都心物件が平均価格を押し上げており、2025年4月時点で5,535万円(前年同月比20.2%上昇)と最高値を更新しています。首都圏分譲戸建市場では、2025年1月~4月の新設住宅着工戸数は17,069戸(同4.4%減)と、2024年以降減少傾向が続いています(民間調査機関調べ)。
2025年1月~4月の建築費平均坪単価は、鉄筋鉄骨コンクリート造が1,855千円/坪(前年同期比5.4%上昇)、木造が752千円/坪(同5.9%上昇)となりました。鋼材・木材価格は高止まりしており、セメント価格も最高値を更新するなど、建築費の高騰は続いています(国土交通省調べ)。
東京都心ビジネス5区のオフィスビル賃貸市場では、旺盛なオフィス需要が継続しており、2025年4月時点の平均空室率は3.7%(前年同月比1.7ポイント低下)、平均賃料は20,755円/坪(同4.7%上昇)と、空室率・賃料ともに好調に推移しています。2025年に供給された新築ビルのテナント内定が進捗しており、オフィス市況は今後も好調に推移するとみられています(民間調査機関調べ)。
首都圏賃貸マンション市場では、引き続き賃貸需要は強く、J-REITが東京圏で保有するマンションの2025年2月末時点平均稼働率は97.5%(前年同月比0.3ポイント上昇)と高水準で推移しています。また、首都圏賃貸マンションにおける2025年4月時点の平均募集賃料は12,343円/坪(同2.2%上昇)と、物価高による管理コスト等の上昇分を賃料転嫁する動きや新築・築浅の高賃料物件の供給が相次いだことなどから、最高値を更新しました(民間調査機関調べ)。
首都圏物流施設賃貸市場では、2025年4月時点の賃貸ストックは1,114万坪(前年同月比8.1%増)、空室率は9.5%(同1.4ポイント上昇)、募集賃料は4,670円(同3.9%低下)となりました。郊外エリアを中心に需給緩和の状態が続いていますが、2025年下期にかけて新規供給が一服するとされており、各指標の改善が期待されています(民間調査機関調べ)。
不動産ファンド市場では、2025年4月末時点のJ-REITの運用資産額は23.7兆円(前年同月比0.6兆円増加)、2024年12月末時点の私募ファンドは運用資産額40.8兆円(前年同月比5.8兆円増加)となり、証券化市場規模は合計で64.5兆円まで拡大しています(民間調査機関調べ)。
東京都のビジネスホテル市場では、引き続き旺盛なインバウンド需要を背景に2025年1月~3月の平均客室稼働率は80.6%(前年同期比0.3ポイント低下)となり、東京都の全施設タイプにおける同期間の延べ宿泊者数は2,548万人(同3.1%減)となりました。客室料金の高騰により国内宿泊者数には頭打ちがみられるものの、海外宿泊者数は昨年を上回るペースで増加しており、好調なインバウンド需要がホテル市況を牽引する流れは続くとみられています(観光庁調べ)。
このような事業環境の中、不動産再生事業や不動産開発事業において、物件販売ならびに将来の収益の源泉となる収益不動産や多種の開発用地の取得を進めてまいりました。また、ホテル事業ではインバウンド需要を取り込むとともに、不動産ファンド・コンサルティング事業における、アセットマネジメント受託資産残高の伸長に努めました。
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は66,058百万円(前年同期比14.6%増)、営業利益は17,600百万円(同18.1%増)、税引前中間利益は16,804百万円(同16.9%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益は12,226百万円(同21.6%増)となりました。
セグメント毎の業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)
当中間連結会計期間は、「T's garden東陽町」(東京都江東区)、「T's garden港南中央」(神奈川県横浜市)、「仲町台トーセイビル」(神奈川県横浜市)等25棟のバリューアップ物件及び中古区分マンション64戸を販売いたしました。
仕入につきましては、収益オフィスビル、賃貸マンション等合わせて25棟、土地1件及び中古区分マンション55戸を取得しております。
以上の結果、不動産再生事業の売上高は29,113百万円(前年同期比1.0%減)、セグメント利益は5,545百万円(前年同期比0.9%減)となりました。
(不動産開発事業)
当中間連結会計期間は、物流施設「T's Logi佐野」(栃木県佐野市)、賃貸マンション「THE PALMS千葉中央」(千葉県千葉市)、「THE PALMS柏」(千葉県柏市)等9棟を販売いたしました。また、戸建住宅では「THEパームスコート桜新町」(東京都世田谷区)等において、22戸を販売いたしました。
仕入につきましては、賃貸アパート開発用地6件、54戸分の戸建住宅開発用地を取得しております。
以上の結果、不動産開発事業の売上高は20,275百万円(前年同期比41.5%増)、セグメント利益は5,874百万円(前年同期比14.7%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
当中間連結会計期間は、保有する賃貸物件のリーシングに注力しました。
当中間連結会計期間末の賃貸物件数は、物件取得16棟及び賃貸開始9棟、物件売却28棟及び賃貸終了1棟に伴い、前連結会計年度末の123棟より、4棟減少し119棟となりました。
以上の結果、不動産賃貸事業の売上高は4,280百万円(前年同期比15.7%増)、セグメント利益は2,303百万円(前年同期比28.6%増)となりました。
(不動産ファンド・コンサルティング事業)
前連結会計年度末のアセットマネジメント受託資産残高(注)2,443,808百万円から、ファンドの物件売却等により111,239百万円の残高が減少した一方で、新たにアセットマネジメント契約を受託したことにより338,023百万円の残高が増加し、当中間連結会計期間末のアセットマネジメント受託資産残高は、2,670,593百万円となりました。
以上の結果、不動産ファンド・コンサルティング事業の売上高は5,033百万円(前年同期比38.1%増)、セグメント利益は3,541百万円(前年同期比53.6%増)となりました。
(注) アセットマネジメント受託資産残高には、一部コンサルティング契約等に基づく残高を含んでおります。
当中間連結会計期間は、新規契約の獲得及び既存契約の維持に努めました。当中間連結会計期間末での管理棟数は、オフィスビル、ホテル及び物流施設等で578棟、分譲マンションおよび賃貸マンションで396棟、合計974棟(前年同期比11棟増加)となりました。
以上の結果、不動産管理事業の売上高は3,682百万円(前年同期比4.3%増)、セグメント利益は654百万円(前年同期比2.6%増)となりました。
当中間連結会計期間は、国内需要の回復とインバウンド需要の取り込みにより、客室稼働率及び客室単価が向上し、売上高、セグメント損益ともに前年同期を大きく上回りました。
以上の結果、ホテル事業の売上高は3,673百万円(前年同期比22.0%増)、セグメント利益は1,521百万円(前年同期比45.4%増)となりました。
当中間連結会計期間における国内不動産市場においては、都心のオフィスビルや住宅を中心に賃料の上昇が強まり不動産価格はおだやかな上昇基調を保ち、国内外投資家の国内不動産に対する投資意欲は堅調に推移しました。本年1月の日銀の政策金利変更により長期金利は16年ぶりに1.5%程度まで上昇し、これに伴う国内不動産への投資意欲の落ち込みが懸念されましたが、金利上昇が国内外投資家の投資意欲に与える影響は限定的でした。
このような事業環境のなか、当中間連結会計期間の当社グループの業績は、不動産売買をはじめとして各事業が順調に推移し、売上高660億円(前年同期比14.6%増)、営業利益176億円(同18.1%増)、税引前中間利益168億円(同16.9%増)となりました。
事業セグメント別では、不動産再生事業において1棟収益物件や都心の高額区分マンションの販売が好調に推移しました。不動産開発事業においては、第1四半期には大型物流施設「T's Logi佐野」や新築賃貸マンション「THE PALMS」シリーズなどの開発物件8棟、第2四半期には木造賃貸アパートや分譲戸建を売却するなど、販売活動は順調に進捗しました。また、不動産再生事業・不動産開発事業における仕入では、当社が競争優位性を有する事業承継支援の活用など、積極的な取得活動を進め、当期仕入計画1,000億円(売上想定換算)に対して、591億円(契約済未引渡分を含む)まで進捗しており、好調に推移しています。建築費については鋼材価格の高騰や人材不足の影響もあり当面高止まりが想定されるところ、当社は不動産開発事業においてはRC造から木造へ重点をシフトし、不動産再生事業を含めた売買事業全体のポートフォリオでは不動産開発事業の比率を引き下げ、不動産再生事業への投資比重を高めるなどの対応を行っています。
また、当社が安定収益事業と位置付けるストックビジネスについても、都心を中心とした堅調な不動産投資需要や賃料上昇を背景に、各事業とも順調に推移しました。その中でも、不動産ファンド・コンサルティング事業では、世界的な投資会社であるウォーバーグ・ピンカスから、国内最大級のシェアハウスポートフォリオ「トーキョーベータ」のアセットマネジメントを新規に受託するなど新規顧客からの受託を取り込み、国内受託資産残高(AUM)は前期末比2,267億円増の総額2兆6,705億円となりました。また、ホテル事業については、旺盛なインバウンド需要を追い風として、当社ホテル収益は計画を上回って推移しました。
なお、今般の米国相互関税措置による影響につきまして、当社は東京圏を中心とした不動産関連事業を営んでいることから、当該措置による当社への直接的な影響は現時点においては軽微であると認識しています。しかしながら、為替・金利等の金融市場の変動、世界景気への影響、海外投資家による国内不動産への投資姿勢等への影響は注視していく必要があります。
これらを含む国内外環境と当社の事業展開を鑑み、引き続き、中期経営計画の達成に向け、積極的に不動産の新規取得を進め、各事業を推進していきます。
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ6,801百万円増加し、283,616百万円となりました。負債は1,875百万円減少し、184,072百万円となりました。
総資産が増加した主な要因は、現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権が増加したことによるものであります。負債が減少した主な要因は、営業債務及びその他の債務、有利子負債の減少によるものであります。
また、資本は8,676百万円増加し、99,543百万円となりました。これは主に利益剰余金の積み上げと配当金の支払によるものであります。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,882百万円増加し40,756百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動により獲得した資金は、13,222百万円(前年同期比119.1%増)となりました。これは主に、税引前中間利益16,804百万円、法人所得税の支払額3,640百万円等によるものであります。
投資活動により使用した資金は、1,120百万円(前年同期比52.0%減)となりました。これは主に、貸付金の実行による支出4,659百万円、貸付金の回収による収入3,606百万円等によるものであります。
財務活動により使用した資金は、6,219百万円(前年同期比96.0%増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入32,872百万円等があったものの、長期借入金の返済による支出30,979百万円及び配当金の支払額3,826百万円等があったことによるものであります。
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりますが、前事業年度の有価証券報告書提出日後、当中間連結会計期間において重要な変更はありません。
該当事項はありません。