売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E38192 


2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態の状況

(流動資産)

 当第1四半期連結会計期間末における流動資産は6,800,681千円(前連結会計年度末比869,332千円増)となりました。これは主に、現金及び預金が970,377千円増加したこと等によるものであります。

 

(固定資産)

 当第1四半期連結会計期間末における固定資産は2,822,384千円(前連結会計年度末比270千円増)となりました。これは主に、バッテリースタンドの新規設置に伴うリース資産が135,035千円増加し、また、工具、器具及び備品が105,350千円増加した一方、建設仮勘定が126,976千円減少したこと等によるものであります。

 

(流動負債)

 当第1四半期連結会計期間末における流動負債は5,561,283千円(前連結会計年度末比663,199千円増)となりました。これは主に、孫会社であるINFORICH ASIA HONG KONG LIMITEDの事業拡大に伴う契約負債が288,701千円増加し、また、短期借入金が467,500円増加したこと等によるものであります。

 

(固定負債)

 当第1四半期連結会計期間末における固定負債は824,287千円(前連結会計年度末比50,437千円増)となりました。これは主に、リース債務が53,854千円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

 当第1四半期連結会計期間末における純資産は3,237,495千円(前連結会計年度末比155,965千円増)となりました。これは主に、欠損補塡を目的とする減資による資本金334,382千円減少、資本剰余金4,166,195千円減少、利益剰余金3,701,082千円増加、また、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が99,939千円増加したこと等によるものであります。

 

(2)経営成績の状況

 当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済情勢は、「コロナ禍」明け後の対面型サービスの需要増加も一巡し、景気の足踏み状態が続いています。名目賃金は増加しているものの物価の上昇に追いついておらず、結果として実質賃金は減少を続けていることから、消費マインドに影響を与えています。

世界経済においては、成長は横ばいになると想定されていますが、依然としてウクライナ紛争、イスラエル情勢などの地政学緊張によるリスクを抱えており、今後の先行きが懸念されます。

 ChargeSPOT事業が対象とするモバイルバッテリーシェアリングサービスの市場規模について、同サービス世界最大のマーケットである中国では、2023年12月末現在約517万台(出所:Fastdata,「2023 ChinaShared Power Bank Industry Trend Report」)のバッテリースタンドが稼動しており、年間約2.8億人がモバイルバッテリーシェアリングサービスを使用しています。中国と日本では、市場、技術及び文化等の相違はあるものの、中国での市場規模の推移は今後の日本におけるモバイルバッテリーシェアリングサービスの普及を予想する上で、一指標になるものです。

 「ChargeSPOT」はモノを所有するのではなく貸し借りすることで使用する、シェアリングエコノミーを前提としたサービスです。昨今の環境意識の高まりなどを受けて、シェアリングエコノミーを積極的に活用するユーザーが一定数存在しています。一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社情報通信総合研究所が共同で発表した「シェアリングエコノミー関連調査2022年度調査結果 2023年1月24日公表」においては、2032年度のシェアリングエコノミーの市場規模は15兆1,165億円(※1)となることが予測されております。

 

 当社グループのChargeSPOT事業においては、人流が重要な要素の一つになっております。2023年1月は新型コロナウイルス感染症を原因とした人流低下が続いていたため、昨年比では人流は増加傾向しました。しかしながら、1,2月は年間でも人流が下がる傾向にあります。2024年についても、1月の能登半島地震をうけての消費マインドの低下や、2023年末に比べて寒さが厳しかったことなどをうけ、1月,2月は人流が低下しました。しかし、3月に入ってから人流は回復傾向にあり、気温が上がるとともに増加していくものと想定されます。

一方、インバウンド観光客の増加とともに、日本人の国内観光客数もコロナ禍前を上回っていることから、観光地での人流は増加しています。このことから、観光地での「ChargeSPOT」の設置の需要も高まっており、レンタル数も好調に増加しております。今後も観光地での設置に取り組んでまいります。

 2023年4月に行った株式会社電通の調査に基づく当社の推計では、帰宅するまでにスマートフォンの充電が切れる人は約3,950万人、さらにそのうちの1,600万人は1日の外出時間中に最低2回以上の充電を必要としています。スマートフォンに使用されているリチウムイオン電池は、約600回の充電(概ね2年程度の使用)によって充電容量が80%に低下する特性を持っています(※2)。しかし、スマートフォンの高価格化が進んだ現在、スマートフォンの買い替えサイクルは4年7ヶ月に長期化しています(2022年度版の内閣府・消費者動向調査による)。この頃には、充電容量は新品時の30%程度にまで低下してしまいます(※2)。生活をする上でスマートフォンが欠かせないものになっている現在、数年以上使用したスマートフォンを使っている人が外出中に充電したいと感じることは自然なことと言えます。昨今、バッテリーについての研究が世界各国で盛んに実施されていますが、スマートフォンの電池のみを念頭に置いた場合、現在使用されているリチウムイオン電池以上のものは少なくとも2030年までには開発され得ないと想定されます(※2)。EV自動車やドローンなどのために開発される技術のスマートフォンへの転用は、小型化と安全性という観点で大きなハードルがあり、バッテリー技術の向上がスマートフォン性能の向上に直結するとは限りません。また、旧来よりリチウムイオン電池自体の性能の向上も行われており、内蔵電池の容量は年平均で11.6%増加しています(※2)。しかし、ディスプレイの高精細化やアプリケーションの高容量化、5G対応などによって、スマートフォンの平均消費電力量は17.9%と、内蔵電池容量以上に増加しています(※2)。以上のことから、外出中の充電のニーズは非常に高く、今後も高まっていくものと想定されます。

 ※1 課題解決シナリオ下での最大予測金額

 ※2 当社調べ

 

 このような状況の中、当社グループは、ChargeSPOT事業の拡大に取り組むべく、積極的な投資を進めるとともに、パートナー企業との連携を強化してまいりました。バッテリースタンドの設置台数は2024年3月末時点で当社グループ全体では51,509台、国内では43,070台となり、「どこでも借りられて、どこでも返せる」の実現に向けて増加させております。月間アクティブユーザー数(四半期平均)は季節性の影響を受け、当社グループ全体では1,120千人、国内では804千人と前四半期比では減少しているものの、業績予想と同水準で着地しました。月間レンタル数(四半期平均)は当社グループ全体では197万回、国内では145万回でした。

 当社グループは、2024年度のスローガンを「ACT GLOBAL」と定め、一層の海外展開の進展を目指しております。1月にはベトナムでの2024年度中のフランチャイズでのサービス展開を、2月にはマカオでのフランチャイズでのサービス開始を、3月にはオーストラリアのシェアリングバッテリー事業者である「Ezycharge」の株式取得を発表するなど、着実に展開エリアを増加させております。

 これらの結果、当第1四半期連結累計期間の業績は、売上高は2,087,906千円(前年同期比44.6%増)、EBITDA(※3)353,501千円、営業利益は125,256千円(前年同四半期は営業損失64,467千円)、経常利益は194,269千円(前年同四半期は経常損失85,770千円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は99,939千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失89,286千円)となりました。

 当社グループといたしましては、今後もサービス品質のさらなる向上を念頭に置きながら、サービスの認知度向上及び利用拡大へ取り組んでまいります。

 なお、当社グループはChargeSPOT事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

※3 EBITDA = 営業損益 + 減価償却費

2023年12月期第2四半期より新たにEBITDAを記載しており、前年同四半期増減率については記載しておりません。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、22,379千円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(7)経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。

 

(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資金需要の一定割合は設備投資であり、必要な資金は自己資金、金融機関からの借入及び増資等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。