売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05041 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

<当第3四半期連結累計期間(2023年1月~9月)連結業績の概要>

(単位:百万円)

 

 

前第3四半期
連結累計期間

当第3四半期

連結累計期間

増減額

増減率

 

売上高

183,134

192,545

9,410

5.1

%

 

営業利益

38,010

30,085

△7,924

△20.8

%

 

経常利益

42,438

32,244

△10,194

△24.0

%

 

親会社株主に帰属する
四半期純利益

13,854

9,633

△4,221

△30.5

%

 

 

当社グループは「すべての人にインターネット」のコーポレートキャッチのもと、1995年の創業以来一貫して、インターネットのインフラ・サービスインフラの提供に経営資源を集中してきました。インターネットの普及とともにインターネット上のデータ量・トランザクションは級数的に増加し、当社グループの事業機会も拡大し続けたことから、2022年12月期において14期連続の増収増益となりました。

今般、新型コロナウイルス感染症拡大の対策が進み、経済再開の動きがみられる中、DXの進展、オンライン消費の定着は不可逆的なトレンドとなっており、当社グループのサービスに対するニーズはより一層高まっているものと考えています。

 

このような事業環境のもと、(1)No.1サービスの集合体となっているインターネットインフラ事業は、対面決済を中心とした決済事業が引き続き好調に推移しました。(2)インターネット広告・メディア事業は、自社メディアのPV数は好調さを維持しているものの、特定の業種での広告予算削減の動きがあり売上が伸び悩み減収となりました。(3)インターネット金融事業は、店頭FXについては収益性改善施策が奏功し、CFDについてもクロスセル施策などにより取引が活性化しともに好調に推移しました。(4)暗号資産事業は、暗号資産市場全体の取引高の低迷が続いておりコスト削減を行っているものの営業損失が継続しています。 

 

これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は192,545百万円前年同期比5.1%増)、営業利益は30,085百万円同20.8%減)、経常利益は32,244百万円同24.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は9,633百万円同30.5%減)と増収減益となりました。減益の要因は、前年同期にはインキュベーション事業での株式売却による利益貢献がありましたが、その利益分が剥落したことによります。

 

<当第3四半期連結累計期間(2023年1月~9月)セグメント毎の売上高・営業利益の状況>

(単位:百万円)

 

 

 

前第3四半期
連結累計期間

当第3四半期
連結累計期間

増減額

増減率

 

インターネットインフラ事業

 

 

 

 

 

 

 

売上高

109,499

127,188

17,688

16.2

%

 

 

営業利益

16,622

19,131

2,508

15.1

%

 

インターネット広告・メディア事業

 

 

 

 

 

 

 

売上高

25,291

25,926

634

2.5

%

 

 

営業利益

2,212

1,511

△700

△31.7

%

 

インターネット金融事業

 

 

 

 

 

 

 

売上高

31,162

35,597

4,434

14.2

%

 

 

営業利益

9,309

11,202

1,892

20.3

%

 

暗号資産事業

 

 

 

 

 

 

 

売上高

4,133

3,120

△1,013

△24.5

%

 

 

営業利益

△1,059

△1,355

△295

 

 

インキュベーション事業

 

 

 

 

 

 

 

売上高

13,392

690

△12,702

△94.8

%

 

 

営業利益

10,318

△0

△10,318

 

 

その他

 

 

 

 

 

 

 

売上高

2,604

3,458

854

32.8

%

 

 

営業利益

△179

△338

△159

 

 

調整額

 

 

 

 

 

 

 

売上高

△2,949

△3,436

△486

 

 

 

営業利益

786

△65

△851

 

 

合計

 

 

 

 

 

 

 

売上高

183,134

192,545

9,410

5.1

%

 

 

営業利益

38,010

30,085

△7,924

△20.8

%

 

 

各セグメントの事業の内容は、以下のとおりとなっております。

 

事業区分

主要業務

インターネット
インフラ事業

ドメイン事業

・「.shop」、「.tokyo」などのドメインを管理するレジストリ事業

・『お名前.com』、『ムームードメイン』、『VALUE-DOMAIN』で展開するレジストラ事業

クラウド・ホスティング事業

・『お名前.comレンタルサーバー』、『ConoHa by GMO』、『Z.com Cloud』、『クラウドVPS byGMO』、『ALTUS byGMO』、『GMOクラウド Private』、『ロリポップ!』、『heteml』、『30days Album』などで展開する共用サーバー、VPS、専用サーバー、クラウドの提供・運用・管理・保守を行うホスティングサービス

EC支援事業

・『カラーミーショップ』、『MakeShop』で展開するネットショップ構築のECプラットフォームの運営

・CtoCハンドメイドマーケット『minne』の運営

・オリジナルグッズ作成・販売サービス『SUZURI』、『canvath』の運営

・フリーランス向けファクタリングサービス『FREENANCE』の運営

・EC事業者・020事業者向け支援サービスなど

・飲食店向けの予約管理サービス『OMAKASE』の運営

・Web制作・運営支援・システムコンサルティングサービスなど

セキュリティ事業

・『クイック認証SSL』、『企業認証SSL』などのSSLサーバー証明書、『コードサイニング証明書』、『PDF文書署名用証明書』、『クライアント証明書』などの電子証明書発行サービス

・電子契約サービス『電子印鑑GMOサイン』

・WEB・スマートフォンアプリの脆弱性診断、ペネトレーションテスト、  セキュリティ事故対応などのサイバーセキュリティサービス

・ブランド脅威対策、模倣品の検知・削除、商標管理システムの提供、ドメインネームの取得・管理などを行うブランドセキュリティサービス

決済事業

・通販・EC事業者向け『PGマルチペイメントサービス』、公金・公共料金等の『自治体・公共機関向けクレジットカード決済サービス』などの総合的な決済関連サービス及び『早期入金サービス』、『トランザクションレンディング』、『即給 byGMO』、『GMO後払い』などの金融関連サービス

アクセス事業

・『GMOとくとくBB』などのインターネット接続サービス

インターネット広告・メディア事業

インターネット広告事業

・リスティング広告、モバイル広告、アドネットワーク広告、リワード広告、アフィリエイト広告などの総合的なインターネット広告サービス

・企画広告制作サービス

インターネット
メディア事業

・10代女子向けコミュニティサイト『prican』、プログラミング教育ポータル『コエテコ』、ポイントサイト『ポイントタウン』、ゲームプラットフォーム『ゲソてん』、共同購入型クーポンサイト『くまポン』、美容医療のチケット購入サイト『キレイパス』、はたらく女性向け生活情報サイト『michill』などのインターネットメディアの運営及び自社メディアへの広告配信

・SEMメディア事業
SEOの販売

インターネットリサーチ・その他事業

・インターネットリサーチシステムの提供・リサーチパネルの管理・運営『GMOリサーチ・クラウド・パネル』など

インターネット金融事業

インターネット金融事業

・オンライン証券取引、外国為替証拠金取引(FX)、CFD取引などの運営

暗号資産事業

暗号資産交換事業

・暗号資産の現物取引・レバレッジ取引の提供など

暗号資産マイニング事業

・マイニングセンターの運営

暗号資産決済事業

・ステーブルコイン『GYEN』『ZUSD』の提供

インキュベーション事業

ベンチャーキャピタル事業

・インターネット関連企業を中心とした未上場会社への投資事業

 

 

 

当第3四半期連結累計期間のセグメント別の業績は以下のとおりです。

 

①インターネットインフラ事業

 当該セグメントにおいては、インターネットビジネスを手掛けるお客様のビジネス基盤となるサービスをワンストップで提供しています。主な商材は、インターネットにおける住所となる「ドメイン」、データを保管するための「サーバー」、ネットショップ導入のためのプラットフォームを提供する「EC支援」、決済システムを提供する「決済」、これら取引の安全を図る「セキュリティ」です。これら5大商材すべてを自社グループ内で開発・提供しており、いずれも国内トップシェアを有しています。この他、個人向けにインターネット接続サービスを提供するアクセス事業を運営しています。当該セグメントの各事業別の業績は下記のとおりです。


1)ドメイン事業

当該事業は、他のインフラ商材の起点と位置づけており、当社、GMOペパボなどで低価格戦略により顧客基盤が着実に拡大しています。当第3四半期連結累計期間のドメイン登録・更新数は530万件(前年同期比35.3%増)、また当第3四半期連結会計期間末の管理累計ドメイン数は817万件(同16.1%増)と伸長し、海外でのドメイン販売や大口販売が寄与し、売上高は7,150百万円同4.5%増)となりました。

 

2)クラウド・ホスティング事業

当該事業では、お客様の利用ニーズの多様化に対応するため、当社、GMOグローバルサイン・ホールディングス、GMOペパボなどが共用サーバー、専用サーバー、VPS、クラウドの各サービスにおいて多ブランド展開を行っています。個人向けサーバーの販売が引き続き堅調に推移し、当第3四半期連結会計期間末の契約件数は112.4万件(前年同期比2.5%増)売上高は15,017百万円同9.2%増)となりました。

 

3)EC支援事業

当該事業では、GMOペパボ、GMOメイクショップなどがネットショップ導入のためのプラットフォームを提供するECプラットフォーム、CtoCハンドメイドマーケット『minne』、オリジナルグッズ作成・販売サービス『SUZURI』、O2O支援サービスなどを展開しています。まず、ECプラットフォームでは、『カラーミーショップ』において月額無料でネットショップを開設できるフリープランの契約件数が増加したことなどにより、当第3四半期連結会計期間末の有料店舗数は5.2万件(前年同期比10.2%減)となったことに加え、巣ごもり消費が一巡したことにより流通総額は3,545億円(同1.2%減)となりました。『minne』では、低価格帯作品の流通規模が縮小したことにより流通金額は98億円(同12.3%減)となりました。一方で、高価格帯向けの『MakeShop』は安定的に推移し、これらの結果、売上高は12,186百万円同10.5%増)となりました。


4)セキュリティ事業

当該事業では、GMOグローバルサイン・ホールディングスを中核として展開するSSLサーバー証明書、電子契約サービス『電子印鑑GMOサイン』などの電子認証セキュリティ、GMOサイバーセキュリティbyイエラエで展開するサイバーセキュリティ、そしてGMOブランドセキュリティで展開するブランドセキュリティなど、すべてのひとに安心安全なインターネットを提供するセキュリティサービスを展開しています。『電子印鑑GMOサイン』の契約が堅調に推移しており、契約社数・契約送信件数ともに順調に増加しました。これらの結果、売上高は12,187百万円前年同期比36.8%増)となりました。

 

 

5)決済事業

当該事業では、GMOペイメントゲートウェイを中核として、総合的な決済関連サービスおよび金融関連サービスを展開しています。決済関連サービスでは、オンライン課金・継続課金分野におけるEC市場の安定的な拡大に加え、対面分野における次世代決済プラットフォーム『stera』端末の取扱いが増加したこともあり、決済処理件数・決済処理金額が好調に推移しました。これらの結果、売上高は47,565百万円前年同期比25.9%増)となりました。


6)アクセス事業

当該事業では、当社が個人向けのインターネット接続サービスを提供しています。固定回線が安定的に推移し、当第3四半期連結累計期間の契約回線数は226万件(前年同期比0.5%増)となり、売上高は30,222百万円同4.1%増)となりました。

 

以上、これらを含めたインターネットインフラ事業セグメントの売上高は127,188百万円前年同期比16.2%増)、GMOペパボ連結子会社における債権買取ビジネスでの一部顧客への貸倒引当金繰入額として約11億円を計上したものの営業利益は19,131百万円同15.1%増)となりました。

 

②インターネット広告・メディア事業

当該セグメントにおいては、インターネットビジネスを手掛けるお客様の集客支援サービスを提供しています。当該セグメントの各事業別の業績は下記のとおりです。

 

1)インターネット広告事業

当該事業では、GMOアドパートナーズ、GMO TECHなどが広告代理、アドプラットフォームの提供など総合的なネット広告サービスを提供しています。特定の業種での広告費削減の動きがあり、売上高は13,248百万円前年同期比4.3%減)となりました。

 

2)インターネットメディア事業

当該事業では、GMOメディアなどが自社メディアの運営を通じた広告枠の提供、集客支援サービスを提供しています。自社メディアのPV数が引き続き好調に推移し売上高は8,920百万円前年同期比15.8%増)となりました。

 

以上、これらを含めたインターネット広告・メディア事業セグメントの売上高は25,926百万円前年同期比2.5%増)、第1四半期連結会計期間に計上した取引拡大に伴う営業関連費用の一時的増加や前年の人財投資による人員増などが重なり、営業利益は1,511百万円同31.7%減)となりました。

 

 

③インターネット金融事業

当該セグメントにおいては、GMOフィナンシャルホールディングスの連結子会社であるGMOクリック証券を中核として、個人投資家向けのインターネット金融サービスを展開しています。当第3四半期連結会計期間末における取引口座数は、店頭FX口座が147.5万口座(前年同期比4.5%増)、証券取引口座が52.0万口座(同4.1%増)と顧客基盤の拡大が続いています。店頭FXについては、収益性の改善施策を強化したことで収益性は大きく改善しました。CFDについては、コモディティ指数などが活況に推移し、またクロスセル施策も奏功し好調に推移しました。

 

以上、インターネット金融事業セグメントの売上高は35,597百万円前年同期比14.2%増)、当第3四半期連結累計期間までにタイ王国の証券事業に係る貸倒引当金繰入額が約19億円計上されたものの、営業利益は11,202百万円同20.3%増)と対前年同期比で増益となりました。

 

④暗号資産事業

当該セグメントにおいては、暗号資産の「マイニング」、「交換」、「決済」に関わる事業を展開しています。当該セグメントの各事業別の業績は下記のとおりです。


1)暗号資産マイニング事業

当該事業では、マイニングセンターの運営を行っています。ハッシュレートの上昇などの外部要因により、対前年同期比で収益性が低下しています。その結果、売上高は536百万円前年同期比64.0%減)となりました。


2)暗号資産交換事業

当該事業では、GMOフィナンシャルホールディングスの連結子会社であるGMOコインなどが、暗号資産の現物取引、レバレッジ取引などを提供しています。

当第3四半期連結会計期間末における取引口座数は58.6万口座(前年同期比9.1%増)と顧客基盤は順調に拡大しました。一方、低調な暗号資産市場の動向を受けて売買代金が低下しました。これらの結果、売上高は2,529百万円同1.3%増)となりました。

 

以上、これらを含めた暗号資産事業セグメントの売上高は3,120百万円前年同期比24.5%減)、営業損失は1,355百万円(前年同期は1,059百万円の営業損失)となりました。

 

⑤インキュベーション事業

当該セグメントにおいては、GMOベンチャーパートナーズを中核として、キャピタルゲインを目的とした国内外のインターネット関連企業への投資、事業拡大への支援、企業価値向上支援を行なっています売上高は690百万円前年同期比94.8%減)、営業損失は0百万円(前年同期は10,318百万円の営業利益)となりました。

 

(2) 連結財政状態の分析

<資産、負債及び純資産の状況>

(資産)

当四半期連結会計期間末(2023年9月30日)における資産合計は、前連結会計年度末(2022年12月31日)に比べ163,818百万円増加し、1,706,559百万円となっております。主たる変動要因は、現金及び預金が17,848百万円増加利用者暗号資産が47,389百万円増加証券業等における顧客資産の変動により諸資産(証券業等における預託金・証券業等における信用取引資産・証券業等における有価証券担保貸付金・証券業等における短期差入保証金・証券業等における支払差金勘定)が56,680百万円増加したことであります。

(負債)

当四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ143,673百万円増加し、1,531,725百万円となっております。主たる変動要因は、借入金が30,859百万円増加、社債が41,700百万円増加、預り暗号資産が47,415百万円増加証券業等における顧客資産の変動により諸負債(証券業等における預り金・証券業等における信用取引負債・証券業等における受入保証金・証券業等における受取差金勘定・証券業等における有価証券担保借入金)が45,417百万円増加預り金が21,788百万円減少、GMOあおぞらネット銀行株式会社の種類株式の取得原価から控除したことにより契約損失引当金が6,341百万円減少したことであります。
(純資産)

当四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ20,144百万円増加し、174,833百万円となっております。主たる変動要因は、利益剰余金が6,023百万円増加親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により9,633百万円の増加、配当金の支払いにより2,099百万円の減少、自己株式の消却により1,510百万円の減少)、為替換算調整勘定が2,814百万円増加非支配株主持分が10,507百万円増加したことであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、記載を省略しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は186百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。