売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E05041 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 業績の状況

<当第1四半期連結累計期間(2024年1月~3月)連結業績の概要>

(単位:百万円)

 

 

前第1四半期
連結累計期間

当第1四半期
連結累計期間

増減額

増減率

 

売上高

65,593

68,861

3,267

5.0%

 

営業利益

10,990

14,436

3,445

31.4%

 

経常利益

11,933

15,503

3,569

29.9%

 

親会社株主に帰属する

四半期純利益

3,931

5,519

1,588

40.4%

 

 

当社グループは「すべての人にインターネット」をコーポレートキャッチのもと、1995年の創業以来一貫して、インターネットのインフラ・サービスインフラの提供に経営資源を集中してきました。インターネットの普及とともにインターネット上のデータ量・トランザクション量は級数的に増加し、当社グループの事業機会も拡大し続け、ストック型収益モデルのインターネットインフラ事業が業績を牽引してまいりました。昨今の、新型コロナウイルス感染症拡大を機にDXの進展やオンライン消費の定着は不可逆的なトレンドとなり、当社グループのサービスに対するニーズの高まりとともに当社グループの事業機会はより一層拡大しているものと考えています。

 

このような事業環境のもと、(1)No.1サービスの集合体となっているインターネットインフラ事業は、ドメイン事業を中心に顧客基盤が拡大する中、キャッシュレス決済端末の導入が浸透し利活用が進んだことにより、決済事業を中心に業績を牽引しました。(2)インターネット広告・メディア事業は、広告事業において一部業種の予算縮小やクライアントの減少がありましたが、自社商材の拡販や営業体制の効率化に加え、メディア事業で自社商材・自社メディアによる送客支援が引き続き好調に推移したことにより増益となりました。 (3)インターネット金融事業における店頭FX取引では、為替が円安一方向に進行したことにより市場のボラティリティが低下し収益は軟調に推移しました。一方CFD取引は、コモディティ指数に加え株価指数も好調に推移したことから高水準の収益となりました。なお、当四半期においてはタイ証券事業での貸倒引当金の追加の計上はありませんでしたが、店頭FXの収益性低下の影響が大きく、減益となりました。(4)暗号資産事業は、暗号資産市場が復調基調に戻り、取引高が活発に推移したことで、四半期黒字となりました。

 

これらの結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は68,861百万円前年同期比5.0%増)、営業利益は14,436百万円同31.4%増)、経常利益は15,503百万円同29.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,519百万円同40.4%増)となりました。

 

<当第1四半期連結累計期間(2024年1月~3月)セグメント毎の売上高・営業利益の状況>

(単位:百万円)

 

 

 

前第1四半期
連結累計期間

当第1四半期
連結累計期間

増減額

増減率

 

インターネットインフラ事業

 

 

 

 

 

 

売上高

42,161

45,041

2,879

6.8%

 

 

営業利益

6,994

9,215

2,221

31.8%

 

インターネット広告・メディア事業

 

 

 

 

 

 

売上高

8,904

8,959

55

0.6%

 

 

営業利益

668

746

78

11.8%

 

インターネット金融事業

 

 

 

 

 

 

売上高

12,792

10,971

△1,821

△14.2%

 

 

営業利益

3,762

3,526

△236

△6.3%

 

暗号資産事業

 

 

 

 

 

 

売上高

1,202

2,315

1,113

92.6%

 

 

営業利益

△338

954

1,292

 

インキュベーション事業

 

 

 

 

 

 

売上高

195

897

702

360.1%

 

 

営業利益

108

440

331

305.3%

 

その他

 

 

 

 

 

 

売上高

1,447

1,790

342

23.7%

 

 

営業利益

△122

△409

△286

 

調整額

 

 

 

 

 

 

売上高

△1,110

△1,114

△4

 

 

営業利益

△80

△36

44

 

合計

 

 

 

 

 

 

売上高

65,593

68,861

3,267

5.0%

 

 

営業利益

10,990

14,436

3,445

31.4%

 

 

各セグメントの事業の内容は、以下のとおりとなっております。

 

事業区分

主要業務

インターネット
インフラ事業

ドメイン事業

・「.shop」、「.tokyo」などのドメインを管理するレジストリ事業

・『お名前.com』、『ムームードメイン』、『VALUE-DOMAIN』で展開するレジストラ事業

クラウド・ホスティング事業

・『お名前.comレンタルサーバー』、『ConoHa by GMO』、『Z.com Cloud』、『クラウドVPS byGMO』、『ALTUS byGMO』、『GMOクラウド Private』、『ロリポップ!』、『heteml』、『30days Album』などで展開する共用サーバー、VPS、専用サーバー、クラウドの提供・運用・管理・保守を行うホスティングサービス

EC支援事業

・『カラーミーショップ』、『MakeShop』で展開するネットショップ構築のECプラットフォームの運営

・CtoCハンドメイドマーケット『minne』の運営

・オリジナルグッズ作成・販売サービス『SUZURI』、『canvath』の運営

・EC事業者・020事業者向け支援サービスなど

・飲食店向けの予約管理サービス『OMAKASE』の運営

・Web制作・運営支援・システムコンサルティングサービスなど

セキュリティ事業

・『クイック認証SSL』、『企業認証SSL』などのSSLサーバー証明書、『コードサイニング証明書』、『PDF文書署名用証明書』、『クライアント証明書』などの電子証明書発行サービス

・電子契約サービス『電子印鑑GMOサイン』

・WEB・スマートフォンアプリの脆弱性診断、ペネトレーションテスト、

セキュリティ事故対応などのサイバーセキュリティサービス

・ブランド脅威対策、模倣品の検知・削除、商標管理システムの提供、ドメインネームの取得・管理などを行うブランドセキュリティサービス

決済事業

・通販・EC事業者向け『PGマルチペイメントサービス』、公金・公共料金等の『自治体・公共機関向けクレジットカード決済サービス』などの総合的な決済関連サービス及び『早期入金サービス』、『トランザクションレンディング』、『即給 byGMO』、『GMO 後払い』などの金融関連サービス

アクセス事業

・『GMOとくとくBB』などのインターネット接続サービス

インターネット広告・メディア事業

インターネット広告事業

・リスティング広告、モバイル広告、アドネットワーク広告、リワード広告、アフィリエイト広告などの総合的なインターネット広告サービス

・企画広告制作サービス

インターネット
メディア事業

・10代女子向けコミュニティサイト『prican』、プログラミング教育ポータル『コエテコ』、ポイントサイト『ポイントタウン』、ゲームプラットフォーム『ゲソてん』、共同購入型クーポンサイト『くまポン』、美容医療のチケット購入サイト『キレイパス』、はたらく女性向け生活情報サイト『michill』などのインターネットメディアの運営及び自社メディアへの広告配信

・SEMメディア事業
SEOの販売

インターネットリサーチ・その他事業

・インターネットリサーチシステムの提供・リサーチパネルの管理・運営『GMOリサーチ・クラウド・パネル』など

インターネット金融事業

インターネット金融事業

・オンライン証券取引、外国為替証拠金取引(FX)、CFD取引などの運営

暗号資産事業

暗号資産交換事業

・暗号資産の現物取引・レバレッジ取引の提供など

暗号資産マイニング事業

・マイニングセンターの運営

暗号資産決済事業

・ステーブルコイン『GYEN』『ZUSD』の提供

インキュベーション事業

ベンチャーキャピタル事業

・インターネット関連企業を中心とした未上場会社への投資事業

 

 

当第1四半期連結累計期間のセグメント別の業績は以下のとおりです。

 

①インターネットインフラ事業

当該セグメントにおいては、インターネットビジネスを手掛けるお客様のビジネス基盤となるサービスをワンストップで提供しています。主な商材は、インターネットにおける住所となる「ドメイン」、データを保管するための「サーバー」、ネットショップ導入のためのプラットフォームを提供する「EC支援」、決済システムを提供する「決済」、これら取引の安全を図る「セキュリティ」です。これら5大商材すべてを自社グループ内で開発・提供しており、いずれも国内トップシェアを有しています。この他、個人向けにインターネット接続サービスを提供するアクセス事業を運営しています。当該セグメントの各事業別の業績は下記のとおりです。

 

1)ドメイン事業

当該事業は、他のインフラ商材の起点と位置づけており、当社やGMOペパボなどの低価格戦略により顧客基盤の拡大が継続しています。当四半期におけるドメイン登録・更新数は239万件(前年同期比49.7%増)、管理累計ドメイン数は947万件(同31.8%増)となりました。これらの結果、売上高は2,594百万円同13.2%増)となりました。

 

2)クラウド・ホスティング事業

当該事業では、お客様の利用ニーズの多様化に対応するため、当社、GMOグローバルサイン・ホールディングス、GMOペパボなどが共用サーバー、専用サーバー、VPS、クラウドの各サービスにおいて多ブランド展開を行っています。一部の個人向けサーバーの需要が軟調に推移し当四半期末の契約件数は111.3万件(前年同期比0.4%減)と微減となりましたが、売上高は5,195百万円同8.0%増)となりました。

 

3)EC支援事業

当該事業では、GMOペパボ、GMOメイクショップなどがネットショップ導入のためのプラットフォームを提供するECプラットフォーム、CtoCハンドメイドマーケット『minne』、オリジナルグッズ作成・販売サービス『SUZURI』、O2O支援サービスなどを展開しています。当四半期末のECプラットフォームにおける有料店舗数は5.1万件(前年同期比9.4%減)と減少しましたが、高価格帯プランへの転換が順調にすすみ流通総額は1,279億円(同5.9%増)となりました。一方、『minne』では、低価格帯作品の流通規模の縮小が続いており流通金額は31億円(同16.2%減)となりました。これらの結果、売上高は3,591百万円同10.1%減)となりました。

 

4)セキュリティ事業

当該事業では、GMOグローバルサイン・ホールディングスを中核として展開するSSLサーバー証明書、電子契約サービス『電子印鑑GMOサイン』などの暗号セキュリティ、GMOサイバーセキュリティbyイエラエで展開するサイバーセキュリティ、そしてGMOブランドセキュリティで展開するブランドセキュリティなど、すべてのひとに安心安全なインターネットを提供するセキュリティサービスを展開しています。『電子印鑑GMOサイン』の契約数・送信件数がともに好調に推移したものの、前年同期には一時的な案件の貢献があったことから、売上高は4,474百万円前年同期比3.9%減)となりました。

 

5)決済事業

 当該事業では、GMOペイメントゲートウェイを中核として、総合的な決済関連サービスおよび金融関連サービスを提供しています。決済関連サービスは、オンライン課金・継続課金分野におけるEC市場の順調な成長に加え、対面においてもキャッシュレス決済市場の拡大とともに次世代決済プラットフォーム『stera』端末等の取扱いが好調に推移しました。これらの結果、決済処理件数・決済処理金額が好調に増加し、売上高は18,061百万円前年同期比17.4%増)となりました。

 

6)アクセス事業

当該事業では、当社が個人向けのインターネット接続サービスを提供しています。自社固定回線数は安定的であるもののセールスミックスの変化により当四半期末の契約回線数は225万件(前年同期比0.4%減)と横ばいとなりました。その結果売上高は9,995百万円同0.2%減)となりました。

 

以上、これらを含めたインターネットインフラ事業セグメントの売上高は45,041百万円前年同期比6.8%増)、営業利益は9,215百万円同31.8%増)となりました。

 

②インターネット広告・メディア事業

当該セグメントにおいては、インターネットビジネスを手掛けるお客様の集客支援サービスを提供しています。当該セグメントの各事業別の業績は下記のとおりです。

 

1)インターネット広告事業

当該事業では、GMOアドパートナーズ、GMO TECHなどが広告代理、アドプラットフォームの提供など総合的なネット広告サービスを提供しています。アフィリエイトは好調に推移したものの、広告代理は一部業種の広告需要の縮小とクライアントの減少により低調に推移しました。これらの結果、売上高は4,351百万円前年同期比6.0%減)となりました。

 

2)インターネットメディア事業

当該事業では、GMOメディアなどが自社メディアの運営を通じた広告枠の提供、サービスを提供しています。自社メディアのPV数の継続的な増加と、自社商材を介した送客支援が好調に推移しました。これらの結果、売上高は3,262百万円前年同期比14.2%増)となりました。

 

以上、これらを含めたインターネット広告・メディア事業セグメントの売上高は8,959百万円前年同期比0.6%増)、営業利益は746百万円同11.8%増)となりました。

 

③インターネット金融事業

当該セグメントにおいては、GMOフィナンシャルホールディングスの連結子会社であるGMOクリック証券を中核として、個人投資家向けのインターネット金融サービスを展開しています。当四半期末における店頭FX取引口座数は、150万口座(前年同期比4.5%増)、証券取引口座が52.7万口座(同3.1%増)と増加しています。店頭FX取引については、円安が一方向に進行したことにより市況のボラティリティが低下し収益は軟調に推移しました。一方CFD取引では、コモディティ指数や株価指数が活況に推移したことにより収益が拡大しました。当四半期にはタイ王国での証券事業において貸倒引当金の繰入はありませんでしたが、店頭FXが軟調に推移したことから減益となりました。

 

以上、インターネット金融事業セグメントの売上高は10,971百万円前年同期比14.2%減)、営業利益は3,526百万円同6.3%減)となりました。

 

④暗号資産事業

当該セグメントにおいては、暗号資産の「マイニング」、「交換」、「決済」に関わる事業を展開しています。当該セグメントの各事業別の業績は下記のとおりです。

 

1)暗号資産マイニング事業

当該事業では、マイニングセンターの運営を行っています。現在、マイニングセンターの稼働が停止しており、売上高は0百万円前年同期比100.0%減)となりました。なお、固定費は抑制されており業績の下振れリスクは限定的です。

 

2)暗号資産交換事業

当該事業では、GMOフィナンシャルホールディングスの連結子会社であるGMOコインなどが、暗号資産の現物取引、レバレッジ取引などを提供しています。当四半期末における取引口座数は、62.6万口座(前年同期比12.1%増)と、顧客基盤が順調に拡大しました。売買代金については、市況の盛り上がりを受けて好調に推移しました。これらの結果、売上高は2,206百万円同139.5%増)となりました。

 

以上、これらを含めた暗号資産事業セグメントの売上高は2,315百万円前年同期比92.6%増)、営業利益は954百万円(前年同期は338百万円の営業損失)となりました。

 

⑤インキュベーション事業

当該セグメントにおいては、GMOベンチャーパートナーズを中核として、キャピタルゲインを目的とした国内外のインターネット関連企業への投資、事業拡大への支援、企業価値向上支援を行っています。保有する投資有価証券の売却があり、売上高は897百万円前年同期比360.1%増)、営業利益は440百万円同305.3%増)となりました。

 

(2) 連結財政状態の分析

<資産、負債及び純資産の状況>

(資産)

当四半期連結会計期間末(2024年3月31日)における資産合計は、前連結会計年度末(2023年12月31日)に比べ179,695百万円増加し、1,937,332百万円となっております。主たる変動要因は、現金及び預金が9,272百万円増加利用者暗号資産が98,375百万円増加有形固定資産が16,706百万円増加投資有価証券が16,586百万円増加証券業等における顧客資産の変動により諸資産(証券業等における預託金・証券業等における信用取引資産・証券業等における有価証券担保貸付金・証券業等における短期差入保証金・証券業等における支払差金勘定)が19,956百万円増加したことであります。

(負債)

当四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ169,435百万円増加し、1,754,232百万円となっております。主たる変動要因は、借入金が39,560百万円増加、社債が4,899百万円増加、預り暗号資産が98,375百万円増加預り金が4,895百万円増加証券業等における顧客資産の変動により諸負債(証券業等における預り金・証券業等における信用取引負債・証券業等における受入保証金・証券業等における受取差金勘定・証券業等における有価証券担保借入金)が17,659百万円増加したことであります。

(純資産)

当四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ10,260百万円増加し、183,099百万円となっております。主たる変動要因は、利益剰余金が1,602百万円増加親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により5,519百万円の増加、配当金の支払いにより1,507百万円の減少、自己株式の消却により2,410百万円の減少)、自己株式が消却により2,410百万円減少、為替換算調整勘定が1,452百万円増加非支配株主持分が6,111百万円増加したことであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結累計期間に係る四半期連結キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、記載を省略しております。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は77百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。