売上高

利益

資産

キャッシュフロー

配当(単独)

ROE

EPS BPS




E04514 Japan GAAP


2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

(1) 経営成績の状況

都市ガスの販売については、発電向け需要の減少等により工業用の需要が減少したこと等から、都市ガス販売量は前年同期比12.4%減7,956百万m3となりました。当第3四半期連結累計期間の売上高は、原料費調整に伴う単価減の影響等により、前年同期に比べ397,573百万円減少し、1,902,621百万円となりました(前年同期比17.3%減)。

また、原油価格下落影響などによる原材料費の減少等から、営業費用は前年同期に比べ324,749百万円減少し、1,739,753百万円となりました(前年同期比15.7%減)。

この結果、営業利益は前年同期に比べ72,824百万円減少し、162,868百万円となり(前年同期比30.9%減)、また、経常利益も67,753百万円減少し、170,545百万円となりました(前年同期比28.4%減)。これに加え、特別利益として投資有価証券売却益2,499百万円、長期貸付金評価益2,573百万円を計上し、法人税等を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は52,542百万円減少し、115,555百万円となりました(前年同期比31.3%減)。

セグメント別の業績は、以下のとおりです。

なお、当第3四半期連結会計期間より、地域行政・自治体に対するサービス提供体制の見直しを実施したことに伴い、従来ネットワークセグメントに含んでいた事業に係る収益及び費用の一部を、エネルギー・ソリューションセグメント、及び各報告セグメントに配分していない全社費用に含めるよう変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいています。

① エネルギー・ソリューション

都市ガス販売量について、家庭用は高気温影響による需要減等により前年同期に比べ8.5%減少1,679百万m3となりました。また、業務用及び工業用は発電向け需要の減少等により15.4%減少5,150百万m3、他事業者向け供給は3.0%減少1,127百万m3となり、合計では12.4%減少7,956百万m3となりました。

電力販売量について、小売は件数増等により前年同期に比べ15.2%増加し、9,446百万kWhとなりました。また、卸他は卸供給先の需要減等により48.0%減少8,951百万kWhとなり、合計では27.6%減少18,397百万kWhとなりました。

売上高は1,735,319百万円と前年同期に比べ395,788百万円減少しました(前年同期比18.6%減)。営業費用は1,577,690百万円と前年同期に比べ350,321百万円減少しました(前年同期比18.2%減)。持分法による投資利益は1,275百万円と前年同期に比べ1,245百万円増加しました。この結果、セグメント利益は158,904百万円と前年同期に比べ44,222百万円減少しました(前年同期比21.8%減)。

② ネットワーク

売上高は215,538百万円と前年同期に比べ7,438百万円減少しました(前年同期比3.3%減)。営業費用は237,033百万円と前年同期に比べ578百万円増加しました(前年同期比0.2%増)。この結果、セグメント損失は21,495百万円となり前年同期に比べ8,016百万円悪化しました。

③ 海外

売上高は99,187百万円と前年同期に比べ29,004百万円減少しました(前年同期比22.6%減)。営業費用は68,244百万円と前年同期に比べ1,533百万円減少しました(前年同期比2.2%減)。持分法による投資利益は1,657百万円と前年同期に比べ3,923百万円減少しました(前年同期比70.3%減)。この結果、セグメント利益は32,599百万円と前年同期に比べ31,395百万円減少しました(前年同期比49.1%減)。

④ 都市ビジネス

売上高は53,089百万円と前年同期に比べ6,825百万円増加しました(前年同期比14.8%増)。営業費用は37,436百万円と前年同期に比べ3,574百万円増加しました(前年同期比10.6%増)。持分法による投資利益は561百万円と前年同期に比べ33百万円減少しました(前年同期比5.7%減)。この結果、セグメント利益は16,214百万円と前年同期に比べ3,218百万円増加しました(前年同期比24.8%増)。

 

なお、参考のため、セグメント別の売上高及び構成比を示します。

セグメント

前第3四半期連結累計期間

(自 2022年4月1日

至 2022年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自 2023年4月1日

至 2023年12月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

エネルギー・

ソリューション

2,131,107

84.3

1,735,319

82.6

ネットワーク

222,976

8.8

215,538

10.2

海外

128,191

5.1

99,187

4.7

都市ビジネス

46,264

1.8

53,089

2.5

合計

2,528,539

100.0

2,103,135

100.0

調整額

△228,344

△200,513

連結

2,300,194

1,902,621

 

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

株式会社の支配に関する基本方針について重要な変更はありません。

 

(3) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費総額は4,963百万円です。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(4) 主要な設備

前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりです。

アメリカ合衆国テキサス州に所在するTG Natural Resources LLCが当連結会計年度の投資予定額を149百万米ドルに変更しました。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因

事業推進上の外部リスク要因

① 原料購入価格変動リスク

当社グループが供給する都市ガスの主要原料であるLNGは海外から輸入しており、ドル建ての売買契約になっているため、円/ドル為替の変動リスクを受けます。また、ドル建てのLNG価格は主として原油価格に連動して決定されるため、国際原油価格市場の変動リスクも受けます。

ただし、原料購入価格が変動しても変動分について最大5ヶ月遅れ(注1)で都市ガス料金に反映する「原料費調整制度(注2)」が適用されるため、年度を区切ると回収超過や回収不足が発生(スライドタイムラグ)しますが、中長期的には収支への影響は軽微です。

為替及び原油価格の変動が第4四半期連結会計期間の当連結会計年度の売上総利益に与える影響額は、以下のとおりです。

為替:1円/ドルの円安により、約11億円減

原油価格:1ドル/バレルの価格上昇により、約1億円減

当連結会計年度見通しにおける年平均為替相場と原油価格は、前連結会計年度がそれぞれ135.50円/ドル、102.67ドル/バレルであったのに対し、それぞれ143.74円/ドル、84.93ドル/バレルを想定しています。

(注) 1 都市ガス料金への反映は、契約により5ヶ月遅れではない場合もあります。

2 調整の上限があり、原料費調整制度に基づき算定される平均原料価格(1トン当たり)が、2022年3月から5月までの平均原料価格の160%を超過した場合には超過分は未回収となります。

 

② 気温変動リスク

当社グループの年度売上高の過半が都市ガスの販売によるもので、その販売量は気温の影響を受けます。家庭用においては、主な都市ガスの利用目的は給湯・暖房であるため、暖冬の場合には都市ガスの販売量が減少し減収・減益要因となります。業務用においては、主な利用目的が空調であるため、夏場においては気温が低い場合、冬場においては気温が高い場合に、それぞれ都市ガス販売量が減少し減収・減益要因となります。

当第3四半期連結累計期間の平均気温(※)は20.6℃でしたが、当連結会計年度の平均気温は通期で17.4℃を想定しています。

(※)平均気温は、各日における平均気温を月間で平均したものです。

③ 金利変動リスク

当社の有利子負債は、長期・短期ともに概ね固定金利であるため、借入れ期間中の金利変動リスクは軽微ですが、借換え時等においては金利変動のリスクを受ける可能性があります。

④ 株価変動リスク

当社の保有する株式のうち、上場株式の株価はマーケットリスクに晒されています。保有株式の取扱いについては、管理規則を設けています。

 

(6) 財政状態の分析

当第3四半期連結会計期間末は全体的に為替の影響を受けるなか、総資産は、前連結会計年度末から319,579百万円(8.9%)増加し、3,901,004百万円となりました。これは、主にRockcliff Energy II LLCを買収したことによる鉱業権の増加があったこと等によるものです。

負債は、前連結会計年度末から208,922百万円(10.5%)増加し、2,201,046百万円となりました。これは、未払法人税等が減少したものの、コマーシャル・ペーパー発行によるその他流動負債の増加や社債の増加があったこと等によるものです。

純資産は、前連結会計年度末から110,657百万円(7.0%)増加し、1,699,958百万円となりました。これは、自己株式の市場買付や剰余金の配当等により株主資本が12,724百万円減少したものの、為替換算調整勘定の増加等によりその他の包括利益累計額が120,606百万円増加したこと等によるものです。

総資本の増加率に比べ、自己資本(株主資本及びその他の包括利益累計額の合計)の増加率が小さかった結果、自己資本比率は42.7%0.8ポイント減少しました。

 

(7) 経営計画上の客観的な指標等

2023年2月22日発表の「東京ガスグループ 2023-2025年度 中期経営計画」に基づき、事業ポートフォリオマネジメントの強化を通じて、健全な財務体質と成長投資を両立し、持続的な成長・企業価値向上を実現していきます。

① 投資・資本効率性

投資に伴うリスク及び採算性に留意し個別の投資判断を行うとともに、投資効率の維持・向上及び株主資本の有効活用に努めます。また、稼ぐ力を考慮した投資・資産売却により、資産効率性を向上していきます。

具体的には、ROA(総資産利益率)・ROE(自己資本利益率)を主要経営指標と位置付け、2025年度における到達点を、ROAは4%程度、ROEは8%程度と定め上記の実現を図ります。

② 財務体質

現在の資金調達力を維持し財務健全性を確保するとともに、資本コストを意識した最適な資本構成の実現に努めます。

具体的には、D/Eレシオ(負債資本倍率)を主要経営指標と位置付け、2025年度における到達点を0.9倍程度と定め上記の実現を図ります。

③ 株主還元

配当に加え、消却を前提とした自己株式取得を株主還元の一つとして位置付け、総還元性向(連結当期純利益に対する配当と自己株式取得の割合)は、各年度4割程度を目安とします。

また、配当については、安定配当を維持しつつ、中長期の利益水準を総合的に勘案し、成長に合わせて緩やかな増配を実現していきます。

n年度総還元性向=((n年度の年間配当金総額)+(n+1年度の自己株式取得額))÷n年度連結当期純利益