E04888 Japan GAAP
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、海外経済の回復に牽引された製造業や需要堅調な情報サービス業を中心に回復傾向にありましたが、後半は半導体不足による自動車減産や新型コロナウイルス感染症の感染拡大により緊急事態宣言が再発令されたことによる個人向けサービス業の悪化もあり再び停滞局面に入りました。
当社グループの関連する建設業界におきましては、オリンピック・パラリンピック前の追い込み需要があった前連結会計年度には及ばないものの、関西地区での大型プロジェクト工事着工など公共工事を中心に一定の工事量は確保されています。また、新型コロナウイルス感染症の影響も一部の鉄道関連工事などにとどまり大きくはありません。しかしながら、マーケットの縮小に伴い同業者間での競合が激しくなってきています。
このような状況において当社グループは、中期経営戦略「マンパワー経営」の四年目として、生産効率の向上に注力するとともに、従来の機械レンタルに加えて建設現場の効率化と安全に寄与する独自開発の建築・土木DXへの取り組み(※)や工事現場周辺の環境改善に対する提案に注力した営業活動をおこないました。
その結果、当第2四半期連結累計期間の売上高につきましては、90億55百万円(前年同四半期比89.2%)となりました。内訳としましては、賃貸収入が64億27百万円(同82.8%)、その他の売上高が26億27百万円(同110.0%)であります。
また、営業利益につきましては8億38百万円(同63.5%)、経常利益につきましては7億71百万円(同59.5%)、親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては4億88百万円(同56.4%)となりました。
(※)建築・土木DXへの取り組み
1.これまでの当社の建築・土木DXへの取り組み
当社は、10年以上前から、ICタグを活用したレンタル建機管理システムを導入し、その後も、建設・土木現場の労務管理(出勤、キャリア形成)、工事の進捗管理、建機の不具合診断アプリ等のシステムを、自ら要件定義をして開発してきました。また、並行してそれらの外販や建築・土木関連企業に対してシステム開発の支援もおこなっています。
当社はシステム開発の際に、①現場の技能者の声を拾って、②現場の技能者が使いやすいシステムを開発し、③現場の技能者への定着を推進し、④現場の変化に合わせて改善サイクルを推進する、という「4つ現場の技能者密着主義」の開発姿勢を重視しています。
そうした姿勢により、すべての開発を自らの主導により手掛け、現場の困りごとをカスタマイズすることに力点を置いてきました。これらの姿勢をさらに強化するために、2018年にシステム・ソリューション推進室を設置し、「4つ現場の技能者密着主義」を体系化することで、現場から受け入れられ、かつ大手ゼネコン本社からも評価されるシステム開発力を強化しているところです。
2.建築・土木業界におけるDXの動向と課題、及び当社のスタンス
すでに多数の建築・土木のDX関連の製品が開発されていますが、当社のように4つの視点で、現場の技能者に密着した開発プロセスをすべて一社で対応しているところは、当社の知る限り、主要DX開発企業でほとんど見当たりません。また、既存製品は、全体的な建築・土木バリューチェーンにおける最適な価値創造という視点というよりも、特定の文脈に対応するものが多く、製品の間の開発思想の差異も大きいものがあります。
こうした状況の中、当社としては、既存のDXの取り組みの延長だけでは、現場の人・もの・こと(作業)をすべてつなぎ、日々変化する現場進捗状況を全体的にリアルタイムに把握して最適な施工・機材管理を行うDXプラットフォームの構築は困難であると考えています。端的に言えば、既存DX製品をつなぐより、ゼロから開発をおこなったほうが、全体的な建築・土木バリューチェーンにおける最適な価値創造を推進するための近道であると、当社は考えています。
また、建築・土木のDXの中で注目されている、いわゆる「i-Construction」の動きでは、省力化を重視しているため、無人化・完全自動化への取り組みは多いですが、現場での困りごとに対応する人とシステムの最適融合への取り組みはさほど活発ではありません。
以上のような環境の中で、当社の持つ「4つ現場の技能者密着主義」のノウハウを生かして、人とシステムの最適融合を図る建築・土木DXシステム開発の取り組みを強化することにより、新たに生じる事業機会は豊富にあると考えています。
3.これからの当社の建築・土木業界におけるDXへの取り組み
今後の外部環境を見ると、インフラ老朽化による建設・土木需要は今後も堅調に伸びていく中で、人手不足の深刻化に対応するために、現場に根ざして要件定義・開発して人の力を最大化する「建設・土木の施工・機材管理DXプラットフォーム」の構築が求められています。高齢な技能者の引退、時間外労働や週休二日の厳格適用、増大する安全管理・法令規制対応など、今後2~3年で人手不足の状況はさらに悪化していくと思われるため、当社は同プラットフォームの構築は喫緊の課題であると考えています。
こうした中で、当社は、大手ゼネコン本社、建築・土木の現場の双方から評価される、現場に熟知したノウハウを利用したシステム開発のサポートを一層進めていく予定です。そうした取組をベースに、現場における人・もの・こと(作業)のすべての情報をつなぎ、現場の資源を最適活用し、業界の困りごとを業界横断的に解決する「建設・土木の施工・機材管理DXプラットフォーム」についてR&Dを強化し、その構築に貢献する将来的な事業機会の在り処を具体的に探っていく動きを本格化していく予定です。
具体的には、これまで培ってきた開発ノウハウをベースに、最適な外部ITベンダーとの提携や大手ゼネコンとの共同開発などについて検討し、建築・土木業界及び、当社にとって最適な座組のあり方について構想しながら、長期的な事業成長のための戦略を構築していく予定です。また、具体的な戦略が固まり次第、随時開示していく予定です。
(財政状態)
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、223億76百万円と前連結会計年度末に比べて5億14百万円(2.4%)の増加となりました。これは、売上債権の増加2億50百万円に加え、貸与資産の増加1億99百万円及び設備立替金の増加1億60百万円があったためであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債は、115億44百万円と前連結会計年度末に比べて3億円(2.7%)の増加となりました。これは、未払消費税等の減少3億19百万円及び社債の減少1億27百万円があったものの、借入金の増加5億73百万円に加え、設備未払金の増加1億25百万円及びリース債務1億11百万円があったためであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末の純資産は、108億31百万円と前連結会計年度末に比べて2億13百万円(2.0%)の増加となりました。これは、剰余金の配当や自己株式の処分などがあったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことにより、利益剰余金が1億96百万円増加したためであります。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1億1百万円減少し、33億23百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、40百万円(前年同四半期は9億90百万円の獲得)となりました。これは、主な減少項目として賃貸資産の取得による支出3億96百万円に加え、法人税等の支払額3億21百万円及び売上債権の増加額1億63百万円があったものの、主な増加項目として税金等調整前四半期純利益7億71百万円の計上に加え、減価償却費4億90百万円があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、99百万円(前年同四半期は2億65百万円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出49百万円があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、42百万円(前年同四半期は4億21百万円の使用)となりました。これは、主な増加項目として長期借入れによる収入10億円があったものの、主な減少項目として配当金の支払額2億91百万円に加え、長期借入金の返済による支出5億82百万円及び社債の償還による支出1億27百万円があったためであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上の及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。